これから徒手療法家を目指す、現在徒手療法を行っている方向けおすすめ書籍をご紹介します。(あくまで個人的)
基礎医学
人の身体をみる以上は、基礎的な医学知識は必要です。
また、自分の施術で対応可能か専門医の治療が優先かを判断するためにも大切です。
少なくとも解剖学、生理学は学んだほうが良いです。
解剖学
どこの部分に問題があるかを把握するためにも大切です。
ボディーナビゲーションムーブメント
触診で「筋肉」「骨」「関節」などを把握する必要があります。
ボディーナビゲーションムーブメントは、ランドマークをもとに、どの組織を触診しているか理解しやすいです。
ネッター解剖学アトラス
血管、脳、頭蓋骨、神経などの構造も解りやすく描かれています。
プロメテウス解剖学アトラス
プロメテウスアトラス解剖学書も、解りやすい解剖学書です。
解剖学書によって、カバーされている部分も違うため、複数もっていると体の構造のイメージがつきやすいです。
生理学
生理学は、身体の機能、各器官がどのような働きをするかなどのメカニズムや仕組みを知る学問です。
例えば、筋肉が緊張するメカニズムが理解できれば、ただ緊張している部分だけを揉みほぐせば良いというワケではないことが理解できるようになります。
標準生理学
標準生理学は、改訂されて現在で第9版となっています。
筋肉・神経・血管・内分泌などの機能や働き、メカニズムが解説されています。
解剖学、生理学以外の基礎医学
解剖学、生理学以外にもバイオメカニクス、病理学、神経学など学ぶことは尽きませんが、臨床的に学んでおいて損はない本をご紹介します。
痛み学
画像でみられる所見と痛みの現れ方は一致しないことが多いです。
現在では椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症の所見がみられても無症状である研究報告が多数あり、本当の痛みの原因を探る意味では、痛みのメカニズムを理解することは大変重要です。
カンデル神経科学
脳科学(認知、感覚、運動、精神など)について膨大な基礎知識が1冊にまとめられています。
神経系を理解することで専門医の治療が優先となる神経疾患を鑑別し、速やかに病院治療を促すことができます。また、神経系の姿勢制御システムを理解することは姿勢指導にも役立ちます。
1500ページほどあり、全てを理解することは難しいですが、辞書代わりに1冊持っていても損はありません。
検査方法
症状を改善させるにはアプローチ方法も大切ですが、どこに問題があるかを考えるうえでは検査がとても重要です。
どんな良いテクニックを持っていても、問題部位に対してアプローチ出来なければ意味がありません。
一般的検査法
検査法にはカイロプラクティック特有のものもありますが、それ以外の検査法をご紹介します。
整形学検査法
神経根症状の有無、疾患の鑑別、問題部位の特定などの検査法が書かれています。
画像診断のできない徒手療法としては、一通りできることが望ましいと考えられます。
筋機能評価法
筋力テストの検査法が、図解つきで解説してあります。
筋肉の機能を評価するうえで、筋力テストは大切です。
ただ、筋肉の生理学を理解しないとクライアントとただの力比べになってしまいます。
そのため、この著書に書かれている筋肉の機能についても熟読することをおすすめします。
この筋力テストが正しく行えると筋骨格系の問題が把握しやすく、早期の症状改善に役立ちます。
図解姿勢検査法
姿勢を見てどのような問題が考えられるかを解説してあります。
全てが当てはまるワケではありませんが、姿勢検査の参考になります。
カイロプラクティック検査法
カイロプラクティック特有(とくに脊椎)の検査法があります。
最近ではトムソンベッド(ベッドを落して矯正を行う)を使って骨盤矯正やら姿勢矯正などを宣伝する整体、整骨院は多いですが、ここで紹介する基本的な検査ができていないと間違った矯正を行う可能性もあります。
本当にカイロプラクティックのテクニックを使って施術をしたい人は、しっかりと基本的なことから学ぶことをお勧めします。
モーションパルペーション
画像診断が行えないため、正確に背骨や四肢の関節の状態を把握するためには必須の検査法です。
各脊椎の可動方向が図と文字で記されており、リスティングもディバーシファイド、フルスパインの理論が書かれているため、カイロプラクターとしては必ず知っておかなければいけないことが書かれています。
アプローチ方法
本を見ただけで出来ることはありませんが、参考までにご紹介します。
カイロプラクティックテクニック教本
カイロプラクティックの理論がまとめられています。写真も多く掲載されていて、わかりやすくテクニックも解説してあります。
オステパシーの内臓マニュピレーション
腹部、胸郭の機能障害に使うテクニックです。
テクニックだけではなく生理学、病理学、禁忌事項、クライアントへの栄養アドバイスなども記されており、内臓マニュピレーションが解りやすく解説してあります。
クラニオセイクラル・オステオパシー
頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)が写真付きでまとめられた一冊です。
すでに頭蓋骨へのアプローチを行っている人にもおすすめです。
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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