伊勢市 自律神経

部位別の症例報告(改善例)

伊勢市|めまい、息苦しさなど自律神経症状、不定愁訴の改善例(症例報告)

痛みやしびれ以外の身体の不調改善例

身体の不調は痛みやしびれだけではありません。倦怠感、息苦しい、眠れない、便秘や下痢、物の見え方がおかしいなど理解してもらえないような不調でお悩みの人もいます。ここでは痛みやしびれ以外の身体の不調や全身の及ぶ痛み、不快感の改善例を書いていきます。

めまいの症例はこちらのページに移行しました。

日常的に息苦しさを感じる

30代 女性

〇主訴

5ヶ月くらい前から背中の張りを強く感じると共に、息苦しさを感じる。

〇既往歴:現病歴

頭痛、のどのつっかえ感、立ち眩み、腰痛、肩こり、首の痛み、腕のだるさなども併発している。また、下痢にもなりやすい。

過去には食欲不振、めまい感もあった

〇病院での診断

整形外科⇒とくになし 以前にストレートネックと診断された

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 呼吸の評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

姿勢は平背であり、呼吸は浅くなりやすい姿勢と言える。呼吸による腹部、胸部の動きをチェックすると腹部の広がりおよび息を吐くときの胸郭の動きが(胸郭はとくに左側)少ない。

ストレートネックのチェックを行うと伸展の動きはみられたため、機能的にはストレートネックではない(レントゲンの撮影の仕方でストレートネックに見えることが多いため)骨格的には胸椎1番が変位(サブラクセーション)しており、変位を修正する方向に保持すると頸部の動きも楽になり、押圧で痛かった腰部も痛みが軽減された。

機能神経学の検査では、左右にバラつきがあり整合性がみられなかった。ただ、瞳孔収縮が安定せず、副腎の反射点を刺激することで安定感がみられた。

筋力テストでは、腹斜筋(左側)の弱化がみられ、呼吸が浅くなる一要因と考えられる。また、呼吸で息をはいたときに筋力テストを行うと正常な部分も力が入りにくくなった。

神経を活性化させる3要素(酸素、栄養、刺激)があり、呼吸が浅くなることで酸素が身体に供給できないと神経系が活性しずらいため、呼吸はとても大切である。

そのため、呼吸が上手くできないことで肩こり、腰痛を引き起こすこともあり、呼吸をしやすくすることを優先的に行う必要がある。また、息を吐いた時に力が入りにくくなることからも呼吸の機能回復は重要と考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、骨盤下腔、上腔、胸郭下腔、上腔を調整し、身体全体のバランスを改善させた。また、胸椎1番と頭蓋骨の調整を行なった。施術後は、息を吐いた時の筋力が入りやすくなった。これらの施術を3回行うと息苦しく感じる日が少なくなっていった。

日々の生活の疲労感や身体の調子(生理、ストレスを感じるできごとなど)によっては、息苦しさや背中の張り感、のどのつっかえを感じることがあった。

のどのつっかえ感は腹圧が弱まることで大腰筋が過剰に働き、背骨を介して頭部の伸展動作を制限していることが一因であった。そのため、大腰筋に接触すると頭部の伸展もしやすく、つっかえ感も軽減した。また、背骨の押圧では胸椎9番周辺の痛みもあり、瞳孔収縮の不安定感もあったため副腎の影響も考えられる。

これらのことから腹圧を改善するため頭蓋骨の矢状縫合調整(経験上、出産経験のある女性によくみられる)副腎のリンパ反射刺激を行った。これらの施術をくわえたことで、再発する頻度も減り始めた。

初回から8回は1週間に1回の施術ペース、それから症状が安定し始めたため、徐々に施術間隔を空けていった。最終的には1ヶ月施術を空けても以前の症状が現れることなく過ごせるようになった。(18回の施術、約9ヶ月の施術期間)

〇カイロプラクティック心からのコメント

呼吸の改善がポイントとなる改善例でした。呼吸は誰もが無意識に行えるものですが、色々な要因で(姿勢、ストレス、腹圧の低下など)自覚のないまま呼吸が浅くなり、何らかの症状を引き起こす引き金になることも少なくありません。

呼吸の教科書から以下は抜粋です。

慢性的な呼吸過多が及ぼす影響

  • 免疫力が低下する
  • 炎症反応がコントロールできなくなる
  • 交感神経が優位になり、緊張状態、不安感、恐怖感が増加する
  • 神経伝達が阻害され、身体の動きが悪くなる
  • 血管が収縮して血流が悪くなり、手足が冷たくなる
  • 消化器への血液供給が減り、消化不良が起こる
  • 交感神経が過剰に働き、副交感神経の働きが鈍るため、疲れがとれなくなる
  • 横隔膜の収縮性が弱まり、呼吸が浅くなる
  • 過剰な胸式呼吸によって、姿勢や動きが乱れる

★呼吸の教科書は、世界的には有名なDNS、PRIのメソッドが組み込まれていいます。

炎症反応がコントロールできなければ、痛みが長期化してしまいます。交感神経が優位になれば、緊張状態が続き疲れやすく内臓の働きも弱まるため、栄養の吸収も十分ではなくなり疲労感、倦怠感が助長されることが考えられます。このように慢性的に呼吸が上手くできないことで様々な症状をひきおこす可能性があります。

今回のクライアントは、細身の女性で産後であることから腹圧が弱まった状態から回復しきれていなかったと考えられます。また、姿勢も背筋を伸ばしていますがそれに伴い平背となり、腹圧も弱いため過剰な胸式呼吸となり、呼吸が浅くなっていました。

初めは胸郭、骨盤部のバランスだけを調整しましたが腹圧が安定しないため、頭蓋骨の調整も行いました。

また、瞳孔収縮は自律神経や中枢神経の影響でも変わりますが、今回は副腎の影響がみられました。

副腎はホルモン分泌に重要な役割を果たし、副腎の機能が正常に保てないことも自律神経症状とよく似た症状を引き起こします。(ひどい場合は栄養的アプローチ:医療サプリメントの服用が有効とされています)

