発達障害

自閉症スペクトラム障害のこだわり強いのはなぜ?

自閉症スペクトラム障害(ASD)は、特徴のひとつにこだわりの強さがあります。

こだわりがあることは、決して悪いことではありません。

しかし、こだわりが強すぎるあまり、柔軟的な対応ができず、パニックに陥ったり、相手とトラブルになったり、社会生活において生きづらさを感じることも少なくありません。

また、幼少期には癇癪、学習の困難につながることもあり、親御さんも悩まれることが多いのではないでしょうか。

ASDの研究では、脳機能の問題が示唆されており、こだわりの強さもその影響を受けている可能性があります。

こどもの発達障害に有効なBBIT認定療法士であるカイロプラクテイック心が、自閉症スペクトラム障害の強いこだわりについて、脳機能の面から解説し、行っているサポートをご紹介します。

RRB【Restricted and repetitive behaviour】

DSM-5では、自閉性障害、アスペルガー障害、PDDNOS、小児期崩壊性障害、Rett障害という分類が撤廃され、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorders:ASD)にまとめられました。

そして、ASDを定義する特徴は3つ(社会性の障害、コミュニケーションの障害,restrieted and repetitive behavior【RRB】から2つ(社会的コミュニケーションの障害、RRB)にまとめられました。

RRB【Restricted and repetitive behaviour】は、日本語に訳すと興味の限界局と常同・反復的行動となります。

興味の限界局と常同・反復的行動

興味の限界局と常同・反復的行動は、以下の特徴が含まれます。

  • 常同行動(手をバタバタさせる、クルクル回る、飛び跳ねるなど常に同じ運動を繰り返す)
  • 同一性へのこだわり(変わらないことへの欲求:同じ道順、同じ並び、同じ方法などへのこだわり
  • 限定的な興味(昆虫、電車、記号など特定の物事に異常な興味をもつ
  • 日課と儀式(同じことを繰り返し、新しいことを受付けない
  • 感覚の鈍さと過敏さ(光や匂い、触られるなどの感覚を嫌がる反面、痛みに鈍かったりする)

※()内は例であり、他の行動もみられます。

RRBの現れ方によってレベル1~3(サポートの必要性)の3段階に分けられます。

ASDのこだわりの強さは、RRBとしてまとめられ、研究が進められています。

自閉症スペクトラム障害のこだわり具体例

こだわりの強さがみられる行動は、年齢によって変化すると言われています。

〇幼児期

  • 偏食が見られることや、特定メーカーの特定食品しか食べないことがある
  • 特定の洋服しか着たがらない
  • 特定のアニメや動画の特定部分を何度も繰り返し見る
  • ブロックやミニカーなどを一列に並べ続けるなど、特定の遊び方を繰り返す
  • 特定の数字やマークなどに執着する

引用元:ハッピーテラス

〇児童期・青年期

  • 同じ行先には同じ道順で行きたがる
  • 食べるもの、食べ方、食べる順番など一定のルールを守りたがる
  • ゲームなどをした際に、1番でなければ気が済まない
  • 時間・やることなど、予定通りに厳密に行動したがる
  • 同じ質問を繰り返し、同じ回答を繰り返し求める
  • 自分の関心のある特定分野の話題を繰り返す

引用元:ハッピーテラス

〇成人期

  • 車通りがなくても、赤信号を渡っている人を見ると許せない気持ちになる
  • 「私語厳禁」と書かれている職場で私語をしている人を見るとイラっとする
  • マニュアルなど、きっちりとしたルールが設けられている仕事がやりやすいと感じる
  • 物の配置がいつもと違うことなど、細かいことが気になって作業を進められない
  • 文字の大きさやフォントなど、細部にこだわりすぎて、期日を過ぎてしまう
  • 誤字脱字を見つけることが得意で、正確な書類作成やデータ入力で強みを発揮する
  • マニュアル通りにおこなっていた業務のやり方が急に変更され、パニックになって作業ができなくなる
  • いつも通っている通勤経路とちがう道を通ると、気持ち悪く感じる
  • 急な予定変更や依頼業務があると、混乱して頭を整理するのに時間がかかる

