更年期障害は、40~50代の閉経前後にみられ、多様な症状に悩まされます。
また、多様な症状がみられる理由として、自律神経系のバランスが崩れていることが考えられています。
カイロプラクティック心は、自律神経失調症にも対応しており、施術、食事の見直し、脳機能の低下など多角的な視点で更年期にみられる症状の改善を目指します。
病院でのホルモン治療、服薬などで効果がみられない方は、一度ご相談ください。
更年期障害とは?
更年期は、閉経前後の10年間の期間です。
その更年期に現れる様々な症状(他の病気と関連しない、病名がつかない)を更年期症状と呼び、日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と言います。
閉経は女性であれば誰もが経験するため、日常生活に影響していなければ問題はありません。
更年期障害に限ったことではありませんが、日常生活に支障をきたすからこそ対処が必要となるため、○○障害と呼ばれるようになります。
更年期障害にみられる症状
更年期障害の症状には「血管運動症状」「泌尿器生殖器症状」「心因性症状」の3つがあります。
血管運動症状
- ほてり
- ホットフラッシュ
- 寝汗
- 動悸
- 片頭痛
これらの症状は、アルコール、喫煙、肥満、運動不足、精神的ストレスによって悪化するとされています。
泌尿器生殖器症状
- 膣症状(かゆみ、炎症など)
- 頻尿
- 尿意切迫感
膀胱病原体による膣への細菌定着の増加により、再発性の尿路感染症を引き起こす可能性もあります。
心因性症状
- 怒り
- 過敏症
- 不安/緊張
- うつ病
- 集中力の低下
- 自尊心/自信の喪失など
- 睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群、不眠症、むずむず脚症候群は、寝汗だけでは説明できない症状)
閉経によるホルモンのアンバランスだけではなく、私生活や社会的状況の変化に起因している可能性もあります。
その他の症状
- 肩こり
- 腰や背中の痛み
- 関節の痛み
- 冷え
- しびれ
- 疲れやすさ
- めまい
これらは自律神経症状でもみられます。
更年期障害の原因
性ホルモンは、自律神経系と心血管系との相互作用に重要な影響をもたらすとされています(引用元:ロバートソン自律神経学)
また、男性と女性でも性ホルモンの違いから自律神経の制御は異なります。
このようなことから、閉経による女性ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン)のアンバランスをキッカケとして自律神経系と心血管系が、更年期でみられる症状を誘発していると考えらています。
更年期では多くの場合、まずは月経周期が早くなり、次第にエストロゲンの生成が減少し月経がなくなり閉経します。
エストロゲンの低下により、膣内のPHが上昇すると尿路の細菌が定着しやすくなり、泌尿器への感染症リスクが高まります。
また、気分や認知を調節する脳の領域には、エストロゲンの受容体が存在し、エストロゲンの生成低下により気分や認知に問題が生じても不思議ではありません。
更年期女性の身体所見
- 血圧の上昇
- 体重の増加
- 関節痛や筋肉量の低下
- 睡眠障害(何度も目が覚める、なかなか寝れない)
- 一時的な認知機能の低下
- 骨密度の減少
これらは更年期症状であり、日常生活に支障がみられない程度であれば女性が経験する所見と考えられます。
更年期障害の診断
一般的に特定の検査はなく、臨床的な徴候(月経の停止、生殖器の摘出手術など)によって判断されます。
なかには女性ホルモン(卵巣刺激ホルモン、エストラジオール)の数値を検査するケースもあるようですが、大きな変動がみられることもあり、特別に必要とされていません。
病院での治療方法
更年期障害は、単純な女性ホルモンのアンバランスが起因しているのではなく、身体状況や心理的および社会的要因なども複雑に絡んでいるため、確立された治療方法はありません。
そのため、対処的な療法(生活習慣の改善、漢方の処方など)が中心となります。
重度な症状に対しては「ホルモン療法:エストロゲンの補充」が行われ、60歳以前であれば心疾患、血管系の疾患の予防になることが示唆されています。
また、精神的な問題に対しては、抗うつ薬が処方されることもあります。
全ての人が更年期障害にはならない
研究報告では、血管運動症状は女性の75~80%、泌尿器生殖器症状は女性の50~75%、心因症状は女性の70%が経験しているとされています。
しかし、2022年の厚生労働省の更年期障害についての調査では、更年期障害と診断された経験のある人は40代の女性で3.6%、50代女性で9.1%でした。
また、更年期障害の可能性を感じているもしくは他の人から指摘された人は40代の女性で28.3%、50代の女性では38.3%でした。
ただ、女性の更年期症状の状況を示す一つの指標としてのSMIスコアをみると何らかの症状がある人は、40代で83.2%、50代で84.6%の割合です。
これらのデーターから言えることは、更年期症状はほとんどの女性が経験しますが、日常生活に支障をきたす更年期障害は一部の女性と言えます。
健全な生活習慣を取り戻すことが大事
更年期障害の予防や症状の緩和させるために以下のことが重要と考えられています。
- 健康的な食事(閉経後はときに肥満になりやすいため食生活は気をつける必要がある)
- 運動(1週間で150分の有酸素運動と週2~3回の筋力トレーニング)
