学習障害改善サポート

学習障害

学習障害の支援/カイロプラクティック心でできること

学習障害は発達障害の1つであり、知的な遅れは伴いませんが「読む」「書く」「計算する」「推論する」など学習に必要な能力が極端に困難を示します。

また、就学するまで気づかれにくく症状の程度によっては、学年が上がるまで気づかないこともあります。

例え学習障害に気づいたとしても、現代の医学では治療法が確立していません。

そのため、どうしたら良いかわからない学習障害当事者やその親御さんも多くみられます。

しかし、学習障害は知的な遅れはなく、極端な苦手があるだけでそれをカバーするための環境調整や学習の仕方の工夫によって、学校の勉強や仕事を上手くこなしていくことができます。

また、カイロプラクティック心が行う脳バランスの評価および機能低下部分へアプローチにより学習面の苦手が克服されることがあります。

ここでは、一般的な学習障害の支援方法から、カイロプラクティック心でできることを解説していきます。

一般的な支援

発達障害を診断できる専門医は少なく、地域によっては数ヶ月の診断待ちになることもあるそうです。

そのため、「学習障害かな?」と疑った場合は、相談窓口を利用することをお勧めします。

●主な発達障害の相談窓口

【こども】

  • 保健センター
  • 子育て支援センター
  • 児童発達支援事業所
  • 発達障害者支援センター
  • かかりつけの小児科(発達障害の専門性がないと同じ小児科でも診断は難しいです)

【大人】

  • 発達障害者支援センター
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 相談支援事業所

上記の施設がどこにあるかわからない場合は、居住区の役所に相談することで教えてくれます。

また、それぞれの専門機関に相談した上で疑いがある場合は、専門医を紹介してもらえます。

程度によっては、環境調整や学習の工夫を指導され症状が和らぎますが、重度になるとそれだけでは難しいケースもあり特別支援学校で学習を進めていくことがあります。

環境調整、学習の工夫

2016年に障害者差別解消法という法律が制定され、障害に対して何らかの配慮をすれば障害のない人と同じ環境でも通常とおり過ごせるのであれば、積極的に支援を行うようになりました。

例えば、受験を受ける際、読むことが苦手で聞くことで理解できるのであれば、読字障害を申請し別室で問題文を耳で聞いてテストを受けることができます。

このように障害に対し法律によって支援を受けれるため、学習障害が疑われる場合は病院で診断してもらうことが大切です。

DAISY

DAISYとは、Digital Accessible Information SYstemの略で、日本では「アクセシブルな情報システム」と訳されています。

ここ数年来、視覚障害者や普通の印刷物を読むことが困難な人々のためにカセットに代わるデジタル録音図書の国際標準規格として、50カ国以上の会員団体で構成するデイジーコンソーシアム(本部スイス)により開発と維持が行なわれている情報システムを表しています。

引用元:DAISYホームページ

このシステムによって、学校の教科書をパソコンに取り込み音声で聞くことができます。

読字障害がみられる場合は、音声で教科書の内容を理解することができるため、通常学級での学習もストレスなく行えます。

デジタルグッズの活用

最近のスマホ、タブレットには読み上げ機能があるため、読字障害には有効です。

また、書字障害では書くことが苦手なため、パソコンへのキー入力で代用することができます。

学習支援用のアプリもあり、苦手なことを楽しくトレーニングできるよう工夫されているため、活用してみるのも良いでしょう。

スマホやタブレットのアプリだけではなく、Windowsの学習支援アプリもあります。

パソコン、スマホ以外にも九九が難しい算数障害は、電卓を利用したり、ひっ算の段数がズレる場合は方眼紙を利用したり、苦手なことを理解し工夫することで学習障害の困難を和らげることができます。

