外反母趾は、足の親指が人差し指側に曲がり、痛みに耐えながら生活している人も多いです。
重度となり、骨の変形が進行すると手術が必要となります。
しかし、変形が進行する前に外反母趾となる原因を解決する対策をすれば、痛みが改善され快適な生活を送ることができます。
ここでは、外反母趾の原因、対策、改善方法などを足関節の問題解決が得意なカイロプラクターが解説します。
外反母趾でお悩みの人は、ぜひ続きをお読みください。
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外反母趾とは
外反母趾は、親指が中足趾節関節(MTP関節)から人差し指に向かって20度以上曲がってしまう疾患です。
外反母趾の有病率は、18〜65歳の成人が23%、65歳以上の高齢者が35.7%と加齢によって増加傾向がみられます。
また、女性の方が多くみられます。(男性13%女性30%)
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2955707/
一般的に親指の曲がった角度が20~30度は軽度、30~40度は中等度、40度以上は重度に分類されます。
外反母趾の症状
外反母趾は見た目が変るだけではなく、以下の症状がみられます。
- 母趾の痛み(MTP関節部分)
- 歩行障害(歩幅および歩行速度の減少など)
- バランス感覚の低下
- 転倒リスクの増加(とくに高齢者)
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15960916
外反母趾の痛みは、一般的に「ズキズキする」と表現されることが多いです。
さらに高齢になると、転倒リスクにもつながります。
バランス感覚の低下、歩行障害は、足以外の症状につながるリスクもあるため、痛みがなかったとしても早期に対策していくことが大切です。
外反母趾 病院治療
外反母趾の治療は、保存療法(薬物療法、装具、運動療法、靴指導など)と手術に分けられます。
薬物療法
抗炎症薬(患部に塗布するクリーム、湿布、経口薬)によって、痛みを軽減させます。
外反母趾の進行を止めることはできないため、薬物療法以外の対策も必要です。
装具
トースプレッダーが使用され、改善効果も期待できますが、身体的な原因や靴の問題が解決されないと一時的な改善しか見られないことが多いです。
他には作業療法士が在中する病院は、インソールを作成してくれるところがあります。
ただ、インソールの作成知識や技術によって効果が得られないこともあります。
運動療法
主に行われるのは、足指の運動です。
外反母趾の体操は、ゴム紐を両足の母趾にかけて離す方向に力を入れるHohmann体操が有名です。
しかし、この体操だけでは改善がみられないケースも少なくありません。
靴指導
自分に合った靴を履いていない人が多く、女性ではハイヒール・パンプスなど先が細い靴が外反母趾の原因と言われています。
そのため、自分に合った靴の指導、ハイヒール・パンプスの使用禁止などの指導が行われます。
手術
外反母趾の痛みが改善されず、変形が進行すると手術が提案されます。
手術方式は色々ありますが、親指の骨(中足骨)を切る手術です。
手術してすぐ完治ではなく、骨の癒合、リハビリなど約3ヶ月の完治期間が必要とされています。
手術費用は20~30万、手術以前の生活習慣であると痛みが再燃するリスクもあるため、手術となる前に対策が必要ではないでしょうか。
外反母趾の原因は?
外反母趾は、自然と原因もなく親指が曲がっていくことはありません。
足の親指に対して、外反母趾となる負担がかかる原因が必ずあります。
そのため、原因をどう解決していくかが外反母趾の改善、予防には大切となります。
遺伝(生まれつき)
足を含めた骨格の構造は遺伝的に似るため、家族に外反母趾がみられるようであれば、外反母趾になる可能性があります。
遺伝的なリスクとしては、関節の柔らかさ、人差し指が長いなどが考えられます。
関節が柔ららければ、関節は不安定で変形はしやすいです。
人差し指が長いとウォーキングやランニングの着地時に人差し指を軸回転の負荷が大きくなるため、外反母趾になりやすと考えられています。
ただ、生まれつき変形しているわけではないため、靴やインソール、歩き方などによって予防、改善も可能です。
足底アーチの崩れ
回内足・開帳足など足底アーチが崩れると、指の幅が広がるため(写真の矢印部分)、靴や歩き方によっては外反母趾方向への負担が大きくなります。
足底アーチが崩れる原因に靴や歩き方、身体的問題があります。
靴
足底アーチは、8歳までに形成されると言われています。
そのため、幼少期に合わない靴、運動に適さない靴などを履いていると、その時点で足底アーチが崩れやすくなります。
ハイヒールやパンプスも外反母趾の要因とはなりますが、歩き方、足指の使い方が問題なければ、カイロプラクティック心は問題ないと考えています。
反対に痛みを和らげるために靴幅の広い靴を履いたり、靴ひもを緩めすぎたりすると靴の中で足がズレ動くため、足底アーチが崩れ結果として外反母趾が悪化します。
歩き方
靴の文化が定着することによって、足指を使わずに歩くことが多くなりました。
そして、足指に重心が移動せず、親指の付け根でブレーキをかけるような歩き方を継続すると外反母趾となります。
とくに男性では、ガニ股で歩く人も多く親指の付け根に負担がかかります。
下肢のアライメント不良
この図は各関節の動きの連鎖を現しています。
股関節の内旋方向(内股)へのアライメント不良がみられると、回内足を増長しやすいです。
外反母趾は母趾の問題だけではなく、下肢のアライメント不良を改善したほうが良いケースは多いです。
また、上半身からの影響による下肢のアライメント不良もあるため、全身を評価する必要があります。
筋肉のアンバランス
足裏にも複数に小さい筋肉が存在します(図を参照)