- ホルモン療法を実施予定の場合は禁煙が推奨される
- 重度の更年期障害は治療選択があるため病院の受診する
食事は神経伝達物質、体の組織の材料などにもなるため、栄養バランスのとれた食事は精神症状の緩和に繋がることもあります。
また、運動は多くの研究で健康に寄与することが報告されており、更年期でも例外ではありません。
適切な食事や運動を習慣化できていた人は、一時的な更年期症状がみられるだけとも考えられます。
なかには、健康に気をつけていた方もいるかと思いますが、多くの情報があふれている現代では健康に良いと思っていても医学的には推奨されない(グルテンフリー、糖質制限など)ことを実践している方もいます。
また、食生活や運動習慣に問題がない人でも日常的にストレスを感じているケースにおいては、更年期障害となる可能性はあります。
カイロプラクティック心の更年期障害への対処法
更年期障害の問題として、まずは栄養が挙げられます。
以下のような方は食事の見直しが必要です。
- 1日3食たべられない(食欲がない、無理なダイエット習慣など)
- 肥満傾向
- 間食が多い
- 食後や夕方に眠気、疲労感が強くなる
- 慢性的に疲労を感じている
- 便秘や下痢が日常的
このような傾向がみられる方は、更年期ではなくとも不調に陥りやすく食事の見直しによって症状の改善が期待できます。
自律神経機能
カイロプラクティック心では、心拍変動の評価ツールで自律神経機能を客観的に評価します。
また、血圧、心拍数、呼吸など身体所見も考慮して自律神経機能の状態を把握していきます。
自律神経機能の問題は、痛みも感じやすくなり頭痛やめまいなど更年期障害と同様の症状がみられます。
自律神経失調症もご参考ください。
脳機能
脳は良くも悪くも低下した能力を他の能力で補うことで、日常生活に支障がないようコントロールしています。
そのため、閉経後に明らかに女性ホルモンの生成量が低下しても、日常生活に支障をきたさず過ごせることも少なくありません。
しかし、更年期になる前から生理不順、PMS、不調を感じることが多い、ストレスを感じやすいなどがみられた方が、ホルモンバランス急激な崩れに脳は対応できず日常生活に支障をきたしているように思います。
また、加齢によって脳機能の低下はみられるため、運動や栄養によって脳を健全に保つ必要もあり、食生活の悪習慣や運動不足は脳機能の低下にもつながります。
さらにストレスは、前頭前野と呼ばれる領域の機能低下を引き起こすことが研究でも示唆されています。
このようなことから脳機能を評価し、脳機能を活性化させていくことで体調が回復していくことも少なくありません。
更年期障害の食事サポート
カイロプラクティック心は、栄養コンシェルジュ®2ツ星の資格を保持しています。
現在の食事内容、身体症状、可能であれば血液検査データーなどを含めてカウンセリングし、適切な食事サポートを行います。
例えば、食欲がなく下痢もしやすいケースでは消化機能(とくに胃)の問題が考えられ、酸味のある食材で胃酸分泌を促したり、サプリメントを利用して消化能力を向上させ、必要な栄養素を摂取できるようにしていきます。
また、肥満傾向となった場合は、体重や体脂肪から計算し適切な食事量のアドバイスや食品の選択の仕方などを提案いたします。
とくに食事に問題が考えられる人は、まずは栄養サポートで食事の見直しをしていきます。
更年期障害のカイロプラクティック
痛みを訴える症状には、カイロプラクティックの施術により筋骨格系の問題にアプローチしていくことも有効です。
ただ、慢性的な症状は(3か月以上続く症状)脳機能の問題も生じていることも考えられ、脳機能も含めて対応していくことが重要となります。
自律神経機能に関わる問題(呼吸、交感神経の過剰興奮など)は、胸郭へのアプローチ(呼吸をしやすくする)迷走神経アプローチおよび頭蓋療法(交感神経の過剰興奮)が有効です。
カイロプラクティック心は、施術歴15年以上のセラピストが1人で責任をもって施術を行います。
脳機能向上のために感覚エクササイズ
自律神経症状、認知機能の問題(集中力の低下)、感覚の過敏および鈍感など脳機能の低下が考えられます。
症状に合わせて脳機能を評価し、脳機能を向上させるエクササイズを行っていきます。
初期の段階では呼吸の機能が低下していることも多く、呼吸エクササイズを行います。
例えば、体温調整を行う脳領域は脳幹であり、他の脳幹の機能(視覚、嗅覚、前庭など)も評価し、さらにはどのような刺激で脳幹の機能が向上するかを考えアプローチ方法を考えていきます。
ケースによって同じ脳幹にある機能(バランス、眼球運動など)を向上させることで、体温調整も上手く行えるようになることもあります。
また、脳幹をコントロールしている小脳や大脳皮質への刺激によって、エラーのみられた脳幹の機能が正常に戻れば小脳や大脳皮質への刺激となるエクササイズを行っていきます。
更年期障害を改善して長期的な健康を手に入れよう
更年期障害をやり過ごす方も少なくありません。
しかし、適切な対処法によって更年期障害は、十分に改善されることがあります。
少しでも更年期障害を改善して、趣味や仕事を楽しみたい方は、カイロプラクティック心にご相談ください。
また、5年先、10年先も健康でいられるよう食事や運動もサポートいたします。
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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