就労移行支援事業所 ディーキャリア

具体的な例をあげると、多くの振る舞いがみられます。

ただ、その根幹には「やり方を変えれない」「異常な継続」「新しい環境を受入れられない」といった3つのこだわりの強さがあると考えられています。

ASDのなかには、とてもIQの高いこどももいますが、親御さんが注意しても聞き入れることは難しいことが現状ではないでしょうか。

その理由として、ASDにみられる脳機能の問題が、こだわりの強さとして現れている可能性が研究で示唆されています。

そのため、脳機能を理解し「なぜこだわりが強くなるのか?」を理解し、サポートしていくことがASDの生きづらさを緩和する1つの方法になるのではないでしょうか。

こだわりを脳機能から紐解く

ASDの特徴に関連する中枢神経系の構成部分(脳)は、多くの研究によって、前頭側頭葉、前頭頭頂皮質、扁桃体、海馬、大脳基底核、前帯状皮質(ACC)小脳、前庭系などの異常が示唆されています。

ただ、注意してほしいのはここに挙げる脳機能の異常はASD特有のものではなく、不安障害、統合失調症など他の疾患でもみられることが研究でも報告されています。

RRBに関連する問題として、認知機能(前頭葉を含む)、大脳基底核、小脳などの神経ネットワークの問題が考えられています。

認知(実行機能)

ASDでは、認知(実行機能)の問題が生じていることが示唆されています。

例えば、柔軟性が低下することによって、新しいルールの変更が困難であったり、行動や感情を抑えることが難しく何度も同じ発言、行動を繰り返すといったことがみられます。

認知機能は前頭葉と呼ばれる脳領域が大きな役割を担っており、ASDでは前頭葉の機能低下によって柔軟性の低下および制御機能に問題が生じていることが研究で示唆されています。

前頭葉についてはこちらの記事をご参考ください。

ただ、前頭葉だけが活動することはなく、あらゆる脳領域が相互作用し神経ネットワークを形成しています。

その前頭葉が関わる神経ネットワークである大脳基底核ループ(皮質ー線条体ー視床ー皮質)が、RRBと関りがあると考えられています。

大脳基底核ループ

大脳半球の深部に位置する大脳基底核は、線条体(尾状核と被殻)、淡蒼球、視床下核、黒質核から構成されています。

また、大脳皮質(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉)からの信号を大脳基底核が受取り、視床を介して大脳皮質に戻るループ回路を大脳基底核ループといいます。

大脳基底核ループは、運動、眼球運動、認知、辺縁系(行動の動機付け、情動など)の4つのループ回路で構成されています。

さらに認知ループ回路は、背外側前頭前野ループ回路と外側眼窩前頭ループ回路が同定されています。

このように大脳基底核ループは、運動機能だけではなく情動、実行機能に関わり、異常がみられると運動や行動、精神障害の要因となります。

RRBと大脳基底核ループ

構造磁気共鳴画像法 (MRI) 研究では、大脳基底核ループのいくつかの異常と、それに対応するRRBの変化が発見されています。

とくに眼窩前頭皮質(認知および辺縁系ループに関与)の異常は、RRBの重症度と関係性がみられました。

また、運動皮質、線条体、淡蒼球、視床下核を含む主要な皮質および大脳基底核領域でも異常がみられた研究報告もあります。

眼窩前頭皮質は、情動に関与する領域です。(社交的に適切な行動、共感性、衝動性の抑制、目標に向けた行動など)

そのため、この領域の問題は、相手の感情を理解することが難しく、結果として自分の興味に執着(一人で好きのことをしゃべる、相手に関係なく自分の興味に没頭など)します。

小脳

小脳は感覚運動の処理(主に無意識化の運動の処理)と運動の制御(大脳基底核と共に運動を円滑に行うための制御)に関わり、最近では大脳基底核との関りにも注目されています。

