花粉症に悩まされる人は多く、ほぼ1年中、悩まされることも少なくありません。
花粉症は、アレルギー症状が辛く、日常生活にも支障をきたし、社会的な損失も大きいアレルギー疾患です。
花粉症の症状が緩和させることを諦めている人もいるかもしれませんが、食習慣を見直し体調を整えていくことで服薬なしで楽になることも少なくありません。
カイロプラクテイック心では、食事サポートを含めて花粉症対策、予防を行っています。
興味のある方は、ぜひご相談ください。
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花粉症とは
花粉症は、原因となる花粉が体内に侵入することで引き起こされる疾患です。
一般的な症状としては、アレルギー性鼻炎およびアレルギー性結膜炎でみられる鼻水、くしゃみ、鼻づまり、眼のかゆみなどがあります。
また、アレルギー症状だけではなく以下のように生活の悪影響もみられます。
- 寝不足(睡眠障害)
- 疲労感
- 倦怠感
- 集中力の低下
- 喘息の悪化
- 副鼻腔炎
日本の花粉症
日本人の正確な花粉症の有病率は不明ですが、耳鼻科医の全国調査では、42.5%(2019年の調査)の人が花粉症と報告されています。
また、年齢別では10~50代の有病率が高いです。
花粉の種類
日本で飛散する花粉は、時期や地域によって違いがあります。
- スギ(2~4月に飛散)
- ヒノキ(3~5月に飛散)
- シラカバ(4~6月に飛散:主に北海道、東北)
- イネ(4~10月に飛散)
- ブタクサ(8~10月に飛散)
- ヨモギ(8~10月に飛散)
- カナムグラ(9~10月に飛散)
※イネ、ブタクサ、スギは地域によっては多くありませんが11月頃も飛散しています。
花粉症のメカニズム
花粉症は、人がもつ免疫システムが関わっています。
免疫システムは、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入したときに働き、病気を防ぎます。
花粉症では、花粉が異物と認識され、免疫システムによって抗体が作られ、花粉を排除しようとする過剰な免疫反応が症状を誘発しています。
免疫の防御ライン
免疫システムは、病原菌に対して主に3つの防御ラインで体を守っています。
- 第一防御ライン:外皮系(皮膚、粘膜、腸内細菌)
- 第二防御ライン:自然免疫(好中球、マクロファージ、樹状細胞など)
- 第三防御ライン:獲得免疫(B細胞、T細胞などのリンパ球)
第一防御ラインである皮膚や粘膜(鼻、気管など)を花粉が通過し、第二防御ラインの自然免疫が獲得免疫に花粉を抗原として提示してしまいます。
そして、第三防御ラインである獲得免疫がIgE抗体を作り、肥満細胞と結合しヒスタミンを含めた炎症を引き起こす物質を放出し、花粉症の症状がみられます。
花粉症の増加要因
年々、花粉症を訴える人が増えていると言われています。
その要因として、花粉の増加以外には以下のことが考えられています。
- 食生活の変化
- 腸内細菌叢の変化
- 感染症の減少
- 喫煙
- 大気汚染
- 都市部の感想
この他にも最近では、肥満、運動不足も危険因子とされる研究報告もあります。(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9182605/
一般的な花粉症対策
花粉症対策として、病院での服薬や環境対策などが行われます。
病院での治療
服薬は主に以下のとおりです。
- 抗ヒスタミン薬(肥満細胞から放出されるヒスタミンを抑える)
- 抗ステロイド薬(炎症を抑える)
- 抗ロイコトリエン薬(肥満細胞から放出されるロイコトリエンを抑える)
他には点鼻薬、眼薬なども処方されます。
副作用に眠気が誘発されやすいこともあり、花粉症に悩まされる人でも酷いときのみ服用される人がいます。
舌下免疫療法
最近の花粉症治療として、効果を上げている舌下免疫療法があり、スギ花粉、ダニアレルギー性鼻炎と確定診断された人のみ治療を受けることができます。
舌下免疫療法は、舌の下に治療薬を投与し、2日目からは自宅で服薬を継続でき、一般的には3年の期間、服薬を継続(1ヶ月に1回受診)することが推奨されているようです。
正しい治療により、効果的に症状の改善もしくはアレルギー治療薬の減薬が期待できます。
軽度の副作用(咳や喉の不快感、口腔内のかゆみや腫れ、唇の腫れなど)はみられますが、安全な治療法として保険が適用されています。
ただ、以下の人はこの治療が受けられません。
- 気管支喘息や口腔内に傷・炎症がある
- がんなどの免疫系疾患
- 全身ステロイドなどの一部の薬で治療中
- 重症の心臓・肺の疾患
- 高血圧
- 妊婦・授乳婦
- 5歳未満
環境対策
花粉症用のマスクは、84%の花粉を減少させることができます。
