自律神経失調症を脳機能から紐解くアプローチ
自律神経失調症は、正式な病名ではなく、身体の不調の原因がハッキリしないケースに自律神経失調症と医師から告げられることがあります。
そして、ストレスや心理面が原因と考えられ、心療内科、精神科などを勧められることも少なくありません。
自律神経が乱れる原因はストレスだけではなく、生活習慣(食事、起床時間など)身体の機能低下(脳のアンバランス、内臓の不調など)もあります。
そのため、ただ精神薬や症状に対する処置(睡眠薬、血流改善する薬など)だけでは症状が改善されず、ご相談を受けることが多いです。
カイロプラクティック心では機能神経学(脳を含めた神経系)やHRV(
そして、評価にもとづいた施術、感覚エクササイズ、食事サポートなど一人ひとりに合わせてアプローチしていきます。
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自律神経症状が改善された喜びの声
自律神経症状が改善されたキッカケをご覧ください。
伊勢市 30代 女性 めまい、脚に力が入りにくい
他の整体、整骨院では改善されなかった。
悪い所やふらつきなどすぐなおしてもらえて感謝しています。
30代 女性 息苦しさ、疲労感、倦怠感
数ヶ月の間、良くなったり少し悪く戻ったりと繰り返しましたが、気づいた頃には前とかわらず、身体を動かせるようになり、痛みも感じなくなってきました。
伊勢市 30代 男性 首のコリ、手足の動かしにくさ
神経内科では異常なし、精神科で抗うつ剤を処方され服薬
症状が毎回微妙に変わり、難しかったと思いますが、そのときに合わせた施術していただき、だんだん良くなっていきました。
カイロプラクテイック心は、施術だけではなく脳機能、栄養など日々アップデートし、1日でも早く体調が回復するとサポートさせていただきます。
自律神経失調症とは
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称とされていますが、国際的には認知されていない病名です。
以下はWikipediaからの引用です。
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されている。疾患名ではなく「神経症やうつ病に付随する各種症状を総称したもの」というのが一般的な国際的理解である。
自律神経の乱れの原因にはうつ病、パニック障害、過敏性腸症候群、副腎、甲状腺などの疾患が隠れていることもあります。
このようなことから、自律神経失調症は病名ではなく症状を指す言葉のため、自律神経失調症を引き起こしている疾患がないかをまず検査する必要があります。
自律神経失調症の診断方法
なぜ病名ではない「自律神経失調症」と診断されるのでしょうか?
以下は日本臨床内科医会からの引用です。
正式な病名でないこの言葉が多用されるのは、暫定的に自律神経失調症と診断して、適切にストレスを管理し対症的治療をすれば、重度のうつや神経症に至ることなく、症状が軽快することが多いからです。また、患者さんも医師に「自律神経失調症で、大きな病気ではありません」といわれると安心できるという面もあります。
引用元:日本臨床内科医会
病院の検査では異常が見当たらない自律神経症状を「自律神経失調症」として、そこから症状を悪化させないための暫定的な診断となります。
そして、自律神経失調症を4つのタイプに分類して対処することになります。
本能性自律神経失調症
生まれつき(先天的)の体質が原因とされ、自律神経の調節が苦手なタイプです。
「体力に自信がない」「低血圧」「虚弱体質」の人に多くみられます。
日常生活のストレスが関与していることもなく体質が原因とされるため、生活習慣(食事、睡眠、運動など)の見直しが効果的とされます。
神経症型自律神経失調症
心理面によって自律神経が乱れやすいタイプです。
「体調の変化に敏感」「クヨクヨしがち」の人に多くみられます。
そのため、精神的なストレスで体調を崩しやすく感情の変化が身体の症状に現れやすいです。
心身症型自律神経失調症
日常生活のストレスが原因となるタイプです。
自律神経失調症に多くみられるタイプであり、「几帳面」「努力家」「まじめ」の人が陥りやすいです。
抑うつ型自律神経失調症
心身症型自律神経失調症がさらに進行し、慢性的なストレスが原因となりうつ症状(やる気が起きない、気分が沈みがちなど)もみられるタイプです。
また、精神面だけではなく肉体面(頭痛、微熱、だるさ、食欲不振、不眠など)の症状もみられ、長い間不快な症状が続くことが多いです。
そのため、病院では抗うつ薬が処方されることがあります。
自律神経失調症は何科?
