感覚エクササイズ

感覚エクササイズ

運動は、スポーツ選手だけではなく幼児から高齢者まで必要不可欠です。

なぜなら、運動はスポーツだけではなく「立ち上がる」「箸を動かす」「車を運転する」など体を動かさずに生活を送ることが不可能だからです。

では、運動を構成する要因はなんでしょうか。

運動は手足、体幹部を動かす前に色々な感覚(物を見る視覚、手足の感触、立つためのバランス感覚など)を脳が処理して、表現された体の動きです。

そのため、感覚を上手く処理できないと正確性の欠いた運動となり、「慢性的な痛み」「ケガが多い」「スポーツのパフォーマンスが上がらない」といった悩みにつながります。

このようなことから「薬を飲んでも症状が改善しない」「色々な施術を受けたけど効果がない」「ケガが多い」「トレーニングをしてもスポーツパフォーマンスがあがらない」などが多くみられます。

感覚を上手く処理できるようプログラムした感覚エクササイズは、スポーツ選手だけではなく幼児から高齢者まで悩みを解決する糸口になる可能性があります。

ここでは、感覚エクササイズについて詳しく解説しています。

運動をコントロールする脳システム

脳は図のように色々な感覚を処理して、運動や姿勢を適切にコントロールしています。

体性感覚

体性感覚は大きく分けると固有感覚、外受容、内受容の3つです。

固有感覚は、自分自身の体に関する感覚であり、「筋骨格」「皮膚」「関節包」に存在する固有受容器(筋紡錘、腱紡錘など)によって、姿勢や動きを認識することができます。

固有感覚がなければ、眼で確認できな体の部分を認識することが難しいです。

そのため、固有受容器の働きがなくとも体を動かすことはできますが、その動きは不器用にみえ複雑な動きに対応できません。

固有感覚機能の低下はケガのリスクを高め、代表的な症例として「捻挫グセ」と呼ばれる繰り返す捻挫を引き起こします。

以前は、固有受容器と外受容が姿勢や運動のコントロールに関与していると考えられていますが、最近ではない受容も含めてコントロールされていると言われています。

内受容は、体の内部状況(喉渇き、空腹感、息苦しさなど)に関する感覚であり、自律神経の制御にも関わると考えられています。

このようなことから、落ち込んでいるときは俯き加減の姿勢になったり、ポジティブな時は前を向いた姿勢になりやすいと言えるのではないでしょうか。

外受容

外受容は、体に受ける刺激(触る、振動など)や侵害受容(痛み、炎症などを感知する)を認識します。

また、大きくは表在感覚と深部感覚(固有受容器も関わる)に分類されます。

さらに表在感覚は「触覚」「圧覚」「温冷覚」「痛覚」深部感覚は「運動覚」「位置覚」「振動覚」「重量覚(筋肉の伸長感および収縮感)」に分類されます。

これらの外受容の問題の一例としては、肉離れなどの外傷、手術による皮膚の手術痕など振動や触刺激の感度を低下させる可能性があり、結果として筋骨格系のダメージを認識できず大きなケガに発展させる可能性があります。

身体所有感

身体所有感は、自分の体に関して、それが自分の体であると認識する感覚であり、視覚と体性感覚の情報によって生じると言われています。

そのため、体性感覚の低下は、視覚は正常であっても身体所有感が乏しいと考えられます。

例えば、足場が不安定な場所では目で足元を確認しながら歩くため歩く動作が遅くぎこちなさがみられますが、慣れた平地では視覚で確認しなくてもスムーズに歩けます。

このように視覚で確認しなくても、手足を自由に環境に合わせて動かせることはとても大事です。

大げさに言えば、自分がどのように動いているか、どのような姿勢をとっているかを適切に把握できないため、体を緊張させて体を守ったり、不意の動きで体をコントロールできなかったりするため、体を痛めるリスクが高まります。

視覚系

視覚の情報を伝える経路は「物体の認識:腹側皮質視経路」「物体がどこにあるのかを認識:背側皮質視経路」の2つです。

背側皮質経路は、眼球運動や運動(目標を定め、大きさや形状などの性質を特定し運動を完遂するための運動プログラム)のために必要な情報を頭頂葉に送っています。

そして、頭頂葉は視覚情報だけではなく、あらゆる感覚情報を統合して運動を完遂するプログラムを構築しているとされています。

視覚能力は運動能力に関与することが考えられています(引用文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34769799/

眼球運動

視覚の能力を活かすためには、眼球運動によって認識したい物体を眼球の中心に捉える必要があります。

「文字を読む、外の世界を素早く見渡す(サッケード)」「動いている対象物を見る(パスート)」「奥行きのある対象物に焦点を合わせる(輻輳・開散)」など眼球運動を使い分けています。