親御さんの接し方

発達障害全般に言えることですが、努力するだけではできないこともあり、それを理解されないと自己肯定感が低下してしまいます。

それが、結果としてやる気の喪失、出来るはずのこともやろうとしなくなったりします。

まずは、なぜできないのかを一生懸命考えてあげてください。

そうすることで、どのような環境調整が必要か、どうすれば学習しやすくなるか行動もしやすくなります。

そして、工夫によつて少しでもできるようになれば、褒めて少しずつ目標設定をあげていきます。

自己肯定感を下げずにやる気を引き出してあげることが大切です。

カイロプラクティック心の学習障害アプローチ方法

学習障害は、脳機能異常(中枢神経系のトラブル)が原因と考えられています。

カイロプラクティック心は、機能神経学、AKなど神経評価も取り入れてアプローチしています。

また、発達支援コーチや宇佐川研などカイロプラクティック以外で発達障害の支援を行っている団体のセミナーにも参加し、発達障害について学んでいます。

※機能神経学は、アメリカで発達障害のアプローチ評価に取り入れられ効果がみられている学問です。

アプローチの基礎となる方法は、神経可塑性とよばれる中枢神経の構造的および機能的変化する性質を利用します。

神経の可塑性について詳しくはこちら

「読む」「書く」「計算する」といって神経回路は、複雑であり病院での検査(WISC、K-BACなど)も踏まえ、神経系の評価が大切です。

機能神経学的にみた学習のメカニズムは?

「読む」「書く」は、単純にみえますが、以下の情報を収集してアウトプット(表現)する必要があります。

  • 見る(形が認識できているか、鏡文字にみえていないか)
  • 文字の形の認識(眼球を止められず文字がブレて見えていないか、文字を記憶できているか)
  • 音韻の理解(文字の形と音が一致しているか:例「あ」という文字を「い」と発語する)
  • 文字の集まりが理解できるか(例「りんご」を「り」「んご」として読むことで理解ができない)
  • 発語および書字の運動機能(文字を理解できても言葉を発したり、書いたりする運動機能が育っていない)
  • 記憶が働いているのか

このように色々な情報を脳で統合して初めて読む、書くということができます。

そのため、どこの過程に問題があるのかわからないときに読み、書きの練習をしたとしてもなかなか効果が現れません。

機能神経学では身体のどの機能が育っていないかを見極め、そこが活性化するように神経可塑性を利用しアプローチしていきます。

学習障害にみられる主な脳機能低下

読字障害、書字障害、算数障害などは主に左脳の機能低下がみられます。

細かくは以下の部位に問題がみられます。

〇見たり聞いたりする情報の処理

  • 一次聴覚野
  • 一次視覚野

〇文字の形の認識

  • 大脳基底核(前頭眼野ー補助眼球野ループ)⇒眼球を動かして文字をブレずに読む、改行をスムーズに読むなど
  • 内側側頭葉⇒文字や数字の短期記憶:読む、計算など直前の記憶し処理する会話や計算の基礎となる

〇音韻の理解

左頭頂側頭移行部⇒言葉と音が一致するように理解する

〇文字の集まりを単語として理解

下後頭側頭回⇒り、ん、ごの1語の集まりをりんごと理解

〇発語、書字の運動機能

大脳基底核(前運動野ー補足運動野ループ)⇒のどや舌の運動のコントロール、指先の微細運動のコントロール

〇記憶が働いているか

内側側頭葉⇒言葉、数字など意識して記憶させる

AK(アプライド・キネシオロジー)

各種療法は、カイロプラクティックのAKを基に作り上げられた技法もあります。(AKを噛み砕いたものがブレインジムの基になる教育キネシオロジーでもあります)

そのため、各種療法で期待できる効果がカイロプラクティックでも期待できると言えます。

※すべてのカイロプラクティックがAKを取り入れているワケではありませんので、情報がないまま近くのカイロプラクティックへ行っても対応できないことの方が多いです。

AKの著書にも発達に関することが記されています。

通常、乳児のそれぞれの脳半球の特性は遺伝的に決定されており、それぞれの脳半球の優位性を割り当てることになる。適切な機能のためには、優位性は全身で統合されなければならない。DomanとDelacatoは、両側の機能と優位性を通して神経システムの発達について仮説を立てた。

