捻挫

足関節(足首)捻挫の後遺症

足関節捻挫は後遺症に悩まされることが多い

足関節捻挫は、スポーツ選手だけではなく一般的にも多くみられる外傷であり、アメリカで行われた16年間におよぶ調査では15競技の中で最も発生頻度が高いという報告があります。(1)

また、別の研究ではどのスポーツ競技に足関節捻挫が多く発生しているかを調査し、男性ではバスケットボール、サッカー、アメリカンフットボールの順で多く、女性ではサッカー、バスケットボール、器械体操の順で多くみられます。(2)

そして、足関節捻挫の問題は発生率の高さだけではなく再発率55~72%と非常に高い割合を示します。(3)

  1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1941297/
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1978459/
  3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC164367/#B13

足関節捻挫を受傷したとしても「たかが捻挫」という考えに至り、適切な治療を受けていないことが現状で、後遺症に繋がっていることが考えられます。

足関節捻挫は適切な処置およびリハビリが大切であり、それらが行われないと足関節捻挫の再発(いわゆる捻挫グセ)だけではなくCRPS(複合性局在疼痛症候群)足根管症候群、腱障害(後脛骨筋腱、腓骨筋腱など)、インピージメント症候群(とくに前外側)などの原因にもなります。

また、自覚がないだけでパフォーマンスの低下、他の障害(肩痛、腰痛など)の要因になっているケースもあり、足関節捻挫は後遺症として様々な症状がみられます。

ここでは足関節捻挫の後遺症について詳しく解説していきます。

捻挫グセ(慢性足関節不安定性症)

足関節捻挫を繰り返し慢性的に足関節の不安定性を感じる病態を慢性足関節不安定症といい、一般的には捻挫グセとも言われます。

主にみられる足関節への問題は以下のとおりです。

  • 固有受容器感覚障害
  • 神経筋コントロール障害
  • バランス能力低下
  • 筋力低下
  • 病的な弛緩性
  • 関節キネマティック異常(関節の異常運動)
  • 滑膜変化
  • 関節の変性

このような問題により、足関節の捻挫を繰り返しやすくなります。また、長期的には変形性足関節症に至るリスクが高いと言われています。

そして、身体的な問題だけではなくスポーツパフォーマンス低下も認められた研究報告もあります。

機能的な足首の不安定性を有する患者は、健常者に比べサイドホップおよび8の字のホップのテストで時間を要した。

参考論文:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1088342/

※慢性足関節不安定症は機能的足関節不安定性と機械的足関節不安定性の2つが関与しています。

片足での移動は多くのスポーツで必要な動作であり、パフォーマンス低下に直結すると考えられます。他にも上方および前方へのジャンプ力の低下が認められる選手もいます。

慢性足関節不安定症の治療としては、足関節のアライメント不良の修正、固有受容器トレーニング、バランストレーニングなど足関節の構造および機能回復に対するアプローチが必要です。

重度の捻挫を過去に経験している場合は、靭帯の弛緩性により関節が不安定となるため、インソール、サポーター、靴などで足関節を安定させる必要もあります。

CRPS(complex regional pain syndrome:複合性局在疼痛症候群)

CRPSは、骨折、捻挫、打撲などの外傷をきっかけとして、慢性的な痛みや多彩な症状を伴う難治性の慢性疼痛症候群です。

反射性交感神経性萎縮症、カウザルギーとも呼ばれていましたが、1994年に国際疼痛学会がCRPSという呼称に統一し神経損傷がない病態をtype1神経損傷がある病態をtype2と分類するようになりました。

CRPSに特徴的とされる症状は多彩であり、以下の症状がみられると言われています。

  • 灼熱痛
  • アロデニア(感覚過敏・感覚低下・痛覚過敏・触覚異常など)
  • 皮膚の色の変化(発赤、チアノーゼ、斑状の変化など)
  • 発汗異常(過剰、過少)
  • 皮膚温度の異常(温度の上昇、低下)
  • 皮膚の浮腫み
  • 萎縮
  • 色素沈着
  • 骨の萎縮、筋肉の萎縮
  • 尿道括約筋の異常
  • 不随意運動(ジストニア、振戦など)

CRPSの医科学的な治療は確立されていないため、CRPSに移行しないよう外傷の治療を適切に行うことが大切です。

カイロプラクティック機能神経学的には、下降性疼痛抑制回路の活性化、大脳の左右バランスの調整、循環不良の改善などを行いますが、CRPSの改善は長期的な計画が必要です。

足根管症候群

足根管症候群は、内果(内側のくるぶし)後方を通る脛骨神経が屈筋支帯と足の骨で形成される足根管(トンネルの状態)で圧迫されることで症状が現れる疾患です。足根管は下の図(赤丸の部分)をご参考ください。

引用元:ネッター解剖学アトラス

足関節捻挫(外反捻挫)が、足根管症候群の原因の1つと言われています。また、捻挫が起因して足底アーチの問題や足関節の過剰な回内が繰り返されれば、足根管症候群の症状が現れます。

主な症状は以下のとおりです。

  • 足裏から足趾の感覚異常(灼熱感、しびれ、鈍麻など)や刺すような痛み
  • 足根管部分の圧痛
  • 身体活動、睡眠時に悪化しやすい

治療は手術を行うこともありますが、予後は良くありません。痛みが強く現れる場合は、痛み止めが処方されます。

カイロプラクティックでは、脛骨神経を圧迫している原因(足関節のアライメント不良の改善、屈筋支帯周辺の滑走性の改善、神経の伸張性の改善)に対してアプローチします。ただ、捻挫が起因している場合は、バランストレーニングや固有受容器トレーニングなども必要です。

