カイロプラクティックについて

カイロプラクティックというと「バキバキ」と痛みを伴うくらいの強さで関節を鳴らすイメージが根強く、日本ではまだまだ誤解されているところが多いです。

ここではカイロプラクティックについて哲学、科学的根拠などについて解説しています。

カイロプラクティックは哲学(考え方)が大事

カイロプラクティックは哲学が重要であり、アメリカのカリキュラムでは哲学を学ぶ講義があります。

日本でのカイロプラクティックは民間資格であることから、「バキバキとした矯正=カイロプラクティック」といった本来のカイロプラクティックとは違うものが横行しています。

また、矯正器具を利用したテクニックを用いたことでカイロプラクティックと称する整骨院も多いです。

骨盤矯正、足の長さを揃える、背骨の歪みを治すなどフレーズを平気で言えるのは本物ではなく、哲学を知らないカイロプラクティック素人です。

世界では法制化された筋骨格系のスペシャリスト

カイロプラクティックは、1895年にD.Dパーマーが創ったアメリカ発祥の手技療法です。

カイロプラクティックという名前の由来は、ギリシャ語で 「手」を意味する「Cheir」と「技術」を意味する 「Praktos」をつなげて作られた造語です。

現在では、アメリカをはじめカナダ、ドイツ、オーストラリアなど世界約40ヶ国が主に筋骨格系の障害に対する医療系の専門職として法制化されています。

そして、世界保健機構(WHO)は、補完代替医療(通常の医療の変わりに用いられる医療)の一つにカイロプラクティックを支持しています。

このようにカイロプラクティックは、100年以上の歴史ある手技療法であり、世界的には認められた療法です。

そのため、世界のオリンピックチームには、カイロプラクターが帯同していることも珍しくはありません。

ボルト カイロプラクティック

カイロプラクティックの科学的根拠

カイロプラクティックは色々な病態に対して研究が行われており、以下は厚生労働省が情報を発信しているサイトからの引用です。

2010年に実施された種々の病態に対する徒手療法の科学的根拠に関するレビューによると、脊椎矯正(またはモビライゼーション)は、背部痛以外にも、偏頭痛や頚性(頚部に関連した)頭痛、頚部痛、四肢関節の症状やむち打ちによる障害などの数種類の病態に対しても効果が認められるようです。

厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業:「統合医療」情報発信サイト

カイロプラクティック心も論文を読み、科学的根拠および臨床的に根拠のあるものを中心に施術、ホームケアアドバイスをさせていただきます。

ハーバード大学医薬部の研究

カイロプラクティックは、世界で認められている手技療法であり、ハーバード大学医学部でもカイロプラクティックの有効性の論文が発表されています。

カイロプラクティックは、体の構造、特に脊椎に焦点を当てた治療システムです。カイロプラクターは、身体のアライメントを操作して、痛みを和らげ、機能を改善し、身体の治癒を助けます。

詳しくはこちら⇒https://www.health.harvard.edu/pain/chiropractic-care-for-pain-relief

カイロプラクティック効果の研究

カイロプラクティック効果については、神経生理学者のHeidi Haavik博士による研究があり、簡単に解説すると以下のとおりです。

  • カイロプラクティック・ケアが脊椎の機能を向上させる
  • 背骨が動きやすくなるだけではなく、腕や脚の協調性も向上する
  • ある研究では、3ヶ月間のカイロプラクティック・ケアは対照群と比較して被験者の健康に関連した生活の質(健康関連QOL)の身体的側面を改善させたと報告
  • 12週間のカイロプラクティック・ケアは、地域在住高齢者の転倒リスクに関連する感覚運動機能を向上させることも示されています
  • 子供と乳児のカイロプラクティック・ケアが有害事象と関連することはほとんどない
  • 赤ちゃんの夜泣きを減らす助けとなることが示された
  • 脳と体のコミュニケーションを向上させる
  • カイロプラクターが機能不全の脊椎分節を調整したときには、前頭前皮質と呼ばれる脳の部位に大きな変化が起こる