自律神経失調症は先に説明したとおり、正式な病名ではありません。
そのため、まずは自分の症状にあった専門外来を受診しましょう。
- めまい、耳鳴り⇒耳鼻科、神経内科など
- 頭痛⇒頭痛外来
- 動悸⇒心臓血管外科、内科など
- 睡眠障害⇒内科、呼吸器内科など
- 頻尿、残尿感⇒泌尿器科
- 心の問題(やる気がでない、不安が強いなど)⇒精神科、心療内科
なかには自律神経失調症とよく似た症状が現れる甲状腺の機能障害、慢性疲労症候群、副腎疲労症候群、リッキーガット症候群などといった問題が隠されていることもあります。
注意)副腎疲労症候群、リッキーガット症候群は最近の概念であり正式に医学会で認められていないため、診断できる病院も多くはありません。
身体に異常がみあたらなければ、自律神経失調症の疑いとして治療が開始されます(必要に応じて適切な専門医を紹介してもらえるケースもあります)
治療
自律神経失調症は、病名でもなく病院では異常がみあたらない病態であるため、確立された治療方法はありません。
そのため、以下のような対処療法が中心です。
- 薬物療法(症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入剤など)
- 心理療法(一般心理療法、自律訓練法、バイオフィードバック療法など)
- 生活習慣の指導(不規則な生活、食事の偏食など)
薬は補助的にその場の辛い症状を和らげるために使用され治療としては心理療法、生活の見直しが主になるようです。
また、自律神経失調症とされる場合は精神科の受診を勧められることも少なくありません。
ただ気をつけたいのは、前述したように自律神経失調症は日本独自の概念であり、世界各国では初期のうつ症で抗うつ薬を処方されることはあり得ないそうです。
また、前述したように他の疾患の可能性もあるため、診断内容に納得できないようであれば、安易に抗うつ薬に頼らずセカンドピニオンを利用することをおすすめします。
病院の治療は、悪い部分を専門医が治療するため、脳の機能的な問題があったとしても対処されず、結果として原因不明もしくは精神的な問題として処理され改善が難しいケースがあります。
自律神経失調症の症状
自律神経に前述した特徴があり、身体の多くの器官に関わっているため、自律神経失調症の症状も人によってそれぞれです。
交感神経の過活動と症状の関連性
- 血圧の上昇⇒めまい、だるさ
- 心拍の上昇⇒動悸
- 消化器官の働きが抑制される⇒胃腸障害、便秘、下痢、口や喉の不快感
- 筋肉の過活動(常に身体を緊張させている)⇒慢性的な疲労、頭痛
このように交感神経が活動が続くことで、身体のあちこちに不調をきたす可能性があり、痛みや張り感が誘発されやすくなるため、腰痛、肩こり、背中の張りなどを伴うケースも多いです。
交感神経が過剰に活動するのは、この後に書いてある脳機能低下が起因していることが考えられます。
また、交感神経の活動も低下し相対的に副交感神経が優位な状態となり、ふらつき感や天候の悪化に伴う不調などがみられることがあります。
臨床的には副交感神経及び交感神経の活動が低下しているケースにおいては、より長期的なアプローチが必要と考えています。
自律神経失調症の症状について詳しくはこちらもご参考ください
自律神経症状でもみられる症状について詳しくはこちらもご参考ください。
自律神経失調症とよく似た症状がみられる記事はこちらをご参考ください。
自律神経が乱れる生活習慣
人は自律神経の働きによって、環境に適応しながら生活することができます(暑いときは汗をかき、寒いときは身体を緊張させて体温を上げたりするなど)
そのため、寒暖差の激しい季節の変わり目は自律神経も乱れやすく、体調を崩しやすい人が多くなる理由でもあります。
1日の生活リズムは寝るときが副交感神経が優位になり、昼間の活動時は交感神経が優位に働きます。
1日の生活習慣の乱れによって(夜更かし、食事時間がバラバラなど)自律神経と行動が一致せず、身体に不調和をもたらします。
ライフスタイルから考える自律神経失調症の原因はこちらの記事をご参考ください。
脳機能から考える自律神経失調症の原因
1929年にウォルター・B・キャノンによって初めて提唱された「逃走・闘争反応」というストレス反応があります。
この反応は、恐怖や不安などによる動物の本能として、交感神経を優位に働かせて闘うまたは逃げる準備します。
