腰痛改善で一番良いケア方法は?

腰痛・脚の痛みしびれ

腰痛 対処/ケア方法にはヨガ?椅子?ベルト?何が良いか教えてほしい方へ

腰痛は、平成28年国民生活基礎調査において男性1位、女性2位となった健康問題です。

このように日本国民の全体的に腰痛を感じる人は多く、どうすれば腰痛が改善されるかはとても関心が高いトピックです。

腰痛改善するには、治療以外にもアクティビティ(ヨガ・ピラティス・筋力トレーニングなど)グッズ(椅子、マットレス)など様々な選択肢があります。

しかし、提供している側は効果あると宣伝しますが、実際のところどうなのでしょうか。

そこでスポーツケアだけではなくスポーツ経験も豊富であるカイロプラクティック心の代表である岡が経験も踏まえながら一般的なケア方法を解説していきます。

カイロプラクティック心の施術方法を知りたい人はこちら

腰痛には運動が効果的

運動は腰痛に限らず、痛みを緩和する効果があるとする研究報告が複数あります。

自分が好きで継続できる運動強度であれば、ウォーキング、ヨガ、ピィラティス、ランニング、筋力トレーニングなどなんでも良いです。

ここでは研究されている分野のケア方法をご紹介します。

ヨガ

複数の文献をまとめたレビューでヨガについては、以下のように報告されています。

ヨガが痛みと障害を軽減し、身体的および精神的機能を改善するのに効果的であることを示唆しています。

参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4878447/

ヨガは痛みだけではなく、うつやその他の併存精神疾患にも効果的とされています。

とくに腰痛は、心因的、社会的背景が起因していることもあるため、精神的にも効果的であることは腰痛改善に有効と言えます。

注意点

ヨガはストレッチのように柔軟性を高めることが、腰痛予防をはじめケガの予防になると考えている人は多いですが、ヨガの先生は「呼吸が大事」ということをおしゃられていました。

また割が流行り柔軟性を高めようとした人が増えた半面、それによってケガが増えたそうです。

このようなことから「柔軟性=ケガ予防」ではありません。

ストレッチ感覚でヨガに通うのであれば、家でストレッチをするのと変わりはないため、ヨガの基礎となる呼吸をしっかりとおこないましょう。

ピラティス

ピラティスは慢性腰痛患者に推奨されており、とくに腹横筋の活性化がこれらの患者の改善に重要な役割を果たすと考えられています。

ピラティスは、専用の機器を用いるマシンピラティスと自分の身体だけを使ってボディーワークを行うマットピラティスがあります。

「どちらのほうが効果的?」という質問もありますが、研究論文ではどちらも効果が示され、ややマシンピラティスのほうに優位性がみられたそうです。

機器ベースとマットピラティスの両方のモダリティは、CLBP患者のTaA活性化の改善に効果的であり、痛み、機能、運動恐怖症の関連改善をもたらします。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28735829

注意点

ピラティスはヨガと違い、胸式呼吸であり、ヨガをしていた人は戸惑うかもしれません。

世間的にも腹式呼吸が良いとされる傾向もありますが、胸式呼吸で胸部がしっかり動くことも大切です。

ヨガと同様に動きではなく、呼吸法をしっかりとマスターすることが大事です。

ピラティスの根幹の考えとして「コントロロジー」というものがあるそうです。簡単にコントロロジーを説明すると、「自分の体をいかに意識して自在に動かせるか」という考えです。

ケガは自分の意識外(ふとした動作、自分が思っている以上に関節が動いた、衝撃があったなど)のところで起きやすく、ぎっくり腰はその典型です。

ピラティスはゆっくりとした動作で行うため、慣れてきたとしても一つ一つどのように身体が動いているか意識しながら行うようにしましょう。

筋力トレーニング

筋力トレーニングは「病気による死亡率の減少」「不安を解消する」「睡眠の質を高める」など生活の質を高める科学的根拠が報告されています。

筋力トレーニングは健康増進にも役立ち、スポーツをしている人であれば次のステージ(技術の向上、スタミナ向上など)に上がりたい人には必須と言えるでしょう。

腰痛に関して言えば、慢性腰痛患者は大殿筋の萎縮が多いという研究報告があります。

慢性腰痛のある女性患者36名(平均51.6歳)と腰痛のない女性32名(平均51.3歳)を対象に、大殿筋の筋断面積をCTスキャンによって計測。その結果、腰痛のある患者は腰痛のない患者に比べて有意に左右、両側ともに大殿筋の筋萎縮が示されました。

