カイロプラクティック心は、神経機能をチェックする全国的にも珍しい施術院です。
身体を動かせるのは、無数にある神経ネットワークが相互作用しているからであり、命令系統となる神経ネットワークが作用しなければスムーズな動きはできません。
立つことに関しても2本足で生活する動物は少なく、さらに立ちながら作業ができるのは脳が他の動物よりも発達し神経ネットワークが作用しているからです。
人が生きていく上で神経系の働きは必要不可欠であり、全ての症状を筋骨格系だけで説明することは難しいです。
そのため、神経系の身体評価も取り入れています。
このような症状でお困りではありませんか?
神経機能のチェックはどのような症状でも関係しますが、とくに以下のような症状では必ず神経機能の評価を行います。
- 過去に外傷・事故歴があり慢性的な痛みやしびれがある
- 慢性症状(頭痛、腰痛など)
- 脳疾患後のよる障害
- めまい
- 発達障害(ASD/ADHD/LDなど)
- パーキンソン病のような振戦症状
- スポーツのケガが多い
- 以前のスポーツパフォーマンスが発揮できない
神経が関わる障害(脳疾患、パーキンソン病、めまい、発達障害など)は、どこの神経機能が上手く働いていないかを判断するうえで神経機能検査は必須です。
他にも神経機能のエラーによって実際の身体の状態とイメージ(感覚)の違いから、自分の思ったような身体の使い方ができずに(自覚がないことがほとんど)症状を引き起こしていることがあります。
神経機能を評価することで、今まで行われなかった部位へのアプローチ、エクササイズなどにより身体機能が回復し症状が治まることがあります。
年のせいだけではありません
- 人の顔や名前がなかなか覚えられない
- 鍵の場所がわからなくなる
- 数日前に食べたものがわからない
- よくつまずいたり、こけそうになる
- 昔よりケガが多くなった
- 昔できていた動きができなくなった
痛みやしびれなどなかったとしても、神経機能の低下により認知機能や身体機能が落ちてしまいます。
神経機能を早めにチェックしておいて、予防に役立てることができます。
神経機能の主なチェック内容
全ての神経機能をチェックするととても時間がかかるため、必要と思われるものを選択して行います。
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- 脳機能評価シート(質問票)
- 姿勢分析(頭部の傾き、足底など)
- 原始反射チェック(モロー、ATNR、ガラントなど)
- 脳神経テスト(嗅神経、視神経、前庭神経など)
- 大脳基底核ループチェック(アンチサッケード、サッケードなど)
- 大脳小脳(指鼻テスト、回内回外テスト)
- 脊髄小脳(片足立ち、ロンベルグなど)
- 前庭小脳(VOR、眼振など)
- 筋力テスト(γ2テスト)
- 眼球運動テスト
- 腱反射
これらをさらに細かく行っていくと100種類前後の検査(徒手検査)あります。
もちろん、症状によっては整形学検査、カイロプラクティック検査、関節可動域検査なども行い、総合的に身体的な問題を把握していきます。
眼球運動チェック
目は脳機能の1/3を利用していると言われています。
言い換えれば、脳機能の問題を目の機能でチェックできるため、「目は脳の窓口」とも呼ばれています。
例)
パースト(物を目で追う動き) 網膜⇒視覚経路⇒視覚野⇒側頭頭頂接合領域⇒頭頂眼野⇒橋核⇒小脳
サッケード(対象物に眼を向ける) 対象物の出現⇒目が向く⇒上丘⇒視床髄版内核⇒頭頂眼野⇒尾状核
実際はさらに複雑ですが、眼球運動を組み合わせて異常がみられるケースを組み合わせていくと問題のみられる脳領域をみつけていくことができます。
眼球運動に問題がみられる場合の症状
眼球運動を含めた視覚の問題は、多様な症状に関わりますが以下の問題はとくにチェックする必要があります。
- 頭痛
- 頸部痛
- めまい
- 肩こり
- ジストニア
- 発達障害(コミュニケーションの苦手、学習の苦手、運動の苦手など)
前庭系チェック
頭位を動かしていくことで、前庭系に刺激が入力されます。
正常に前庭系が働くことで、頭位が動いても正常に目が動き、姿勢を保つことができます。
異常がみられる場合は、「頭を振ると目標物を見失う」「姿勢のバランスを崩す」などがみられます。
めまい、天気の変化による不調などは、前庭系の問題がみられることが多いです。
