ストレートネックでお悩みの人は何らかの症状があり、病院を受診したことで「ストレートネックと言われた」もしくは、姿勢の悪さを気にして色々と調べ、「ストレートネックでは?と自己判断した」という人がほとんどではないでしょうか。
このようなことから、「ストレートネックを治さないと症状が治らないんじゃないか」「ストレートネックだから姿勢が悪いのか」などと考えてしまいがちです。
しかし、ストレートネックで発症するとされる肩こり、首痛、頭痛、しびれなどはストレートネック以外の原因のほうが多いです。
また、姿勢の悪さを改善するにしても首だけをケアしても改善されにくく、全体の姿勢をみて何が原因かを考える必要があります。
このようにストレートネックを改善させる努力だけでは、その先にある症状改善や姿勢改善にはつながらないことが多いです。
カイロプラクティック心では、ストレートネック以外の原因も含めて全身を評価し、症状改善、および姿勢改善を行っています。
ストレートネックでお悩みの人は、ぜひ続きをお読みください。
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症状から考えるストレートネック
肩こり、頭痛、首痛など何らかの症状が楽にならないかと病院を受診しても異常が見当たらず、「ストレートネック」と言われる人が多いです。
ストレートネックは病気ではなく、レントゲンで見たままの情報を患者さんに伝えているだけであり、それで症状が現れるワケではありません。もし、症状として現れるような病態であれば、ストレートネックという病名になっています。
整形外科医がつくる枕はストレートネックに近い
数か月待ちになっている整形外科の医師が作成しているオーダーメイド枕は、少し頸椎前弯を減少させるように作られ、身体に現れる症状の軽減にもつながっているという研究報告もあります。
正しい枕の使用により、肩こり、頸部痛、肩上肢痛、不眠など7割以上の患者様が改善し、手のシビレ、頭痛、めまいなども5割~6割が改善していました。
出典:山田朱織枕研究所
立位と臥位(寝る姿勢)とでは、重力のかかり方に違いはありますが、ストレートネックで症状が現れるとは言い切れないことが解ってもらえるのではないでしょうか。
レントゲンだけではストレートネックかは判断できない
レントゲン診断の目的は、骨折、椎間板の極小化、骨の変形など重大な問題がないかを確認するためです。
そのため、そのような問題がないかを分かりやすく撮影する姿勢にさせる必要があり、それが結果として以下の理由で本当のストレートネックか判断できません。
レントゲン撮影のとき「顎を引いてください」と言われることも多いかと思いますが、顎を引けば誰でもストレートネックに見えてしまいます。
また、座って撮影する場合、背中を丸くしてしまうと頸椎の弯曲も減少するため、ストレートネックに見えてしまいます。
これは背骨が固定されたものではなく、可動性があるためであり、そのときの姿勢によって頸椎の弯曲の状態は変わります。
そのため、ストレートネックを確定するのであれば頸椎の可動性も評価する必要があります。
頸椎の可動域検査をすると、病院でストレートネックと診断された場合でも頸椎の彎曲の減少が触診で確認できなかったり、ストレートネックに見える場合でも頸椎の伸展動作に問題がなかったりするケースが多くみられます。
頸椎の前弯と後弯が混同している
一般的にストレートネックと言われている姿勢は、頭部が前方へ移動した状態と言われています。
しかし、実際にカイロプラクティック検査(触診、関節可動域検査)では、下の図のように下部頸椎がストレートネック状態(頸椎屈曲位)上部頸椎が過前弯(頸椎伸展位)になっていることが多いです。
- 頭部前方移動
- 頭部前方移動は下部頸椎過屈曲上部頸椎過伸展
- 上部交差症候群
出典:図解姿勢検査法
この状態で上部頸椎にストレートネックの治療やセルフケアを行うと頸椎の過前弯を強めてしまうため、症状を悪化させてしまうことがあります。
レントゲン検査だけではストレートネックの判別はつかず、頸椎の前弯である可能性があり、しっかりと評価する必要があります。また、ストレートネックが症状を引き起こすとは言えません。
姿勢から見るストレートネック
ストレートネックの姿勢チェック法は、下の写真のように壁に身体をつけて、頭部だけがつかないとストレートネックの可能性があると言われています。
出典:テレビ東京L4YOU「スッキリ解消!肩こり・腰痛の最新治療」
しかし、先に説明したとおり、頭部が前方に移動していたとしても頸椎の前弯もみられるケースが多いです。
また、姿勢は全身を評価する必要があり、頭部が前方へ移動しているからと言って頸部のケアをすれば良いワケではありません。
姿勢は、下の図のように足元から矢印の方向に関節が捻じれれば、連鎖的に頸部まで捻じれた姿勢になることがあります。