もう少し具体的に説明すると、自動的に筋肉が活動して戦うもしくは逃げられるように心拍を上げたり、筋肉の血流を送り込む状態となります。
日々、ストレスを感じ続けていると交感神経が優位になる時間が長くなり、自律神経症状が現れやすくなります。
そして、ストレスが長引くと前頭前野の機能が低下することが研究でも解っており、脳機能(中枢神経)を含めた神経システムにエラーが生じます。
そのため、自律神経をはじめとした他の神経系統(迷走神経、前庭神経、疼痛抑制神経回路など)にも問題が生じて様々な症状がみられます。
ストレスと脳機能低下
ストレスが増加するとカテコールアミン、ノルエピネフリン、コルチゾールなどのホルモンが分泌され偏桃体(恐怖や不安を認識する脳領域)が強化され、前頭葉の機能が低下するとされています。
前頭葉は感情や運動、意思決定など重要な役割をになう領域であると共に他の脳領域をコントロールしています。
前頭葉が機能しないと感情のコントロールが難しく、やるべき仕事ができない、やる気がでないなど心理面の問題も生じます。
また、他の脳領域もコントロールできないため、自律神経症状以外の問題も生じている可能性もあります。
- 前庭神経・小脳の機能低下⇒めまい、ふらつき
- 疼痛抑制回路⇒痛みを感じやすい、日によって痛みを感じるところが違う
- 感覚過敏⇒音がうるさく感じる、光がまぶしい、車や電車に酔いやすくなる
- 大脳基底核ループ⇒記憶力の低下、モチベーションの低下など
- 左前頭前野の機能低下⇒うつ症状
- 脳幹の問題⇒感覚過敏、微熱が続く
脳機能低下と自律神経失調症
脳は自分の意思で体を動かしているのは10%程度であり、残りの90%は無意識化(自律機能)と言われています。
自分の意思で心臓や内臓を動かしたり、暑いから汗をかかせたりは当然無意識です。
そして、歩いたり立ったりする動作でも一つ一つ「両足に体重をかけて」「右脚だしたら左手を前へ」など意識することはないことを考えれば理解しやすいかと思います。
脳の機能が低下すれば、自律機能にも影響を与えるため、自律神経失調症の症状が現れやすいです。
脳の神経システム
大まかな脳の神経システムを説明すると前頭葉を含む大脳皮質、視床下部を含む大脳辺縁系、脳幹がお互いに連絡を取りあって身体活動を維持しています。
そして、大脳皮質は大脳辺縁系、脳幹を抑え込むようにコントロールする役割があります。
先に説明したように大脳皮質に含まれる前頭葉が機能低下すると大脳辺縁系、脳幹を抑え込めないため、自律神経のバランスを崩し、脳幹に入る感覚を適切に処理できなくなります。
脳幹は視覚・聴覚・味覚、平衡感覚、肩回りの筋活動などに関与するため、この領域が適切に処理できないとめまい、肩こり、頭痛などの原因になります。
さらに脳幹は反射を統合する役割があり、原始反射がコントロールできないことによって症状が現れるケースも少なくありません。
脳の左右差
人によっては、左側もしくは右側の半身に症状が偏っていることがあります。
脳も左大脳皮質と右大脳皮質というように左右あるため、自律神経機能的に左右差がみられることがあります。
基本的な考えとして、機能低下側の交感神経が過活動となります。
例えば、右側の大脳皮質の機能低下がみられると右側の交感神経が過活動となり、痛みや張り感などの症状を訴えやすくなります。
また、交感神経が過活動となるため、脈拍や血圧が高くなる傾向があり、筋肉の緊張度の違いがみられます。
原始反射の問題
原始反射は、赤ちゃんにみられる反射です。
しかし、何らかの影響により原始反射が大人になっても残っていることがあります。
その場合は交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなかったり、どちらかが優位に働きやすくなっていることが多く原始反射を統合(コントロールできる状態)する必要があります。
とくに自律神経の基礎発達となるモロー反射が統合されていないことが多いです。
原始反射について詳しくはこちら
ポリヴェーガル理論
ポリヴェーガル理論は、スティーブン・ポージェス氏が提唱する理論であり、生物の進化や神経の発生の観点から副交感神経がさらに「背側迷走神経複合体」と「腹側迷走神経複合体」から成り立つという考えです。
