部位別の症例報告(改善例)

肩の痛み改善例(症例報告)

スポーツでの肩の痛み(野球肩、スイマーズショルダーなど)から五十肩/四十肩まで肩の痛みの改善例

 

スポーツ障害、腕が挙がらない、夜間痛など色々な肩の痛みの改善例(症例報告)ページです。

スポーツ障害による肩の痛み(野球肩、その他競技の肩痛)の改善例

野球肩だけではなく、スポーツ競技全般の肩痛の改善例(症例報告)です。

ピッチャー【投手】の肩の痛み(野球肩)改善例

20代 男性

〇主訴

投球後に肩の痛みが発生。それから試合中はあまり気にならないが試合後は肩が痛くなり、数日痛みが継続する。

〇既往歴

小学生の頃、野球肘

〇病院での診断

整形外科⇒野球肩

整骨院で電気治療を行うが変化なし。

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 投球動作の確認
  • 肩を含めた上肢の可動域検査
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

姿勢は、右肩が下がり頭部が前方へ移動している。このような姿勢は、胸郭の可動制限、その周辺の過緊張がみられることが多いため、上肢の可動制限につながったり、腕の痺れや痛み(胸郭出口症候群)を発症する投手がいる。実際、肩の可動域制限がみられ、肩の外転(身体の横から腕を挙げる動作)100°くらいで肩の痛みが再現できた。また、肩の外旋にも制限がみられた。

触診で肩の痛みの部分を確認すると肩峰下に圧痛がみられ、投球後に痛みを感じる部分と一致する。(圧痛を感じる部分は棘上筋:回旋腱板の1つ)筋力テストでは痛みを誘発しないため、筋損傷はみられないと考えられる。筋弱化がみられるのは三角筋前部、小胸筋の影響がみられた。

肩関節の可動性を各関節でチェックしていくと胸鎖関節の制限がみられた。胸鎖関節の運動を補助すると肩の外転では痛みが現れなかった。関節の連動性及び筋肉の協調運動ができていないことからインピージメント症候群により、投球の度に棘上筋を刺激し痛みを誘発していることが推測される。

〇カイロプラクティック心の施術

インピージメント症候群を引き起こさないように筋の協調運動、関節の連動性、正常な関節運動などの改善を目的に施術を行う。

施術は、胸鎖関節を中心に上肢の関節、胸郭の調整を行なう。また、小胸筋へのアプローチも行った。初回の施術後、肩の外転、シャドーピッチングでは痛みが誘発されなかった。

2回目の施術時には、試合後も痛みが発生しなかったと報告をうけた。

〇カイロプラクティック心からのコメント

早期に改善した症例です。投球中の痛みも発生し始めると筋損傷を伴う可能性もあり、回復まで時間がかかる可能性があります。そのため、スポーツ障害は初期の段階で対応したほうが、早期改善が見込まれると共に、練習の質を落さずに済みます。

今回のケースは、肩関節のインピージメント(上腕骨と鎖骨の衝突)によって、棘上筋が挟まれるような形となり肩の痛みを発生させたと考えられます。整骨院で電気治療を受けていましたが、肩関節の運動連鎖は解消できないため変化がなかったと言えます。

カイロプラクティック心では、肩の運動に関わる関節の調整及び、筋肉の協調運動の回復をメインに施術することでインピージメントがおこらなくなり、試合後に痛みが発生しなかったと推測されます。重点的に行った胸鎖関節は僅かな動きであるため、関節の状態を把握するカイロプラクティックの施術が有効なケースでもありました。

スイマーズショルダーと診断された肩の痛み

30代 女性

〇主訴

水泳後(クロール)に両肩に痛みを発症。

〇既往歴:現病歴

肩こり、偏頭痛

〇病院での診断

整形外科⇒スイマーズショルダー

とくに治療はなく、湿布を処方されたのみ

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 痛みの動作確認
  • 肩を含めた上肢の可動域検査
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • 機能神経学
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

姿勢は頭部が前方へ移動しているため、ストリームラインの崩れ、胸郭の可動制限などが予測される。肩の外転(身体の横から腕を挙げる)では、両肩とも90°くらいで痛みが発生し、痛む場所は肩峰下(棘上筋)周辺であった。また、他動的に腕を挙上させると痛みは無いため、筋肉の協調運動が上手くできていないと考えられる。

