
学校の検診や病院で、お子さんの背骨の「側弯(そくわん)」を指摘された。
「経過観察でいいですよ」と言われたけれど、本当にこのままで良いのか不安が消えない。
そんな方は、少なくないと思います。
「様子を見ましょう」で終わらせて良いのか不安なあなたへ
制服や体操服のとき、肩の高さが左右で違う。
くつ下の丈が、片方だけずれる。
そんな些細な変化に真っ先に気づくのは、いつも保護者の方です。
病院では「経過観察」と言われても、「このまま進行したらどうしよう」 「本人の体形コンプレックスになったら」 という不安が消えないのではないでしょうか。
私は伊勢市でカイロプラクティック院を営む岡と申します。
臨床歴18年、これまで1万人以上の身体をみてきました。
その経験から、まずお伝えしたいことがあります。
脊柱側弯症は、 骨格の歪みだけが原因ではないということです。

1つでも当てはまる方は、ぜひ続きをお読みください。
※特発性脊柱側弯症を中心に書いています。
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脊柱側弯症とは(まず知っておきたい基礎知識)
脊柱側弯症とは、背骨を後ろから見たときに横方向にカーブしている状態(側弯)を指します。
2016年度から「運動器学校検診」が始まり、 学校で医師による視触診が行われるようになりました。
そこで「整形外科への受診要」と判定されると病院を受診する流れになります。
一度は問題なしとされても成長期に発症するケースもあるため、 ご家庭でも継続して見てあげることが大切です。
とはいえ、神経質になりすぎる必要もありません。
なぜなら、背骨そのもの以外の原因で側弯のように見えているケースもあるからです。
脊柱側弯症は種類があります。
それだけではなく治療方法も整形外科の治療だけではなく、研究で効果が示されている運動療法もあり、選択肢はいくつかあります。
脊柱側弯症の分類
脊柱側弯症は、大きく2つに分けられます。
機能的側弯
脊柱自体の変形ではなく、 別の原因(痛みや姿勢のクセなど)を取り除くことで 改善が期待できるタイプです。
疼痛性側弯
痛み(椎間板ヘルニア、非特異性腰痛など)によって、反射的に痛みから逃げる姿勢および筋肉のアンバランスによって生じます。
代償性側弯
不良姿勢、ミスアライメント(骨盤部の傾斜、下肢関節のアンバランスなど)に対して代償的に側弯がみられる状態です。
整形外科の要受診ではなく、医師に指摘された程度の側弯が確認された場合は、代償性側弯であることが多いです。
構築的側弯
脊柱自体に原因があり、 回旋(ねじれ)を伴うタイプです。
特発性側弯
特発性とは「原因がわからないこと」を意味するように、先天的奇形がなく原因が特定できず、側弯が徐々に進行していきます。
このうち80〜85%を占めるのが、 「特発性側弯症(原因が特定できない側弯症)」です。
年齢によっても、傾向が異なります。
◇年齢による分類
- 乳幼児期側弯症:3歳以下に発症し80%は自然治癒(男児に多い)
- 学童期側弯症:4~9歳で発症80%は悪化に向かう(進行する例が多い)
- 思春期側弯症:10歳以降に発症60%は悪化に向かう(女子に多い)
先天的側弯
先天的な脊柱の奇形、変形によって生じる側弯症です。
症候性側弯
神経疾患、結合組織異常、外傷など、疾患が起因している側弯症です。
主な症候性側弯がみられる疾患
- 脳性まひ
- 筋ジストロフィー
- 脊髄空洞症
- レックリングハウゼン病
- 血管および結合組織異常
感染症、代謝疾患、放射線治療などでも側弯症が生じることがあります。
脊柱側弯症も種類いくつかあり、整形外科でしっかりと診断してもらう必要があります。
ここからは特発性側弯症について詳しく解説していきます。
Cobb角(コブかく)と治療方針
Cobb角(脊柱側彎症のカーブの大きさをレントゲンをもとの計測される指標)で脊柱側弯症の状態を分類しています。
Cobb角は図のように計測されます。
- 最も傾斜している上位(上縁)と下位(下縁)の椎体から直線を引き交わる角度(図では①)
- 引いた直線からそれぞれ直角に立てた直線を引き交わった角度(図では②)
数学上では①と②は同じ角度になるそうですが、精度としては②の方が高いため、Cobb角が小さい場合は②が適用されます。
病院では、Cobb角(レントゲンで側弯の大きさを測る指標)をもとに治療方針が決められます。
治療方針