ここでは、細かく触れませんが、認知機能にも影響を与えている可能性も示唆されています。

最近の研究では、ASDと小脳の機能不全を示唆する研究が増えてきており、RRBとの関連も報告されるようになりました。

RRBの重症度が、右後小脳-左-IPLの接続性低下と右-IPL接続の高さと関連している可能性示唆された。

この回路の機能不全を伴う視覚運動処理に強く関与しており、効果的な社会的コミュニケーションに不可欠な運動模倣などのスキルの異常な発達につながる可能性があります。

参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8931705/

左右のIPL(下頭頂葉)の働きは、柔軟的に行動を再構築するうえで重要であり、目標を達成するために周囲の環境の変化や新しい情報に対応するために重要です。

研究では右側の小脳と両側のIPLとの接続に問題が生じ、柔軟性の低下や新しい情報に対応できないRRBの特徴がみられると考えられています。

前頭葉での認知機能を正常に保つために、下頭頂葉の働きも重要です。

下頭頂葉で情報を処理し、その情報を前頭葉にも送っているため、下頭頂葉での情報処理に問題が生じれば、柔軟な行動および新しい情報に対応していくことも困難であることが予想されます。

小脳と大脳基底核

小脳と大脳基底核の相互作用は、RRBにおいて重要な役割を果たしている可能性があるとされています。

小脳と大脳基底核は共に学習システムを備えていますが、異なる方法で行っており、2つの学習システムを組み合わせることで迅速に目標を達成できます。

そのため、どちらかの機能低下によって学習システムが非効率になるとRRBにつながることが示唆されています。

大脳基底核は、前頭葉から送られる意識的な運動や思考の情報を過去の感情や動きなどの記憶を適切に引き出して、その環境に応じて精査する学習システムです。

小脳は、大脳皮質を介さず感覚情報(バランス、視覚、固有受容感覚など)を統合して、洗練した動きを促し、歩行や姿勢など無意識化の運動には大きく関与しています。

どちらの学習システムにも共通することは、抑制的な働きを持つことです。

小脳や大脳基底核の病変として、抑制的な働きができないため、震えや動きの不自然さ(カクカクした動き)がみられるようになります。

とくに小脳は無意識化の状態での抑制的な働きが考えられ、近年では言語機能や精神機能の制御にも関与していることが示唆されています(参考文献:皮質連合野と小脳の高次精神機能

そのため、言動や精神活動を抑制できないことで、限られた興味に執着してしまう可能性があります。

RRBの治療方法は?

RRBの治療方法の研究は増えていますが、薬物療法は認められていません。

行動ペアレントトレーニングの1つである「親子相互交流療法Parent-Child Interaction Therapy(PCIT)」は、有効性を示した研究報告があります。

しかし、対象人数も少なくRRBに特化した手法ではないため、今後の研究が必要と考えられています。

他には栄養療法(ビタミンD、葉酸、ω3脂肪酸)の有効性が示唆されています。

また、腸内環境への介入(ラクトバチルス・プランタルムWCSF1:プロバイオティクス)や食事パターンの変更(グルテンフリー、ケトジェニックダイエット)の有効性を報告した研究もあります。

しかし、栄養療法もさらなる研究が必要とまとめられていることが現状です。

※栄養療法について詳しくは解説しませんが、脳と腸の相互作用は多くの研究で報告されているため、脳機能の問題がみられるケースにおいては栄養療法の研究も多くみられます。

腸と脳の関係について詳しくはこちら

カイロプラクテイック心のこだわりの強さに対する考察

ここからはカイロプラクテイック心が、脳機能の研究を含めてASDのこだわりの強さへの対応を考察していきます。

こだわりの強さは、多くの研究で大脳基底核ループの問題が示唆されています。

実際、ASDのこどもの脳機能を評価すると大脳基底核が関わるサッケード、アンチサッケード、ストループテストなど上手くできないことが多いです。

しかし、こどもの場合は大脳基底核を含む大脳皮質は、発達段階であり発達障害と診断されていないこどもでも、できないことも少なくありません。

成人であれば、大脳基底核の評価に基づき、大脳基底核の機能向上を目的としたアプローチは有効になる可能性があります。

また、こどもであっても大脳基底核へのアプローチが無意味というワケではありません。

大脳基底核は多くの役割に関与しており、姿勢のコントロール、人の動きを真似る、リズム運動などこどもの発達段階に応じて行うことも大事です。

大脳基底核へのアプローチ方法

  • 体幹エクササイズ
  • リズム運動
  • 眼球運動(サッケード)
  • go-no-goエクササイズ
  • 人の真似をした動き(簡単な体操を真似する)
  • 足指、手指を使う遊び

