スポーツ障害

治らないオスグッドの原因と解決方法

膝だけ治療してもオスグッドはなかなか良くなりません

オスグッドは、小学生高学年から中学生の成長期にみられる膝の痛みです。一般的に行われているオスグッドの治療は、電気治療、湿布、太もも前(大腿四頭筋)のストレッチです。残念ですが、このような治療だけではオスグッドの原因は改善されません。

一般的な治療でも改善はみられることもありますが、原因が解決できていないため再発リスクも高いままです。

ここでは全身を評価することでわかるオスグッドの原因とカイロプラクティック施術による解決方法について詳しく書いていきます。

オスグッドの基礎知識

オスグッドの病態から一般的な治療方法までを書いていきます。

オスグッドとは

オスグッドは、正式にはオスグッド・シュラッター病といい、成長期(男子は12~15歳、女子は8~12歳に多い)特有のスポーツ障害です。

出典:プロメテウス解剖学アトラス

成長期にオスグッドが発生する原因は、膝蓋靱帯が骨(脛骨粗面)を過剰に引っ張ることで成長期の未成熟な骨を引き剥がすストレスを受けるためです。このようなことから個人差はありますが、骨が膨らんでみえることもオスグッドの特徴です。そのため、成長期を過ぎると骨が引き剥がされることがなくなることで自然に痛みが治まることもあります。(図はクリックすると大きく表示されます)

また、症状が進行すると膝蓋靱帯周辺、脂肪体組織にも影響を与え、重症化すると剥離骨折にまで及ぶため早期の治療が大切です。

オスグッドの症状

脛骨粗面(膝前面:お皿の下辺り)の鋭い局所痛です。

脛骨粗面を押すと痛みがみられると共に、ランニング、ジャンプ、階段の昇降などの膝を曲げる運動の反復動作によって症状が悪化します。

片側の膝だけではなく、両側の膝にオスグッドの症状が現れることもあります。

オスグッドの診断方法

脛骨粗面の痛み、脛骨粗面の隆起(膨れ上がっている)などの所見にくわえ、レントゲン検査を行うことで確定します。

オスグッドの一般的な病院(西洋学的)治療

成長期の一過性の症状(成長期が過ぎれば自然に治る)ということもあり、症状の程度に関らず痛みが治まるまでスポーツの中止を指示されることが多いです。また、ほとんどの場合は保存療法(手術以外)が選択されますが、剥離骨折に至る重度の場合は手術が行われます。

オスグッドの治療方法について詳しくは、以下のとおりです。

湿布

痛みのある部分に湿布を処方されます。

ただ、湿布は日本だけの処方であり(海外では塗り薬)湿布の効果については不明です。湿布を貼ることによる安心感によって痛みが軽減することもあるため、実際に使用してみて痛みに変化があれば、使用しても良いのではないでしょうか。

電気治療

大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の緊張緩和、痛みのある部分の炎症緩和などを目的に電気治療が行われます。ただ、大腿四頭筋の緊張や炎症による痛みだけが原因ではないため、効果を感じないケースもみられます。

サポーター、バンドなどの装具、およびテーピング

膝を安定させるサポーター、膝蓋靱帯を圧着するバンド、テーピングなどによって、膝蓋靱帯が脛骨粗面を引っ張るストレスを軽減させます。効果はみられますが、根本的な解決になっていないため、それらを外した時に再発リスクが高いままです。

リハビリ(ストレッチ、筋力トレーニング)

オスグッドは太もも前(大腿四頭筋)の柔軟性低下が原因とされ、その部分のストレッチを指導されることが多いです。

理学療法士のいるリハビリ施設では、身体評価をしっかり行うところもあり、人に合わせたプログラムを作成してもらえる病院もあります。主に太もも裏(ハムストリング)ふくらはぎ(腓腹筋)などのストレッチで足首、骨盤部の柔軟性の獲得、大腿四頭筋、ハムストリングの筋力トレーニング、動作の改善などが行われます。

手術

剥離した骨片、滑液包の除去手術が行われます。重症化したケースでは、手術も必要ですが、手術根の癒着、筋機能の低下などもみられるため、手術しなくて済むよう早期に対処したほうが良いです。

一般的な治療(手術以外)でオスグッドが改善されない場合は?