また、重力を感じる耳石系の異常がみられると、適切な筋肉の緊張(後背部の筋肉:ハムストリング、脊柱起立筋など)が維持ができないため、ハムストリングの肉離れ、腰痛など背部のケガが多くなります。
バランスボールの上下動、サイドステップなどでフワフワしたり、体に力が入るケースは耳石系の問題がみられる可能性があります。
前庭系に問題がみられる場合の症状
前庭系は「自分が何処にいるのか」「相手との距離感」などバランス感覚だけではなく、身体感覚にも重要な機能です。
高齢者、運動不足の方は問題がみられやすいですが、以下の問題はとくにチェックする必要があります。
- 頭痛(とくに天気痛、前庭性片頭痛)
- 頸部痛
- 不安を感じやすい人
- 自律神経失調症の症状がみられる
- 発達障害
- めまい
- 脊柱側弯症
- スポーツでケガしやすい
体性感覚チェック
皮膚や筋肉に自分がどのような姿勢、状態であるかを把握するためのセンサーの役割を果たす神経機能があり、それらを総称して体性感覚と呼びます。
一般的に多いのは、簡単なエクササイズを指導して、筋肉を使っている感覚がないことです。
このような感覚低下は、体を上手く使えなくなるため、結果として痛みで体を認識することが多くなったり、過剰に筋肉を使って初めて意識できたりするため、痛みを感じやすくなります。
簡単な評価法として、目を閉じてどの指を触っているかを確認しますが、しびれ感や何となく重い感覚が続くなどの感覚異常がみられる人ほど、どの指を触っているかが分からないことが多いです。
体性感覚に問題がみられる場合の症状
体性感覚は前庭系と同様に身体所有感の感覚入力として重要であり、損傷がなくとも体に違和感や痛みの原因となるケースもあります。
体性感覚もあらゆる問題に関わります。
- 慢性的な痛みや違和感(重く感じる、しびれ感など)
- 繰り返すケガ
- 動作痛を伴わないコリや痛み
- 発達障害
- めまい
小脳系
小脳は、運動調整に重要です。
最近では認知や感情的な問題にも影響することが研究で示唆されているため、感情面の問題も小脳が影響していることもあります。
小脳は大脳、前庭系、大脳基底核などと連帯して運動調整しています。
眼球運動をみると運動調整ができないため、対象物に対して眼球を動かせず対象物を見る度に目が揺れるような動きをみせます。
それが結果として眼球疲労による自律神経過活動となる頭痛、めまい、頸部痛などを引き起こすことがあります。
眼球運動以外にも運動のフィードバック、フィードフォワードの役割を担い筋肉の緊張度をコントロールしてより精密な動作を実現します。
そのため、病的な問題としては物を掴む単純な動作も腕が揺れるような動きがみられます。
病的ではなくとも正常な筋緊張度をコントロールできないため、無駄な筋肉の緊張があったり、無駄な関節運動などで筋肉へのダメージが積み重なっていることもあります。
小脳に問題がみられる場合の症状
小脳は運動、認知、感情などの調整に関わるとされており、小脳の問題を解消することで最終的な痛みの消失、身体調整ができることによる再発予防になると考えられます。
1)筋骨格系の問題と小脳の関り
肩関節、股関節、脊柱の筋肉コントロールに関わるため、腰痛、肩痛、股関節痛の問題が生じやすく、それらに付随した肘、膝などの痛みの原因となります。
また、スポーツで繊細な運動調整に関わるため、パフォーマンスに影響を与えます。
2)中枢神経系の問題と小脳の関り
頸部ジストニアは、小脳の影響も研究で示唆されています。
また、前庭系や眼球運動の調整も行うため、めまいの問題にも評価は必須です。
他にも中枢神経系の異常が考えられる発達障害、パーキンソン病なども評価は必要です。
脳幹チェック
脳幹は、生命維持に必要な機能があり、意識的ではなく無意識下であらゆる機能をコントロールしています。
ここで見るべきは、左右差が重要です。
例えば、嗅覚(匂い)聴覚など脳幹を起因とする脳神経のテストで左右差がみられることがあります。
このような左右差がみられると、左右の筋緊張に差がみられたり、重心移動の問題がみられたりするため、結果として身体の様々な不調につながります。
また、迷走神経や瞳孔チェックなどで自律神経のの状態を把握する1つのチェック方法にもなります。
脳幹に問題がみられる場合の症状
脳幹は、感覚が入力される重要な領域です。
「1+1=2」といった数式で例えると、1が感覚の入力となりこの部分に異常がみられれば「2」という答えがでないように身体では運動や感情にエラーが生じます。