これらのアプローチ方法は、年齢によっては難しいケースもあります。

その場合は、遊び感覚でできるように行うことになります。

ただ、大脳基底核のアプローチの前段階として、基礎的な能力が育っていないことも多いです。

大脳基底核のアプローチは、複合的な動き(考えながら動く、2つ以上の課題をこなすなど)が含まれるため、とくに子供の場合はできません。

このようなことから、こだわりの強さが大脳基底核の関与と解ったとしても、対策が難しく研究成果のみられる大脳基底核のアプローチ方法はないように思います。

カイロプラクテイック心でも、大脳基底核へのアプローチは、初期の段階では行わないです。

ASDは、大脳基底核以外の問題もあり、臨床的にバランス感覚、前庭系の問題がこだわりの強さに対応していくために重要と考えています。

前庭系の重要性

ASDは、バランス感覚および前庭系も問題がみられることが多いです。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36016580/

臨床的にも前庭系およびバランス感覚の評価を行うと、こどもだけではなく成人でも問題がみられます。

なかには親御さんからバランス感覚は良いと聞くこともありますが、体を不必要に緊張させていたり、眼を閉じたとたんにバランスを崩すことがほとんどです。

このように研究と臨床的な経験から、前庭系を含めたバランス機能の問題はASDにはみられます。

前庭系の問題は不安につながる

前庭系は姿勢制御、バランス感覚、視覚(前庭動眼反射)など自分がどのように動いているかを感じるためにも重要な機能です。

そして、自分の動きがわかることで、他者とつながるネットワークも成長(相手との距離感、共感性など)していきます。

このように前庭系は重要な器官であるため、胎児のころから前庭系は存在しています。

前庭系の問題がある場合、姿勢やバランス感覚だけではなく、不安を感じる傾向が強くなる研究報告が複数あります。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29768682/)

ASDに置き換えると、常に不安を感じやすい状況にることが推測されます。

例えば、足元が揺れている場所や不安定な場所でバランスを求められる環境下で落ち着くことができるでしょうか?

ほとんどの人が、不安定な場所では緊張状態が強いはずです。

極端かもしれませんが、ASDは常に不安な状況下で生活していると考えても大げさではありません。

前庭系とこだわりの理由

不安の強い状況下で、人は新しいことに挑戦するでしょうか?

また、不安のなかでも安全と考えられる場所を簡単に手放せるでしょうか?

個人的には不安の強い状況下では保守的になるのは、当然と考えています。

そのため、ASDは安全と認識した道順、服装、特定の興味のあるものに固執してしまうことも不思議ではないように感じます。

幼児期から小学生、中学生くらいまでは、とくに前庭系の問題を解消するためのアプローチを組み立てていく必要があるでしょう。

認知とこだわり

こだわりが強い理由として、前庭系だけではなくこだわり続けた結果、選択肢のないまま成長したこともあるように思います。

ただ、環境に合わせて適切な情報を引き出し、最適な手法を選択するためには認知機能(実行機能)は重要です。

例えば、車の運転中は、周りの車や人に注意しつつ、車を安全に操作するといった状況に合わて最適な動き(ブレーキを踏む、ハンドルを切るなど)が必要になります。

高齢者で車の事故が増えるのは、このような実行機能が低下するのも理由の1つです。

他にも、認知症の1つの特徴として、歩きながら話すことができないことがあります。

これも歩く動作に認知機能の比重がかかりすぎて、会話を成立させるための認知機能が働きません。

これをASDのこどもに置き換えると、トランポリンが上手にできたとしても、足し算は同時に行えない(座った状態であれば、足し算は可能なこども)ケースも多くみられます。

このようにASDでは、複数の作業を行うことが脳機能的に困難であることが、こだわり(1つのことを繰り返す、同じ作業を好むなど)として現れるのではないでしょうか?

