変形性股関節症

変形性股関節症の痛みの原因は?

変形性股関節症であっても股関節を痛める原因は人それぞれ

変形性股関節症は、関節軟骨がすり減り徐々に骨が変形してしまう病気です。

ただ、関節軟骨には痛みを感じとる神経(侵害受容器)がなく、初期段階はその周辺の滑膜の炎症、関節包の過剰伸長などによって痛みが発生しています。そして、関節軟骨が無くなるほど進行すると骨に直接刺激がくわわり、痛みを感じ骨が変形し始めます。

しかし、レントゲンで骨の変形がみられても実際の痛みと一致するとは限らず、変形が進んでいるようにみえても痛みをあまり感じないケースもあります。

そのため、同じ変形性股関節症であっても痛みを発生させている原因に違いがあることも少なくありません。

このようなことからカイロプラクティックで変形を元どおりにすることはできませんが、痛みの原因に対するアプローチで変形性股関節症でみられる症状を改善させることも可能です。

ここからは変形性股関節症の原因および股関節を痛める原因について詳しく解説していきます。

変形性股関節症の原因

変形性股関節症は、骨の形態に異常がみられない一次性変形性股関節症と何らかの股関節疾患が起因して生じる二次性変形性股関節症に大別されます。

病態としては、股関節を形成する大腿骨骨頭、寛骨臼蓋の関節軟骨の変性から始まり、関節の変形へと進行していきます。

関節軟骨が変性するメカニズムは以下のとおりです。

〇関節軟骨の変性メカニズム

何らかの原因で関節軟骨内のコラーゲンが破壊され、プロテオグリカン集合体がコラーゲンの中から漏出します。そして、プロテオグリカン集合体が水分を吸収してしまい軟骨の強度が減少するため、関節軟骨がさらに破壊されやすくなります。

関節軟骨はコラーゲンと粘質多糖体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸)で構成されています。プロテオグリカン集合体はヒアルロン酸にプロテオグリカンに枝がついた大きな分子であり、コラーゲン分子に結合しています。これが関節軟骨の主成分となるため、前述したプロテオグリカン集合体が漏出(破壊および減少)により、変性が進みます。

このような軟骨変性メカニズムから変形性股関節症の原因は、軟骨を生成する過程の異常も原因の一つと言えます。また、軟骨に過剰な刺激が繰り返しくわわることで、軟骨の変性が進行しやすくなると共に股関節周辺の組織もダメージをうけることで痛みが生じます。

変形性股関節症では、骨が変形してしまう原因について以下のことが考えられます。

先天的要因

先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全など先天的股関節疾患を有する人は変形性股関節症になりやすいです。

ある研究では、日本の変形性股関節症の原因について5618例を調査したところ先天的股関節脱臼が42%寛骨臼蓋形成不全が41%みられたという報告があります。

先天的股関節脱臼と臼蓋形成不全

図の球状の部分(大腿骨頭)が完全に凹状の部分(臼蓋)から外れてしまうものが脱臼、外れかかっているものが亜脱臼の状態になります。先天性股関節脱臼は、出生後から生後数か月までの間に股関節が脱臼した状態をいいます。

以前の日本ではおむつの使い方の問題もあり、先天性股関節脱臼が多くみられましたが最近では1000人に2~3人と言われています。ただ、最近は増加傾向にあるそうです。

一般的には、乳児期までに整復治療することで良好に発達します。1歳以降の整復および整復の邪魔をする介在物が残っていると亜脱臼や臼蓋形成不全が残存するケースがあります。

臼蓋形成不全は、骨頭の位置は正常ですが臼蓋が上手く骨頭を覆いかぶさっていない状態を指します。そのため、臼蓋は浅く狭い状態であることから部分的に負担がかかりやすく関節軟骨が摩耗しやすくなります。

遺伝性

人工股関節全置換術を受けた患者266例を対象とした家族研究から患者の同胞(同じ両親から生まれた兄弟)は末期変形性股関節症の遺伝度は27%と報告されています。

CALMI遺伝子の多型(TT型)が、変形性股関節症の発症リスクになり、日本人ではアスポリン蛋白のD14 alleleをともに保持していると変形性股関節症のリスクが著しく増加するという研究報告もありますが(英国の研究ではアスポリン蛋白は発症リスクにならないと報告されています)民族的な要因もあると言われています。

ホルモンバランス

ホルモンの1つであるエストロゲンは、カルシウムの吸収を助け骨を丈夫に維持する働きがあります。しかし、閉経後はエストロゲンが減少するため、女性の発症リスクが高くなる要因となります。(45~64歳においては女性は男性の3倍、50歳以上の女性は男性の10倍とされています。)

外傷、他の疾患

股関節の外傷(骨折、脱臼など)や他の疾患が原因とされる研究報告があり、以下の要因が挙げられています。

  • 小児期の股関節疾患(レッグ・カルベ・ペルテス病、大腿骨頭すべり症など)
  • 大腿骨頭壊死
  • 炎症性疾患(関節リウマチ、脊椎関節炎など)
  • 外傷(股関節骨折、股関節脱臼など)
  • 内分泌・代謝性疾患(先端巨大症、副甲状腺機能亢進症など)
  • 感染性疾患(化膿性、結核性の股関節炎)
  • 腫瘍
  • 大腿骨寛骨臼インピージメント

