フレンチェル眼鏡は、身体評価の一つとして取り入れています。
一般的にはめまいの検査に用いられますが、用途によっては脳機能を評価することも可能です。
なぜなら、眼は脳の窓口と呼ばれるほど、脳のあらゆる領域の相互作用によって機能的に動いているからです。
ここでは、フレンチェル眼鏡について簡単に説明しています。
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フレンチェル眼鏡とは
フレンチェル眼鏡は、凸レンズによって焦点が合わないため注視(物を見つめる)ができません。
また、評価している側は目が大きく見えるため、眼振(目の揺れ)が容易にわかります。
この特性を活かして、一般的にはめまい症状の眼振検査に用いられます。
眼振検査
めまいは、条件によって眼振(目が揺れる)がみられるケースがあります。
眼振がどのような条件でみられるかを検査することは、めまいを改善するうえで重要です。
※最近はデジタル計測器でより詳細わかる機器が導入されているクリニックも多いようです。
眼振検査には「自発眼振検査」「注視眼振検査」「非注視眼振検査」「頭位変換眼振検査」などがあります。
ただ、注視眼振検査は注視する必要があるため、フレンチェル眼鏡は用いられません。
眼振を見る理由としては、中枢性(脳)もしくは末梢性(前庭)の鑑別となります。
めまいの原因を探るために必要
めまいの原因がフレンチェル眼鏡1つで解ることはありませんが、中枢性もしくは抹消性かを鑑別することは重要です。
中枢性であれば、脳の検査が必要となり、末梢性であれば前庭を中心とした検査が必要となります。
カイロプラクティック心でのフレンチェル眼鏡の活用法
病気が起因している場合は、当然ですがカイロプラクティックではなく病院の治療が優先です。
ただ、一定数は病院では改善されない症状もあり機能的な問題が起因していることもあります。
機能的な問題とは、画像や血液などの検査で検出できる体の異常はなくとも症状がみられる状態です。
例えば、筋肉が伸長しにくく関節の可動域が狭くなっていたとしても病気ではありませんが、その状態が続けば他の関節が代償的に動く必要があるため、腰痛、膝痛など関節痛を引き起こすことがあります。
それは脳にもみられ、病気はなくともストレスや日常的に使われていないと脳の機能低下がみられます。
カイロプラクティック心では、脳の機能低下を検出するためにフレンチェル眼鏡を利用しています。
発達障害
前庭機能が正常に働いているか評価する1つに回転後眼振をみるときに利用します。
回転後眼振は、10~15秒程度見られますが、自閉症スペクトラム障害のお子さんは眼振がみられないことが多いことは研究でも報告されています。
反対に眼振が15秒以上続くケースもあります。
15秒以上続くことが必ずしも問題ではありませんが、左右差がみられるケース(左回転後眼振15秒、右回転後眼振20秒)では、右回転後眼振にかかわる機能が低下している可能性が示唆されます。
めまい
めまいは先に解説した病的なめまいがないかの鑑別を行います。
また、機能的な問題によって左右の目の動きに違いがあるケースもあり、めまいの原因を考えるうえで一つの指標となります。
自律神経失調症
自律神経失調症は、脳機能の影響を受けていると考えられます。
そのため、前庭や眼球の動きをみていくことが重要となります。
自律神経失調症について詳しくはこちら
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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