また、防御カバーのついたメガネは、メガネなしと比較して65%の花粉を減少させます。
服装は、ウール素材が最も花粉が付着しやすいとされ、「綿」「化学繊維」「絹」の素材のほうが花粉は付着しにくいです。
また、帽子や手袋を活用すると体に花粉が付着しにくく、家の中に持ち込むリスクを減らせます。
外出後は、粘膜に付着した花粉を減少させるためにうがい、鼻うがい、洗顔、洗髪が推奨されます。
室内は花粉の少ない時間帯(早朝)に換気し、日中は大きく窓を開けず、レースカーテンで沢山の花粉が入らないようにすることが大事です。
また、空気清浄機も併用すると良いでしょう。
環境対策は、日常的に手間と時間がかかります。(布団や室内の掃除など)
花粉症対策の問題点
舌下免疫療法によって、副作用の少ないスギ花粉治療が可能となりました。
しかし、最近ではスギ花粉だけではなくヒノキ、ブタクサ、イネなど多くの花粉に悩まされている人がいます。
また、薬を利用する以上は、副作用もあり適応しない人もいます。
環境調整は誰もができますが、手間や時間もかかることがあり、大変と感じる人も多いのではないでしょうか。
花粉症は、食生活や生活習慣を見直すことで症状の緩和が期待できます。
習慣を身につけるまでが大変であることから、実践できる人が少ないことが現状です。
しかし、身につけた習慣は一生ものであり、薬に頼らず花粉症の悩みを解消できる可能性もあり、個人的には花粉症対策、予防は食生活をはじめとした生活習慣の見直しをお勧めします。
花粉症と栄養の役割
花粉症の人が増えている要因として、食生活の変化および腸内細菌叢の変化が挙げられています。
また、アレルギーの研究(アレルギー鼻炎、アトピー性皮膚炎など)でも以下の食事は危険因子とされています。
- 食べ過ぎ
- 高度飽和脂肪(n-6系脂肪酸、中鎖脂肪酸、コレステロール)の摂り過ぎ
- 総食物繊維の摂取不足
- 野菜や果物の不足
- 単糖類や加工食品が多い(お菓子、カップ麺、レトルト食品など)
- 亜鉛、鉄、ビタミンA、D、Eの不足
科学的な研究でも栄養について問題が示唆されており、言い換えれば食生活の見直しにより花粉症を軽減できる可能性があります。
腸内環境の問題
腸には、免疫細胞の70%が集まっています。
そのため、腸は栄養を吸収するだけではなく、病原体からも体を守ってくれています。
ただ、免疫を正常に保つためには腸内細菌叢が重要です。
腸内細菌叢を大きく分けると日和見菌、善玉菌、悪玉菌の3つに分けられ、悪玉菌が増えすぎると病気に罹りやすいとされています。
花粉症においても腸内細菌叢は重要視されており、善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌)の入った商品は花粉症のシーズに販売されるのはこのような理由があります。
腸内環境が悪化する原因
腸内環境が悪化する原因は、食生活の問題がみられることは言うまでもありません。
他にも生活習慣の問題(運動不足、睡眠不足)などもみられ、最近ではスマホやパソコンの普及に伴い、座っていることが多くなっていることもリスクの1つとされています。
また、抗生物質は腸内環境を悪化させます。
その影響は、数年単位で継続する可能性も示唆されており、抗生物質を必要としない病気に対しては服用しないことが大切です。
ストレスを強く感じている人は、腸脳相関(腸と脳の相互作用)もあり腸内環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
このように食生活だけではなく、生活習慣の見直しも重要な要素になることが考えられます。
カイロプラクテイック心の食事サポート
体は栄養素から作られています。
そのため、免疫システムに必要な粘膜は、栄養が不足していれば十分なバリアとして形成されないことが考えられます。
また、花粉症でみられる症状は炎症が促進されている状態であり、炎症を抑えることも重要です。
まずは、この2点を考慮して栄養サポートを行います。
粘膜を強化する栄養素
粘膜を強化する栄養素は主に以下のとおりです。
- ビタミンA
- ビタミンD
- 亜鉛
- グルタミン
- 水溶性食物繊維
栄養の過不足は、日常の食生活によって変わるため、一人ひとりに合わせたサポートが必要です。
また、人によっては下痢が日常的であると水溶性食物繊維は促進されてい、積極的の摂ることができません。
なかには栄養を摂り過ぎても体に悪影響を及ぼすこともあるため、不必要に摂取することは止めましょう。
腸内環境の改善
悪玉菌の増殖を抑えるために動物性たんぱく質、精製された糖質(お菓子、嗜好品など)を控えます。
また、炎症を促進させる脂(n-6系脂肪酸、中鎖脂肪酸など家庭用でよく利用される油類)も控えていくことが重要です。