今回は息苦しさが主訴でもあったため、呼吸の評価は行っていますが、息苦しさが無くても疲労感、倦怠感などみられる場合は、呼吸を見直すこををおススメします。

手足のむくみ感と冷えに伴う全身の痛み

30代 女性

〇主訴

1週間前から手足のむくみがひどくなり、冷えを感じるようになった。

息苦しく倦怠感もひどくなり、動くと身体が重く脚や腰に痛みも発生する。

現症状前の数週間前にウイルス性の発熱、リンパの腫れがみられ、その数日後にめまいや呼吸がしにくい、動悸が激しいなどの症状により、救急車で病院に搬送されている。(病院の検査では異常なし、体調も回復したため入院もせずに帰宅した)

〇既往歴:現病歴

腰椎分離症、すべり症

現病歴は、常に肩こりがあり、頭痛を感じることもある

〇病院での診断

病院⇒異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 呼吸の評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

腰に痛みを訴えているが、特定の動作で痛みの変化はみられない。

そのため、関節運動や筋肉の異常によるものとは考えにくい。

姿勢は平背で呼吸時は、左の下部肋骨の拡張が小さい。また、左右の胸郭を少し圧迫しながら呼吸をしてもらうと左側を圧迫していなくても吸いにくく感じる。

このことから左側胸郭の拡張問題があるといえる。

機能神経学検査では、左の大脳機能低下が疑われる。

カイロプラクティック検査では下部頸椎(頸椎6番)の可動制限がみられる。

また、頸椎6番は椎骨動脈と接触する部分が多い(最も多いのは頸椎2番)

そのため、頸椎6番の変位は、脳への血流量低下によるめまいや身体の不調になりえる。

リンパ管の通る部分を触診すると腹部、左鎖骨下の緊張度が高かった。

以前にリンパの腫れもあり、リンパ循環の影響によりむくみになっていることも考えられる。

大きな問題としては、胸郭とリンパ循環の問題により、むくみや自律神経症状をおこし、現症状にいたっていると仮定し施術を開始する。

 

〇カイロプラクティック心の施術

骨盤下腔上腔、胸郭下腔上腔および左側の胸郭を拡張できるよう調整した。

また、腹部の乳び槽、左鎖骨下のリンパ節を中心にリンパの循環を促すテクニックを使用。施術後は、やや楽になった感じ程度であった。

1週間後の施術時に前回の施術後家に帰って夕方くらいには身体が楽になり、それ以降は息苦しさやむくみ感、全身の重さがほとんどないと報告をうける。

現状は腰痛と肩こりを感じる状態であった。身体が楽になったため、骨盤部と頭蓋骨、頸椎6番の調整を行ない、腹部のセルフケアを指導して一旦施術を終了した。

半年後くらいに手先の冷え感が強まり再度施術を行う。

再度、検査で身体の状態を見直し、胸郭の問題が大きいとして胸郭を中心に施術。胸郭の施術後に手が暖かくなり、クライアント自身も自覚できた。

また、半年後に以前ほどひどくなく、指導した腹部のセルフケアで楽になったが息苦しい日があったため施術を行う。

ほぼ、今までと同様の施術を行ったが、胃のマニュピレーションを追加して行った。

その後、1年間は問題なく過ごせている。

〇カイロプラクティック心からのコメント

動悸、倦怠感、息苦しいなど自律神経症状がみられる全身の症状ではありましたが、施術の反応がよく早く体調が回復した症例です。自律神経の問題が現れる原因も色々あります。(原始反射、脳の機能低下、背骨の問題、胸郭の問題、呼吸など)

今回のケースでは、胸郭の問題が大きな原因であったため、胸郭の調整により身体がしっかりと反応し回復したのではないかと考えられます。

ただ、姿勢が平背であり仕事はデスクワークであるため、背筋を伸ばした状態を意識しすぎると呼吸が浅くなりやすく今回のような症状を再発させる可能性があります。そのため、姿勢についても指導をしました。

腹部のセルフケアは、腸をコントロールする神経の集まりがあるポイントを刺激する方法です。

腸は脳との関わりがあるとも言われ、うつ症は腹部も固いことが多いです。

そのため、腸内環境を良い状態に保つことは重要です。

このセルフケアで腸内環境が良くなるワケではありませんが、腸を活性化させ腹部の緊張が和らげば、腹圧が保て呼吸も楽に行いやすくなることが考えられます。

そのため、腹部のセルフケアでクライアント自身も楽になったと言われてました。

自分の身体ではないような感覚になり、雲の上を歩くようなフワフワ感がある

30代 女性

〇主訴

数日前に姉妹の知り合いの整体施術を1時間半程度うけたあと、フワフワした感じのめまいが酷くなった。

左半身が自分の身体ではないような感覚があり、歩きにくさを感じる。このような状態でもあるため、首や腰に強い張りを感じる。

※頭蓋骨調整をするところを探してカイロプラクティック心を訪問。

〇既往歴:現病歴

20歳の頃にもめまいを発症している。

右膝の骨折

現在も気になる部分は、歯のかみ合わせが悪い感覚があり、鼻詰まり感が続いている。

〇病院での診断

過去のめまい 病院⇒異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 脳疾患、腫瘍によるめまいの鑑別
  • 姿勢分析
  • 機能神経学
  • 原始反射
  • 触診
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

カウンセリングと神経機能の検査を最初に行い、脳疾患や腫瘍によるめまいでないかを鑑別し、カイロプラクティック適応のめまいであることを確認し施術を行うことを決定した。

原始反射をみると恐怖麻痺反射が現れている。(神経不統合、マイヤーソンテスト、ディレクトリウォークなど)

