eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ【electronic sports】の略)は、スポーツの競技大会である2022年のアジア大会に正式種目として採用されました。
ゲームを用いた競技ですが、アメリカ、韓国、中国などを中心に競技人口も増えており、世界中から注目された新しいスポーツ競技です。
eスポーツ選手は、座りっぱなし、手を酷使するなどの競技特性により、さまざまな症状に悩まされています。
eスポーツ選手襲う負傷、肥満、糖尿病…新連盟が取り組み約束https://t.co/CKjQh1mI2D
— AFPBB News (@afpbbcom) September 23, 2020
また、WHO(世界保健機関)ではゲームによって日常生活に支障をきたす「ゲーム障害」を新たな病気として2019年5月に国際疾病分類に加えました。
プロとしてeスポーツを継続していくのであれば、このような健康リスクも踏まえて体調管理していくことが重要であり、パフォーマンスの向上にもつながると考えられます。
カイロプラクティック心ではeスポーツ選手の手首や腰などの痛み改善だけではなく、脳機能へのアプローチする神経系エクササイズ、生活習慣のアドバイスなどを行い、健康管理だけではなく、パフォーマンスアップのお手伝いをさせていただきます。
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eスポーツ選手の健康状態
中国で絶大な人気を誇っていたeスポーツ選手のUziこと簡自豪氏は、慢性的なストレス、肥満、不規則な食生活、夜更かしやその他の理由から、2型糖尿病を発症し、さらに手の故障も抱えていたそうです。
このような障害は1つの事例ではありません。
アメリカのオステパシー協会はeスポーツ選手において以下の障害が多いと報告しています。
- 目の疲れ
- 眼球運動の異常(輻輳・サッケードなど)
- 首と背中の痛み
- 頸性および緊張性頭痛
- 肩の痛み
- 手首の痛み
- 運動不足、栄養の偏りによる代謝の問題
- 睡眠障害
- 精神障害(うつ、不安症など)
参考文献:https://jaoa.org/article.aspx?articleid=2753744
eスポーツ選手の生活習慣および身体活動状況
1772人のeスポーツ選手を対象に、健康状態を調査して研究があります。
国によって違いはみられるようですが、病的な肥満になる可能性が高く、BMI値が高い選手ほど体を使った身体活動をしていないそうです。
また、WHOのガイドラインでは週に最低150分の身体活動を推奨していますが、80.3%の選手はこの基準を満たしていませんでした。
しかし、ランクの高い選手(上位の10%)ほど身体活動を行っている傾向があり、タバコやお酒による健康への悪影響も少ないと報告されています。
トップクラスのeスポーツ選手ほど、健康管理もしっかりしていることが推測されます。
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7579013/
eスポーツ選手の健康リスク
アメリカの大学生eスポーツ選手(65人)の練習時間を調査した結果、1日5.5時間から最大10時間練習し、15%が休憩するために立っていない状態で3時間以上座って遊んでいると報告しました。(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6350739/)
このようにeスポーツ選手は長時間座りっぱなしで画面を見続けている生活となります。
このような生活スタイルにどのような健康リスクがあるのでしょうか。
長時間の同じ姿勢(座位)
不適切に座った姿勢は、腰や頸に障害を引き起こします。
また、どのような良い姿勢であっても不動の状態は体に悪影響を及ぼし、体の組織の伸張性がなくなり、関節可動域低下、痛みの閾値の低下(本来なら痛みとして認識しないレベルの刺激でも痛みと感じてしまう)などがみられるようになります。
姿勢は、脳によって適切にコントロール(姿勢制御)されていますが、立ったり、動いたりする機会を失うことで姿勢制御システムは乱れやすく、結果として不良姿勢による首の痛み、肩こり、腰痛などを発症しやすくなります。
手、指の反復的な運動による酷使
パソコンのキーボード、コントローラー、ジョイスティックなどゲームに使用されるものによって手首や指の障害の現れ方は違いますが、長時間の練習により、上肢(指、手首、肘、肩)の障害が引き起こされやすいです。