出典:図解姿勢検査法
このように頸部の歪みがみられたとしても、足関節が原因で歪んでいる可能性もあります。このようなケースで、頸部ばかり調整しても効果はありません。
そのため、姿勢は全身を評価して、「どこが原因でこのような歪みが生じているか」を突き止めて、本当の原因に対してアプローチする必要があります。(ケースによっては1ヶ所ではなく複数ヶ所の問題がみられます)
また、姿勢は脳が色々な情報を収集して(視覚、前庭神経【主に頭部の位置情報】、固有受容器【各関節に位置情報)など)どのような姿勢が現状で最も最適化を決定する側面もあります。
このような理由から、姿勢のチェック法だけでストレートネックと決めつけ頸部だけ調整しても効果がないことが多いです。
ストレートネック=頸部のケアではありません
ここまで説明してきたとおり、ストレートネックが症状を引き起こす原因とは限りません。
レントゲンでは判明しない首~頭部周辺の症状は色々あります。(顎関節の問題、眼球運動の問題、筋肉の問題、脳のアンバランス、原始反射の残存など)
仮にストレートネックが原因であったとしても、他の要因がないかもチェックしたほうが良く、安易に頸部のケアだけ初めても効果はみられず、ケースによっては症状が悪化します。
症状がなかったとしても、なぜストレートネック(頭部が前方へ移動)となってしまったかを考えなければいけません。
単に普段の姿勢が悪いだけではなく、「日常的な口呼吸」「無駄に胸を張ろうとしている」「過去のケガ」「原始反射の残存」など姿勢の問題も多岐に渡ります。
また、頭部の前方移動において、以下のような研究報告があります。
頭部前方移動の姿勢がみられる被験者32人を 上部胸椎(胸椎1、2番)と上部頸椎(頸椎1、2番)を調整するグループに分けたところ 上部胸椎の調整グループに改善の効果がみられた。
このように背骨の問題であっても頸部よりも胸部の調整が有効となっており、科学的にも頸部の調整が良いとは言えません。
カイロプラクティック心では、「ストレートネック」と病院で診断されたとしても、症状に対してしっかりと原因を考えてアプローチします。また、姿勢についても首だけではなく全身を評価して、アプローチが必要な場所を考えます。
カイロプラクティック心のストレートネックアプローチ法
カイロプラクティック心は、検査を重視してストレートネックとなった原因に対してアプローチします。
検査法
静止した状態だけではなく、カイロプラクティック独特の検査法(モーションパルペーション)で背骨の1つ1つの関節可動域を確認します。
そうすることで、ストレートネックと頸椎前弯が混同していても問題部位を特定しやすくなります。
カイロプラクティック検査以外にも整形学検査、背骨以外の関節可動域検査などて身体の状態を把握します。
また、機能神経学、原始反射、NKTなど神経機能の評価も行い、筋骨格系以外の問題にも対応しています。
施術
- 姿勢評価
- 機能神経検査
- 足関節調整
- 脊柱(背骨)調整
- 頸椎の調整
検査で考えられる原因に対してアプローチしていきます。
関節障害、筋骨格系の問題⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント
バイオメカニクス異常、モータコントロール異常⇒NKT
椎間孔障害⇒IVFテクニック
筋筋膜性⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック
内臓起因性⇒内臓マニュピレーション、栄養指導
2本足で立って生活するため、足関節の問題は意外に多く、足元からアプローチするだけでも肩こりや首痛などの改善がみられます。また、 頸部の問題であっても頸椎の調整は、筋骨格系(とくに背骨)のスペシャリストであるカイロプラクターの得意分野です。
神経機能の問題は、神経統合できるエクササイズ指導、呼吸指導なども行なっていきます。
ストレートネックであっても、一人ひとり原因は異なり多岐に渡ります。それぞれの原因にアプローチできるよう施術歴12年の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。
また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。
このようにストレートネックでお悩みの人でも、全身を評価してアプローチしてもらえる専門家にご相談することをお勧めします。
投稿者プロフィール

- カイロプラクター
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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