恐怖麻痺反射がみられると自律神経も乱れやすい傾向がある。また、感覚的に過敏な傾向もあり、これに関してはクライアント自身も自覚があり、カウンセリングでも感覚的に話す印象をうけた。

フワフワ感のめまい(浮遊性めまい)は、固有受容器の乱れが関与することも多く、肩こりがひどい人にもみられる症状である。

そのため、検査で頭部を動かすと浮遊感が増悪する。

閉眼でも同様に行ってもらうと浮遊感が軽減されたため、前庭神経の問題よりも眼球を介した固有受容器の問題が強いと考えられる。

また、眼球運動もチェックすると右斜め上をみると力が入りにくい感覚がある。

座った状態では、骨盤部、腹部を保持するとフワフワ感が軽減された。腹圧の低下も一因と考えられる。

1時間ほど肩から首周りを施術してもらっていたということで、首周りの固有受容器の異常が生じたのではないかと考えられる。

また、施術を受ける前から左の大脳機能低下、恐怖麻痺反射があることから、症状が表面化してしまったと推測し、神経系のバランスを調整することを優先に施術を行う。

〇カイロプラクティック心の施術

神経不統合の解除を行うため、スイッチングを行い左大脳機能を活性化させるため右側の距骨の調整と眼球運動を行った。

施術後は、真直ぐ立てる感覚が戻る。5日後の施術時には、フワフワ感はなく、首が曲がっている感覚があるとのこと。また、風邪をひき鼻詰まりがひどく感じる。

2回目の施術は頭蓋骨(とくに後頭骨)を調整し、内臓マニュピレーション(上行結腸)、鎖骨下のリンパなど身体の循環を改善させることを目的に行った。

施術後は、鼻が楽になっていた。

半年後、腰が張るため整骨院の施術(骨盤を含めた関節を調整する〇〇〇)を受けたが、体調が悪くなる(めまいはないが、身体が自分の思いとおりに動かず真直ぐ歩けない感覚)改めて検査を行うと原始反射の恐怖麻痺、副腎の問題、左大脳機能低下はみられた。

今回は恐怖麻痺のコントロールができるよう背骨、腹圧の調整、頭蓋骨、副腎調整を中心に施術を行った。週2回のペースで5回の施術を行った。

5回の施術の間に顔の腫れ感、歯が痛むなどの症状も現れたが体調も回復し、数か月後クライアントの知人を介して体調を聞くと良い状態が続いているということであった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

恐怖麻痺反射がみられる人は、自分と他人との境界が曖昧(パーソナルスペースがやたらと広い、もしくは狭すぎるなど)であることも特徴的です。そのため、人混みや人との距離感を保つことが苦手であることが多いです。

このようなことから、長時間の接触は非常にストレスを感じる可能性があります。

このような特徴から1時間半もの施術を受けたことで、体調を崩すキッカケを作ったと考えられます。(首周辺の固有受容器の乱れがフワフワ感も併発したと考えられます)

カイロプラクティック心は、恐怖麻痺反射がみられる場合は、信頼関係を築くことはもちろんですが、施術は最小の刺激を心掛けて行います。

そのため、検査を除けば施術時間は10分程度です。

2回目も違う整骨院へ行ったのは、カイロプラクティック心の定休日に腰の張りを感じ、骨盤矯正を受けたそうです。

施術を実際にみていませんが、刺激が強すぎたか大脳機能低下側からの刺激を繰り返した可能性があります(基本的には大脳機能低下と反対側にアプローチする必要があります)

恐怖麻痺反射のアプローチとしては、頭蓋骨調整(クラニアル)が有効で、さらには機能神経学評価による大脳機能低下を考えて刺激を入れていきます。

また、腹圧の低下、自律神経の乱れによる副腎への過負荷などもみられ、それらに対してもアプローチしていきます。

今回のケースは、骨格や筋肉が問題で不調がでたのではなく、中枢神経を含めた神経系のエラーが元となるため、それらを検査、施術後の確認を最小の刺激で行っていくことで症状が改善されました。

首からかけてのコリ感、手足に力が入りにくい(とくに右側)

30代 男性

〇主訴

首がコリ手足に力が入りにくい。随伴症状に喉の違和感および吐き気がある

3ヶ月前に突然左半身が動きにくくなり、気分が悪くなったため救急車で搬送され、脱水症状として処置してもらってから現在の主訴を感じている。特別ストレスを感じていないにも関わらず、抗うつ剤を処方されたため、それに疑問をもち来院。

〇既往歴:現病歴

左親指の骨折

〇病院での診断

神経内科⇒とくになし

精神科⇒抗うつ剤が処方される(デバス)

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 機能神経学
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

姿勢は特別な所見はみあたらないが、閉眼での片足立ち、継脚などはバランスが保てない。

眼球運動をみると追従性眼球運動が上手くできず、眼球の動きが安定しない。また、眼球運動により首に違和感が生じる。他の神経学的所見に腱反射の反応が強く、指に力を入れようとすると振戦がみられた。

原始反射もみていくとモロー反射、前庭迷路反射などもみられた。

前庭動眼反射(頭が動いたほうと反対側に目が動く反射)があることから、目と頸部の筋肉には相互作用がある。そのため、眼球運動によって頸部の違和感がみられたと思われる。

神経学的な所見では閾値が低いため、少しの刺激でも筋肉が興奮してしまうと考えられる。それが結果として手足の筋肉が不必要に反応してしまい、自分の意思と反射的な反応が感覚的な剥離によって力が入りにくいと感じていると推測される。

首のコリ感や力の入りにくさ、だるさは神経の過剰興奮が影響していると考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

呼吸をしやすくするため、胸部、腹部を調整する。

機能神経学的に左側の大脳機能低下が考えられるため、右側から胸椎1番をアジャスト(胸椎1番は自律神経との関りがある)

