鍼灸とカイロプラクティックは共に、WHO(世界保健機構)から認められた代替療法です。
病院で変化のみられない症状があると、何とかしたい想いで色々と探し鍼灸に通われる人もいれば、カイロプラクティックに通う人もいます。
では、どちらが効果的に症状を改善できるのでしょうか。
ここでは、一般の人でも知っておいたほうが良い鍼灸の効果、治療方法などを書いています。
鍼灸治療を受けたいけど迷っている人、鍼灸とカイロプラクティックどちらが良いか知りたい人はぜひ続きをお読みください。
カイロプラクティックと比較したい人はこちらもご参考ください。
この記事を書いているカイロプラクターは、鍼灸師の先生の講習会にも定期的に参加して鍼灸の効果は体感しています。そして、鍼灸治療をしてもらって症状が改善しなかった人も多数カイロプラクティックで症状改善させています。
パッと読みたい人は見出しをクリック
鍼灸治療の基本的メカニズム
鍼灸でよく使われる鍼は0.14~0.34㎜と注射針よりも細く、刺してもほとんど痛くないと言われています。
実際に鍼灸治療を受けたことはありますが、刺された痛みは感じません。
そして、鍼を刺すことで以下のメカニズムによって治療効果が現れます。
鍼や灸を用いてツボを刺激し、皮膚や筋肉などの組織に微小の傷をつけ、傷を修復するため細胞が活性化することで自然治癒力・免疫力を高める
引用元:森ノ宮医療大学
傷を修復するということは、炎症を引き起こすことになります。
そうすることで血液循環を良くし、もともとの症状で見られた発痛物質を流し、傷を修復することで新たな細胞に入れ替えるイメージです。
脳への関与
鍼灸は中枢神経(脳)への働きも関与するとされています。
はり刺激・きゅう刺激は、痛みを感じにくくさせる体内 の働き(鎮痛系)を活発にします。
引用元:明治国際医療大学
鎮痛効果だけではなく、中枢系に働きかけて内臓の働きを良くしたり、頻尿や尿漏れなどの膀胱機能改善もみられることが報告されています。
東洋医学をベースにした鍼灸
東洋医学は、文字とおり東洋を起源として発展した医学であり、一般的に漢方医学と鍼灸医学が含まれます。
西洋医学は、統計学や生理学、解剖学など科学的な根拠をもとに積み上げていますが、東洋医学は臨床で見られた事象を積み上げて体系化されています。
東洋医学は、臨床経験の集積を基礎として発展しており具体的なケースを前提としてどのような治療措置をとればより効果的かを事象に応じて考える学問であるため、西洋医学よりも総合的・人間的な学問だと言えるでしょう。
引用元:呉竹学園
ツボと経絡
身体には361ヶ所のツボが存在すると言われ、東洋医学では「経穴」と呼ばれています。(経穴に足三里、曲沢など名称がつけられています)
これらのツボを刺激すると症状が緩和し、弱った機能を回復させると考えられています。
ツボには「経絡」と呼ばれる、以下のようにな一連の流れがあります。
- 手の太陰肺経(LU)
- 手の厥陰心包経(PC)
- 手の少陰心経(HT)
- 手の陽明大腸経(LI)
- 手の少陽三焦経(TE)
- 手の太陽小腸経(SI)
- 足の陽明胃経(ST)
- 足の少陽胆経(GB)
- 足の太陽膀胱経(BL)
- 足の太陰脾経(SP) ·
- 足の厥陰肝経(LV)
- 足の少陰腎経(KI)
経絡の流れがあることによって、患部から離れたツボを刺激することで効果が得られると考えられています。
東洋医学は、病気を体全体のバランスが崩れていることから症状が生まれるという考えがあり、そのバランスを戻すことができれば病気が治るとしています。
そこに色々な考え方はありますが、基本的には「気・血・水」のバランスが保たれている状態が健康とされ、そのバランスの崩れ方によってツボ・経絡を使い分けるそうです。
ここでは東洋医学について簡単に解説しましたが、他にも五行、本治、標治など色々な考えをもとに治療が組み立てられています。
鍼灸は一括りにできない
東洋医学をベースにした鍼灸治療は、体系化された治療法もありますが、臨床でみられる事象を積み上げてきた学問でもあるため、科学的に突き詰めれば矛盾が生じます。
個人的な見解ではありますが、このような矛盾を解消しようと努力してきた先人により、鍼灸にも色々な流派ができてしまったのではないでしょうか。(カイロプラクティックも色々な流派が生まれました)
鍼灸治療といっても一括りできず、臨床経験や鍼灸師としてのセンスによって治療効果が大きく異なるとも考えられます。
鍼灸の流派
鍼灸の治療方法にも色々あり、私が知っているものをご紹介します。
- 北辰会方式(少数穴治療)
- 長野式治療法
- トリガーポイント鍼治療
- YNSA(山元式新頭鍼療法)
- 陰陽太極鍼法(陰陽交叉鍼法)
一般の人は、鍼灸治療といっても一つの方法ではなく、色々な手法があることを理解してもらえれば良いかと思います。
効果のある鍼灸治療は?