- 20〜25°以下:経過観察
- 20〜45°:装具・運動療法などの保存療法
- 50°以上:手術療法の対象
装具にはミルウォーキー型・アンダーアーム型など複数の種類があり、 入浴以外は1日20時間以上の装着が推奨されることが一般的です。(日本の治療の主流)
運動療法としては、 凹側(へこんでいる側)のストレッチ、 凸側(出っ張っている側)の筋力強化が中心です。
装具治療よりも効果的だったとする研究報告もある 「シュロス療法」という運動療法も知られています (※単一の研究報告であり、すべてのケースに当てはまるとは限りません)
シュロス法についての参考文献:(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5198985/)
※欧米の病院では取り入れられている療法ですが、日本でシュロス療法を行っているかは不明
Cobb角が大きく、心肺機能や生活への影響が懸念される場合は 手術が選択されることもあります。
ただし50°を超えたからといって、 即座に手術になるわけではありません。
Cobb角が20~25°以下は経過観察となります。
一般的には3~12ヶ月毎にレントゲン診断によって定期的にCobb角を観察し、進行具合によっては治療に移行していきます。
なぜ骨格を整えるだけでは変化しないケースがあるのか
ここまでが、一般的な医学的知見です。
ここからは、私がカイロプラクターとして 18年間、現場で見てきたことをお話しします。
装具や運動療法を続けても、思うように変化が出ないお子さんが、一定数いらっしゃいます。
その理由の1つが、 姿勢は骨格だけでなく、脳(中枢神経系)がコントロールしているという点です。(脳の姿勢コントロールについては脳科学の分野で一般的で多くの研究があります)
姿勢は、関節や筋肉の状態だけでなく、 そこから送られる感覚情報を脳が統合して、 はじめて成り立っています。
つまり、骨格へのアプローチだけでは 姿勢を作っている「脳側の働き」が置き去りになってしまう ケースがあるのです。
例えるなら、 オーケストラの指揮者(脳)が不在のまま、 楽器(骨格・筋肉)だけを個別に調律しているような状態です。
楽器1つ1つの音色は美しくても全体としての演奏(姿勢)は揃いません。
中枢神経系の姿勢コントロールの視点からみた原因
①末梢神経の伸張性低下
背骨から手足の先まで伸びる末梢神経(体の隅々に伝達を送る神経)は、 本来わずかに伸び縮みする性質を持っています。
これが低下すると、神経の伝達そのものに影響することがあります。
②ポジションセンス(関節の位置感覚)の乱れ
姿勢は、関節や筋肉から送られる位置の感覚を脳が統合して決めています。
側弯の状態が長く続くと、この感覚がズレてしまうことがあります。
③脳機能・前庭系(耳の奥にある、姿勢をコントロールする神経)の働き
思春期特発性側弯症のお子さんを対象にした研究では、 側弯のないお子さんと比べて前庭系に違いがみられたという報告があります (引用文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21558641/)
※14歳前後を対象にした研究であり、すべての方に当てはまるとは限りません
また、原始反射(生まれつき備わった自動的な体の反応)である 「ガラント反射」や「ATNR(非対称性緊張性頸反射)」が強く残っていると頭の位置が変わっただけで、バランスが崩れやすくなることがあります。
特発性側弯症患者162名を対象とした調査では、ベースライン時点でモロー反射(19.1%)、非対称性緊張性頚反射(ATNR:38.3%)、対称性緊張性頚反射(STNR:44.4%)、脊髄ガラント反射(GSR:27.8%)の残存が確認されています。
そして、2週間の保存的療法により、すべての原始反射スコアは有意に減少しました。
※研究でも述べられていますが、原始反射が脊柱側弯症の原因か2次的変化は議論が必要とされ、コブ角の進行を防げるかについても今後の継続的な研究が必要です。
原始反射と脊柱側弯症の関連についての参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29558021/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11943664/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21224789/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5778413/