前庭系についてはこちらもご参考ください。

前庭系トレーニングとデュアルタスクトレーニング

カイロプラクテイック心では、こだわりの強さの対処方法として、前庭系トレーニングとデュアルトレーニングが有効ではないかと考えています。

臨床的にもこれらのトレーニングによって、こだわりの強さが和らぎ、落ち着いて過ごせているといった声もいただいています。

前庭系トレーニング

前庭系は、頭位変換および頭部を移動を取り入れた運動になります。

例えば、ブランコ、トランポリン、回転イスでの回転などになります。

ASDでは、回転イスで回転させても目が回らないことも多く、前庭系の感覚が鈍いことは研究でも報告されています。

その鈍さから常同運動(クルクル一人で回る、飛び跳ねるなど)を行って、前庭系への刺激を入れているのではないかと推測されています。

ASDのこどもにおいては、積極的に公園での遊びや回転イス、トランポリンを行ってもらいます。

前庭系トレーニングの注意点

前庭系の機能を回復させることは、ASDに限らず健康を維持向上させるためにも重要です。

しかし、前庭系の刺激に対して過敏に反応するケースもあり、体調を悪化させることにもなります。

例えば、ジェットコースター、ブランコなどで気分が悪いと訴える方もいますが、これは前庭系の刺激に対する体調悪化でもあります。

そのため、車酔いがみられたり、天候による体調不良がみられたりする人は、とくに前庭系トレーニングによって体調不良が起こり得ます。

前庭系だけが問題ということはほとんどないため、このようなケースにおいては他の感覚器(体性感覚、視覚など)へのアプローチが優先となります。

デュアルトレーニング

デュアルトレーニングの研究は、高齢者、アルツハイマー病、脳疾患で行われていますが、運動機能および認知機能(実行機能に必要な情報処理、作業記憶など)の改善がみられています(参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7733129/

研究方法によって、手法は違いますが、ウォーキングやバランスエクササイズなどの運動を行いながら認知タスクを行っていきます。

例としては以下のトレーニングがあります。

  • 片足バランス(開眼ができれば閉眼)しながら足し算
  • ウォーキングしながら1日の出来事を思い出す
  • キャッチボールしながら音楽を聴く

課題は、環境やその人の問題を解決できる可能性のあるものを選択することになります。

また、脳の機能を向上させるためには集中することが重要であり、そのために斬新性、楽しさのあるエクササイズが重要です。

例えば、飛び跳ねることが好きであれば、トランポリン+足し算などのほうが効果があるかもしれません。

安全性を確保して行うことが前提ですが、片足で跳びながらに変えて、少しずつ難しくしていきます。

○○すればOKといったアプローチはない

ここでは、ASDのこだわりの強さは、前庭系トレーニング、デュアルトレーニング、大脳基底核アプローチの有効性を書きました。

しかし、これを行う前提として神経可塑性を利用する必要があります。

そのために先に書いた集中して行うことも重要であり、他にも栄養、酸素、刺激(ここではエクササイズ)が必須です。

神経可塑性について詳しくはこちら

なかには栄養の問題による腸内環境の悪化、糖代謝の問題があるケースもみられ、栄養サポートが先決もしくは並行して行うこともあります。

また、ここで書いたエクササイズだけでは不十分であり、認知機能向上のための有酸素運動、ウィスコンシンカードなども必要かもしれません。

「なぜ?こだわりが強いのか」を考えよう

ASDのこだわりの強さは、ここまで書いてきた脳機能の問題が生じており、言い聞かせることは不可能でしょう。

もちろん、年齢を重ねることでこだわりの強さからみられる癇癪やパニック状態はみられなくなることも多いです。

しかし、こだわりの強さは成人になってみられることもあり、過度なストレスとなっているケースも多いのではないでしょうか。

こだわりの強さに関わらず、発達障害でみられる特徴的な振る舞いには理由が隠されています。

ここで解説した脳機能の問題もありますが、何かしらの不安を感じていたり、過去の失敗であったり、人それぞれの理由があります。

なぜを大切に少しづつでも紐解いていくことも大事ではないでしょうか。

カイロプラクテイック心は、身体評価を元に色々な視点からASDの振る舞いを紐解き、サポートさせていただきます。

ASDでお困りの方は、一度ご相談ください。

参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8924045/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4688328/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8513787/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3646241/

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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