個人的には、東洋医学をベースにした鍼灸治療に魅力を感じます。
あくまで個人的な想像ですが、痛いところに鍼を刺すだけの治療は、東洋医学からかけ離れているように思います。
実際、私のところにくる鍼灸治療を経験したクライアントは、痛い部分を中心に鍼を刺す鍼灸治療です。
ハッキリ言えば痛いところに全ての原因がないため、これでは治らないもの当然です。
このようなことから、痛い部分をメイン治療する鍼灸はあまり効果がないと考えています。
また、美容鍼灸も最近は多いですが、根拠もなく顔に鍼を刺しているのを見るとそのような鍼灸院での治療効果は疑いたくなります。
美容鍼灸について詳しくはこちら
ちなみに私が参加している勉強会の鍼灸師は、数本の鍼のわずかな刺激を患部とは関係ないところにすることの多い治療方法です。
こういった経験もあるため、カイロプラクターの私が鍼灸治療を選ぶとしたら、患部にこだわらずに鍼を刺す鍼灸師です。
そうすることでダイナミックに体の変化を感じられるのではないかと思います。
カイロプラクティックも東洋医学を取り入れている?
カイロプラクターの中には、鍼灸師の資格を持っている人も多く東洋医学の考えを取り入れている先生もいらっしゃいます。
カイロプラクティック心は、AK(アプライド・キネシオロジー)という神経機能を評価・アプローチする手法を取り入れていますが、この中に東洋医学をメースとした評価・治療方法も含まれています。
鍼を刺すことはできませんが、東洋医学の観点からも症状の原因およびアプローチ方法をカイロプラクティック的にアレンジすることはできます。
どちらを選ぶにしても慎重に
やるべきことができれば、鍼灸、カイロプラクティックともに効果的に症状を改善することができます。
症状(スポーツ障害、アレルギー、慢性的な症状、自律神経機能障害など)によって、得意不得意というものはあるため、しっかりと情報を収集してから通うことをお勧めします。
個人的には鍼灸であれば、痛いところを中心にしか鍼を刺さないところはお勧めしません。
多店舗展開、整骨院と併用しているケースのなどは鍼灸の教育が上手くできていないことも多く、東洋医学とは程遠いこともあります。
カイロプラクティックは民間療法であるため、8割くらいは怪しいと考えても良いでしょう。
そのような意味でもしっかりと情報を収集して慎重に選ぶことで、あなたと相性の合う先生に出会えるハズです。
投稿者プロフィール
-
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
最新の投稿
- 栄養2024年12月3日過敏性腸症候群
- 発達障害2024年11月1日発達障害の個性を活かすための早期介入の重要性
- 発達障害2024年10月2日ADHDの苦手を解決する運動効果
- 栄養2024年9月23日糖尿病に対する食事と運動の重要性
この記事へのコメントはありません。