詳しくは研究を翻訳されたブログをご参考ください⇒カイロプラクティックについて知られていない14の事実

カイロプラクティック心も赤ちゃんから高齢者まで幅広く対応しております。

赤ちゃんにおいては、軽く触る程度のカイロプラクティックケアで十分な効果がみられます。

また、発達においても夜泣きだけではなく向きグセ(おっぱいを左もしくは右を向いてしか飲まない)なども改善させておくと良いです。

神経機能を勉強していることからカイロプラクティックアジャストは脳機能改善にも有効であることを実感しています。

脳機能に変化をもたらすエビテンス

2019年に慢性腰痛患者を対象としたカイロプラクティック後の脳内代謝物の変化を観察した報告があります。

20〜50歳の慢性的な非特異的腰痛患者25人脊椎操作後の脳代謝産物の変化を評価することを目的とした研究では、視床、島、および背外側前頭前野(DLPFC)領域のN-アセチルアスパラギン酸(NAA)ならびに視床、島、および体性感覚皮質(SSC)領域のコリン(Cho)が治療で有意に増加した。

出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31773541

一般的にカイロプラクティックは関節の歪みを直している認識です。

しかし、関節自体が大きく動くことはありません。

今までの勉強で得たことでカイロプラクティックの効果を考察するのであれば、この研究のように脳への変化が結果として疼痛の軽減につながっていると推測されます。

カイロプラクティックの安全性

安全で副作用の少ない施術を心掛けておりますが、以下のような症状がみられることはあります。

脊椎矯正の副作用には一過性の頭痛、疲労感、施術部位の不快感などがあります。

厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業:「統合医療」情報発信サイト

一般的には、好転反応と説明されることが多いです。

しかし、個人的な見解としては、過剰な施術と考えています。

そのため、痛みの緩和を目指して施術をしていますが、可動域や各検査の結果に変化がみられれば、痛みが残っても施術を終了致します。

物足りなさを感じる人もいらっしゃいますが、その方が副作用も発生しにくく、翌日もしくは翌々日に症状がさらに軽減していることが多いです。

また、安全性においては定期的にカイロプラクティックの不適応症状を鑑別する禁忌症講座を受講しております。

そのことにより、カイロプラクティックに適応しない症状の方がこられても無駄な施術を行わず、速やかに適切な医療機関の受診を提案させていただきます。

日本のカイロプラクティックの危険性

YouTube動画をみると、危険なカイロプラクティックアジャストを見かけます。

また、国家資格保持者であるはずの整骨院(柔道整復師)による浅い知識のカイロプラクティック(ただボキボキとする、落すベッドを使用する【トムソンベッド】など)が多いのが現状であり、施術による事故が報告される一因です。

このようなことから、安易にカイロプラクティックと称するものを受けるのは危険です。

首をボキボキされて痛い?

カイロプラクティックは、首に限らずボキボキされて痛いイメージが根強いです。

YouTube動画でもこのような施術が投稿され、危険なイメージが強いように思いますが、日本語で検索される多くのテクニックはカイロプラクティックと言えるものではありません。

ただ、単純に過剰に首を回してボキボキ音を鳴らし、施術者が自己満足しているだけです。

音を鳴らすだけであれば、一般の人でも首をボキボキ鳴らすクセがあるように急激に首を捻れば鳴らすことができます。そのため、YouTube動画は一般人レベルです。

優秀なカイロプラクターは、頸椎を屈曲位にして首が過剰に回らないようにセッティングするため、不必要に音が鳴ることはなく安全に行えます。

カイロプラクティック心では、関節運動学アプローチ、筋エネルギーテクニックなどソフトで痛みの少ないテクニックを使用するため、ボキボキなるのが怖いという方でも安心して施術を受けていただけます。