不良姿勢によって肩甲骨、肩関節のバイオメカニクス(運動連鎖)が崩れることも、上肢の障害に発展します。
長時間のスクリーンタイム
ビデオディスプレイ端末(VDT)で毎日4時間以上作業したケースで視覚症状の有病率は大幅に増加するそうです。
画面を見続けることによって症状が現れるコンピュータービジョン症候群には以下の症状がみられるとされています。
- 眼精疲労(痛み、かゆみ、不快感、灼熱感など)
- 輻輳・開散の調整不良(遠くや近くをみると目がぼやける)
- ドライアイ
参考文献:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1475-1313.2011.00834.x
画面の明るさによる刺激によって、目の負担が増えると眼球運動(サッケード、パースートなど)にも支障が現れることも考えられます。
また、ブルーライトの刺激による睡眠障害、視覚の問題もみられます。
運動不足
運動不足は、肥満のリスクの増大、代謝の問題などが生じ、様々な病気のリスクとなります。
運動は、健康増進する上で必要不可欠であり、科学的にもポジティブな研究が複数あります。
また、精神疾患、筋骨格系の障害の治療において運動の効果が認められているものが多いです。
ゲーム障害
長時間のゲームによって、睡眠障害、身体活動の欠如による肥満、学業成績の低下、過敏性、攻撃性、深部静脈血栓症、家族の対立、注意欠陥などがみられるといくつかの研究で報告されています。
また、ゲーム障害がみられると精神障害(うつ、不安障害、強迫性障害、攻撃的になるなど)も併存する可能性があります。
eスポーツ選手のセルフケア
eスポーツ選手は、職業として「長時間の座位」「長時間のスクリーンタイム」「手の酷使」は、避けられないと考えられます。
そのため、これらのリスクをどのように軽減させながら、eスポーツ選手としての能力を向上させるかが重要となります。
ここでは、いくつかセルフケアをご紹介します。
運動
肥満と精神障害のリスクを伴うeスポーツ選手は、運動を積極的に取り入れるべきです。
トップ選手は、運動を積極的に取り入れているという報告もあったように、無駄になる行為ではありません。
可能であれば、有酸素運動と無酸素運動を取り入れることをお勧めします。
脳は神経伝達物質と呼ばれるセロトニン、アドレナリン、ドーパミンがバランスを取りあっていることで正常な機能を保てる側面があり、それが崩れることで依存症や不安症などがみられます。
そのため、有酸素運動、無酸素運動を組み合わせることでこれらの神経伝達物質が分泌しやすく、精神障害にも有効です。
ストレッチ
同じ姿勢を続けた場合、皮膚や筋肉などの伸張性が損なわれます。
それが、結果として腰痛や肩こり、上肢の障害などにつながることもあります。
30分に1回程度は、一瞬でも良いため立つ、少し歩くなど姿勢を変えることが大事です。
また、ストレッチする時間を1日数分作って、全身を伸ばしてあげると良いです。
瞑想
瞑想は、ストレスを受けて機能が低下した脳を活性化させるという研究報告があります。
また、姿勢を維持する上でうえでも内受容(暑い、気分がいいなどの感覚)です。例えば、気分が悪い、じめじめするなどの環境下では姿勢もシャキッとしないということを経験したこともあるかと思います。
瞑想は内受容の感覚を改善させることにも役立ちます。
そのため、動画のような瞑想もおススメです。
ブルーライト対策
パソコン・スマホなどの画面から発せられるブルーライトは、睡眠障害や眼精疲労の原因にもなります。
そのため、ブルーライト防止シートは、全ての画面に張り付けておくほうが良いです。
また、明るすぎる画面は刺激が強いため、字や画像が認識できる範囲で画面は暗めに設定します。
脳のバランスが崩れている場合、これらの光刺激により片頭痛や慢性的な頸部痛などが誘発されるケースも少なくありません。
脳機能も含めたeスポーツ選手のサポートが必要
運動不足であると、体にある固有受容器(脳に体の状態を伝えるセンサーの役割)が上手く働かなくなります。
また、手を酷使してかばうような動きをすると手からの情報もエラーが生じやすいです。
本来は、固有受容器の情報を脳で処理して、適切な姿勢や身体の動きをアウトプットできますが、固有受容器の反応が悪くなっていれば適切な処理もできず、もちろんアウトプットにも問題が生じます。