「背側迷走神経複合体」は、原始的で危険から回避する「不動」という行動パターンと関連し、「腹側迷走神経複合体」は進化に伴い発達してきた神経系で、コミュニケーションなどの「社会的関わり機能」と関係し、安全・安心を生み出すという考えとなります。
闘争・逃走反応とは違い、危険を感じたときに背側迷走神経複合体の働きにより不動(その場から動けない状態)となり、「血の気が引いた」「手足が冷たく感じる」「力が入らない」などの症状がみられるとされます。
さらに、そこから急激に交感神経にスイッチされることで息苦しさ、動悸など発作的な症状がみられるとされます。
ケースによっては心理的なカウンセリング、ケアとして副交感神経(腹側迷走神経複合体)が活動しやすい環境づくり、副交感神経を活性化アプローチが大切となります。
自律神経のセルフケア方法
ここまで解説してきたように、脳が自律神経をコントロールされています。
言い換えれば、脳機能を健全にすることが大切です。
また、自律神経は感覚器(視覚、嗅覚、バランス感覚など)からの情報に反応して、瞬間的に自律神経が反応しています。
例えば、過去に犬に嚙まれたり追いかけられたりした恐怖体験があれば、犬を見た瞬間のドキドキしたり、逃げようとしたりするのは交感神経を瞬間的に活動させているようにしています。
そのため、視覚や聴覚、平衡感覚、味覚など全ての感覚器と自律神経は相互作用しており、とくに視覚、前庭系(バランス感覚に重要)の影響は大きいです。
このようなことから、感覚器の問題や脳を健全に保つことが自律神経を正常に働かせるためには重要であり、それらのケア方法は自律神経症状にも有効となります。
視覚
視覚機能はとても重要であり、視力の問題によって眼精疲労や頭痛を引き起こすことがあります。
なぜなら、光の量を調整する瞳孔や遠近に焦点を合わすピント調節の役割を果たす毛様体筋は、自律神経の支配領域だからです。
視力に左右差がある、目がぼやける、疲れやすい、デスクワーカーなど視覚の問題によって、自律神経症状を引き起こしていることもあるため、眼科で「遠視」「近視」「乱視」をしっかり診断してもらい、問題に合わせた視矯正が重要となります。
単純に視覚の問題を改善せずに、他のことしっかりやっても効果は少ないでしょう。
有酸素運動
有酸素運動は、自律神経を整えるために有効です。
呼吸機能や心拍は自律神経がコントロールしているため、有酸素運動によってこれらの機能が底上げされることで自律神経機能にも有効に働きます。
また、脳機能を活性化させるために重要なBDNFの分泌量が増えることも研究で分かっており、それが結果として脳機能が向上し自律神経もコントロールしやすくなります。
有酸素運動は、まず始めることが重要ですので、5分のウォーキングからでも大丈夫です。
ただ、研究ベースで話をすると1回30分(中程度:軽く息が切れるくらい)を週3回行えるとBDVFの分泌が増え、身体症状が軽減されやすくなるとされています。
運動は継続できることが前提になるため好きな運動でも構いませんが、理想は屋外のランニングが視覚や前庭系などの刺激も多く、より効果的と考えられます。
瞑想
完璧主義の方、将来に不安を感じている方にはおススメです。
瞑想も研究されて、医学的にも良いとされ、最近ではマインドフルネスで検索すると様々な情報を閲覧できます。
やり方としては座る、立つ、寝るなど一番楽な姿勢をやりながら見つけてください。
ゆっくりと呼吸をし、まずは自分の呼吸を感じてください 「吸ってるな」「吐いてるな」感じです。
また、ゆっくりとした呼吸は、自律神経系への介入で科学的にも有効性が示唆されている方法です。
他にも感じられるようになれば「車が走った」「風が気持ちいいな」「足痛くなった」など瞑想中に感じられることに集中してください。
もちろん、雑念もあり色々と考えてしまうこともありますので「今、違うこと考えた」程度に感じてもらえば良いです。
何回やれば? 何分やれば? 細かく気にされる方もいますが、まずは心の向くまま適当にやってください。
始めは心地よさも大切です。
30秒、3回くらししか出来なければ、それでも大丈夫! やってみようと思ったことが前進です。
呼吸機能の低下は、自律神経失調症でみられる不調がみられることもあり、改善していくことは重要と考えています。
瞑想は前頭葉の機能回復にも効果があることは研究でも示唆されており、自律神経をコントロールしていくためにも重要です。
カイロプラクティック心で自律神経失調症が改善されるの?