腱障害

くるぶし周辺を通過する腱(後脛骨筋腱、腓骨筋腱など)が、捻挫した段階で損傷しているケースもあります。また、捻挫後の足関節の不安定性およびアライメント不良、過度の足関節の回内などによって、2次的に障害されることもあります。

主な症状は以下のとおりです。

  • 腱に沿った運動痛、および圧痛
  • 捻髪音が発生するときがある
  • 腫れ

腱障害はレントゲンでは確認できないため、初期の捻挫の段階では見逃されている可能性があります。また、捻挫をする前から足関節のアライメント不良やバイオメカニクス異常がみられる場合は、これらの筋肉の問題で捻挫を起こしやすい状態である可能性も考えられます。

若年層であれば、炎症による痛みが改善されれば症状も治まりやすいですが、炎症性ではなく腱の変性(炎症ではなく腱の劣化)であれば、症状が治まるまで長期化する可能性があります。

治療は、痛み止めの処方や装具が使用されることがあります。

カイロプラクティックでは、アライメントの修正、腱へのアプローチなども行います。

インピージメント症候群

足関節の内反捻挫は、底屈(つま先立ちする方向)を伴なった内反で受傷することも多く、距骨前方変位のミスアライメントが起こりやすいです。また、受傷した靭帯の影響により、距骨の不安定性が生じるため、慢性的な異常な関節運動によって、距骨と脛骨間でインピージメント(衝突)により痛みが発生することがあります。(とくに図の赤丸印の前外方に多いです)

主な症状は以下のとおりです。

  • 足首の前外方の痛み
  • 関節の引っ掛かり感
  • 足関節の背屈制限(踵をついたまましゃがめなくなる)

滑膜が瘢痕化することでその組織が関節に挟まれて痛むケースもあり、除去手術が行われることがあります。

カイロプラクティックでは、距骨の関節運動の修正、足底アーチへのアプローチなども行います。

他のスポーツ障害の原因

足関節は身体の土台となるため、構造的、バイオメカニクス的(運動連鎖)に考えても足関節以外に大きく影響を与えます。

また、固有受容器(位置感覚、触覚、圧覚など)の神経機能の低下もみられ、左右の神経系のアンバランスもみられるようになります。結果として上手く神経伝達がされないため、色々な部位に影響を及ぼします。

このようなことから足関節捻挫の適切な処置が行われないと膝痛、腰痛、肩痛などの原因となります。

ここまで書いてきた後遺症がみられる場合は、症状を回復させるには時間のかかる疾患もありますが、専門家に相談して適切な処置をうけましょう。

足関節の後遺症をセルフチェック

足関節の捻挫後の後遺症の自覚がない場合でも、検査をしてみると明らかな問題がみられることも多いです。

以下のようなことがみられると足関節の構造、機能に問題があると言えます。

  • 閉眼で30秒以上片足で立てない
  • 足関節の可動域に明らかな左右差がみられる
  • 回内足がみられる
  • つま先立ちの動きができない

足関節の捻挫が起因していないケースもありますが、1つでも当てはまる場合は専門家に相談してしっかりと対処することをおすすめします。

足関節の後遺症を回復させるには?

足関節捻挫は、医療機関を受診する人が少ないこともあり後遺症で悩まれている人は少なくありません。

カイロプラクティック心でも、色々な症状の人がこられますが足関節に起因する症状は多く、捻挫、骨折などの外傷歴は必ず確認します。

このようんことから足関節の捻挫を甘くみてはいけません。

「病院の治療を受けた」「しっかりと筋トレもした」としても湿布、痛み止め処方のみであったり、自己流で筋トレをしただけのケースも少なくありません。また、リハビリ施設で指導してもらったとしても足のアライメントが改善されていなかったり、トレーニング方法が間違っていたりすることもあります。

このような結果、他の疾患を誘発したり、スポーツのパフォーマンスが元に戻らなかったりします。

足関節捻挫の後遺症を回復させるためには、色々な要素を踏まえて身体を評価し以下のような調整方法を選択する必要があります。

  • 徒手療法による足関節のアライメント
  • 固有受容器トレーニング
  • 筋の機能回復アプローチ
  • 筋力トレーニング
  • インソール
  • テーピング
  • 適切な靴を履く
  • 関節可動域を回復させるアプローチ

筋肉の機能回復がされていない時期に筋力トレーニングを行っても効果は少ないです。また、アライメント不良が解決せずにインソールや可動域回復させるストレッチなどをしてもなかなか効果が現れません。

後遺症のケースは、より専門的な知識が必要で複雑に絡んだ要因を順序立てて解決していく必要がありるため、必ず専門家に相談をしましょう。

まわりで足関節捻挫をした場合は、適切な処置を受けるようアドバイスしてあげてください。

カイロプラクティック心は足関節捻挫の後遺症に対応します

カイロプラクティック心では、施術で関節のアライメント調整、関節の異常運動の調整、筋機能低下の調整などを行い、足の構造、機能を回復させます。

また、固有受容器、神経系のトレーニングも指導し、再発予防、パフォーマンスの向上も目指します。

カイロプラクティック心では、インソール、靴の選び方などもアドバイスさせていただきます。

足関節捻挫の適切な処置を受けていない人、処置を受けたけど足関節の後遺症でお悩みの人は、ぜひカイロプラクティック心にご相談ください。

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