骨化性筋炎から早く競技復帰したい人へ

スポーツ障害

骨化性筋炎の後遺症を改善

サッカー、バスケットボール、格闘技などコンタクトスポーツでは、打撲を含めた外傷が多いです。

打撲のなかには、血腫(血の塊)が石灰化することで、骨化性筋炎を発症してしまい競技復帰に時間が必要となります。

骨化性筋炎は、慢性化するとなかなか治らない人もいますが、徒手的な療法によって効果的に改善できることもあります。

骨化性筋炎から早く競技に復帰したい人は、一度カイロプラクティック心にご相談ください。

カイロプラクテイック心のスポーツ障害についての考え方、アプローチ方法はこちらもご参考ください。

骨化性筋炎とは?

骨化性筋炎は、一般的に大きな筋群(中間広筋【大腿四頭筋】、上腕筋、内転筋群)に発症しやすく、大腿四頭筋の打撲はチャーリー・ホースとも呼ばれます。

若い年代に多く、主にコンタクトスポーツが原因となることが多いです。

原因

打撲によって筋肉と骨膜が損傷し、筋肉からの出血により血腫が筋肉内に溜まることで発症します。

なかには打撲以外でも骨化性筋炎するケースもあり、以下のように分類されています。

  • 外傷性骨化性筋炎
  • 非外傷性骨化性筋炎
  • 進行性骨化性筋炎

非外傷性骨化性筋炎は、感染症、神経障害などが原因となります。

進行性骨化性筋炎は先天的な原因であり、進行性骨化性線維異形成症とも呼ばれ、全身の軟部組織(靭帯、腱、筋肉など)が骨化してしまう難病です。

症状

打撲後の処置が適切に行われれば自然と痛みが治まっていきますが、不適切な処置により受傷後から徐々に痛みが悪化します。

そして、時間の経過と共に、関節の可動域制限がみられるようになります。

受傷後の数週間後には炎症反応がみられない(熱感、腫れなど)にもかかわらず、受傷ヶ所を圧迫すると鋭い痛みがあります。

他には起床時の痛み、しばし夜間痛、触ってみると「木のような質感」を感じることがあります。

診断

レントゲンでは血腫の確認が難しく、CTやMRIが有効な診断方法です。

※受傷後から4~8週が経過すると、レントゲンでも骨化が確認できるようになります。

骨化性筋炎の画像所見

引用元:臨床スポーツ医学

カウンセリングでは、打撲歴、いつ受傷したのか?受傷後に適切な処置ができたか?などがポイントとなります。

打撲歴があり、適切な処置が行われず数週間痛みが継続しているケースは、骨化性筋炎である可能性が高いです。

また、受傷部分を触ると硬結がみられ、圧痛が生じます。

病院での治療

基本的には、手術以外の保存療法が第一選択となります。

本来であれば、打撲の時点で適切な処置を行う必要があり、そうすることで血腫を最小限に抑えることができます。

軟部組織損傷の適切な処置方法については、こちらの記事をご参考ください。

血腫や骨化に対する治療方法としては、主に以下のことが行われます。

  • 体外衝撃波
  • 血腫の吸引
  • コルチロイド注射

現在、これらの治療法は科学的な根拠が明確ではないため、ケースバイケースに対応していく必要があります。

骨化性筋炎のリハビリ(例:大腿四頭筋)