加齢

変形性股関節症を発症する年齢を調査した研究では、先天性股関節脱臼の既往歴がある患者では平均30歳とされていますが、2010年に発表された国内施設での調査では初診が50代が最も多く次いで60代でした。

股関節の変形に関わらず、60歳までには80%の人に関節変形が認められ、年齢と共に関節の摩耗が進行していることが考えられます。

変形性股関節症の進行の予測因子の研究では、高齢が1つの因子に挙げられています。

重量物の作業

日本と欧米の変形性股関節症の職業歴を調べた研究では、重量物(25~50kg以上)を扱う作業者の発症リスクが高い報告があります。

出典:カパンティの生理学 体幹脊柱編

股関節は図のように地面からの力(床反力)と重力および上半身の荷重が相殺されるポイントになります。そのため、もとから股関節の負担は身体のなかでも大きく、さらに重量物作業が股関節への負担を強めていることが考えられます。

また、腰椎、骨盤、股関節のバランスがとれていれば負担を軽減できますが、使い方や姿勢の問題で部分的に負荷がかかると関節軟骨への負担は大きくなります。

関節の変形以外で股関節を痛める原因

股関節痛の原因は、変形性股関節症だけではありません。また、臼蓋評価でCE角(両側大腿骨頭の中心を結ぶ線の垂線と臼蓋外側縁と大腿骨頭中心を結ぶ2つの線でできる角度)の角度によっては進行がみられない研究報告もあります。

50歳未満のCE角10°以上の患者に変形の進行がみられなかった。50歳以上になると進行例もみられるがCE角が20°以上みられると変形の進行がみられなかった。

このような研究報告から股関節変形の徴候がみられても進行しないケースがあり、変形以外の痛みの要因を優先したほうがよい人もいます。

関節変形以外の痛みの要因は以下のとおりです。

〇関節の異常運動(股関節インピージメント)

関節の継続的な可動制限、股関節周辺の筋機能低下などによって関節の運動が正常に行われないと大腿骨頭と臼蓋が衝突するストレスによって痛みが生じます。また、関節軟骨への負担にもなります。

〇筋肉の関連痛

筋肉の問題によって以下の図のような関連痛を引き起こすことがあります。(バツ印のある腹斜筋に問題によって股関節付近【赤い部分】に関連通が現れます)

腹斜筋以外にも大腿四頭筋、内転筋群などの問題でも股関節付近に痛みが現れることがあります。

〇関節包の拘縮

関節包は、深部で関節を安定させている組織であり、痛みを感じる神経(侵害受容器)が多くあります。関節包が何らかの原因で拘縮してしまうと関節包が伸張されるような動きで痛みが誘発されます。また、先に説明した関節の異常運動の原因にもなります。

これらの原因をさらに追及していくと下肢の運動連鎖の問題、栄養問題、神経系の問題などがみられるケースもあります。

カイロプラクティックでの原因の解決方法は?

変形性股関節症の痛みの原因は関節の変形だけではなく、関節の異常運動や関節包の拘縮が関わっていることも多いです。とくに40~50代では関節変形に進行も末期ではないケースも多く、このような問題を解消することで痛みが改善されることもあります。

カイロプラクティックでは、関節の異常運動や関節包へのアプローチも行います。

また、変形性関節症の進行予防のため、これらにもアプローチして、いかに関節軟骨への負担を減らすかが大切になります。そのため、「手術を受けたいけど退職するまでは現状を維持したい」という人でもカイロプラクティックアプローチは有効になります。

ただ、カイロプラクティックはどこでも変形性股関節症に対応できるワケでもありません。しっかりと調べて信頼できるカイロプラクティック院にご相談ください。

カイロプラクティック心では変形性股関節症に対応しています

変形性股関節症の原因をいくつか解説させていただきました。関節に変形がみられると「もう治らない」と医師から告げられたり、思い込んだりして、痛みを改善させることを諦めてしまう人もいます。

ただ、関節の変形にも段階があり、ここで解説した原因を解消していくことで変形があったとしても痛みなく快適な生活を送れることがあります。

変形が進行していたとしても50代での手術は、高齢になってからの再手術のリスクが高まるため、行われないことが多いです。そのような場合でも痛みをこらえて生活の質を落とすのではなく、積極的に原因を解決していくことで生活の質を落とさず、手術のできる年齢を迎えることができる可能性もあります。

カイロプラクティック心では、関節軟骨にかかる過剰の刺激を取り除くことを中心に変形性股関節症の人であっても快適な生活が送れるようサポートさせていただきます。また、生活習慣(栄養サポート、動作指導など)で痛みを緩和させるアドバイスもさせていただきます。

変形性膝関節症でも「快適な生活を送りたい」「自分の足で歩き続けたい」「孫と一緒になって遊びたい」「手術は覚悟しているけど、それまで生活の質をおとさず仕事や家庭のことをがんばりたい」などの想いのある人は、ぜひカイロプラクティック心にご相談ください。

参考文献:変形性股関節症診療ガイドライン 2016

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