カイロプラクティック資格【日本の場合】

日本は残念ながらカイロプラクティックは、民間資格です。

統一された教育基準がなく通信教育や数日の合宿セミナーだけで「明日からカイロプラクター」と名乗れてしまいます。

そのため、日本の全てのカイロプラクターの知識や技量は一定ではなく、事故を起こしかねないレベルの人が多いです。

なかには、高額な布団やサプリメントを販売したり、カイロプラクターに勧誘する団体もあるため注意が必要です。

カイロプラクターと名乗ることは簡単ですが、本当に役立つ知識と技術を手に入れるのは家が一軒買えるほどの自己投資が必要です。

「簡単にカイロプラクターになれる」という最短の道のりはありません。

そのようなことを宣伝する学校、団体はさぎまがいであることは間違いないでしょう。

国家資格を目指して

カイロプラクティックは、国家資格を目指して法制化を進める動きがあります。

その一つとして、一定水準の教育プログラムを修了したカイロプラクターには、認定登録カイロプラクターの資格を与えて厚生労働省に名簿を提出し、安全性の高いカイロプラクターを公表しています。

カイロプラクティック心は、認定登録カイロプラクターの資格を保有しています。

国家資格者も含めてですが、カイロプラクティックの施術を行ううえで「認定登録カイロプラクター」「徒手療法師」の資格を持たないセラピストは、教育プログラムを修了していない可能性があります。

カイロプラクティックの考え

カイロプラクティックが誕生した頃は、脳からの神経生理機能が背骨の歪みによって正常に働かなくなり、身体の機能(筋肉、関節など)が低下すると共に様々な症状が発生すると考えられていました。

そのことから、背骨の歪みに対して早い力を加える矯正「カイロプラクティックアジャストメント」で症状を改善させることを行っていました。

色々な分野(解剖、生理学、機能神経学など)の研究が進み、科学的にわかってきたこともあり、カイロプラクティックはそれに伴い様々なテクニックが開発されました。

そして、現在確立されているものだけでも100種類以上のテクニックがあると言われています。

ただ、多彩なテクニックは生まれていますが、テクニックで神経インパルスの伝達を阻害しているサブラクセーションを改善し、イネイト・インテリジェンスを賦活させることを目的にしているところは共通しています。

そして、D.D.パーマーの考え方や薬剤、手術を用いない自然療法であるところは現在も受け継がれています。

D.D.パーマーはカイロプラクティックを「科学:Science」「技術:art」「哲学:philosophy」だと言っています。

このことから、カイロプラクティックは科学、技術、哲学の三位一体の療法となります。

科学

科学とは、身体がどのような構造で成り立ち、それがどのように機能することで生命を維持し、健康を保てるのかを明らかにする営みです。

カイロプラクティックが誕生してから100年以上が経ち、先に述べたように、その効果も徐々に科学的に説明されるようになってきました。

しかし、現在も科学的な研究は続いており、未解明の領域が多く残されているのが現状です。

科学ではまだ十分に説明できないからといって、健康を損なっている人を放置することはできません。

そこで重要になるのが、科学では答えきれない「死」や「健康的な価値観」といった本質的な問いに向き合う哲学の視点です。

たとえば、カイロプラクティックの根幹にある哲学的信念である自然治癒力(傷が自然に塞がる、痛みが軽減するなど)は、すべての生命に備わっている力です。

その力がどのようなメカニズムで働いているのかを解き明かすのが科学であり、 その力の「意味」や「価値」を問い直すのが哲学です。

日常には、科学的に説明できないけれど、確かに存在する現象や事実があります。

そうした事実に対して、科学は「どうなっているか」を解明し、哲学は「それが何を意味するか」を考えることで、互いに補い合いながら人類の知を広げてきました。

カイロプラクティックでは、特に西洋医学では治癒の方法論が確立されていない症状を持つ人々に対応する必要があるため、哲学的な視点が極めて重要だと考えられています。

哲学

カイロプラクティック哲学は、宇宙に広がる生命の秩序に基づいて構築された自然治癒力を重視する包括的な思想体系です。

この哲学は、生命とは単なる物理的な存在ではなく、知性(叡智)・肉体・魂という三つの要素が相互に関係し合うことで成り立っていると考えます。

  • 叡智(知性・思考・学び)は、世界の理解、選択、判断する力
  • 魂(感情・価値観・その人らしさ)は、叡智に方向性を与え、行動の動機となる内なる声
  • 肉体(物質的な器)は、魂と叡智の働きを現実世界で表現する場であり、行動の媒体

