ストレートネックでお悩みの人は、何らかの症状があることがほとんどです。
そのため、症状を診てもらった病院で「ストレートネックと言われた」姿勢の悪さを気にしてストレートネックと自己判断した方が多くみられます。
このようなことから、「ストレートネックを治さないと症状が治らないんじゃないか」「ストレートネックだから姿勢が悪いのか」などと考えてしまいがちです。
しかし、ストレートネックで発症するとされる肩こり、首痛、頭痛、しびれなどはストレートネック以外の原因のほうが多いです。
また、ストレートネックのセルフケアを試して、症状が悪化することも少なくありません。
臨床的に「ストレートネック」という言葉に踊らされ、本質となる症状の原因にアプローチできていないことが多いです。
カイロプラクティック心では、ストレートネック以外の原因も含めて全身を評価し、症状改善、および姿勢改善を行っています。
ストレートネックでお悩みの人は、ぜひ続きをお読みください。
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症状から考えるストレートネック
肩こり、頭痛、首痛など何らかの症状が楽にならないかと病院を受診しても異常が見当たらず、「ストレートネック」と言われる人が多いです。
ストレートネックは病気ではなく、レントゲンで見たままの情報を患者さんに伝えているだけであり、ストレートネックが原因で症状が現れるワケではありません。
ストレートネックが肩こり、頭痛、首痛の原因とならないことについてはこちらをご参考ください
頸椎の前弯と後弯が混同している
一般的にストレートネックと言われている姿勢は、頭部が前方へ移動した状態と言われています。
しかし、実際にカイロプラクティック検査(触診、関節可動域検査)では、下の図のように下部頸椎がストレートネック状態(頸椎屈曲位)上部頸椎が過前弯(頸椎伸展位)になっていることが多いです。
出典:図解姿勢検査法
この状態で上部頸椎にストレートネックの治療やセルフケアを行うと頸椎の過前弯を強めてしまうため、症状を悪化させてしまうことがあります。
姿勢から見るストレートネック
ストレートネックの姿勢チェック法は、下の写真のように壁に身体をつけて、頭部だけがつかないとストレートネックの可能性があると言われています。
出典:テレビ東京L4YOU「スッキリ解消!肩こり・腰痛の最新治療」
しかし、先に説明したとおり、頭部が前方に移動していたとしても頸椎の前弯がみられるケースは多いです。
また、姿勢は全身を評価する必要があり、頭部が前方へ移動しているからと言って頸部のケアだけをすれば良いとは限りません。
姿勢は、下の図のように足元から矢印の方向に関節が捻じれれば、連鎖的に頸部まで捻じれた姿勢になることがあります。
出典:図解姿勢検査法
このように頸部の歪みがみられたとしても、足関節が原因で歪んでいる可能性もあります。
このようなケースで、頸部ばかり調整しても効果はありません。
そのため、姿勢は全身を評価して、「どこが原因でこのような歪みが生じているか」を突き止めて、本当の原因に対してアプローチする必要があります。(ケースによっては1ヶ所ではなく複数ヶ所の問題がみられます)
また、姿勢は脳がコントロールする姿勢制御システムの影響が大きく、頸椎の問題だけで姿勢が決定されることはありません。
このような理由から、姿勢のチェック法だけでストレートネックと決めつけ頸部だけ調整しても効果がないことが多いです。
ストレートネック=頸部のケアではありません
ここまで説明してきたとおり、ストレートネックが症状を引き起こす原因とは限りません。
レントゲンでは判明しない首~頭部周辺の症状は色々あります。(顎関節の問題、眼球運動の問題、筋肉の問題、脳のアンバランス、原始反射の残存など)
また、単に普段の姿勢が悪いだけではなく、「日常的な口呼吸」「無駄に胸を張ろうとしている」「過去のケガ」「原始反射の残存」など姿勢の問題も多岐に渡ります。
頭部の前方移動において、以下のような研究報告があります。
頭部前方移動の姿勢がみられる被験者32人を 上部胸椎(胸椎1、2番)と上部頸椎(頸椎1、2番)を調整するグループに分けたところ 上部胸椎の調整グループに改善の効果がみられた。
このように背骨の問題であっても頸部よりも胸部の調整が有効となっており、科学的にも頸部の調整が良いとは言えません。
カイロプラクティック心では、「ストレートネック」と病院で診断されたとしても、症状に対してしっかりと原因を考えてアプローチします。
また、姿勢についても首だけではなく全身を評価して、アプローチが必要な場所を考えます。
カイロプラクティック心のストレートネック対処法
カイロプラクティック心は、ストレートネックに拘らず症状の原因をしっかりと評価します。
もちろん、ストレートネックを気にされている方は、頸部の可動域、カイロプラクティックの頸椎チェックも行います。
また、姿勢について(特に頭部の前方移動が起因する猫背)は、関節の問題だけではなく呼吸機能、中枢神経系(脳)を介した姿勢制御システムの問題が関わるため、それらを評価することが重要です。
身体評価をしっかりしたうえで、まず必要な問題に対してアプローチしていきます。
評価法
静止した状態だけではなく、カイロプラクティック独特の検査法(モーションパルペーション)で背骨の1つ1つの関節可動域を確認します。
そうすることで、ストレートネックと頸椎前弯が混同していても問題部位を特定しやすくなります。
カイロプラクティック検査以外にも整形学検査、背骨以外の関節可動域検査などて身体の状態を把握します。
また、機能神経学、原始反射、NKTなど神経機能の評価も行い、筋骨格系以外の問題にも対応しています。
施術
検査で考えられる原因に対してアプローチしていきます。
関節障害、筋骨格系の問題⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント
バイオメカニクス異常、モータコントロール異常⇒NKT
椎間孔障害⇒IVFテクニック
筋筋膜性⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック
内臓起因性⇒内臓マニュピレーション、栄養指導
このようにストレートネックでお悩みの人でも、全身を評価してアプローチしてもらえる専門家にご相談することをお勧めします。
胸郭アプローチの重要性
猫背を気にし過ぎて平背(胸椎の後弯の減少)になり、結果としてストレートネックの姿勢になる方は多いです。
そのため、テレビやYouTubeで頸部のケアをしても効果がみられません。
また、呼吸エクササイズを行うにしても胸郭の可動制限、胸部の筋緊張などがみられると効果も現れにくいため、施術で胸郭へのアプローチを行います。
胸郭の可動域を改善させるだけでも頸部が動きやすくなります。
足部へのアプローチ
先にも解説したように足部の問題が関節や筋肉の運動連鎖によって、頸部に悪影響を及ぼすことがあります。
とくに立ち仕事、過去の捻挫、合わない靴を履いているなどによって、足部のダメージ(扁平足、外反母趾、回内足など)は大きいです。
理想は施術だけではなく、フットエクササイズでしっかりと足部の機能を取り戻すことですが、継続性が重要にもなるため、足部のお悩みがない方はインソールや靴の選び方などをアドバイスもさせていただきます。
足部は体のなかでも小さい骨が密集しており、細やかな関節へのアプローチが重要です。
頸部へのアプローチ
ストレートネックであるため、頸部へのアプローチも行います。
ただ、頸部以外の問題を解消することで、可動域の改善や症状の軽減がみられることも少なくありません。
また、頸部以外をしっかりとアプローチしておくことで、頸部の負担を減らすことも重要です。
頸部は、解剖学、運動生理学をもとにアプローチしていきます。
呼吸エクササイズ
日常的な口呼吸が、一般的にストレートネックと呼ばれる頭部前方移動を招いていることがあります。
そのため、施術で呼吸機能を回復させるエクササイズを行います。
これを行わずに施術だけしても、日常的な口呼吸が改善されなければ元に戻ります。
呼吸機能に関して詳しくはこちら
症状に合わせたアプローチ
基本的にストレートネックだけに悩んでいることはなく、何らかの症状を解決したい方がほとんどです。
肩こり、首コリ、頭痛など症状の原因を検査でしっかりと考え、その人に合ったアプローチを行います。
肩こりについて詳しくはこちら
首こりについて詳しくはこちら
頭痛について詳しくはこちら
本来、ストレートネックは病気ではないため、症状に合わしていくことが最も重要と考えられます。
よくある質問
ストレートネックでよくある質問をまとめました。
どれくらいの期間でストレートネックが改善されますか?
A.目的や症状の重症度によって変わりますが、基本的には週1~2回のペースで6回の施術で症状の改善及び軽減がみられます。
症状の改善されれば良いケースであれば、集中的に施術を6回くらい行うことで症状が改善されていくことが多いです。
ただ、口呼吸、視覚の問題、前庭系などが症状に大きく関わっている場合は、施術だけでは改善されないケースもあります。
頭部が前方に移動した一般的に猫背と呼ばれる姿勢も改善したい場合は、今までの生活習慣、身体活動のクセなども見直していくことで長期的に自身のケアだけで改善された姿勢を維持できます。
そのため、骨格の問題だけ解決すれば姿勢が改善されるのは一時的です。
姿勢の改善や長期的に症状が現れない体を手に入れたい方は、12週(週1~2回ペース)くらいが目安となります。
セルフケアも教えてもらえますか?
A.セルフケアも指導します
セルフケアをしっかり行える方は、症状改善も早まることが多いです。
そのため、その人に合ったセルフケアを指導しています。
デスクワーカーでもストレートネックは改善されますか?
A.改善されます
座りっぱなしは健康を害するリスクを高めることは研究でも報告されていますが、心がけ次第で改善は可能です。
施術だけでも症状が改善されますが、症状が改善されてからも1~2ヶ月の間隔で定期的にメンテナンス施術を行っていくことで良い状態を保てます。
メンテナンス施術に通うことが難しい場合は、生活習慣の見直し(日常的な運動の継続、食生活の見直しなど)視覚系の問題改善などしっかりと再発予防をしていくことをお勧めします。
視覚の問題は眼科で遠視、乱視なども含めて自分に合った眼鏡やコンタクトレンズなどを利用していくことも重要です。
ストレートネックの施術で首をバキバキされますか?
A.バキバキとする施術はしません
バキバキと音がなる施術が嫌な方に行うことは一切ありません。
ストレートネックと言われた方へ
ストレートネックと医師から言われると、症状の原因がストレートネックと考えがちです。
しかし、ストレートネックは病気ではなく、見たままを伝えているだけであり、症状に対して特別な原因が見当たらないと言っていることと変わりはありません。
また、画像診断するにしても上を向いた姿勢、通常の安静姿勢などいくつかの姿勢を撮影しなければ、関節の動きを把握することは不可能であり、正しい判断ができているとは言えないのではないでしょうか?
カイロプラクテイック心は「ストレートネック」と言われた場合でも、一つ一つの首の関節の動きをチェックし、安易にストレートネックのケア方法などを指導することはありません。
また、頸椎の動きに制限がみられれば対応し、二次的な問題であれば原因部位をみつけて対応していきます。
ストレートネックで何らかの症状でお悩みの方は、一度ご相談ください。
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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