とくに母指内転筋横頭、斜頭、母趾屈筋内側頭(赤ライン)が過活動および廃用性収縮(使わなさすぎで起こる)などによって、母趾を内側へ引っ張ることがあります。
運動療法によって母趾外転筋(青ライン)を動かすことで解消されるケースもありますが、手技療法によって伸張リリース、ストレッチなどを行ったほうが効果的です。
神経機能の低下
足底は屈曲反射、バビンスキー反射などの神経反射があり、神経機能が低下することで足底の反射にエラーが生じることで外反母趾を増長させていることがあります。
神経機能は身体の各関節、筋肉などの組織とお互いに協力して身体を正常に保つため、神経機能の低下により筋バランスの崩れ、歩行異常もみられます。
変形が進行していないにもかかわらず、色々な治療を受けたけど外反母趾の痛みが改善されない人は、このような神経機能の低下がみられることがあります。
カイロプラクティック心の外反母趾アプローチ
カイロプラクティック心は、外反母趾の部分だけではなく全身の関節や筋肉、神経機能の評価を行い、外反母趾の核心となる原因を探ります。
人それぞれ違う原因に合わせたアプローチ方法で施術を行うとともに早期改善を目指してホームケア方法、靴の選び方、生活習慣の見直しなどのアドバイスもさせていただきます。
足底アーチの崩れ(関節障害、筋骨格系の問題)⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント
下肢のアライメント不良(バイオメカニクス異常、モータコントロール異常)⇒NKT・神経機能評価・神経系エクササイズ
筋肉のアンバランス(筋筋膜性)⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック
神経機能の低下⇒神経系エクササイズ、カイロプラクティックアジャストメント
フォーム、身体の使い方の問題⇒エクササイズ指導
カイロプラクティック心は施術歴15年以上の三重県では数人しかいない第一種認定カイロプラクターである施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。
また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。
痛みの改善だけであれば、施術だけでも可能です。
外反母趾のテーピング
カイロプラクティック心では、足の機能を維持、向上させることを目的にテーピングを使用します。
どのようにしたら母趾が使いやすくなるか、アーチが維持しやすくなるかなどを考えて、テーピングをさせていただきます。
外反母趾インソール
カイロプラクティック心は、3点バランス保持理論のBALANCEインソールの代理店です。
3点バランス保持理論は以下のとおりです。
もともと人間は足裏の踵骨、親指根元の種子骨(拇趾球)、小指根元の中足骨(小趾球)の三点を支点として、二足歩行が可能となりました。 三点BALANCE保持理論とは、この三支点にバランス調整を行うことで、より支点保持力を高め、内外の縦足弓や横足弓の働きを活性化させて、 質の高い重心バランスに調整すると共に、「第2の心臓」として循環機能を活性、補助させる事を目的としています。
足底アーチの崩れがみられる場合は、インソールを利用することで早期の改善が目指せます。
※強制的に購入していただく必要はございません。
カイロプラクティック心は足の専門知識があります
カイロプラクティック心は、現在販売しているインソールだけではなく、以前は足型をとりその人に合ったパーツ選択してオーダーメイドインソールを作成するために身体評価もしていました。
このような経緯からインソールについてのメリット・デメリットまで幅広くアドバイスさせていただきます。
カイロプラクティック、整体でも足の各関節、筋肉をしっかりと検査して施術できるところは多くはありません。
カイロプラクティック心は、インソール作成業務にも携わってきたこともあり、足からの調整は得意です。
靴・ホームケア指導
外反母趾の原因の1つは間違った靴選びにあるため、ハイヒール、パンプス、スニーカーなど日常で履く靴の選び方を指導させていただきます。
ハイヒール・パンプスなどでも履くための歩き方、トレーニングによっては外反母趾を予防しながらオシャレを楽しむことも可能です(それなりの努力が必要ですが)
足の機能を取り戻すホームケア
外反母趾は、足底のアーチがほとんど崩れており、病院で指導される指のエクササイズ(Hohmann体操)だけでは回復が難しいケースも多いです。
また、カイロプラクティックでも足の機能を取り戻せていなければ、再発リスクも高く見た目も変わりません。
そのため、カイロプラクテイック心では、足の機能を取り戻すために足底アーチを回復させるエクササイズを指導します。
そうすることで、痛みの再発リスクも激減し、足指の形も戻りやすいです。
ただ、足指の形を戻すためには数年単位が必要となることはご理解ください。
その理由の1つとしては、足指を開く簡単な動作も困難であるケースがほとんどであり、段階的に足指や足底アーチの機能を取り戻す必要があるからです。
痛みが消失すれば、高頻度で通うことなくエクササイズ指導⇒宿題を繰り返しご自宅でのトレーニング中心となります。
※変形が進行しており、骨の癒合が始まっている場合は、足の形が戻ることはありません。
外反母趾対策でお洒落も楽しむ
外反母趾は、早めに対応することで手術なしで十分に対応できる病気です。
また、本人次第ですがハイヒールやパンプスなど外反母趾を気にせずにお洒落を楽しむこともできます。
ハイヒールやパンプスを履きたいけど医師からは止められた人は、一度ご相談ください。
外反母趾を放置すると健康にも悪影響を及ぼす可能性もあるため、高齢になっても健康でいたい、趣味のスポーツをいつまでも続けたい人は早めに対応することをおすすめします。
一緒に外反母趾を改善して、オシャレや人生を楽しみましょう。