この三位一体の関係性の中で、魂が叡智に価値と方向性を与え、叡智がその価値に基づいて肉体を動かし、肉体が魂の感情を表現するという流れが生まれます。

カイロプラクティック哲学において、知性とは単なる思考能力ではなく、「ユニバーサルインテリジェンス」と「イネイトインテリジェンス」という二つの次元で捉えられます。

  •  ユニバーサルインテリジェンス:宇宙全体に存在する普遍的で万能な知性であり、すべての生命に共通する秩序と調和の源
  • イネイトインテリジェンス:個々の生命体に内在する自然治癒力であり、ユニバーサルインテリジェンスが個体に宿ったかたち

生命体には、代謝・血液循環・リンパ・神経系などが、身体の状況に応じて自律的に働き、健康を維持するための調整や修復を行う力が備わっています。

この力こそが、イネイトインテリジェンスの本質であり、カイロプラクティックの中心的な概念となります。

その概念に基づきカイロプラクティックは「不整列な状態の椎骨がイネイトインテリジェンス(Innate Intelligence:自然治癒能力)の流れに悪影響を及ぼし、病気や不調を引き起こす」という健康モデルが作られています。

このモデルから問題の見られる背骨に対してアジャストメント(調整)を行い、人が本来持っている自然治癒力を回復・活性化させることがカイロプラクティックの目的です。

ただし、ここで言う「背骨の不整列」とは、単に骨が物理的に歪んでいるという意味ではありません。

むしろ、筋肉や関節、神経系などの身体組織が本来の機能的なバランスを保てていない状態と解釈する方が、現代の科学的理解に合致します。

イネイトインテリジェンス(自然治癒能力) 

イネイト・インテリジェンスとは、すべての生命体に内在する自己調整力・自己修復力・自己防衛力のことを指します。

それは、私たちが意識しなくても呼吸をし、傷を治し、体温を調整し、免疫を働かせるといった生命を維持するための内なる知性です。

この力は、ユニバーサルインテリジェンス(宇宙の普遍的な叡智)が個々の生命体に宿ったかたちとも言え「生命が生命であるために働き続ける見えない力」として、カイロプラクティック哲学の中核をなしています。

イネイトインテリジェンスは、神経系を通じて全身に指令を送ると考えられています。

そのため、背骨の機能的な乱れ(サブラクセーション)が神経伝達に干渉すると、 この内なる知性の働きが妨げられ、結果として身体の不調や病気が現れるとされます。

アジャストメントによって神経の流れを整えることで、イネイトインテリジェンスの働きが回復し、身体は本来のバランスを取り戻すのです。

現代科学では、イネイトインテリジェンスという言葉自体は用いられませんが、 自律神経系・ホメオスタシス(恒常性)・自然免疫系といった概念が、 イネイトインテリジェンスの働きを部分的に説明しているとも言えます。

つまり、イネイトインテリジェンスは、科学的にはまだ完全に解明されていないが、確かに存在する生命の力であり、 それを尊重し、引き出すことがカイロプラクティックの哲学的・臨床的な核心なのです。

技術(アート):カイロプラクティックアジャストメント

同じ技術を持つトップアスリートでも、一人ひとりの個性が際立つのは、単なる技術力だけではなく、その人の哲学(考え方・価値観・思想)が技術に融合しているからです。

カイロプラクティックもまさに同じです。

科学的な知識と哲学的な理解が融合することで、アジャストメント(調整)は単なる手技を超えた「芸術的表現」となります。

施術者は身体の構造や神経系の働きを科学的に理解しながら、 患者一人ひとりの状態・背景・価値観に寄り添い、その人に最も適したアプローチを選び取り、 このプロセスは、まるで画家がキャンバスに向かうような、創造的かつ直感的な営みです。