~中略~

彼らのアプローチを失語症や失読症などの学習障害と神経機能の障害を持つ者に対して使用した。

~中略~

DomanとDelacatoによって示されたコンセプトは1960年代の教育やリハビリステーションの分野において活発に取り入れられ大きな成果を上げた。

引用元:アプライド・キネシオロジー シノプス

この考え以外にも神経学的不統合、筋紡錘(固有受容器)テクニックなどAKには、神経機能を評価、アプローチ方法が多くあります。

機能神経学(BBITセラピー)

簡単に説明すると脳の偏り(左右どちらかの大脳機能低下)を評価して、機能低下側の大脳を活性化させるアプローチを行います。

ただ、大脳の関りは複雑で他の部位(小脳、脳幹、前庭系など)も評価することになります。

機能神経学的なアプローチにより学習障害および片頭痛に効果がみられた研究報告があります。

研究では左側の小脳および右側の大脳基底核の機能低下がみられたため、左側を中心にカイロプラクティック施術を行い、左側の協調運動及びサッケード(眼球運動)などのケアを指導しています。

施術は19週間/42回で構成されています。

研究期間中に片頭痛は消失、ADHDのスコア減少、学習面も読書、数学、計算、単語などが大幅に改善されました。

参考文献:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1556370713002216)

機能神経学について一般の人に解りやすく解説してある「家庭で治せる発達障害の付き合い方」

ご興味のある方は、ぜひお読みください。

カイロプラクティック心は、この著者である吉澤DCが作られたBBITの認定療法士です。

BBITについて詳しくはこちら

原始反射

発達障害がみられるこどもは原始反射が統合されていないことが多いです。

原始反射の統合は脳の可塑性によって、統合が速やかに行われますが、原始反射を真似た動きを反復することで統合させることができます。以下はイギリスの研究です。

読むことに困難があって非対称性緊張性頸反射(ATNR)が残存している8-11歳のこどもたち60人が、年齢・性別・言語性IQ・読字能力・ATNR残存の程度に差がないよう20人ずつ3つのグループに分けられ、1年間それぞれのグループは以下のようにに過ごすしました。

(1)実験群:毎晩10分程度,モロー反射・緊張性迷路反射・ATNR・対称性緊張性頚反射(STNR)の動きを真似た体操をする。

(2)プラセボ群:毎晩10分程度,原始反射の動きとは関係のない動きの体操をする。

(3)対照群:これまでどおりの生活をする。

1年間の介入前後を比較すると (1)のグループでは(2)(3)のグループと比べてATNR残存の程度が大幅に軽くなり、2種類の読み力テストと書くスピードの検査などで有意な改善がみられました。

参考文献:Effects of replicating primary-reflex movements on specific reading difficulties in children: a randomised, double-blind, controlled trial

1年間の毎日行う長期的な介入ですが、原始反射を統合するエクササイズによって読字障害に改善がみられています。

原始反射について詳しくはこちら

原始反射は消失するのではなく大脳皮質によって統合されていきます。

大脳皮質は色々な情報(視覚、聴覚、固有受容器など)を統合して適切な指令を身体の各所に送っています。

原始反射は、脳幹という大脳よりも下位に位置する部分でコントロールされます。

そして、成長と共に大脳皮質が育ち脳幹部の反射を抑制し身体をコントロールできるようなります。

このことから、原始反射の統合エクササイズは、ゆっくりと自分の動作を確認し大脳皮質を使って行うことが重要になります。

脳への刺激方法

学習障害だからといって、読み書き、算数などをひたすらしても、それらを学習する前段階でのつまづきがあると効率的ではありません。

先に解説したようになぜできないかを紐解き、機能低下がみられる領域が活動できるよう、そのときにできるレベルで最適な刺激を入れることが大事です。

例えば、読字障害では読むことに困難を覚えますが、眼球運動がスムーズではないことが起因しているのであれば、眼球運動のトレーニングが必要です。

さらに深堀し眼球のブレがみられるのであれば小脳、ゆっくり眼球が動かせないなら動かせない方向の頭頂葉、早く動かせないなら反対側の前頭葉といった脳領域が関わるエクササイズも有効です。