これらの眼球運動がスムーズに働かない場合、代償的に頭部や体幹を動かす必要があり結果として体の痛みや違和感(首、肩、腰など)がみられるようになります。

スポーツは、ボールを上手く捉えられないため、パフォーマンスが発揮できません。

前庭系

前庭器官は、回転運動を感知する三半規管と前後左右および上下の直線運動を検知する耳石があります。

前庭器官によって重力を感知すると共に「体はどのような状態であるか」を把握できます。

例えば、眼を閉じていても自分が逆立ちをしているのか、少し回っているのかをイメージできるのは前庭器官があるからです。

前庭感覚は、視覚や体性感覚と統合され前庭系システムとして働き、動きのなかでも安定した姿勢や視野を維持することが可能となります。

前庭系の問題は、「めまい」「ブレインフォグ」「感情の問題」[頭痛」など多くの症状に関与すると考えられています。

また、前庭系は重心移動、方向転換などスポーツに必要な動作に必須です。

感覚の向上は重要

前庭系、視覚系、体性感覚系などの感覚は、加齢や日常的に利用しないことによって自覚なく衰えます。

最近では、デスクワークやスマホの普及で頭部を動かさず(前庭系の低下)同じところを見続ける(視覚系の低下)といった生活習慣によって衰えやすいです。

また、運動不足やケガ、ストレスは、体性感覚の機能低下につながります。

このように現代の生活では、機能低下は引き起こされやすく、アスリートでもストレスや外傷をキッカケに感覚の機能を低下させてしまいます。

捻挫や脳震盪などの外傷後は、前庭系や固有受容器のリハビリが行われるように感覚の回復および向上は重要です。

一般の方でも症状の改善がみられないケースにおいて、これらの感覚機能の低下がみられることもがり、感覚の回復に伴い症状が改善されていきます。

感覚の機能低下は改善できる?

脳は良くも悪くも、構造的および機能的に変化する性質(神経可塑性)をもっています。

小さい頃に乗れなかった自転車を乗れるのは、反復練習により自転車を乗るために必要な感覚が活性化されたからです。

反対に使われない感覚は、衰えがみられ「昔は○○ができたのに。。。」といった経験もあるのではないでしょうか。

しかし、そのような経験も日常生活に差し支えないことも多いです。

その理由は、脳の神経システムの一部が使われなかったとしても、他の神経システムが代償的に利用して体を動かすことができるからです。

例えば、眼を閉じて片足立ちは30秒程度できますが、全く立てないという状況に陥っていても日常生活を送ることは可能です。

しかし、「つまずきやすい」「ふとした動作で体を痛めやすい」など身体的な不調やめまい、肩こりなどの症状がみられることはあります。

このように日常生活は送れていても、症状やスポーツのパフォーマンスが上がらないと感じたときには、多くの感覚の機能が低下している可能性が考えられます。

そのため、神経可塑性を利用して感覚の機能が低下が含まれる神経システムを活性化させることが重要です。

感覚エクササイズ

感覚エクササイズはマニュアル的な方法はなく、その人の現状にあったプログラムを作成する必要があります。

例えば、前庭系エクササイズ必要とするケースでもスポーツ選手と高齢者では行うプログラムに違いがあります。

日常的に素早く動く必要の少ない高齢者の人は、立位姿勢や座位姿勢で日常生活が送れるプログラムが必要かもしれません。

また、スポーツ選手は素早い動きに加え、状況判断による最適なプレー選択といった複数のタスクをこなす必要があり、前庭系エクササイズに加えて、周辺をみるトレーニング、および認知トレーニングなども加えていく必要があるでしょう。