オスグッドの痛みが発生する原因は、脛骨粗面が強く引っ張られるストレスによって骨(骨膜)が刺激されることです。そのため、このストレスを軽減させなければ、痛みは継続されると考えられます。

湿布、電気治療の目的は炎症の緩和です。(湿布により炎症が緩和するかは不明です)これらの治療で炎症が緩和されることがあっても脛骨が引っ張られるストレスの軽減にはなりません。電気治療には治癒を促進させる効果のある機器もありますが、このストレスが軽減させない限り痛みは繰り返します。

大腿四頭筋の緊張の緩和、柔軟性の低下を目的にストレッチ、電気治療が行われることが多いです。大腿四頭筋の過緊張、柔軟性の低下は他の影響(ハムストリングの過緊張、腹筋群の機能低下および過緊張、股関節の可動域制限など)も多くみられます。そのため、大腿四頭筋以外の問題も解消する必要があり、大腿四頭筋へのアプローチだけでは解消されません。

このように膝周辺の問題だけでは、脛骨粗面が強く引っ張られるストレスを解消することができず、痛みが継続してしまいます。

オスグッドの原因は?

オスグッドの発生原因メカニズムは、脛骨粗面に大腿四頭筋を含む膝蓋靱帯が繰り返し引っ張るストレスが加わることです。大人であれば骨が成熟しているため、多少の負荷では骨が引き剥がされることはありませんが、成長期の脛骨粗面は、骨端が閉じておらず未熟な状態であるため骨が引き剝がされるストレスにより痛みを誘発します。

このオスグッドの発生原因にも色々あり、以下のことが考えられます。

関節の異常運動

膝関節は、大腿骨(太ももの骨)脛骨(すねの骨)の関節運動として、膝を真っすぐ伸ばしたときに僅かに脛骨が外側に回ります(スクリューホームムーブメント)僅かな動きではありますが、膝蓋靱帯が伸張され、それが脛骨粗面を引っ張るストレスになります。

また、スクリューホームムーブメントだけではなく膝の曲げ伸ばしでは回転運動と滑り運動が組み合わさっています。とくに膝を曲げる運動で滑り運動が減少していることオスグッドの原因になります。

モーターコントロール異常

モーターコントロールは、脳を含めた神経ネットワークによる運動制御です。

姿勢維持、不意の動作、押されても倒れないなど無意識でも筋肉は活動し、その時の状況に合わせて筋肉が協調して動きます。これは、脳を含めた神経系の働きによるものです。スポーツでは、予想外のことが起きても立て直して動きだしたり、習得した技術を意識しなくても行えるのはこのような神経ネットワークがあるためです。

ただ、スポーツをしていると自分の動きやすいように良くも悪くも、筋肉がコントロールされるようになります。そうなると活動しやすい筋肉と活動しない筋肉に分かれ(動きの癖のようなもの)結果として大腿四頭筋への負荷が大きくなることがあります。

また、反対に大腿四頭筋の機能が低下することもあります。このケースで筋力トレーニングが選択されることもありますが、この状態で行ってもケガのリスクが高まるため、なぜ大腿四頭筋が機能低下したのかを解消する必要があります。

身体の使い方

関節の異常運動やモーターコントロール異常がみられると、思うような身体の使い方ができないこともありますが、そもそもどのような身体の使い方が良いかを理解できていないことが多いです。

オスグッドで多いのは、股関節の使い方が上手くできていないことです。症状が軽度の場合であれば、動き方を指導するだけでもしゃがめるようになることがあります。

環境の問題(練習量、練習の質、生活習慣など)

スポーツを低年齢から始めることが、多くなりました。スポーツ競技の技術習得という面では大きな成果はあげられるかもしれませんが、同学年であっても身体能力には大きな個人差がみられ、さらには高学年と同様の練習を低学年が行うには負荷が大きいことがあります。

また、練習熱心になるあまり、練習量が増える割に睡眠不足という状況も少なくありません。

骨の未成熟が原因の一端であるオスグッドでは、身体的な成長を促すための休息も必要です。痛めてから適切な休みをとるのは当然ですが、日常から休息させることも大切です。

睡眠時間は、9時間が理想とされスポーツ障害の減少、パフォーマンスアップの向上がみられた研究もあります。

参考文献はこちら⇒https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25028798

これは中高生を対象にした研究ですが、小学生にも当てはまります。最近では練習が遅くまで行われていたり、テレビやスマホの閲覧などで夜遅くまで起きているこどもも多いようですが、睡眠不足はスポーツ障害の原因にもなります。