  • 小脳⇒バランス系エクササイズ、運動調整を必要とする運動
  • 頭頂葉⇒触覚(背中や手に書いた字を当てる)、視野の下側を見る
  • 前頭葉⇒意味のある手の動く(意識して手指を動かす)

脳の可塑性(活性化)には、刺激だけではなく栄養、酸素も必要です。

発達障害とは関係ない書籍ですが、酸素不足について以下のことが述べられています。

脳が酸素不足になって疲弊すると、心身は緊張を緩めることができなくなります。例えば筋肉が過度に緊張する、光や音などの刺激に対して過敏に反応する、感情のコントロールができなくなるなどの症状が現れます。さらに運動能力、免疫機能、消化機能も低下し、脳が疲弊すると人間のもつほぼすべての能力が低下すると言っても差し支えないでしょう。

引用元:新しい呼吸の教科書 – 【最新】理論とエクササイズ

このように呼吸は神経機能を回復させるには重要であり、カイロプラクティック心では胸郭や呼吸指導なども行います。

発達障害では、偏食、腸内環境の問題(日常的な下痢、便秘)がみられることも多いです。

そのため、栄養面の見直しも行ったほうが、脳の可塑性を促すにも効率的なことがあります。

運動療法

小脳が音韻処理、認知と運動の自動化(文字を理解して舌、喉で音をコントロール)などに関連している可能性が示唆されてます。(参考文献:https://www.sciencedirect.com/…/artic…/pii/S014976341730622X

小脳の役割は多岐にわたりますが、運動(バランス運動や運動の微調整など)によって、活性化する脳領域であるため、学習障害であっても運動は有効なアプローチとなり得ます。

また、宇宙飛行士が帰還後の行う小脳前庭系のトレーニングがディスレクシアに有効であったという記事(2001年ころ)もあります。

学習障害で多くみられる左大脳機能低下は、運動は得意ですがリズム感が悪かったり、人の真似をして動くことが苦手、手先が不器用などが特徴的です。

遊び感覚で運動療法を取り入れていくことで、こどもも楽しみながら学習障害の苦手を克服する一つの方法となります。

施術

大脳機能低下⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント、眼球運動、バランスエクササイズなど

原始反射の問題⇒頭蓋骨調整(頭蓋仙骨療法)内臓マニュピレーション、原始反射統合エクササイズ

ホームケア指導⇒栄養、簡単なエクササイズ

カイロプラクティック心は施術歴13年の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。

また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。

脳と身体は相互作用しており、脳だけではなく身体も良い状態に保つことが大事です。

そのため、脳の機能障害であっても脳への神経系エクササイズだけではなく、身体への施術も効果的です。

カイロプラクティック心の役割は、土台をつくることにあります。

花で例えると、良い土壌があり、水や日光が与えられることで立派な花が咲きます。

土壌、水、日光どれが欠けても花は咲きませんが、土壌という土台(カイロプラクティック)をつくり、根を張り水分を蓄えられるようにしてあげることで、日を浴びて水をえて(心理療法、療育、栄養素)成長しやすくなります。

「他の療法がなかなか効果が現れない」と感じている人は、療法を受ける前の土台作りをしたほうが良い可能性があるため、カイロプラクティックを一度お試しください。

今より楽しく勉強できるお手伝い

学習障害は、特定の能力が極端に困難を示すため、勉強がつまらなくなってしまうことがあります。

しかし、環境調整、学習の仕方の工夫などによって勉強が楽しくなり、学業にも集中力を発揮できるようになることも少なくありません。

カイロプラクティック心では、今よりも快適に学習できる可能性を一緒に探りながら、楽しく勉強できるお手伝いをさせていただきます。

「今よりも快適に勉強できそうなら、こどもに受けさせた」「今の治療で効果があまりない」と感じている人は、ぜひご相談ください。

あなたのお子様が良くなるかご不安かと思いますので、LINE、メールでご不明な点、ご質問など無料でお答えさせていただきます。

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投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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