大人の学習障害

学習障害

大人の学習障害

学習障害は、知的な発達の遅れがなく「読む」「書く」「計算する」などの困難がみられます。

また、学習の中でも特定の領域が困難であるため、限局性学習障害とも呼ばれます。

聴覚や視覚など身体的に異常がみられない学習障害は、大人になってから気づくケースも少なくありません。

カイロプラクテイック心は、発達障害に有効なBBIT認定療法士であり、脳機能からのアプローチを得意としています。

大人の学習障害でみられる困難を少しでも克服して、仕事を頑張りたい方は一度ご相談ください。

大人の学習障害

学習障害は、発達障害の1つです。

また、困難を感じる度合いに個人差はありますが、「読む」「書く」「計算」「聞く」「話す」に苦手を感じます。

学習障害について詳しくはこちらもご参考ください。

大人になって気づく

学習に困難を感じている以外は、周りと比べても変わりがみられないことから、「勉強が苦手なだけ」と思われていることも少なくありません。

また、相談できずにいると自身も学習障害に気づかず学校生活を送ることになります。

そして、仕事で困難を感じることが多くなり、悩みやストレスがさらに増え2次障害(うつ、不眠症など)を引き起こすこともあります。

仕事での困りごと
  • メール、チャットでの仕事の指示を読むことが困難(理解に時間がかかる)
  • マニュアルを読むことに時間がかかり仕事が遅れる
  • 口頭での指示を理解することが困難(メモをとることが難しい)
  • 字が汚い
  • しゃべることが苦手で相手に伝わらない
  • 計算の苦手から見積書、報告書などの資料作成が困難
  • クライアントからの電話の内容を理解することが難しい

このように学校では困らなかったことが仕事上では表面化することがあり、学習障害と気づいていない場合は自信を失いストレスが大きくなりやすいです。

学習障害を疑ったときの対処法

「読む」「書く」「計算」「聞く」「話す」の苦手と感じた場合は、病院や発達障害支援センターの早めに相談することをお勧めします。

病院で学習障害と診断されれば、理解ある会社に就職出来たり、カウンセリングや環境調整のアドバイスにより心身の負担が軽減する可能性があります。

しかし、発達障害の支援に課題も多く、すべての問題を解決しきれないことが現状です。

大人の学習障害の問題点

手厚い支援により、やりがいのある仕事に就ける可能性もありますが、学習障害の特性が改善されたワケではありません。

そのため、日常生活では常に環境調整が必要であり、災害、旅行などにより環境が変わると困難に直面する可能性があります。

また、発達障害の認知度もあがり以前より理解は深まっていますが、自分の特性を理解してもらえる職場は多くはないようです。

自信の喪失

困りごとがあり、仕事に支障が現れると自分の能力や自信を低下させる機会が多くなります。

それが結果として、大きなストレスや不安感が増大します。

ストレスや不安感は、脳機能を低下させる起因ともなるため、悪循環に陥りやすいです。

また、2次障害(うつ、不安障害、不眠症)による健康の問題も生じやすくなります。

学習障害を脳機能から紐解く

学習障害は、先天的な脳機能異常と考えられています。

しかし、こどもではありますが学習障害を含めた発達障害でみられる困難を克服するケースは少なくありません。

また、研究でも学習障害の特性が改善された報告もあります。

このようなことから、学習障害は必ずしも克服できない障害ではありません。

カイロプラクテイック心では、脳機能を評価し学習障害の苦手とする問題を紐解きます。

脳の左右差

脳は左右の大脳皮質で優位性が異なります。(例えば、言語であれば左大脳皮質が優位に働きます)

学習障害を左右差で考えた場合、左側大脳皮質の機能低下がみられることが多いです。

左側の大脳皮質は、言語だけではなく計算、順序たてて考察、説明するなどを優先的に行います。

そのため、左脳の大脳皮質低下は以下のような問題がみられます。

  • 読む能力が乏しい
  • 聞いたことを処理して実行することが困難
  • 事実や数的記憶が苦手
  • 計算が苦手
  • 順序つけの能力が苦手
  • 言語記憶が乏しい
  • 細部に集中できない
  • ポジティブでモチベーションを維持することが難しい
  • 引っ込み思案
  • 手先が不器用(とくに右手)

引っ込み思案、人見知り、モチベーションが低い、ネガティブ感情なども手伝い他人に学習障害を理解してもらいにくい側面もあります。

それが結果として、悪循環に陥り大人になるまで学習障害に気づかないこともあります。

ただ、相手の感情を理解する共感性は高く、人見知りを克服できると周りの状況を読むことが上手いため、リーダー的存在になることもあります。

言い換えれば、学習障害であっても自信を失う必要はなく、社会を引っ張っていく存在になり得ます。

大脳皮質の局在性

脳は領域によっても働きが異なります。

例えば、以下のような局在性があります。

  • 背外側前頭前野(前頭葉)⇒ワーキングメモリー、計画に実行
  • ブローカー野(前頭葉)⇒言語、会話の生成
  • 側頭葉⇒言語理解、記憶の問題、音の認識など
  • 頭頂葉⇒一次感覚情報の統合、解析など
  • 後頭葉⇒視覚情報の認識

このような局在性はありますが、単独で働くのではなく、それぞれの領域と相互作用しながら情報を処理し、適切なアプトプットを行います。

例えば、字を読む場合は視覚から文字の情報を後頭葉がまず認識し、その情報を頭頂葉で音声に変換し、前頭葉で言葉で発せられるように指令を送ります。

学習障害で音読が苦手な場合、「視覚機能の問題」「視覚情報の認識の問題」「文字を音声に変換する問題」「発声の問題」など問題点によって行うべきトレーニングは違います。

感覚

大脳皮質は情報を統合および処理し、適切な行動がとれるよう指令を出します。

そのため、情報がなければ活動はできません。

では、何の情報が必要でしょうか?