極端に言えば、私自身の施術も、唯一無二の「生命に触れるアート」を提供していることになります。

それは、技術の正確さだけでなく、哲学の深さ、感性の豊かさ、そして人間への敬意が織り込まれた表現です。

このように、カイロプラクティックの「アート」は、科学と哲学の架け橋としての手技であり、 施術者の個性と患者の生命が響き合う場でもあります。

そのため、互いの信頼関係、リスペクトがあるからこそ、生命を輝かせるハーモニーとなり、西洋医学では解決できなかった症状が自然治癒能力によって良い方向へと向かいます。

施術者はアートを提供するために技術や知識の向上はもちろんのこと、人として成長することが高次元のアートを実践できるため、死ぬまで成長続けることが重要であることは言うまでもありません。

サブラクセーション

サブラクセーションは、カイロプラクティックにおける独自の概念であり、 直訳すると「亜脱臼」と表現されることがあります。

しかし、この訳語が日本では「骨の歪み」として広まり、 「骨の位置を矯正=バキバキ鳴らす」というイメージに結びついてしまっているのが現状です。

これは、サブラクセーションの本来の意味とは大きく異なります。

サブラクセーションの本質的な定義は、健康とは身体の組織が適切な緊張(トーン)を保っている状態であり、 そのトーンが乱れることで身体機能に変化が生じ、結果として「病気」が現れるとされています。

この「トーンの乱れ」は、単なる骨格のズレではなく、 神経系・筋肉・関節・内臓などの機能的な不調和として現れます。

そしてその背景には、生命エネルギー(バイタルフォース)の過不足や滞りがあると考えられています。

このエネルギーこそが、生命を維持し、自己調整・自己修復を可能にするイネイト・インテリジェンス(自然治癒力)の源です。 

カイロプラクティック・アジャストメントは、 この「トーンの異常=生命エネルギーの流れの乱れ」を引き起こしているサブラクセーションに対して行われます。

その目的は、神経系の働きを整え、イネイトインテリジェンスの流れを回復させることにあります。

つまり、アジャストメントは「骨を動かすこと」ではなく、 生命力の調和を取り戻すための働きかけなのです。

科学との融合による進化 は、こうした考え方だけではスピリチュアルな思想にとどまってしまうため、 現代のカイロプラクティックは、解剖学・神経生理学・運動学などの科学的知見を積極的に取り入れ、 より安全で効果的なアジャストメント技術へと進化を遂げています。

哲学と科学の両輪によって、カイロプラクティックは人間の生命力に寄り添う療法として進化し続けているのです。

科学×哲学である必要性

現代の科学は、先に述べたようにカイロプラクティックアジャストメントの効果を一定の範囲で説明できるようになってきました。

神経系の働き、筋骨格系のバランス、痛覚の変化など、科学的な知見によってその有効性が裏付けられつつあります。

また、クライアントの安全を守るためには、科学的根拠に基づいた施術判断と技術の習得が不可欠です。

それを怠ることで、カイロプラクティックの本質を理解していない施術者による事故が起きてしまうこともあります。

安全性と信頼性を担保するためにも、科学の叡智は土台として欠かせないものです。

しかし、現代医学の教科書にすべてが書かれているわけではありません。

実際に科学では、まだ十分に説明できない現象が数多く存在します。

たとえば、生命のエネルギーの過不足によって組織の緊張(トーン)が乱れ、それが病気の原因となるという考え方は、科学的に完全に証明されているわけではありません。

それでも、施術者が指先に意識を集中し、クライアントの全身を俯瞰的に観察することで、 サブラクセーション(機能的な不調和)を特定し、アジャストメントを行うと、その場で圧痛が消失し、数日後には症状が軽減されるという臨床的な事実があります。

このような、科学では説明しきれないが確かに存在する現象こそが、カイロプラクティックの魅力の一つです。

生命への深い理解と尊重を踏まえたカイロプラクティック哲学は、生命体を単なる物理的存在としてではなく、 魂・肉体・叡智が調和する存在として捉える包括的な価値観を持っています。