ゲームで言えば、一瞬の判断で体を適切に動かせなければ、致命的なミスをする可能性もあります。
脳に伝える情報は、固有受容器だけではなく視覚も重要な役割をしており、視覚を安定させるには身体の安定性も必要です。
適切な情報処理をするためには、脳機能(大脳皮質、小脳、前庭系など)が相互作用し、処理する必要があります。
とくに小脳、前庭系は眼球運動に関わるため、視覚情報が重要なゲームには必要不可欠です。
同じ姿勢が続く、画面を固定して見続けるなどはこれらの脳領域の機能が低下しやすいです。
eスポーツ選手は、肩こりや手首の痛みなど筋骨格系だけのサポートだけでは不十分であり、パフォーマンスがなかなかあがらない可能性もあります。
カイロプラクティック心は、脳機能も評価してより良いコンディショニング作りを提供していきます。
リスクを理解してパフォーマンスを上げよう
ゲームはWHOが公表したように、精神障害を誘発する可能性があります。
その原因は多様ですが、中脳辺縁系ドーパミン経路の問題、島皮質の変化などが考えられています。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29633243/)
ただ、明確な原因はわかっておらず、脳への影響についてはポジティブな研究報告もあります(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6826942/)
だからといって、リスクがないワケではありません。
リスクを理解した上で、eスポーツとどのように付き合っていくかを考えることが大事です。
他のサッカーや野球など他のスポーツ競技も同様でケガのリスクを減らすために日々のトレーニングや食事、セルフケアなどを徹底しているのが一流のアスリートです。
eスポーツ選手も長く選手生活を続け、パフォーマンスを上げるためには、リスクを理解してどのように回避していくかを考えて自己管理を徹底していくことが重要ではないでしょうか。
eスポーツ選手へのカイロプラクティック心のアプローチ
eスポーツ選手がかかえる筋骨格系の症状(腰痛、手首の痛み、肩の痛みなど)の改善はもちろんのこと、eスポーツ選手のパフォーマンスを上げるための施術やアドバイスなどもさせていただきます。
カイロプラクティック心は、脳機能も評価・アプローチすることができるため、eスポーツ選手特有のゲームによって生じやすい脳機能の低下にも対応することが可能です。
施術
関節の可動制限、筋肉の問題⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント、筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック
脳機能評価⇒AK、機能神経学
バランス低下、姿勢制御の問題⇒機能神経学、原始反射、神経統合エクササイズ
固有受容器トレーニング⇒エクササイズ指導
自律神経機能⇒頭蓋仙骨療法、神経系エクササイズ
カイロプラクティック心は施術歴15年の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。
また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。
eスポーツ選手の脳と身体のコンディション作りをサポート
脳に何らかの影響がみられるeスポーツは、脳の評価も大切です。
カイロプラクティック心は、体だけではなく脳も評価して、どちらのコンディションも良い状態に保てるようサポートすることができます。
もちろん、日々の生活習慣、食事なども重要となるため、アドバイスさせていただきます。
eスポーツ選手として勝ちたい、職業として長く続けたい、体調を回復させたい人は、ぜひカイロプラクティック心と一緒に頑張りましょう。
遠方の方のためのzoomを利用した無料相談、トレーニング指導なども行っております。
オンライン(zoom)、ご来店でむr相談されたい方は、事前のご予約をお取りください。
ZOOMでも栄養サポートによるコンディショニング調整、カウンセリングや質問票から考えられる脳機能の低下を考慮してたエクササイズ指導など行えます。
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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