視覚、聴覚、嗅覚、体性感覚(触覚、固有受容感覚)平衡感覚などあらゆる感覚の情報が必要です。

学習障害で例えると以下の感覚情報が必要です。

  • 読む⇒視覚機能(目で文字を正確に捉える)
  • 聞く⇒聴覚機能(言葉を正確に聞き取る)
  • 書く⇒体性感覚(鉛筆をもつ力加減、書くために適切な肩、肘、手首の関節の位置を保つ)
  • 計算⇒視覚機能(数字を正確に捉える)

このように人が行動するためには感覚からの情報が必要不可欠です。

そして、学習障害も例外ではなく視覚機能の問題や固有受容器の問題がみられることが多く、それらを解消することで学習の困難が緩和されることもあります。

無意識下の行動を調整する小脳

日常的には無意識で行動することが多いです。

例えば、話すときに「あ」の発音をする場合に意識して「あ」の口の開き方をしないように無意識下で体をコントロールできることが多いほど体の疲労感はなく脳へのストレスも減ります。

また、話しながら歩いたり、作業をしながら次の予定を想起したりするためにも無意識下で体をコントロールできることは大切です。

その無意識下で、体をコントロールするために重要な役割を果たしているのが小脳です。

学習障害の脳研究

学習障害を脳機能からみた研究を紹介します。

読解の問題として視覚経路(腹側視覚路、背側視覚路:後頭葉、頭頂葉、前頭葉のネットワーク)、左側の前頭葉(下前頭回、海馬)の機能低下がみられました。

算数障害では頭頂葉(下頭頂部)側頭葉(側頭頭頂部)、書字障害では右小脳、左頭頂葉の問題が示唆されました。

そして、介入も早期(小学3年生まで)に行うほうが、学習の困難が改善される研究報告があります。

参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29198282/

大人の学習障害は改善される?

ここまで解説してきたように大脳皮質の機能低下、感覚情報の問題などによって学習障害が引き起こされているケースがあります。

そのため、学習の困難を改善させるために脳機能の向上を図るアプローチが有効となります。

カイロプラクテイック心のこどもの学習障害アプローチもご参考ください。

大人とこどもの学習障害へのアプローチの大きな違いは、「限定的な神経ネットワークへのアプローチの必要性」「長期的な計画」の2点が挙げられます。

そして、小さな課題でもクリアすることを積み重ね、自信を取り戻していくことも大切です。

限定的な神経ネットワークへのアプローチ

発達段階にあるこどもは、日常生活で友達と遊んだり、両親と過ごしたりするだけでも脳機能は成長します。

そのため、脳機能も左右差といった大まかなアプローチでも変化は現れやすいと考えられます。

それに対して大人は発達を終え脳が成熟した状態でるため、左右差ではなく課題を解決するために必要な神経ネットワークを限定し、それらを活性化させる必要があります。

長期的な計画

研究のほとんどが8~12週/週3~5日の日数をかけて、プログラムされたリハビリを実施し、効果の判定を行います。

そのため、少なからず12週(約3ヶ月)の計画で対応していくことが重要となります。

ただ、12週間全く変わらないワケではなく、日常生活に大きな変化はみられなくとも身体評価でみられる小さな変化がみられます。

小さな変化を繰り返し、今までできなかったことを少しづつクリアしながら、自信を取り戻していくことも重要ではないでしょうか。

大人の学習障害 評価、アプローチ

カイロプラクテイック心は脳機能の評価も行い、脳の可塑性を利用したアプローチを行います。

学習障害の評価

  • 脳機能評価シート(100問以上)
  • カウンセリング
  • 神経機能評価

身体評価、カウンセリング、質問票などで、お困りごとに対してアプローチすべきポイントを絞るために、しっかりと評価を行います。

また、学習障害にも症状があれば、それらに対応した評価も行います。

アプローチ方法

脳の可塑性を利用したアプローチとなります。

カイロプラクティック

関節や筋肉へのアプローチは、体性感覚への刺激となり、それが大脳皮質への刺激となります。

また、呼吸機能を回復させ神経系にも十分な酸素を供給するためにも筋骨格系へのアプローチも有効です。

頭蓋骨療法、内臓マニュピレーションなど症状に合わせたテクニックで対応いたします。

感覚エクササイズ

脳機能への刺激は、運動、ビジョントレーニングなどが有効です。

カイロプラクテイック心では評価に基づき、活性化させた脳領域の機能に合わせてエクササイズをプログラムいたします。

感覚エクササイズについてはこちら

食事サポート

学習障害を含めた発達障害では、胃腸障害を併発していることもあります。

また、腸は脳と相互作用があるため、脳機能を向上させるためにも腸内環境を改善させていくことは有効です。

そのため、カイロプラクテイック心では食事サポートも行っています。

大人の学習障害のストレスを取り除く

学習障害といっても、大人の場合でも身体症状(頭痛、不眠、自律神経症状など)精神症状(不安感、ストレス過多など)など多くの症状を抱えていることが多いです。

学習障害のお悩みだけではなく、身体的な症状もあればご相談ください。

研究でも学習障害による成人のストレスは大きいとされており、2次障害の発症が危ぶまれています。

まずは対処にはなりますが、身体的な症状を緩和させながらストレスを軽減していきましょう。

そして、セルフケアとして脳機能を向上させるエクササイズなどを実施し、長期的な計画で学習障害のお悩みを解決できたらと考えています。

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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