この価値観は、仏教やキリスト教などの宗教にも通じるものであり、 魂のレベルでの癒しや、肉体と精神の調和を促す教えは、人が生きる力を取り戻すきっかけにもなります。

科学が「しくみ」を解き明かすなら、哲学は「意味」を問い直します。

この両者が融合することで、カイロプラクティックは単なる技術ではなく、 人間の生命力に深く寄り添う統合的な療法として、その効果を最大限に発揮するのです。

カイロプラクティックトライアングル

イネイトインテリジェンスの健康モデルだけではなく、カイロプラクティックトライアングルと言われる「構造、栄養・生化学、精神」の3つがバランスが取れていることによって健康が保てるという健康モデルも重要です。

構造はここまで解説してきた内容でもありますが、サブラクセーションはそれ以外にも栄養や精神の影響もうけ、これらのバランスが崩れると、体の不調、痛みやこりなどを感じたり、身体の色々な部分に症状が現れる場合があります。

構造

構造は、筋骨格系の問題です。

筋肉が機能しなければ関節の負担は多く、正常な関節の位置を保持できなければ、関節の異常運動や筋肉の伸長収縮にも問題が生じます。

また、背骨からあらゆる領域に神経が伸び、筋肉や関節に影響するだけではなく内臓機能や精神にも影響すると考えられています。

そのため、内臓の不調やメンタルが関わる痛みにも影響を及ぼします。

栄養、生化学

体は、栄養で出来ています。

仮に構造的な問題が解消されたとしても、栄養不良がみられれば筋肉や神経などの機能は維持できず、結果として不調をきたします。

また、栄養素は神経伝達物質の材料となるため、栄養不良は神経系の伝達が上手くできないと精神的な症状がみられることは栄養学の世界でも言われています。

そのため、栄養は健康を保つために重要であり、栄養アドバイスも大切と考えられます。

精神

落ち込んでいるときは顔は俯くことが多く、ポジティブな気分の時は顔が前を向くことは研究でも報告されています。

また、精神的な影響は自律神経のバランスを崩し、ストレスは脳機能の低下を招きます。

このように精神的な問題は、体のあらゆる問題を引き起こす可能性があります。

心の問題は心理療法、カウンセリングなどありますが、心の問題もデジタル的に捉えれば神経ネットワーク問題と言った側面もあります。

そのため、精神疾患でも脳機能の異常を報告した研究が複数あります。

このようなことから、カイロプラクティック心で行う脳機能へのアプローチ(感覚エクササイズ)自律神経へのアプローチ(迷走神経アプローチ、頭蓋療法など)は精神のバランスにも関与すると考えられます。

カイロプラクティックで人生をより良く

カイロプラクティック哲学は、単なる代替療法の枠を超え、「生命とは何か」「健康とはどうあるべきか」という根源的な問いに向き合う生き方の考えでもあります。

この哲学は、私たち一人ひとりの中にイネイトインテリジェンスが宿っており、 本来の身心を自らを整え、癒し、成長させる力を持っているという前提に立っています。

そして、健康とは単に「病気がない状態」ではなく、 肉体・叡智・魂が調和し、生命エネルギーが自由に流れている状態であると捉えます。

この視点を人生に応用することで、私たちは次のような力を取り戻すことができます。

  • 自分の内なる声に耳を傾ける力 外からの評価や常識に振り回されず、自分の価値観に基づいて選択する力
  • 変化に柔軟に適応し、回復する力 不調や困難を「壊れた状態」としてではなく、「再調整のサイン」として受け止める視点
  • 生命の流れと調和して生きる力 自然や他者とのつながりを感じながら、自分らしく生きる感覚

カイロプラクティック哲学は、身体に触れることを通して、魂と叡智にも触れる道です。

それは、施術者だけでなく、すべての人にとって「よりよく生きるための羅針盤」となり得ます。

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