自律神経失調症、うつ症など心の問題と捉えられる症状は、何に対してストレスを感じているかを特定し対処してくことも大事です。
しかし、ストレス以外にも身体的な機能の問題がみられることが多いです。
例えば、呼吸機能の低下、視覚機能の低下、内臓機能の低下などがみられます。
カイロプラクテイック心は、中枢神経系(脳)の機能評価、カウンセリングシート(脳機能評価シート)などを利用して身体的な問題がないかをチェックします。
カイロプラクティック心は、三重県でも取り入れるところが少ない機能神経学を用いて評価しています。
身体の機能を回復させることで自律神経症状も回復が早まる可能性があります。
自律神経症状の症例報告
HRV(心拍変動)アセスメントの評価装置【NerveExpress】
心拍変動は、心拍一拍ごとの変動を測定することにより自律神経によって動いている心臓を指標とするため、自律神経の機能評価が客観的に行えます。
クライアントの胸にベルトを巻いて、心拍変動の情報をパソコンへ送り自律神経機能を評価します。(測定時間は約5分)
自律神経を客観的に評価することで、その人に合ったより詳細なアプローチが可能となります。
臨床的に多くみられるのは、交感神経が過剰に働くパターン、交感神経、副交感神経ともに活動が低下しているパターンです。
そして、過剰に交感神経が働くパターンにおいては、運動による過剰な交感神経の活動は症状の悪化を招くこともあるため、運動方法の見直しや副交感神経を高める習慣を先に身につけていくことが重要と考えられます。
また、HRVの他に自律神経の働きの指標として心拍数、血圧なども測定していくと左右差がみられることもあり、左右差を考えたアプローチが初期の段階では必要となります。
他の治療方法との違い
自律神経失調症は、鍼灸、漢方、他の整体などでも行われることもあり、血流改善や筋肉の緊張を緩和することによるリラックス効果、ツボ刺激、背骨の歪みなどのアプローチです。
しかし、神経システムの1つである自律神経の問題を、神経システムの観点からアプローチしていません。
言い換えれば、経験だけに頼った療法です。
カイロプラクティック心は、自律神経に関与する神経システムを改善させることを目的とした施術です。
一般的に「神経システムを改善できるの?」と思われる方は多いと思いますが、カイロプラクティックアジャストメントは、脳機能を活性化させる可能性が示唆される研究報告もいくつかあります。
また、脳の可塑性を利用した脳の機能向上を目的としたエクササイズ、生活指導を行います。
神経システムを構築している脳は、可塑性と呼ばれる変化する性質をもってるため、可塑性を促すアプローチにより機能を向上させることができます。
脳の可塑性について詳しくはこちら
また、栄養の過不足(貧血、低血糖など)によって自律神経失調症でみられるような症状もあり、栄養の視点からも症状改善を行います。
他院との大きな違いは、自律神経を構築している神経システムの評価および改善させるアプローチを行うところです。
そして、栄養、カイロプラクティック、感覚エクササイズなど自律神経失調症を改善させるための選択肢がいくつもあります。
カイロプラクティック心の自律神経失調症アプローチ
カイロプラクティック心は検査を重要視し、一人ひとりの原因に合わせたアプローチを行います。
自律神経失調症では、以下のような手法を使うことが多いです。
内臓アプローチ
自律神経症状でも意外に多いのは、内臓疲労や食生活の問題です。
そのようなケースでは、お腹を直接触り、内臓に対してアプローチ(内臓マニュピレーション)します。
また、内臓に関わりのある背骨のカイロプラクティックアジャストメント(腎臓であれば胸椎12番など) 必要に応じて行います。
栄養の問題によって自律神経失調症のような不定愁訴がみられるのはこちらもご参考ください。
栄養サポート
身体を健全に保つには、栄養状況を改善させることが大切です。
バランスよく栄養を摂取しているつもりでも、調理方法、他の栄養素を過剰に摂取することで、想像以上に栄養不足がみられることがあります。
例えば、糖分を過剰に摂取していると神経系の素材となるビタミンB群が糖代謝に消費され、不足していることが多いです。