このようなことから、人間の行動は感覚入力が第一歩であり、そこの異常は身体に悪影響を及ぼします。
脳幹に関わる原始反射(姿勢反射)に問題がみられれば、姿勢の悪さだけではなく無駄な筋緊張による体の痛み、自律神経系の基盤にもなるため自律神経症状、起立性調節障害、発達障害などでは問題がみられやすいです。
呼吸中枢のある脳幹に呼吸の問題(口呼吸、酸素過多)がみられれば、原始反射と同じように自律神経症状や姿勢の悪さがみられます。
脳幹からは脳神経(視覚、聴覚、顔および頸部、舌の筋肉、顔の知覚、嗅覚など)があり、自律神経とも連動しているため、あらゆる問題を解決するヒントになります。
大脳皮質チェック
大脳皮質は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の大きく分かれ、さらに細分化された役割があります。
その役割を踏まえたチェックシートを記入してもらうことで、どこの脳領域の機能が低下しているかを把握します。
例えば、しびれ感や体の感覚異常などは頭頂葉の影響を受けていることがあります。
また、集中力の低下(話の途中でスマホをよく見てしまう、集中力が続かない)簡単な反復動作でもミスをするなどは前頭葉の機能低下がみられることがあります。
ストレスは前頭葉の機能低下を引き起こすことは研究でも示唆されており、強いストレスを感じているケースにおいてはとくに前頭葉の問題は生じやすいと考えられます。
前頭葉は体のコントロール中枢でもあり、自律神経系や感情、筋緊張などのも影響を与えます。
さらに前頭葉を経由して身体感覚(頭頂葉)言語(側頭葉)視覚、空間認知(後頭葉)が相互作用し、さらに前庭系、小脳、体性感覚などの情報を大脳皮質で処理しているため、大脳皮質を健全に保つことは重要です。
大脳皮質の問題でみられる症状
大脳皮質は中枢神経のなかでも上位にあり、情報の処理および適切な行動、動作を行うために重要です。
また、他の領域との大きな違いは認知活動に大きく関わる点です。
そのため、認知の問題(うつ、ブレインフォグ、発達障害など)では、チェックが必須となります。
さらには再発予防といった点では認知活動を行いながらさまざまな活動を行う人(しゃべりながら歩く、ゲームシチュエーションが頻繁に変化するスポーツ、仕事や家事など)では認知活動を伴ったダブルタスク、トリプルタスクが遂行できるようにする必要があります。
スポーツ選手では、バランス運動、競技スキル練習などに加えて認知機能を加えたトレーニングを行います。
例えば、後頭葉では数字や図形の認知、前頭葉では決められた作業をこなすなどしながら、バランストレーニングを行います。
検査に沿ったアプローチ
検査内容にそって、施術内容や運動プログラムを組み立てていきます。
また、これらの検査を行うことでご自宅でもできるホームケア方法が明確になり、実践できれば早期の症状改善につながります。
例えば、肩こりのような筋肉の問題と考えられる症状でも、原始反射や前庭系の問題によって頸部を常に緊張させているケースも多いです。
このような場合は、施術で頸部の筋緊張を緩和させることはできますが、原始反射や前庭系の問題で筋緊張を過剰にしているため、何度でも再発します。
そのため、原始反射統合エクササイズ、前庭系エクササイズも行っていくことで長期的に肩こりを改善させることができます。
また、慢性的な症状では体性感覚の低下(触感覚、筋肉の収縮感などの低下)がみられることが多いです。
施術や簡単なエクササイズで体性感覚の機能を上げることも可能ですが、自信で体性感覚を上げていくことも重要となる可能性もあります。
手足のしびれであっても頭頂葉と呼ばれる領域の機能低下によって、感覚が上手く脳で処理できなことで異常な感覚として認識しているケースもあります。
このように神経系の影響は一般の人が考えているよりも多くの問題を生じさせる可能性があります。
運動プログラムの作成
遠方からこられる方で頻繁には通えない人は、運動プログラムを作成致します。
また、作成するだけではなくフォローアップ(必要に応じてテレビ電話も可能)もさせていただきます。
プログラムに関してはこちらもご参考ください。
予防プログラム
症状がなく身体機能チェックのみをご希望の方は、とくにやるべきホームケアをご指導させていただきます。
忘れてしまう、家で行う自信がない人は、施術もしくは運動プログラム作成されることをおすすめします。