打撲の治療が不適切であると骨化性筋炎に発展してしまうケースもあり、受傷後から臨床徴候に合わせ、4つのステージに分け適切な治療を行うことが大事です。

◇臨床徴候

軽症の臨床兆候

運動が継続出来ることが多く、可動域制限は5~20%程度。

クールダウン後や翌朝に痛みを感じることがある。

中等度の臨床兆候

運動を休止して患部がこわばるまで運動を継続でき、可動域制限は20~50%程度。

体重の荷重は可能であるが、足を引きずる場合もある。

重症度の臨床兆候

完全に荷重することが困難で、動作自体に制限がみられる。

顕著な内出血がみられるため、腫脹と内出血のコントロールが出来ないこともある。

◇段階的なリハビリステージ

ステージ1⇒内出血のコントロール

ステージ2⇒無痛状態での関節可動域の回復

ステージ3⇒機能的リハビリ

ステージ4⇒スポーツ活動への段階的復帰

リハビリの流れ

ステージ1(急性期:受傷後)は、図のようにアイシングを行いながらストレッチポジションを維持します。

骨化性筋炎ストレッチ

引用元:臨床スポーツ医学

近年の急性処置としてアイシングは推奨されておりませんが、アイシングには鎮痛効果があります。

それが結果として、可動範囲を広げるストレッチを可能としていると考えられます。

長時間のアイシングは凍傷を招く恐れがあり、研究でもネガティブな報告が多数あるため、15分程度で十分です。

また、ストレッチはアイシングをしていない時でも行い、他動的な運動(補助して脚を動かす運動)により血腫を最小限に抑えることができます。

ステージ2は、ストレッチの強度をあげ、関節可動域を広げていきます。

ステージ3は、本格的なエクササイズ、筋力トレーニングを行い、ステージ4では競技特有の動作を入れながらリハビリを進めていきます。

中程度から重症程度は、内出血を再発させないことが大切です。

骨化性筋炎に発展した場合は、筋間部分や筋肉と骨の間の滑走性が低下したことが起因となり、関節の可動域が低下していることが考えられます。

また、滑走性の低下にくわえ浮腫が継続されることで内圧が高まり(風船がパンパンになっている状態)筋肉を包む膜も伸長される刺激が加わり、痛みも発生します。

徒手的に滑走性が損なわれているポイントをみつけて、滑走性を取り戻すことで早期改善につながります。

カイロプラクティック心の骨化性筋炎へのアプローチ

急性期は、ステージ1の処置を優先的に行います。

急性期に過度な運動は悪化させるリスクを伴いますが、静的ストレッチ(痛みの無い範囲)は受傷後48~72時間から開始していくことが望ましいです。

カイロプラクティック心のアプローチが有効となるのは、受傷後から2週間後(急性期の終了時期)でも痛みが継続しているケースです。

施術

打撲が原因となる骨化性筋炎においては、患部を中心に施術を行います。

ダメージを受けた部位に伸張刺激を加えていきます。

本来、筋肉は弾性のある(ゴムの性質)組織ですが、骨化により弾性が損なわれています。

それを回復させるため、施術はかなり痛みを伴いますが効果的です。

競技復帰のフォローアップ

長期間可動域が低下した状態で生活をしていると神経系のバランスも崩れています。

そのため、必要に応じて神経システムへのアプローチ(モーターコントロール異常、中枢神経系のエラーなど)も行います。

外傷による脳機能の変化は研究でも報告されています。

カイロプラクティック心は施術だけではなくホームケアも指導し、早期競技復帰を目指します。

なかなか改善されない骨化性筋炎でお悩みの方は、一度ご相談ください。

参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30204632/

 

 

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

保険適用されない理由整体・カイロプラクティックで保険が適用されない理由前のページ

糖質制限 ダイエットの正しいやり方次のページ

関連記事

  1. シンスプリント改善方法

    スポーツ障害

    重症のシンスプリント改善方法【足のスペシャリストがサポート】

    シンスプリントは、10代に多くみられる脛の内側に痛みが現れるスポーツ障…

  2. ゴルフ肘改善方法

    スポーツ障害

    伊勢市/ゴルフ肘の原因と改善方法

    ゴルフ肘は、肘の内側の痛みを訴える症状であり、ゴルフ選手やテニスのフォ…

  3. アキレス腱炎アキレス腱周囲炎改善方法

    スポーツ障害

    慢性化したアキレス腱炎(アキレス腱周囲炎)の改善から再発予防

    スポーツ選手に多くみられるアキレス腱の痛みは、「アキレス腱炎」「アキレ…

  4. 野球ケガ予防 神経システムから考察

    スポーツ障害

    野球 ケガからの復帰・再発予防【機能神経(脳科学)的考察】

    野球は投球動作を繰り返す競技特性から、外傷(打撲、骨折、捻挫など)を除…

  5. 鵞足炎改善方法

    スポーツ障害

    長引く鵞足炎(膝内側の痛み)を解決する方法

    鵞足炎はランニング、水泳(とくに平泳ぎ)、自転車競技などに多くみられる…

  6. eスポーツケガ予防パフォーマンスUP

    スポーツ障害

    eスポーツ選手のケガ予防からパフォーマンスアップ

    eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ【electronic spor…

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

【伊勢市整体】カイロプラクテイック心のWEB予約&予約空き状況の確認できるサイトに移動します。

最近の記事

  1. 恐怖麻痺反射の統合対処法
  2. 低血糖の原因と対処法
  3. ASDの運動は有効
  4. ハムストリングの肉離れ 再発予防
  5. 伊勢市 男性更年期障害

カイロプラクティック心ストリートビュー

 

カイロプラクティック心の概要

カイロプラクティック心には、伊勢市・玉城町・明和町・度会町の近隣の皆さまだけではなく、志摩市・鳥羽市・南伊勢町・大台町・松阪市・津市・名張市・亀山市・熊野市・桑名市・岐阜県など遠方からお越し頂けます。

ご予約:0120-638-124

住所:伊勢市小俣町本町1081

受付:月・火・水9~12時/14~20(金・土は18時まで)

定休日:木、日

ブログランキング参加中

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 健康ブログ カイロプラクティックへ
にほんブログ村

よろしければ、励みになりますのでクリックお願いいたします。

  1. 発達障害の心の問題も運動が良い理由

    脳機能

    精神障害(発達障害・うつ・統合失調症など)と小脳
  2. ASDの運動は有効

    発達障害

    自閉症スペクトラム障害【ASD】への運動介入は有効
  3. 指導者向けチームサポート

    カイロプラクティック心情報

    【指導者向け】ケガ予防を考えたチーム作りサポート
  4. 神経可塑性

    脳機能

    脳の神経可塑性
  5. 低血糖の原因と対処法

    栄養

    機能性低血糖の原因と食事サポート
PAGE TOP