とくに不定愁訴を訴える自律神経失調症は、栄養状況の見直しも必要なケースがあります。
病院での血液検査のデーターがあれば、栄養の過不足が予測も可能です。
例えば、空腹時血糖の値が低ければ低血糖の影響が考えられ、赤血球、ヘモグロビンの数値に問題がみられれば赤血球を形成する栄養素(鉄、葉酸、ビタミンB12など)の不足が考えられます。
低血糖について詳しくはこちら
栄養状況から変えていきたい人は、栄養コンサルティングをご利用ください。
機能神経(中枢神経系)アプローチ
自律神経にも左右差があり 姿勢、簡単な動作確認でどちら側が優位に働いているかチェックします。
直接背骨へのアプローチを行うと共に簡単なエクササイズ(神経系の刺激になります)など神経の機能回復を目的に行います。
神経学的エクササイズ(眼球運動)
2019年にはカイロプラクティック施術後に脳内代謝物の変化が観察された研究報告があります。(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31773541)
また、施術では圧覚、振動覚にも刺激が入ることで、体性感覚を介して頭頂葉の領域で感覚が統合され、痛みやしびれ感が軽減するメカニズムも考えられます。
自律神経は、中枢神経系の領域では脳幹や視床下部、大脳辺縁系などの関りが強く、それらの機能回復が重要です。
例えば、リラックスするためにアロマを焚くと脳幹にある嗅神経が刺激され、感情に関わる大脳辺縁系が刺激され好きな匂いであればリラックス効果を生むメカニズムがあります。
自律神経失調症では、脳幹の機能(視覚、眼球運動、バランス感覚など)の左右差がみられたり、明らかな機能低下がみられることもあり、エクササイズや視覚や嗅覚などを介した刺激が重要となります。
カイロプラクテイック心では、脳機能の活性化を目的とした感覚エクササイズを行っていきます。
前庭系の感覚エクササイズ
前庭系は重力を感じたり、自分がどのような状態にいるのかを把握するために重要な神経機能です。
前庭系の問題は、不安感、片頭痛、過剰な交感神経活動などに関与していることが研究でも示唆されています。
前庭系のエクササイズを簡単に説明すると頭位が変化する(上下動、左右への移動、顔を捻じるなど)エクササイズとなります。
例えば、バランスボールで跳ねる、バランスボールで左右に重心を移動させる、床を転がるなどになります。
もちろん、誰にでも同じではなく活性化させたい機能によってエクササイズ内容は変わり、身体の状態によって寝て行う、座って行う、立って行うなど変わっていきます。
最終的には立位で頭位を動かしても体を緊張させなかったり、気分が悪くなくなったりすることが理想となります。
視覚エクササイズ
視覚はあらゆる脳領域を利用しているため、視覚の機能低下はあらゆる問題を引き起こす可能性があります。
また、眼球運動は自律神経に関わる中脳を経由するため、自律神経系の問題に対して眼球運動の評価は重要です。
さらには視覚は能力が高いため、視覚の機能低下がみられるにも関わらず視覚に依存した生活を送っていることも多く、そうなると体を無意識に緊張させていることで疲労感や息苦しさ、交感神経の過活動につながります。
なかには根本的に視力調整ができていない(眼鏡やコンタクトが自分の目に合っていない)、乱視や遠視に気づいていないこともあり、このような場合はまず眼科などでしっかりと視力調整を行ってもらいます。
視覚のエクササイズも初期は、目だけを動かすようなトレーニング(物を見続ける、物を目だけで追いかけるなど)そこから、目と頭の協調運動、目と手の協調運動などその人の生活に必要な能力を身につけられるような視覚エクササイズに変えていきます。
大脳皮質のエクササイズ
大脳皮質は、中枢神経系の上位にあり、あらゆる情報を整理して統合した適切な情報を認知、身体操作、感情などを介して表現します。
ストレスは、認知機能(作業、集中力など)に関わる前頭葉(大脳皮質の1つ)の機能低下が考えられています。
そのため、ストレスを過剰に抱えている場合では、認知機能を取り入れたエクササイズで前頭葉の活性化が必要になるかもしれません。
