スポーツ障害

膝前面の痛み(膝蓋大腿関節の痛み)の原因、改善方法

膝前面の痛みは、多くのスポーツ選手が経験し、そのほとんどが膝蓋大腿関節と膝蓋腱が起因しています。

ここでは、膝蓋大腿関節の痛みの原因、改善方法についてご紹介します。

他の膝前面の痛みはこちらの記事もご参考ください

膝蓋大腿関節とは

膝蓋大腿関節
膝蓋大腿関節は図の赤丸の部分を指し、太ももの骨(大腿骨)と膝のお皿(膝蓋骨)で形成される関節です。
膝の伸展位(膝が伸びた状態)では、膝蓋骨と大腿骨は接触せず20°曲げたあたりから90°にかけて徐々に接触面積が増えます。
90°以上曲げていくと膝蓋骨と大腿骨の接触部分が変化し、膝蓋大腿関節に負荷がかかり、異常な負荷が反復されると軟骨が損傷します。

膝蓋大腿関節の痛みのメカニズム

軟骨の損傷は、痛みの直接的な原因になりませんが浮腫(水が溜まる)、摩擦により軟骨に下にある骨に刺激が加わると痛みを感じます。

中高年では摩耗がひどくなり、変形が認められると変形性膝関節症と診断される場合があります。

若年性のスポーツ選手では、膝蓋大腿関節症候群、膝蓋骨軟骨軟化症などと診断されます。

※ここからは膝蓋大腿関節症候群として解説していきます。

膝蓋大腿関節の痛みの特徴

ランニングで発生することが多く、膝蓋大腿関節に負担のかかる膝屈曲を伴う荷重動作(ジャンプ、しゃがむなど)で痛みが悪化します。

発症率は女性が男性の2倍とされています。

痛みの部位は、膝前面とは限らず内側や外側、膝蓋骨下などに現れ限局的でないことが特徴です。(なかには外側広筋に圧痛が認められることもあります)

膝蓋大腿関節症候群の鑑別検査

膝蓋大腿関節の痛みは、限局的ではないため以下の膝前面の類似疾患と鑑別することが重要です。

  • オスグッド
  • 膝蓋靭帯障害(ジャンパー膝)
  • 脂肪体炎(脂肪体インピージメント)
  • 膝蓋骨脱臼
  • 変形性膝関節症
  • 離断性骨軟骨炎
  • 分離膝蓋骨

膝蓋大腿関節症候群はレントゲン、MRIなどの画像診断は必要ありませんが、変形や分離膝蓋骨、骨折などの骨異常の鑑別を行うために画像撮影されます。

MRIは膝蓋腱障害の鑑別に有効です。

自己判断はせずに、病院で診断してもらうことで今後の治療方針も決定しやすくなります。

病院(整形外科)の治療

膝蓋大腿関節症候群は、手術以外の保存療法が中心です。

保存療法は、主に服薬による痛みの抑制、病院によってはリハビリ(電気治療、運動療法など)が受けられます。

薬物療法

非ステロイド性抗炎症薬(痛み止め薬)が処方されます。

しかし、短期的な痛みの軽減の有効性はあまり効果がないとされています。(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15266488/

他の薬物療法も含め、科学的根拠が示されてはいません。

装具

膝蓋骨に内側に向けた力を加える膝装具が痛みの軽減につながることがあります。

複数の研究をまともたレビューでは、装具の有効性は証明されておらず、人によっては効果を感じないことも多いことが考えられます(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26645724)

インソール:足装具

下肢のアライメント不良が膝蓋大腿関節症候群の原因の1つと考えられているため、足のアライメント不良がみられる患者に対しては、足の装具、インソールの有効性が示されています。