筋力テストを行うと左肩は三角筋中部、右肩は棘上筋、大円筋は両肩ともに弱化がみられた。弱化している筋肉が多くみられるため、神経機能の問題を検査すると神経不統合がみられた。また、右側を注視することが難しい状態であった。原始反射も検査すると非対称性緊張性頚反射(右を向いた時)もみられた。【クライアントは右向きの息継ぎが多い】

原始反射が強くみられると反射的に筋肉の働きを抑制もしくは過剰に働かせてしまうため、スポーツ障害にみられることが多い。また、原始反射をコントロールする大脳の機能低下や神経不統合がみられるため、より反射作用が強まり、肩の障害に繋がったと考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

神経系(原始反射、脳の偏り)を優先的に改善する施術を行う。

初回の施術は、スイッチング(神経不統合の解除)頚胸部および頸椎の調整(眼球運動をプラスして行う)2、3回目の施術は同じ施術方針で、胸郭を調整し呼吸法の指導、頭蓋骨の調整も行った。3回目以降の施術から肩の痛みが軽減してきたとクライアントから報告を受ける。

4,5、6回目の施術は、徐々に施術間隔を空けて筋力テスト、機能神経学検査、原始反射などの再確認などを行うと共にストリームラインをとりやすくし、回旋運動が行いやすくなるよう施術を行った。

〇カイロプラクティック心からのコメント

スイマーズショルダーは、野球肩と同様に症状名ではなく、水泳(競泳)選手に多い肩の痛みの呼び名です。競泳選手の肩の痛みは、インピージメント症候群もしくは回旋腱板(ローテーターカフ)の腱障害が多いです。スイマーズショルダーになる水泳の技術的な要因として不十分な身体のローリング、遠くの水をかこうとするストローク、プルスルーの問題などが挙げられます。また、ストリームラインが保てないと水の抵抗が大きくなり、肩への負担が高くなります。(推進力の90%以上は上肢の力と言われています)これらに加え、筋肉のアンバランスや筋力低下、バイオメカニクス異常がスイマーズショルダーの主な原因になります。

今回のケースでは、筋力低下、筋肉のアンバランスがみられます。その筋肉に問題をおこす原因として、原始反射や大脳の機能低下により筋肉のコントロールが上手くできていないことが大きな原因と考え施術を行いました。。原始反射は大人であれば本来、大脳でコントロールされていますが、今回はその大脳機能低下(右側)がみられ、右の息継ぎ時に制御を失いやすい状態でした。

今回のケースでは、筋肉や肩関節の調整はあまり行っていません。神経機能の回復を優先した施術だけでも回復することができた症例です。

五十肩/四十肩などスポーツ障害以外の肩の痛みの改善例

五十肩/四十肩は、病名ではなく肩関節周囲炎、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎など多様な肩の痛みの総称として呼ばれることが多いです。ここでは、スポーツ障害以外の肩の痛みの改善例を書いていきます。

石灰沈着性腱板炎と診断されて肩の痛みの改善例

50代 女性

〇主訴

6年前から肩が痛みだし、酷くなると整形外科で注射を打ってもらっていたが何度も再発する。また、夜間痛もある。

〇既往歴:現病歴

足首の捻挫、ぎっくり腰は何度かある

〇病院での診断

整形外科⇒石灰沈着性腱板炎、腱板損傷

ステロイド注射を打って痛みは和らぐが、可動域は変わらず何度も再発している。

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 痛みの動作確認
  • 肩を含めた上肢の可動域検査
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

肩の可動域は下記の通り。

  • 自動外転(身体の外側から腕を挙げる動作)90°  他動外転90°
  • 自動屈曲(身体の前から腕を挙げる動作)90°   他動屈曲160°
  • 自動外旋(身体に肘をつけて腕を開く) 痛みでできない

このように自力でも他動でも外転はできないことから、筋肉の問題だけではなく関節包、靭帯、筋肉の瘢痕化などの要因が考えられる。

触診で圧痛部位をみると関節包前部、上部は強い圧痛がみられる。また、肩を動かしたときに肩だけではなく腕まで痛みが走ることから、肩の深部にある関節包の拘縮があり、肩関節の可動制限の原因となっていることが推測される。また、関節包上部に圧痛があり、繰り返し肩を痛めていることから何度も炎症をおこしており、結果として腱板のダメージもあり腱板損傷の診断されたと思われる。そして、痛みにより肩を動かさないことで肩の組織は瘢痕化が促進され、血液循環が低下していることで夜間痛を発症していると考えられる。