また、瞑想は前頭葉の活性化に効果がみられることがわかっており、瞑想を日常に取り入れていくこともあります。
認知機能を取り入れたエクササイズは、単純な運動の反復(ライトが順序良く光ることを途中から理解しスムーズに作業が遂行できるように)軽負荷の反復トレーニングなどルールや順序を変えながら行います。
問題がみられると簡単な反復作業のようにみえて、途中からテンポが崩れたり、間違えたりします。
同じことを繰り返せばその行為だけが上手くなっている可能性もあるため、やり方やルールなどを変更して前頭葉全体を活性化できるようにプログラムを組んでいきます。
他の大脳皮質ではエクササイズ内容も異なり、後頭葉は視覚、側頭葉は言語を含めた聴覚、頭頂葉は身体の動きなどを含めたエクササイズプログラムとなります。
感覚エクササイズについて詳しくはこちらもご参考ください。
呼吸へのアプローチ
機能神経的なアプローチによる神経系への刺激も、栄養や酸素(呼吸の問題)不足がみられると効果があらわれにくいです。
また、交感神経が優位な状態で生活が長く続くと、呼吸が浅くなりやすく呼吸機能も低下していることも多いため、初期の段階で呼吸へのアプローチは行います。
頭蓋骨の調整
自律神経の経路は胸部周辺の背骨を通り、そこから上行し頭部に移行するものがあります。
そのため、頭蓋骨の調整が効果的な場合があります。
また、呼吸がしやすくなったり、身体の緊張が緩和される効果もあります。
頭蓋骨と頸椎の隙間から副交感神経に大きな影響を及ぼす迷走神経が通っているため、頭蓋骨調整および頸椎へのアプローチは自律神経失調症にとっては重要なアプローチとなります。
自律神経症状を感じる方は、とくに施術後の状態が不安定になりやすく調子が良い日も有れば、調子が悪く感じることもあります。 そのため、施術の度に身体をチェックさせていただき経過を観察しながら、必要に応じてアプローチ方法を変えていきます。
身体の機能向上を目的にアプローチ
身体の機能低下は自律神経失調症でみられる症状が現れることがあります。
例 )
- めまい⇒頸椎性(首の固有受容器の乱れ)
- 耳鳴り⇒顎関節の問題、僧帽筋の問題など(咬合障害)
- 片頭痛⇒内臓の問題(回盲弁、甲状腺、頸椎性など)
- 不眠⇒胸郭の問題(呼吸が深く出来ない)
- 自律神経の乱れ⇒左右脳のアンバランス
自律神経症状が、なかなか改善されない理由にはこのような筋骨格系の機能面の低下が隠れていることもあります。
自律神経失調症と思われる症状でも顎関節や頸椎のカイロプラクティック施術で症状が楽になることも少なくありません。
不定愁訴の改善例はこちらもご参考ください。
自律神経失調症に関するQ&A
自律神経失調症でいただくご質問をまとめました。
どれくらいの期間で良くなりますか?
A.6~12週が目安となります
自律神経症状も含めて栄養や神経機能へのアプローチした研究は多くありますが、ほとんどの研究が6~12週(週5回)くらいの介入で効果を確認しています。
臨床的にも6週(週1~2回+ご自宅でのセルフケア)くらいで自覚できる症状の変化がみられることが多いです。
ただ、食事の見直しが必要であったり、生活習慣の乱れ(睡眠障害も含む)がある場合はより長期間となる可能性があります。
自律神経の乱れは自分で良くできますか?
A.症状の程度によっては可能です
比較的に軽度であれば、生活習慣を見直していくことが大事です。
基本的には規則正しい生活(寝る時間、食べる時間などを一定)睡眠時間の確保、3食食べる、リラックスする時間を確保(ストレス解消)を行っていきます。
仕事が不規則でも難しい方もいますが、できる範囲で睡眠時間や食事(栄養バランス)など適切にしていくことが重要です。
症状が重くなると眠りたくても眠つきが悪い、食欲がわかないなど生活習慣を見直したくてもできないことが多くなります。
そのような場合は、自力で自律神経の乱れを解決することが難しくなると考えられます。
ただ、積極的に自分で自律神経の乱れを改善しようとする気持ちをもった人の方が改善は早いです。
自律神経失調症と首こりは関係ありますか?