そして、善玉菌を増やすためのプロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌などの摂取)、善玉菌のエサとなる食物繊維、オリゴ糖などを摂取します。
基本的な腸内環境の改善法ですが、人によってはヨーグルトなどによる乳酸菌、ビフィズス菌を摂取している人もいますが、糖質や油類を制限していないケースが多いです。
また、下痢や便秘がある場合において、食物繊維の摂り方も考える必要があります。
人によっては体に合わない食品(小麦、牛乳、卵などの遅延フードアレルギー)を避けたほうが、下痢や便秘などの症状が改善されることもあります。
また、高FODAMAPから低FODAMAPに切替えることで調子を取り戻せる人もいます。
このように栄養の摂り方は、個人差もあり経過をみながら柔軟に対応していくことが大切になります。
3食バランスよくを目指す
基本的には3食PFCバランス(炭水化物、脂質、タンパク質のバランス)の良い食事を目指します。
おおまかには「ごはん(炭水化物)」「肉類(タンパク質、脂質)」「野菜(ミネラル)」を3食全てで摂取していくことです。
臨床的に大まかな食事指導でも、家族の花粉症が軽減されたという声をいただくこともあります。
カイロプラクティック施術
栄養サポートで、十分に花粉症は軽減されていきます。
ただ、日常的にストレスが強い、体調が優れない場合は、カイロプラクティック施術も併用したほうが効果的なケースもあります。
日常的なストレス、便秘や下痢などの不調は、お腹が固くなっていることが多く、内臓マニュピレーションにより腹部の緊張を和らげていきます。
腹部の緊張により内臓の蠕動運動が制限されると、栄養サポートの効果も現れにくいこともあります。
ストレス緩和
筋肉の緊張が緩和されるだけでも、ストレスから解放された感覚にはなりますが、一時的と言えます。
そのため、副交感神経の活性化させる目的である生活習慣のアドバイスおよび迷走神経アプローチを行います。
また、日常的に運動不足の方は、必要に応じてエクササイズ指導も行います。
腸脳相関の考えから、脳機能を高めていくことが腸内環境の改善に繋がると考えられ、脳機能に注目したエクササイズ(感覚エクササイズ)も提案させていただきます。
花粉対策、予防コンサルティング料金
花粉症は、長期的な計画で対策を行う必要があります。
また、継続していくことで年々楽になっていく人もいれば、数ヶ月で軽減し軽い症状だけが継続することもあります。
根本的には、生活習慣の見直すことが花粉症対策となるため、通っていただく必要もなくコンサルティング(食事相談、指導)がメインとなります。
また、必要に応じてサプリメントをお勧めしますが、カイロプラクテイック心では販売していないため、ご自身でご購入ください。(強制的ではありません)
食事アドバイス料金
ご自身で料理を作り、自分なりに考えて実践できる人向けです。
料金 8,800円(90~120分)
※既存のクライアントは5,500円
現在の食事状況、生活習慣をカウンセリングさせていただき、見直すべき点をアドバイスさせていただきます。
アドバイスさせていただいてから、1週間はLINEやZOOMでアフターフォローさせていただきます。
その後、3ヶ月程度は1ヶ月に1回の頻度で経過を聞かせていただきます。
ダイエットも含めた料金
食事によるダイエットサポートも受けたい方におすすめです。
ダイエットサポートに花粉症対策も含めてサポートいたします。
1ヶ月プラン 19,800円~
詳しくはこちらをご参考ください。
ZOOM相談
オンライン(zoom)、ご来店で相談されたい方は、事前のご予約をお取りください。
相談料として1,000円いただきますが、実際にご予約された場合は、相談料1,000円分を値引いたします。
花粉症を軽減させて生活の質を向上させよう
花粉症は、生活の質を落とし経済的損失も大きいと言われています。
薬や環境調整で、生活の質を維持できるようにはなりましたが、薬代や環境調整を行う時間、手間はバカになりません。
食事を含めた習慣変容は、初めは大変かもしれませんが、習慣化されることで苦も無く継続できます。
さらに、花粉症を含め他の症状(頭痛、肩こりなど)も軽減できる可能性もあります。
花粉症が辛く、仕事や趣味、日常生活に支障を感じている人は、ぜひご相談ください。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10490368/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37560527/
花粉症環境保健マニュアル2022:環境省
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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