これらの調整により、施術後は頸部付近は楽になる。

手の振戦においては、振戦がおさまる上肢の関節位置があり、それらを調整した。下肢は閾値を戻すため、ストレッチや足関節のモビリゼーションを用いて調整を行った。

6回目の施術時には、足の力の入りにくさ、および頸部のコリ感が軽減され始めた。

12回目の施術時には手足の違和感はほぼなく、薬を減らしても体調が維持しやすくなってきた。

その後は、薬なしでも体調を維持しやすくなり、1週間に1回の施術間隔を徐々に広げていき、1ヶ月開けても良い状態を保てるようになった。

そして、趣味であった自転車を再開することができた。

〇カイロプラクティック心からのコメント

機能神経学的に異常な反応を示していたことが、反射的に発生する身体の反応と自分の意思とでタイムラグが生じていた結果が不調に繋がっていたと考えられる症例でした。

大きな神経学的な問題は病院で発見されますが、今回のような神経機能低下は大きな問題と捉えられず「病院では異常なし」となってしまい、精神薬で様子をみるようなケースになってしまうことも少なくありません。

施術は異常な神経機能所見の改善を指標に施術を進めました。

腱反射の反応が落ち着いてくると共に手足の異常が治まってきたため、腱反射の過剰な反応が関わっていたことが考えられます。このような神経系の反応は中枢神経(脳)と末梢神経(脳以外の神経)が相互作用するため、どちらも正常であることが望ましいです。そのため、手足の関節の位置を調整するだけでも、手足の力の入りにくさが和らいだと言えます。

自律神経失調症と診断され1年6ヶ月症状が改善されない

30代 男性

〇主訴

1年6ヶ月前からふらつく感覚が日常的にあり、頭痛、頸部の異常なコリ感、胃の不快感(吐き気)がある

〇既往歴:現病歴

  • 回転性めまい(良性発作性頭位めまい)
  • ベーチェット病
  • 高血圧

〇病院での診断

近隣の内科、脳神経外科など受診⇒異常なし

ベーチェット病は定期的に病院を受診

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 呼吸の評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

呼吸機能は低下がみられた(浅く早い呼吸、呼吸を10秒程度しか止められない)

脈拍の体位変換による頻脈はみられず、安定していた。

平衡感覚は閉眼の片足立ちはすぐにバランスを崩す状態。

前庭動眼反射、頭位変換による平衡感覚は問題なし。

筋力テストでは両側の大殿筋の筋機能低下がみられた。

呼吸機能低下が顕著にみられるため、呼吸機能の回復を目的に初回は施術を行ってく。

呼吸機能の低下は、体(脳も含む)酸素供給が十分に行えず常に酸素を欲する状態になるため、交感神経も過活動になりやすく結果として内臓の不調(副交感神経の低下)高血圧、筋肉の過緊張などを引き起こしやすいと考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

横隔膜、胸郭、骨盤へのアプローチを行う。

また、胃への内臓マニュピレーションを行った。

施術後は、呼吸を60秒程度止めることが可能となった。

初回の施術後は3日程度ふらつくこともなく調子のよい日々を過ごせたとクライアントから報告。

2回目の施術も初回とほぼ同様に行い、その後はふらつき感が一日に数時間程度は発症する状態となるが、胃の不快感はなくなり食欲が戻った(朝のみ嗚咽が残る)

呼吸を止める時間を計測すると30秒程度であったため、自宅でも呼吸エクササイズができるよう指導。(呼吸の安定化によってふらつき感が抑止できそうと考えたため)

4回目の施術時は調子が悪いときであり身体評価を行うと脈拍が通常時よりも10以上高い。

迷走神経アプローチにより、交感神経の活動を抑えることを目的とした施術によって、ふらつき感がおさまった。

また、呼吸の速さが気になったため、歩行を利用して呼吸を深くゆっくりするエクササイズを指導。

その後は、頭痛や首のコリ感は少なく、ふらつき感も少し気になる程度まで回復。

ただ、閉眼のバランスが改善されず視覚に頼った生活により、少しの刺激でも体への負担が大きくなる可能性がある。

そのため、閉眼のバランスが向上する刺激をチェックすると体性感覚(振動刺激)によって、ある程度は閉眼でのバランスが改善した。

自宅でできる体性感覚への刺激法を指導後、約2週間は調子が良い状態を過ごせた。

〇カイロプラクティック心からのコメント

初回の施術で呼吸機能の改善により、ある程度の効果がみられたため、呼吸機能を中心として問題を考慮して施術を継続しました。

呼吸は酸素供給という面だけではなく、鼻呼吸、口から長く息をはくといった呼吸は自律神経や精神面にも好影響を与えます。

反対に口呼吸、呼吸が浅いなどの呼吸機能低下は、様々な不調を引き起こしかねないメリットのない呼吸パターンです。

自律神経症状がみられるケースにおいて、呼吸パターンを正常にできるように導くことはとても重要となります。

フワフワ感は、体性感覚、視覚、前庭系などの統合ができていないケースがあり、今回のクライアントは視覚が優位になっており、足底からの刺激に好反応を示しました。

そのため、足底からの振動刺激にくわえて、いくつかのエクササイズを組み合わせ体性感覚を統合して姿勢をコントロールできることを目的に感覚エクササイズを行いました。

病院では異常なしと言われ自律神経失調症とされるケース(病院では異常がみられないと自律神経失調症と診断されます)でも、細かい評価を行うことで症状を引き起こしている原因を考えていくことが可能です。

朝起きれない・だるい【起立性調整障害】

10代 

〇主訴

朝が起きれない、一日中だるいときがある、動悸

〇既往歴:現病歴

喘息

〇病院での診断

起立性調整障害 血圧を上げる薬は動悸が強まるため中止し生活指導が行われた。

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 自律神経機能評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 原始反射
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