実際にあったご相談から(1症例のご紹介)
ここで、実際に当院にご相談いただいた例をご紹介します。
※すべての方に同じ結果が得られることをお約束するものではありません。
高校2年生 女性
数年前に特発性側弯症と診断され装具を着用しながら病院で経過観察を続けていました。
しかし、ある定期受診で 「進行しています」と告げられ、 手術についての説明も受けたそうです。
ご本人・ご家族とも大きな不安を抱えて当院にいらっしゃいました。
評価をしてみると、 いくつかの特徴がみられました。
- バランス感覚が弱く、目を閉じての片足立ちが数秒しか続かない
- ガラント反射・ATNRが残っている
- 頭の位置を少し変えるだけで姿勢のバランスが崩れやすい
これらは、いずれも 「姿勢を脳がコントロールする力(姿勢制御能力)」 に関わる所見です。
そこで私からは、 「骨格だけでなく、 姿勢制御に関わる神経系の働きを高めることで進行を抑えられる可能性があります」 とお伝えし、アプローチを開始しました。
ご本人とご家族にご自宅でのエクササイズに根気強く取り組んでいただきました。 半
年後の定期受診では進行はみられず、 やや改善の傾向がみられたとのご報告をいただきました。
繰り返しになりますが、進行のスピードや原因は人によって異なるため、 同じ結果を保証するものではありません。
ただ、 「骨格だけでなく、神経系の視点を加える」 という選択肢があることは知っておいていただきたいと思っています。
早い段階でのご相談について私が感じていること
先ほどのケースは、すでに進行が指摘され、手術の説明を受けた段階でのご相談でした。
一方で、学校の検診で「要精密検査」と言われた直後、まだ診断がついたばかりの段階で、ご相談にいらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
ここから先は、私自身の臨床経験に基づく感覚です。
論文などのデータに基づくものではありません。
その前提で早期の段階からカイロプラクティックでの施術と中枢神経系の姿勢コントロール(脳が姿勢をどう管理しているか)への働きかけを1〜2年ほど継続的に行っていったケースでは、これまで手術の話に至ったことは、私の臨床経験の中ではありません。
もちろん、これは「手術を避けられます」という意味ではなく、特発性側弯症とは違い、一時的に背骨が曲がって見えたケースも含まれています。
一人ひとり、側弯の状態も生活背景も違います。
私が感じているのは、早い段階から、骨格と神経の両方に目を向けることで姿勢をコントロールしやすくなるという手応えです。
中学1年生・男子のケース
サッカーをしている中学1年生の男子生徒さんでした。
評価の際、前庭系(耳の奥にある、姿勢をコントロールする神経)の検査でバランスを崩す場面が多くみられました。
そこで、姿勢コントロールに関わる運動を重点的に行っていきました。
しばらく経ったころ本人から「サッカーが上手くなった」という報告をもらいました。
競技中の切り返しや、片足でのボールコントロールにはバランス能力が深く関わっています。
そのため、前庭系や姿勢制御の働きが整うことで、競技面での変化として表れたのではないかと私は考えています。
これも、本人の主観的な感想であり、数値的な検査結果を伴うものではありません。
その点は、弱い根拠として正直にお伝えしておきます。
継続して取り組んでいただいたお子さんの中には、部活動での動きが良くなった、背中や腰の痛みを感じなくなったという声をいただくこともあります。
側弯そのものが、完全になくなったわけではなくても「進行を抑える」という最低限の役割は果たせていると私自身は感じています。
伊勢市カイロプラクティック心の考える改善アプローチ
- 脊柱(背骨)調整
- 足関節調整
- ホームケア指導
姿勢は「骨格」と「中枢神経系」の両方の影響を考える必要があります。
そのため、当院では背骨1つ1つの動きを丁寧に確認したうえで必要に応じてカイロプラクティックアジャストメント(骨格への調整)を行います。
姿勢制御の土台となる足関節の動きもあわせて評価します。
中枢神経系を介した姿勢のコントロールは、足底にかかる圧力、各関節の位置、筋肉の伸長度などの情報(インプット)をもとに脳が処理し、環境に合わした姿勢(アウトプット)を作ります。