しかし、病院に足の装具を作成できる作業療法士、医師がいないとインソールの作成はできません。

リハビリ:運動療法

複数の研究で運動療法の有効性が認められています。

主に行われる運動は股関節の筋肉(大殿筋・中殿筋)、大腿四頭筋、ハムストリングスのエクササイズおよび体幹トレーニングです。

全身バランスよく行うことも重要ですが、痛みの改善が目的であれば適切な身体評価によって、エクササイズを行う部位は人によって変わります。

そのため、どの病院でも同じレベルのリハビリを受けることが難しく、理学療法士の質によってリハビリの質も左右されます。

病院でも膝前の痛みが解消されないケース

薬物療法の効果は期待できないため、薬物療法中心の病院では膝蓋大腿関節症候群は改善できないことが多くなります。

リハビリは有効ですが、身体評価もなくリハビリ室に入るなり運動が開始される場合は、やるべき運動療法が行われていないことが考えられます。

膝蓋大腿関節症候群は、下肢のアライメント不良が起因していることも多く、関節位置の問題や関節の異常運動を解消する必要性もあります。

関節の運動障害を改善させるには手技の熟練度も必要となり、ただマッサージしているだけでは解消されません。

病院の治療であっても原因を解消できないと、膝蓋大腿関節症候群がなかなか治らないケースが多くみられます。

膝蓋大腿関節症候群の原因

膝蓋大腿関節に負担の増大が原因となり、環境(練習量、シューズなど)と身体問題(アライメント不良、関節の異常運動など)に大きく分けられます。

下肢のアライメント不良

O脚、X脚などのアライメント不良によって、膝蓋骨の正常な運動が妨げられ、それが結果として膝蓋骨と大腿骨の摩擦力が増大し、痛みを誘発します。

膝関節だけの問題ではなく、足関節の回内足(前足外転が増加し、後足外反が増加)が原因であると報告されています。(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20436240/

関節の異常運動

膝蓋骨の側方移動、側方膝蓋骨スピン、および側方傾斜の増加傾向が報告されています(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2663345/

また、この膝蓋骨の異常運動は、他の関節運動が影響している可能性も示唆されており、その一つに下肢の屈曲時(股関節、膝関節、足関節)の股関節の内旋運動です。

この影響を考慮して、股関節の外転筋である中殿筋のエクササイズが痛みの軽減につながることがあります。

動作異常(身体の使い方の問題)

後重心でのランニング、ウォーキングは、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)が過剰に活動します。そうなると結果として膝蓋骨が大腿骨に強く押さえつけられる力が作用し負荷が大きくなります。

また、股関節を上手く屈曲できずに膝のみを曲げてしまう動きが繰り返されることも、膝蓋大腿関節への負担となります。

片足スクワット動作をみた研究では、過剰は大腿骨の内旋(膝が内側に入る)が関連するとして、大腿骨の内旋制御が正常な膝蓋大腿関節運動学の回復に重要である可能性を示唆すると報告されています(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20436239/

モーターコントロール異常

どの動作でも同じですが、筋肉の協調運動が正常に行われることで正しい関節運動、身体の使い方が可能となります。

モーターコントロール異常がみられるなかで、筋力トレーニングを実施しても効果が得られないケースも多いです。

膝蓋大腿関節症候群に良いとされる筋力トレーニングを行っても効果がみられない場合は、モーターコントロール異常が関与している可能性が高いです。

脳機能の低下

脳は身体の機能をコントロールしています。

脳機能が低下することで反射が過剰に誘発されたり、実際の動きとイメージした動きのギャップが生じたりします。

それが結果として、正常な関節運動や身体の使い方ができず、膝蓋大腿関節への負担を大きくします。

心理的要因

不安や抑うつなどの心理的要因が、とくに慢性的な膝蓋大腿関節関節症候群に関与していると複数の研究で報告されています。そのため、心理的要因を過小評価するべきではないと考えられています。

練習過多

練習環境の変化(小学校から中学校へ進学)成長期の過剰な練習など、フォームや筋力など未熟な面がみられるにもかかわらず、練習を過剰にこなすことで発症することがあります。

また、栄養のアンバランス、睡眠不足など生活習慣の影響によって身体が十分に回復していない状態で練習を行っても同様に発症しやすくなります。

シューズが合わない

サイズの選び方、靴の摩耗が激しいなどシューズの影響により、足関節が機能しなくなって発症することがあります。

足関節は8歳までに形成されると言われ、それまでに足関節に問題が生じている場合は、インソールなども活用したほうが良いケースもあります。

なかなか治らない膝蓋大腿関節症候群はこれらの原因がカバーされていません。カイロプラクティック心は、これらの原因をふまえて膝前面の痛みにアプローチしていきます。

膝蓋大腿関節症候群アプローチ方法

カイロプラクテック心では、病院や他の治療院(整骨院、鍼灸、整体など)では、ほとんど評価しない神経系の問題(モーターコントロール異常、中枢神経の機能低下など)にも取り組むことで治りにくかったり、再発を繰り返したりする膝蓋大腿関節症候群させます。