立位になるだけでも、足が安定せず揺れていた。

そのため、足底の反射をみるとバビンスキー反射がみられ、他の原始反射も残存していた(非対称性頸反射・ガラント反射)

自律神経は、立位になると極端に副交感神経が抑制された状態で交感神経が活性化する状態であった。

姿勢に影響する反射がみられるため、立つだけでも不必要に力を入れていると考えられる。また、立位と臥位の自律神経のギャップが大きいため、起立性調整障害でみられる症状が現れると推測された。

自律神経が安定しない一因として、原始反射が残存していることから脳幹よりも上位レベルの脳領域の機能低下が考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、胸郭を調整し呼吸へのアプローチを行い、原始反射統合エクササイズを指導。

また、迷走神経のトーン低下を改善するための生活習慣のアドバイスを行う。

バビンスキー、ガラント反射がみられなくなった時点で、頸椎のモビリゼーションに加えて眼球運動を行い中脳及び左大脳への刺激を目的に行った。

1週間に1回のペースで施術を続け6回目程度で、だるさや朝が起きれない症状が軽減され始めた。

だるさや朝が起きれない症状が1週間治まり、喘息の発作も減っていたため、施術間隔を広げながら経過を観察する。

〇カイロプラクティック心からのコメント

起立性調整障害にもいくつか種類があり、原因も血圧の問題だけではなく腎臓や心臓などの体循環系が影響していることもあります。

そのため、生活習慣の改善もしながら、自律神経や内臓系へのアプローチが必要です。

今回のケースは、自律神経の乱れている原因である脳機能のバランスを改善することで、症状が軽快していきました。

手足の震え、フワフワ感(浮動性めまい)、胸の苦しさ

60代 

〇主訴

  • 手足の震え(一時間程度続くときがある)
  • 歩くとフラフラする感覚がある
  • 胸が苦しい
  • 不安感が強い
  • 物をつかみ損ねることが多い

〇既往歴:現病歴

  • 副鼻腔炎
  • 中耳炎
  • 気管支炎

耳鼻科に通院中

〇病院での診断

脳検査は異常なし、耳鼻科でもめまいの原因は不明(鼓膜に変性がみられると告知される)

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 機能神経学(呼吸、小脳、眼球運動、前庭系など)
  • 触診
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

頭位の変化によってフラフラ感が強まる(とくに上を向き姿勢)

また、眼を閉じた状態では片足立ちができない(とくに右側)両足で立っても右側に倒れやすい状態であった。

眼球運動をみると輻輳(遠近の焦点を合わす)が動かず、左側に視野が狭く眼球運動を行うと頸部が動いてしまい、眼球運動を継続すると気分が悪くなる。

平衡感覚に関わる前庭系、小脳の検査では、機能低下が考えられる状態であり、さらに眼球運動が正常に行えないため、バランスをとることが困難と考えられる。

呼吸も息を十分に止めることができないため、呼吸も浅いといえる。

運動の微調整を行う小脳、平衡感覚に関わる前庭系、眼球運動が上手く働かないことでフワフワ感が現れれていると推測される。また、呼吸機能も低下しているため、息苦しさを感じていると考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、胸郭を調整し呼吸へのアプローチを行うと共に胸椎を調整し、頸部の動きを改善させた。

初回の施術だけでも手足の震え感が激減した(本人の申告)

眼球運動と頸椎の共同運動および小脳への刺激として、眼球運動と頸椎調整を合わせて行う。また、脊髄終糸テクニックを行った以降は頸部の痛みが軽減した。

また、頭蓋仙骨療法、神経系エクササイズなどを合わせて週2回の施術を12回程度でほぼ手の震え、胸の苦しさは感じなくなった。

フラつく感覚が残るため、施術間隔をあけながら施術を継続していく。

〇カイロプラクティック心からのコメント

手の震えは大脳基底核の影響も考えられましたが、初回の施術で軽減したため、症状の不安感からくるストレスかと感じました。

ストレスは脳をコントロールする前頭葉の機能を低下させるため、眼球運動や反射などに異常をきたします。

施術をうけた安心感と呼吸機能がある程度回復したことで、過度の運動障害(手の震え)が軽減したと推測されます。

また、前庭系の問題は、不安感やうつ症状など精神的な影響を与えることが示唆されており、前庭系への刺激も不安感が軽減した一因と思われます。

頭位の変化によるふらつきは、軽減されていきましたが、眼球運動による気分の悪さは継続しているため、ふらつき感も残ってしまっていると考えられます。

そのため、過剰に眼球刺激を与えずに、他の領域を刺激しながら施術を進めていくことを提案し、施術を継続しています。

めまい、不安感、手汗、頭痛、肩こり

10代 

〇主訴

小学生の頃(5年前)から、肩こりと頭痛はみられ、一か月前からめまいが現れ、そこから不安を感じる日が続く。

〇既往歴:現病歴

  • アトピー性皮膚炎

〇病院での診断

耳鼻科でのめまい検査は異常なし

薬の服用もなし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • DHI(めまい問診票)
  • 呼吸
  • 神経機能検査(小脳、眼球運動、前庭系など)
  • 自律神経検査(心拍変動、脈拍、血圧など)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

めまい問診表では、めまいによって生活自体に支障がありストレスを感じていた。

以前から肩こり、首こりが酷ということから、頸性めまいの可能性もあり検査すると頸部の回旋によって、バランス感覚および筋力低下がみられた。

眼球運動は、右を向くときだけ頸部の動きを伴い、早い動き(急速期)にオーバーシュート(眼球が停止せず少し動いてします)がみられる。

前庭系(半規管)の影響よりも小脳の調整が上手く機能していないことが考えられ、片足立ちも目を閉じるとバランスがとれない。

自律神経機能は、立位において急激に交感神経が働き、副交感神経の働きが弱くなった。ただ、心拍、血圧の変化はみられなかった。

神経機能の影響もみられるが、頸椎の問題(カイロプラクティック検査でみられるフィクセーション)を優先して初回の施術を行う。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、めまいが生じないかを確認しながら、頸椎の回旋に伴った眼球運動を取り入れた施術を行った。