初期では、とくに筋骨格系のアプローチにより情報が適切に脳へ届くようにする必要があると考えられます。
中枢神経系へのアプローチ(感覚エクササイズ)
原始反射が強く残っている場合は、その統合エクササイズに加えて、眼球運動や背中への触刺激など、お子さんの状態に合わせたエクササイズを組み合わせます。
前庭系の働きに偏りがみられる場合は、ビジョントレーニングや前庭系エクササイズを取り入れることもあります。
視力の左右差や屈折異常(乱視・遠視など)が疑われる場合は、眼科での診断・視覚矯正もあわせておすすめしています。
感覚エクササイズについて詳しくはこちらもご参考ください。
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「経過観察のまま、何もできることはないのだろうか」
そう感じている方は、まずはお話を伺うだけでも構いません。
LINEでのご相談も受け付けています。
改善までの期間の目安
個人差はありますが、週1回程度の施術とエクササイズ、ご自宅でのセルフケアを組み合わせて、3ヶ月を1つの目安としています。
一度身についた体の使い方や姿勢のクセを変えていくには、一定の時間が必要です。
通院が難しい場合は、ご自宅でできるエクササイズもご案内していますので、ご自宅で継続することをお勧めします。
※1~2ヶ月に1回通って自宅では何もしない状態では改善は難しいことはご理解ください。
よくある質問
脊柱側弯症についてよくある質問をまとめました。
病院には通わなくてもよいですか?
A.定期的に通院することをおすすめします
医師が診察を終了としない限りは、通院してください。
カイロプラクティックではレントゲンを撮影できないため、経過を観察する必要のある脊柱側弯症は定期的な受診が必要です。
また、中等度以上に脊柱側弯症は、装具と運動療法を併用していくことが有効と研究報告されており、ケースによっては病院で装具の調整を行うことも大切となります。
当然ですが、当院権限はありません。
脊柱側弯症は骨格の歪みが原因ですか?
A.違います
医学的な原因は不明であり、施術で骨格の歪みを直したら脊柱側弯症が改善されるという認識には語弊があります。
姿勢は脳機能(中枢神経系)を介した姿勢制御システムがコントロールしており、研究でも中枢神経系への介入がされているため、骨格の歪みだけで問題がみられることはありません。
カイロプラクティックを科学的に説明するのであれば、骨格の歪みを矯正する療法ではありません。
カイロプラクティックアジャストメントによって、背骨周辺の筋肉が急速に伸長されることで中枢神経系の応答によって筋肉が緩みます。
それが結果として、痛みの改善や骨格の歪みが直ったようにみえるだけです。
施術だけではなく、姿勢制御システムの再学習をするための運動も重要と考えています。
どれぐらいの期間で改善がみられますか?
A.3ヶ月が目安となります
個人差はありますが、週1回くらいの施術およびエクササイズに加えて、自宅でのセルフケアの実施で関節の可動域、姿勢の再学習を行います。
癖が直しにくいように一度記憶された体の使い方、姿勢を変えていくためには時間がかかります。
通うことが難しい方は、ご自宅での宿題としてエクササイズの指導を行いますので、しっかりとご自宅でエクササイズに励んでいただけると良いです。
1人で抱え込まず、まずはご相談ください
脊柱側弯症の医学的な原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、体の機能をひとつずつ確認していくことで、改善の糸口が見えてくることがあります。
装具をつけても整体やマッサージを受けても変化がない。
そんなときこそ、神経系の視点から見直してみる価値があると私は考えています。
お子さんが学校でみんなと同じように過ごせるように。
体形を気にせず、伸び伸びと過ごせるように。
できることを、出し惜しみせずサポートさせていただきます。
うちの子の場合はどうなのか、
それだけでも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。
※当日予約も可能ですが、施術中は電話にでることができないため、営業時間前(8時30分~45分)昼休み(12時30分~13時30分)にお電話ください。




