神経系の問題を解消することで運動療法が効果的に行えます。

施術方法

関節障害、筋骨格系の問題、原始反射⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント

モータコントロール異常⇒NKT、筋骨格系アプローチ

筋筋膜性⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック

中枢神経の機能低下⇒神経活性化エクササイズ、カイロプラクティックアジャストメント

フォーム、身体の使い方の問題⇒エクササイズ指導

カイロプラクティック心は施術歴10年の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。

運動療法も取り入れて再発予防も行います。

片足立ち、片足スクワット

片足立ち、片足スクワットが安定しないことが、膝前面の痛みに繋がっていることが多いです。

筋力トレーニングとしても片足スクワットが上手くできることで、下肢全体のトレーニング(大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋など)にもつながります。

ただ、上手くできない原因は、筋力不足だけではなく足関節のアライメント不良、小脳の機能低下など構造的な問題から神経系まで影響するため、原因を探りながら指導致します。

このようなことから、自己流では上手くいかないケースも少なくありません。

テーピング

カイロプラクティック心のテーピングは、関節を固めるのではなく正常な関節運動を促すことが目的です。

膝蓋大腿関節症候群でも有効と報告されているテーピング方法は、膝蓋骨を内側に動くように誘導するようにテープを貼ります。

一般的には、膝蓋骨が外側への動きが強まっているため、膝蓋骨の外側から内側(膝蓋骨を越えた位置)に向けてテーピングを行います。

そしてテーピング後、スクワットにより痛みの軽減がみられれば良いです。

初めのテーピングで痛みが解消されない場合は、膝蓋骨の内側への引っ張り具合、やや上方に向けてなど微調整しながら痛みが軽減する位置を見つけてください。

インソール

カイロプラクティック心は、3点バランス保持理論のBALANCEインソールの代理店です。

3点バランス保持理論は以下のとおりです。

もともと人間は足裏の踵骨、親指根元の種子骨(拇趾球)、小指根元の中足骨(小趾球)の三点を支点として、二足歩行が可能となりました。 三点BALANCE保持理論とは、この三支点にバランス調整を行うことで、より支点保持力を高め、内外の縦足弓や横足弓の働きを活性化させて、 質の高い重心バランスに調整すると共に、「第2の心臓」として循環機能を活性、補助させる事を目的としています。

出典:三点BALANCE保持理論について

ジャンパーズニーにおいては、回内足を防ぐと共に下肢のアライメントを安定させることが大切です。そのため、インソールによって日常生活から安定させることも早期回復には大切であり、必要に応じて提案させていただきます。

※強制的に購入していただく必要はございません。

カイロプラクティック心は足の専門知識があります

カイロプラクティック心は、現在販売しているインソールだけではなく、以前は足型をとりその人に合ったパーツ選択してオーダーメイドインソールを作成するために身体評価もしていました。

このような経緯からインソールについてのメリット・デメリットまで幅広くアドバイスさせていただきます。また、インソールだけがよくても靴が悪ければ、足の問題は解消されにくいです。そのため、靴の選ぶポイントもアドバイスさせていただきます。

カイロプラクティック、整体でも足の各関節、筋肉をしっかりと検査して施術できるところは多くはありません。カイロプラクティック心は、インソール作成業務にも携わってきたこともあり、足からの調整は得意です。

膝蓋大腿関節症候群(膝前面の痛み)解消したい人へ

膝前面の痛みは、多くのスポーツ選手が経験する痛みです。

膝蓋大腿関節症候群は、この関節への負担を減らすことで痛みが早く改善しやすいです。そして、この痛みは、回復すればパフォーマンスを向上できる「伸びしろ」でもあります。

片足スクワットが膝関節に負担なく行えるようになると、スポーツ選手にとって大切な大殿筋が上手く使えるようになりパフォーマンス向上させることができます。

痛めたことをプラスに考えて、一緒に痛みの改善だけではなくパフォーマンスアップも目指しましょう。

早く競技に復帰したい、休むことでパフォーマンスを落したくない、試合で活躍したい人は、ぜひカイロプラクティック心にご相談ください。

参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4169618/

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