初回の施術だけでもめまい感が減った(本人の申告)

呼吸を確認すると浅いため、横隔膜、頭蓋(矢状縫合)に調整を行った。

前庭系の確認としてトランポリンを飛んでもらうと上下動のバランスが上手くとれなかった。そのため、バランスボールで上下に動くエクササイズを行う。

3回目の施術時には、ほぼめまいは感じない状態であり、不安感もかなり軽減した(本人談)

神経機能回復を主にするため、エクササイズを中心に行い、それを元にホームケア方法を指導。

テスト期間前ということで、いったん経過観察することになり、施術を終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

頸椎の調整によってめまいが軽減したため、頸性めまいであった可能性が高いです。

ただ、自律神経機能や神経機能の検査でも問題もみられたため、それらを解決していくことも今後の予後が良くなる可能性があると考えました。

神経機能では小脳の機能低下が考えられます。

小脳は平衡感覚や運動制御だけではなく、認知にも影響すると言われています。

エクササイズとしては、バランスを取りながら(座位でバランスボードにのる)小脳を刺激する方向の眼球運動を行うとオーバーシュートの改善がみられました。

そのため、ホームケアではバランスボールにのりつつ、簡単なタスク(計算、手指の運動など)をしてもらうことを指導しています。

めまい、首コリ【天気痛】

30代 

〇主訴

ふわふわ感【めまい】と首コリによって、立っていることが辛くなる。

とくに天気の悪い日に症状がひどくなる。

〇既往歴:現病歴

  • とくになし

〇病院での診断

  • 耳鼻科⇒異常なし
  • 脳神経外科⇒異常なし

薬の服用はなし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 呼吸
  • 神経機能検査(小脳、眼球運動、前庭系など)
  • 自律神経検査(心拍変動、脈拍、血圧など)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

脈拍に左右差はなく立位でも急激な脈拍上昇はみられなかったが、血圧に左右差がみられた。

眼球運動をみると輻輳で気分の悪さを感じ、閉眼での立位はふらつきがみられた。

めまいは視覚、体性感覚、前庭系などの感覚入力を正確に処理およびアプトプットできない状態であり、これらの問題に異常がみられることから過剰な刺激は症状の悪化につながると判断し、初回の身体評価は最小限にとどめる。

脈拍、血圧の値は高く交感神経が過剰な状態と考えられ、呼吸および迷走神経の調整を行う。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、めまいが生じないかを確認しながら、頸椎へのアプローチを含めた迷走神経刺激を行った。

また、胸郭をアプローチし呼吸法を指導。

初回の施術後はふわふわ感は無い。

1週間後は症状に大きな変化はなし。

頸部の検査を行うと上向きでフワフワ感を感じる状態であった。

頸部の状態を評価し、下部頸椎および上部胸椎を調整すると共に迷走神経刺激を行った。

施術後は頸部の動きによるフワフワ感はなく、初回で気分の悪くなった輻輳の症状も抑えられていた。

3回目以降から少しづつフワフワ感や首コリを感じる日が減った。

それ以降は、バランス機能や視覚の評価も行いながら、ビジョントレーニングや前庭系トレーニングを実施。

10回目の施術時には天気の悪い日にも体調を大きく崩すことなく、フワフワ感もほとんどなくなった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

初回は視覚の運動で気分が悪い感覚があり、自律神経の中枢と同じ領域の視覚評価であったことが考えられます。

恐らくその領域に過剰な刺激によって、交感神経が過剰に興奮し、体調が天気に左右されていたと推測されます。

フワフワ感は、頸部の調整後に激減していたため、頸部の問題が大きかったと考えられます。

今回のケースでは、ビジョントレーニング、前庭系トレーニングをクライアントができる範囲で毎日、積極的に行っていただいたことが早期の改善につながりました。

これらは神経可塑性を促すため、高頻度で行うことが大切です。

倦怠感と不眠(1時間に1度目が覚める)

50代 女性 

〇主訴

3ヶ月前から突然、倦怠感が現れ1時間おきに目が覚めてしまう

〇既往歴:現病歴

  • 盲腸
  • 胆のう炎
  • 高血圧

現在も片頭痛やふらつき感が現れるときがある

〇病院での診断

耳鼻科⇒異常なし(ふらつき感もあったため)

脳神経内科⇒異常なし

〇現在の薬の服用

  • チラージン(甲状腺ホルモンを補う)
  • リバロ(コレステロール(コレステロール下げる)
  • ミカルディス(高血圧の薬)

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 呼吸
  • 神経機能検査(小脳、眼球運動、前庭系など)
  • 自律神経検査(心拍変動、脈拍、血圧など)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)
  • 血液検査(病院で実施)からの栄養状況の読み取り