A.首の問題は関係あります
首コリとして症状が現れるかは個人差もありますが、首周辺には自律神経に関与する神経節、神経が走行しているため、頸部の問題は自律神経に影響します。
また、頸部の筋異常を治療することで自律神経失調症の症状が大幅に軽減した研究報告もあります(引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31932964/)
そのため、カイロプラクティック心でも初期段階から頸部へのアプローチは行っています。
ただ、頸部の緊張がみられる場合は呼吸や前庭系などが起因していることが多く、施術で頸部の緊張を緩和させつつ、頸部を緊張させている原因に対して1つづつ対処していくことが長期的に体調を維持するために重要と考えています。
自律神経失調症に運動は有効ですか?
A.有効です
自律神経失調症は脳機能低下でもあるため、脳機能に好影響を与える運動は有効です。
ただ、段階的に運動の強度を上げていかないと症状が悪化する可能性があります。
悪化する1つの理由として、立位時で過剰に交感神経が優位になることもあり、このようなケースでは運動や筋トレによって、さらに交感神経が過剰に反応するからです。
そのため、段階的に運動方法や強度を変えていくことが理想です。
カイロプラクティック心では、身体評価や症状を踏まえて、運動指導を行っています。
食事の見直しだけでもしてもらえますか?
A.食事の見直しだけでも可能です
栄養コンサルティングとして、カウンセリング、食事記録と可能であれば血液データを参考にして食事の見直しをさせていただきます。
食事の見直しは自律神経失調症でみられる不定愁訴では重要です。
カイロプラクティックだけで自律神経失調症は良くなりますか?
A.良くなるケースはあります
食事や生活習慣が悪影響を与えていない場合は、カイロプラクティックの施術だけでも回復した症例はあります。
食事の見直し、脳機能を回復させるためにエクササイズが必要と考えられる場合は、こちら側からも提案させていただきます(料金が変わりますが、強制的に勧めることはありませんので、ご安心ください)
カイロプラクティック、食事の見直し、感覚エクササイズを並行して受けれますか?
A.可能です
カイロプラクティック、食事の見直し、感覚エクササイズを並行して行うことで、最短で症状改善は期待できます。
それぞれの料金が必要となりますが、最短で症状を改善したいかたはご検討ください。
段階的に行っていくのであれば「食事の見直し」⇒「カイロプラクティック」⇒「感覚エクササイズ」の順が良いと考えています。
食事の見直しが必須となる食生活の人は、臨床的にカイロプラクティックや感覚エクササイズの効果が期待できません。
なぜなら、身体を変化させるための材料が不足していたり、不要な炎症反応が継続していたりするからです。
自律神経失調症と診断されてなかなか改善されないあなたへ
精神的な問題と考えられている自律神経失調症であっても、意外と身体の機能が低下していることが原因であることも少なくありません。
「はやく元気になりたいのに」と考えている人は、カイロプラクティック心に時間をください。
「家族と一緒に休日を楽しみたい」「仕事をバリバリこなしたい」「育児を楽しみたい」などあなたの想いが叶うように精一杯サポートさせていただきます。
一緒に身体を良くして快適な生活を送りましょう。
自律神経失調症の症例報告
ZOOM相談
自律神経失調症の症状は多様であり、ご自身の体調が回復するか不安な面も大きいかと思いますので、オンライン、LINEなどでご相談を受付けております。
オンライン(zoom)、ご来店で相談されたい方は、事前のご予約をお取りください。
相談料として1,000円いただきますが、実際にご予約された場合は、相談料1,000円分を値引いたします。
相談内容に対してお答えできるようカウンセリングシートを事前にお送りいたしますので、ご記入いただきご返信ください。
また、質問もあれば事前にいただければ、優先的にお答えいたします。
ZOOM相談内容は主に以下のとおりです。
- カウンセリングシートから考えられる原因(食事、生活習慣など)
- ご自宅でできるセルフケア方法
- 質問への応答
無理やり次回のご予約をお取りいただくことはいたしませんので、ご安心ください。
予約方法
※当日予約も可能ですが、施術中は電話にでることができないため、営業時間前(8時30分~45分)昼休み(12時30分~13時30分)にお電話ください。