数年間、十分な肩の運動が行えていないため、筋肉、靭帯、関節包など肩周辺の組織の拘縮、瘢痕化(線維化)が進んでいることが予測され、それらに対してアプローチしていく必要がある。また、肩甲骨の位置により肩上部のストレス(とくに棘上筋)が加わるため、肩甲骨安定化のために姿勢改善も行う。

〇カイロプラクティック心の施術

肩関節の拘縮、線維化に対してアプローチを行うと共に、姿勢による肩甲骨の位置アライメント崩れを防ぐ施術を行う。

施術は身体の土台となる足関節から調整し、胸郭、背骨も調整していく。また、肩の関節包およびその周辺の筋肉にもアプローチしていく。初回の施術後は、肩の屈曲が自動でも160°行えるようになった。

夜間痛は4回目の施術以降(1週間に1回の施術ペース)激減し、たまに疼くときもあるが寝れないほどではなくなった。

8回目の施術時には、肩関節の自動運動が130°(肩よりも腕が上に挙げられる)程度になった(約2ヶ月)肩の可動域が増えてきたため、肩の筋バランスを再度チェックし、肩甲下筋、棘下筋(回旋腱板)の調整も行っていく。

14回目の施術時には、肩関節の自動外転運動が160°(耳に近づくくらい)程度になった。手が背中に回しやすくなり、肩甲骨周辺の筋肉の再評価を行い、前鋸筋、大円筋の調整も行った。ここからはセルフケア(ストレッチ、エクササイズ)も苦にならず出来る程度の可動域が確保できてきたため、施術間隔を2~3週間に空けていく。

22回目の施術時には、日常生活で痛みを感じることも少なく、ストレスなく仕事もできるようになった。(初回から約6ヶ月)痛みもなく、楽に身体を動かせる目的も達成されたため、再発予防のエクササイズを継続してもらうことを指導して施術を終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

初回の施術から施術方針を変更せず、関節包の拘縮、肩周辺の線維化の改善をメインに行ことで肩の可動域が回復し痛みもなくなりました。最後の施術は、1ヶ月程度の施術間隔を空けましたが、痛みもなく過ごせたということでした。

石灰沈着性腱板炎は、整形外科でのステロイド注射で劇的に改善することもあります。ただ、繰り返し痛めることで他の問題(今回は関節包の拘縮、筋の線維化が推測されます)も現れ、肩の動きが制限されると共に痛みが継続します。この状態では石灰の沈着がない状態でも痛みや肩の制限が誘発されているため、ステロイド注射も気休め程度になる可能性があります。今回のケースも注射の効果があまりみられない状態でした。

カイロプラクティックで石灰の除去はできませんが、関節包の拘縮や組織の線維化に対してアプローチすることはでき、今回のケースのように回復は可能です。ただ、関節包の拘縮や筋組織の線維化に対するアプローチはとても痛いです。また、急激に拘縮や線維化が元の状態に戻ることは無く繰り返しアプローチする必要があり、22回の施術を行っていますが順調に回復したと言えます。

石灰が沈着する正確な原因はわかっていませんが、腱板や関節包などの変性(加齢による組織の劣化:30歳代から始まると言われています)と力学的な負荷によるものが原因と推測されると言われています。個人的には姿勢および肩関節のバイオメカニクス異常(関節運動の異常)による腱板(とくに棘上筋)のストレスが、炎症を誘発して石灰沈着を招くと考えています。

所見のところでも書きましたが、姿勢によっては肩甲骨の位置が変化し棘上筋へのストレスが増えます。また、そのことにより肩関節の正常な運動が損なわれると肩関節を形成する骨同士(上腕骨と肩甲骨)が衝突して、棘上筋を含む回旋腱板を挟み込むような刺激が加わります。それが繰り返されれば、棘上筋はダメージをうけ、炎症が繰り返され瘢痕化(線維化)されていきます。このことから、石灰沈着性腱板炎を経験された人は、ステロイド注射で痛みを改善する治療だけではなく、姿勢や肩関節が正常運動できているかも専門家に相談することをおススメします。

 

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