〇所感

呼吸の評価では深く呼吸ができておらず、心拍及び血圧に左右差がみられ自律神経症状がみられやすい状況と考えられる。

頭痛が発症するときでも前兆にキラキラした光がみられるということから、中枢神経系の問題(脳幹症状)がみられており、中枢神経系へのアプローチも必要と思われる。

中枢神経系を評価すると眼球運動の反応が遅く(サッケード)反復すると間違えが多くなり、前頭葉の機能低下は考えられる。

食事内容も倦怠感が強いと食べないことも多く、栄養も偏っているようであったため、血液検査の内容も後日評価することになった。

初回はまず身体活動に必要な酸素を体に取り入れられるように呼吸機能回復を目的に施術を行う。

〇カイロプラクティック心の施術

骨盤帯、胸郭を調整し、胸郭の動きを誘導しながら呼吸エクササイズを行った。

血液検査を読み取り、現症状から考えるとマグネシウムおよび亜鉛不足が考えられる。

また、コーヒーをよく飲むと言われていたため、コーヒーの摂取をした。

さらに血糖値スパイクが起こらないように炭水化物を食事の最後に摂るようにしてもらい、こまめに補食(ハチミツ、フルーツなど)してもらう。

食事の見直しをしながら、交感神経が過剰に活動しないよう迷走神経アプローチを施術で行う。

また、カイロプラクティック検査で副腎の問題も検出されたため、副腎へのアプローチ(ニューロリンパおよび頭蓋療法)を行う。

6回目(約3週間)の施術時に仙骨と頭蓋骨へのアプローチを行った後から徐々に睡眠時間が増えていった。

頭蓋骨療法と迷走神経刺激を中心に施術を継続し、12回目の施術後には4~5時間の睡眠がとれるようになった。

24回目の施術(約6ヶ月)には、6時間程度は続けて寝れる日が多くなり、日中に感じていた倦怠感もほとんどない状態まで回復。

〇カイロプラクティック心からのコメント

今回のケースは、食事の見直しを行えたことが良かったと考えられます。

不眠や倦怠感のようなケースは、食事の見直しができないと継続的な体調回復につながらないことが多いです。

とくに途中覚醒や起床時の不調は、血糖値スパイクが引き起こされていることも多く補食も含め適切な食事内容にすることが大事です。

食事の見直しによって、中枢神経系の問題も軽減されており、適切な食生活を身につけることは、今後も体調不良を起こしくくなります。

頭蓋療法の目的は、迷走神経を刺激して交感神経の過活動を抑えることと、脳の機能面へのアプローチです。

このアプローチによって、段階的に回復しており、早期の改善につながりました。

朝起きれない・だるい【起立性調整障害】

10代で朝起きれない、起床時からの不調は、起立性調整障害と診断されることがあります。

ただ、起立性調整障害でもられる症状は、人によって違いもあり、回復過程も人それぞれです。

動悸がみられる起立性調整障害

10代 

〇主訴

朝が起きれない、一日中だるいときがある、動悸

〇既往歴:現病歴

喘息

〇病院での診断

起立性調整障害 血圧を上げる薬は動悸が強まるため中止し生活指導が行われた。

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 自律神経機能評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 原始反射
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

立位になるだけでも、足が安定せず揺れていた。

そのため、足底の反射をみるとバビンスキー反射がみられ、他の原始反射も残存していた(非対称性頸反射・ガラント反射)

自律神経は、立位になると極端に副交感神経が抑制された状態で交感神経が活性化する状態であった。

姿勢に影響する反射がみられるため、立つだけでも不必要に力を入れていると考えられる。また、立位と臥位の自律神経のギャップが大きいため、起立性調整障害でみられる症状が現れると推測された。

自律神経が安定しない一因として、原始反射が残存していることから脳幹よりも上位レベルの脳領域の機能低下が考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、胸郭を調整し呼吸へのアプローチを行い、原始反射統合エクササイズを指導。

また、迷走神経のトーン低下を改善するための生活習慣のアドバイスを行う。

バビンスキー、ガラント反射がみられなくなった時点で、頸椎のモビリゼーションに加えて眼球運動を行い中脳及び左大脳への刺激を目的に行った。

1週間に1回のペースで施術を続け6回目程度で、だるさや朝が起きれない症状が軽減され始めた。

だるさや朝が起きれない症状が1週間治まり、喘息の発作も減っていたため、施術間隔を広げながら経過を観察する。

〇カイロプラクティック心からのコメント

起立性調整障害にもいくつか種類があり、原因も血圧の問題だけではなく腎臓や心臓などの体循環系が影響していることもあります。

そのため、生活習慣の改善もしながら、自律神経や内臓系へのアプローチが必要です。

今回のケースは、自律神経の乱れている原因である脳機能のバランスを改善することで、症状が軽快していきました。

起きていると倦怠感がつよく息苦しさがある

10代 

〇主訴

睡眠障害(昼夜逆転)起きていると倦怠感が強いため、部屋で寝ていることが多い

〇既往歴:現病歴

とくに病気はしていないが、以前から頭痛、お風呂上りにフワフワ感などがあった。

〇病院での診断

外出が難しいため診断なし

血液検査のみできたため、フェリチン値が低い

服薬:睡眠薬

サプリメント:鉄、ビタミン

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 自律神経機能評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 原始反射
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

脈拍(仰臥位:75~83、座位94~110、立位94~110)は、寝ているときよりも座位、立位で脈拍が20~30程度上昇。

血圧は、仰臥位が110/80、立位106/71とやや血圧も下がる傾向がみられた。

家族以外と会うこともなく、動くと倦怠感が強まることもあるため、最低限の評価のみ行い、クライアントの体力に合わせて施術時間を調整。

そのため、施術の都度評価を加えながら施術を進めていく。

他の施術日に行った評価として気になる点として、眼球運動で不快感があり、片足立ちも不安定(とくに閉眼)前庭動眼反射も何度か行うとエラーが生じるケースがあった。

脈拍の急激な上昇は、倦怠感を感じやすくする可能性がある。

また、立つための固有受容器の感覚および前庭系の評価で問題が生じているため、より立位での行動に疲労感や倦怠感を伴うと考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は、評価に少し時間をかけたため、疲労を考慮して頭蓋骨(蝶形骨ー骨後頭骨)足関節モビリゼーション(足の冷え感があるため)のみ行った。