 

「日本のフィジカルスタンダードを変える」と謳ういわきFCのアンダーカテゴリー(15歳以下)では、しっかりとOFF日を設け冬休み、夏休みは練習をしないそうです。そうした取り組みで冬休みの間にチームの平均身長が2センチ伸びたそうです。

このようなことから、長く練習をすれば良いということは一切なく、休息も身体を強くするために重要であり、睡眠を多くとる生活習慣を身につけることがスポーツ障害の予防になります。

内臓起因性

膝周辺を動かす筋肉は腸と関わりが大きく、腸の不調がオスグッドの原因になることもあります。また、腸内環境の重要性は最近の研究でもわかっており、健康的な身体を保つ意味でも食事が重要になります。

身体を大きくしたいために「よく食べろ」と言われますが、甘いもの(お菓子、ジュース:スポーツ飲料も含む)炭水化物の過剰摂取は、一気に血糖値が上がり、それを抑えるためのインスリンが分泌されます。インスリンは身体を大きくするのに必要な成長ホルモンも抑制するため、肥満にもなりやすく骨や筋肉の成長の妨げにもなります。このことから、骨のもろさや関節の不安定にもつながります。

身長が急激に伸びるとオスグッドになる?

成長期には急激に身長が伸びることで、神経的な発達が追いつかない現象を指す「クラムジー」があります。

クラムジーは、英語で「ぎこちない・不器用な」という意味があります。前述したことをもう少しわかりやすく言うと成長に伴って運動能力、身体能力が低下してしまいます。そして、可動性や柔軟性、筋力などが一時的に低下してしまうことが特徴的です。

小学校入学前後から同一競技を続け大人顔負けの技術を習得したとしても、身体の成長の変化に合わせて技術を微調整できなければ、無理な体の使い方、技術再習得のための猛練習などスポーツ障害のリスクが高まります。

オスグッドは骨の成長と筋肉の成長が追いついていないと説明されることは多いですが、実際は神経的な発達が追いついていないクラムジーが原因ではないかと考えられます。

クラムジーについて書くと長くなるため、今回は割愛させていただきますが、クラムジーに陥った状態で指導者や親が叱ったり、猛練習をさせてもクラムジーの問題に気付いていない限りこどもを潰しかねないため、そのような行動は止めましょう。

なかなか治らないオスグッドは、これらのように膝以外の問題がみられるため、〇〇すれば絶対に治りますよとは言えません。全身を評価し、生活習慣も考慮してオスグッドの原因を考え、アプローチしていくことが必要です。

カイロプラクティック心のオスグッド施術

カイロプラクティック心は、筋骨格系の評価だけではなくNKT、機能神経学、原始反射などの神経系の評価も取り入れ、検査を重要視しています。また、動作などもチェックし、身体の使い方に問題がないかもみていきます。

病院や他の治療院ではあまり検査をせず、問題を把握せずに治療を続けるところも多いです。

カイロプラクティック心は、施術の度に身体をチェックし原因を考え、その人に必要なアプローチ方法を選択して施術を行います。

身体のチェックから突き止めた原因は、主に以下のアプローチを行います。

関節障害、筋骨格系の問題⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント

バイオメカニクス異常、モータコントロール異常⇒NKT

筋筋膜性⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック

内臓起因性⇒内臓マニュピレーション、栄養指導

カイロプラクティック心は施術歴10年の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。

スポーツ選手が通うカイロプラクティック院で経験を積んでいるため、動作の問題も指導させていただきます。軽度の場合は、それだけでもしゃがみやすくなりことがあります。

オスグッドの痛みを改善して全力でスポーツに打ち込もう

オスグッドは、ただ成長の過程でおこる膝の痛みではありません。仮に成長とともに膝の痛みが無くなったとしても身体の使い方、関節や筋肉、生活習慣などに問題があれば、膝を痛めるリスクがあります。また、無理な身体の使い方、筋肉や神経機能の低下がみられれば、パフォーマンスにも影響します。

カイロプラクティック心は、痛みを改善させるだけではなくパフォーマンスの向上を目標にして施術を行います。

「1日でも早く競技復帰したい」「痛みを改善して全力でスポーツに打ち込みたい」「全国大会を目指しているけど痛みで練習に集中できない」などオスグッドで困っていることがあれば、ご相談ください。

一緒にオスグッドの痛みを解消させて、全力でスポーツに打ち込みましょう。

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