このように感覚エクササイズは、現在の身体状況を評価し、目標とする生活およびスポーツ競技特性をふまえてプログラムします。

体性感覚エクササイズ

体性感覚を主に以下の方法で評価します。

  • MMT(筋力テスト:検者誘発筋力テスト)
  • 触覚
  • 2点識別
  • 触覚識別
  • 呼吸テスト
  • 関節位置感覚テスト

関節位置関節テストは、動画にあるmotionguidanceを使って行います。

これらの評価に基づいて必要なエクササイズを行っていきます。

体性感覚においては、触覚、振動覚、筋肉の伸長感、固有受容器の異常などは施術のほうが効果的に改善できるケースもあります。

MMTの問題(力が入りにくい、筋肉の伸長感および収縮感がわからないなど)がみられる筋肉をピンポイントでエクササイズ&ストレッチを行います。

他の体性感覚エクササイズは、呼吸(鼻呼吸、呼吸パターンの構築など)触覚の識別および色々な感触のツールで触覚への刺激などがあります。

呼吸に関してはこちらもご参考ください

視覚系エクササイズ

視覚系の主な評価は以下のとおりです。

  • 固視
  • 注視
  • 輻輳・開散
  • パスート
  • サッケード
  • 周辺視野
  • オプティカルフロー

これらの評価に基づいて視覚系のエクササイズを行っていきます。

視覚系のエクササイズは、ビジョントレーニングをイメージしてもらえれば良いです。

引用元:株式会社ビジョナップ

手足の協調運動も必要とはなるため、blaze podを利用して行うこともあります。

前庭系エクササイズ

前庭系の主な評価は以下のとおりです。

  • 前庭眼球反射
  • 回転後眼振
  • スロースピン
  • 耳石評価

これらの評価をもとの前庭系エクササイズを行っていきます。

前庭系への刺激は過剰になると「目が回る」「乗り物酔い」というように気分が悪くなることがあります。

評価の段階で気分の悪さを訴える場合、その刺激に耐えうる身体の状態ではありません。

そのケースにおいては、栄養バランスの見直しや体性感覚からしっかりと改善していく必要があります。

また、前庭系エクササイズを取り入れていくにも段階的(寝た状態から前庭眼球動眼反射を行う)に強度を上げていきます。

感覚統合エクササイズ

日常生活において、感覚を1つだけ使うということはありません。

なかには感覚の機能が低下し、能力の高い視覚に依存した状態で生活していることもありますが、依存した状態は改善していくことが望ましいです。

ここまで紹介した「体性感覚」「視覚」「前庭系」を合わせて行い感覚を統合して、運動を表現できるようにしていきます。

さらには認知機能を加えていくことで、日常のタスクをこなしやすく、スポーツ競技中の判断を早くできることも可能です。

感覚統合エクササイズの例として、バランスボードの上でバランスを取り(固有受容器への刺激)お手玉(眼球運動)に加え、足し算(認知課題)を行うといった、色々なタスクを組み合わせていきます。

組み合わせや難易度は、体の状態や目標とする生活およびスポーツのレベルに合わせてプログラムを作成します。

体をコントロール

感覚エクササイズの最終目標は、体をコントロールできるようになることです。

とくに慢性的な症状は自覚のないまま、体への負担が大きくなっています。

例えば、立っているだけ、座っているだけでも体を緊張させるため、体への負荷が大きくなり常に痛みを感じやすくなります。

そのため、必要最低限の力で立つ、座るの姿勢コントロールを身につけることが、長期的な痛みの改善に繋がります。

「普段から姿勢を意識する必要がありますか」と聞かれることも多いですが、立つ、座るは無意識でコントロールできるものであり、そのため教えることなく乳児は「立つ」「座る」ができるようになります。

当然、「呼吸」「歩く」など教えずにできてきたことは、無意識でもコントロールできることが前提と考えられます。

これらが出来たうえで、仕事やスポーツ競技、日常生活に必要な運動コントロールを身につけていくことで長期的な症状改善につながります。

例えば、スポーツ競技では目まぐるしく変わる環境下でもパフォーマンスを発揮するために動きの多様性は、必要となります。

そのため、同じ捻る動作でも状況によっては少し斜めであったり、純粋に真横であったりするため、負荷や条件を変えながら多様な動きをコントロールできるほうが良いです。

感覚エクササイズは、症状改善にも有効なケースもありますが、長期的な予防のために必要となります。

料金

伊勢市 整体 カイロプラクテイック心感覚エクササイズ料金

無料体験

カウンセリング+感覚エクササイズ(40分程度)

ご要望、目的などに合わせて感覚エクササイズを体験いただけます。

自分の体をコントロールしよう

呼吸や歩行など人は、自然と身につけている動作は多いです。

しかし、自身がもつ感覚機能が低下すると呼吸が浅くなったり、肩で呼吸したり個別差が大きくなります。

また、歩行でもリズムが崩れていたり、片方の腕だけ振れていなかったり違いがみられるようになります。

「どう歩けば良いですか?」と聞かれることも多いですが、感覚機能を向上させて統合させていくことで自然と呼吸や歩行、姿勢などに変化がみられます。

スポーツのパフォーマンスを上げるために、ウエイトトレーニングや競技スキルを向上させるトレーニングは必須です。

また、運動はあらゆる疾患の症状改善、健康維持向上の効果があることは科学的に証明されています。

しかし、体をコントロールできないことで体を痛めやすかったり、不調に陥りやすかったりすることも少なくありません。

カイロプラクティック心は、慢性的な痛み、ケガからの競技復帰、スポーツのパフォーマンスを上げたいといった悩みを解決する1つに感覚エクササイズを提供させていただきます。

体のコントロールを身につけ、長期的な健康およびスポーツパフォーマンスの向上を目指していきましょう。

 

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