初回の施術後から睡眠薬を飲むことなく夜に睡眠をとり、朝食をとる生活(朝食後は寝ている)を行えた。

2回目以降は、呼吸をしやすくするために胸郭の施術、筋機能の低下がみられる部位へのアプローチ、およびできる範囲で生活習慣の見直しを指導。

自宅で簡単な運動、エアロバイクをこなす意欲もあったことから、5回目の施術後には学校へ行くこととなった。

そのため、様子をみるというご家族の意向もあり施術は終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

朝が起きれないといったことはなかったようですが、活動すると倦怠感が強く家から出ることが困難というケースでした。

前庭系の評価でいくつか気になる点もありました。

前庭系は循環機能を調整する役割もあり、この機能が低下することによって立位で脈拍が上がってしまう可能性があります。

また、今回のケースは貧血(フェリチン値の低下)も重なっていたと考えられます。

施術途中で、フェリチン値は正常値に戻っており、それが結果として改善も早かったように思います。

起立性調整障害では、栄養の問題も改善させる大きな要因となります。

また、カイロプラクテイック心の行う神経可塑性を利用したアプローチも栄養不良では効果がみられない(神経系を成長させるために栄養が不可欠なため)ことがあります。

※神経機能が働かないことで消化機能に悪影響を与えていることもあります。

起立性調整障害で悩まれている方は、まず栄養状況の見直しを考えると回復の兆しがみえる可能性があります。

【起立性調整障害と診断】朝起きられない、腹痛

10代 

〇主訴

お腹が痛くなりやすい、朝が起きにくい

〇既往歴:現病歴

とくになし

〇病院での診断

起立性調整障害、過敏性腸症候群

どちらも服薬中(起立性調整障害は血圧を上げる薬、過敏性腸症候群は腸の薬)

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 血圧、脈拍評価
  • 機能神経学
  • 触診
  • 原始反射
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

血圧は100も満たない程度であるが、起立時の血圧は低くなっていない。

また、脈拍は仰臥位で74~85の間を安定しない状態であり、立位になると85~95の間であった。

原始反射はガラント反射、パーマー反射、バビンスキー反射、前庭迷路反射などがみられる。

脈拍が安定しない場合、迷走神経(副交感神経に影響)の機能低下が考えられ、迷走神経テクニックの評価でも陽性がみられた。

腹痛の改善を優先的に進めていく。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は迷走神経テクニックを行った。

2回目の施術時には、ガラント反射、パーマー反射、ガラント反射はみられなくなり、お腹を触るとくすぐったい感覚もなくなっていた。

2回目以降は内臓マニュピレーション、頸椎のアプローチなどを行う。

4回目の施術時には、腹痛の症状は良くなってきたという報告を受けた。

その後は受験もあり日程の確保が難しいため、施術を終了

〇カイロプラクティック心からのコメント

起立性調整障害の症状の1つに腹痛(人によっては下痢、便秘がひどい)があります。

今回のケースは、過敏性腸症候群の診断も受けています。

迷走神経は、内臓感覚と脳をつなぐ神経でもあり、内臓の状態を伝えるだけではなく、脳から内臓の働きを調整するための神経伝達にも使われています。

迷走神経テクニック後に触ったときに反応する反射(バビンスキー反射、ガラント反射、パーマー反射)みられなくなり、ご自宅でもこれらの反射のケアを実践していただき、2回目以降の施術時にも反応は消失していました。

脈拍もバラついていた数値が安定しおり、迷走神経テクニックに効果がみられたと思われます。

迷走神経が働けば、内臓機能も働きやすく、内臓マニュピレーションと併せて行ったことで、腹痛も軽減したと考えられます。

【起立性調整障害と診断】朝起きるとだるい

10代 

〇主訴

朝起きても頭痛やだるさによって起き上がることが困難。

通学中にめまいが生じた。

〇既往歴:現病歴

とくになし

〇病院での診断

小児科受診⇒起立性調整障害

精神科も紹介されたが、本人、ご両親ともに精神的な問題は考えられず受診をしていない

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 栄養状態の把握
  • 血圧、脈拍評価
  • 心拍変動評価(自律神経機能の評価)
  • 機能神経学
  • 触診
  • 原始反射
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

血圧は110~120程度あり正常。

心拍変動を評価すると立位時に過剰に交感神経が活動し、栄養問題、前庭系の問題が示唆される結果がみられた。

食事は比較的なんでも食べるということではあるが、お菓子やジュースが好きでよく食べるとのこと。

生活状況を伺うと低血糖の徴候が考えられる。

触診では腹部の緊張は強く、副腎をタッチすることにより体の力が入りやすくなった。

後日、血液検査を受けていたためデータをみさせていただくと空腹時血糖が80と低めであり、おそらく低血糖の影響が大きいと考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

初回は身体の緊張状態の緩和、交感神経な過活動を抑えるため、迷走神経テクニック、副腎へのニューロリンパ、筋弛緩法(セルフで行うリラクゼーション)の指導。

ご自宅で迷走神経を活動させやすいセルフケアを指導。

また、低血糖へのアプローチとして食生活のサポートを行っていく。

施術では寝ていることが多かったことによる筋機能や関節可動域の回復を行うと共に副腎に関連する頭蓋療法、内臓マニュピレーションなどを継続。

3ヶ月程度で朝から学校に行けるようになった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

起立性調整障害と同様に睡眠中に低血糖がみられると起床時にだるさがあり、こどもでは起き上がることが困難であるケースがあります。

病院で特別な問題がみられないと起立性調整障害は、精神科を紹介されるケースが多いです。

この背景として日本では起立性調整障害は精神的な影響と考えられるからだそうです。

しかし、欧米では循環器の問題と考えられており、個人的な見解として日本の起立性調節障害のとらえ方自体に問題があるように感じています。

起立性調整障害も一人ひとり栄養状況や体の機能をみさせていただくと、精神的な問題以外もみられることは多いです。

今回のケースは、低血糖が起立性調整障害の症状を引き起こしていたと考えられます。

そのため、低血糖を改善する食生活をご家族で取組んでいただいたことで朝起きれるようになりました。

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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