慢性腰痛患者のライフスタイルは、長時間動かない、もしくは座りっぱなしであることが多いです。

参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28715424

腰痛予防という面では、大殿筋をメインに筋力トレーニングを行うと良い可能性が考えられます。

筋力トレーニングに関してはこちらで詳しく解説しています。

起床時の腰痛は寝具(マットレス、枕など)も見直す

とくに朝起きると腰が痛くて、時間が経つにつれて治まってくる場合は、寝具を見直すと腰痛が軽減される可能性があります。

また、睡眠は健康を保つうえで重要なため、起床時に腰が痛まない人でも長年使用している寝具は見直したほうが良いかもしれません。

どんなマットレス(敷布団)が良いか?

マットレスにも色々種類があり、「柔らかいのが良い?」「固いのが良い?」など良く質問されます。

人の骨格や柔軟性には個人差があり、一概にこの「マットレスがおすすめ」というものはありません。

実際にクライアントや知人から「有名選手が使っている某メーカーのマットレス」「エア〇〇〇」などの使用感を聞きことも多いですが、やはり全てが良い感想ではないです。

マットレスを選ぶ際は、お店に出向きお店の人と相談しながら、実際に寝てみて決めることが一番大事です。

要注意

カイロプラクティック業界で、数十万するマットレスを売りつける団体があります。

ふとん店を経営する人から、カイロプラクティックのお店から購入したマットレスが合わずに布団を買い替えに来る人が多く、どのような寝具が良いと考えているかとご相談いただいたことがあります。

話を聞くと硬めの布団であるため、合わない人も多いようです。

ふとん店の考えからすると、その布団は固すぎであり身体の部分的に負担がかかりすぎるため痛くるということです。

そして、理想的には負担が分散するように骨格を測定し寝心地なども含めてアドバイスするということでした。

この考えに対して、私は賛同です。

「もちは餅屋」という言葉があるように布団のことはふとん店が一番知っています。

もちろん、ふとん店以外のマットレスが気に入っていれば良いですが、買い替えるならふとん店に相談するようにしましょう。

腰痛予防の椅子

デスクワーカーが増えているため、椅子も色々と考えられたものが販売されています。

ただ、1つ理解してほしいのは、どのような椅子であっても座りっぱなしは良くありません。そのような意味では、腰痛予防に適した椅子は存在しません。

デスクワークによるリスクを減らす椅子をここではご紹介します。

アーユルチェア

アーユルチェアは、企業や学校などでも採用されている椅子です。

実際に座ってみると固めの座面で、長時間座っているとお尻が痛くなります。

メーカー側もジッと座っていること自体が良くないと説明しており、そのときが姿勢の変え時として立ったり、歩いたりすることを推奨しています。

この点はとても共感できます。

あとは座る姿勢が、少し足を開いて座るようにデザインされているところが良いです。

なぜなら、股関節を通る大きな血管が締めつけられにくく、内股で座るよりも股関節の位置も良い状態に保ちやすいです。(ただ、スカートを履いた女性は座れませんが、、、)

下手なクッション性がある椅子よりも個人的にはおすすめです。

バランスボール

バランスボールを椅子代わりに使うこともおすすめです。

バランスボールを利用すると腰が固定されないため、腰痛が軽減されます。

実際にバランスボールを利用し始めて腰痛が軽減されたという声はよく聞きます。

バランスボールは何でも良いですが、経験的には安すぎるとすぐにしぼんでしまい使えなくなる可能性があります。

ここで紹介しているギムニックのバランスボールは、耐久試験もしており弾性もあってエクササイズグッズとして十分に使えるためおすすめです。

クッション(楽座衛門)

椅子ではありませんが、座面に置くシートをご紹介します。

人の身体は左右差があり、骨盤(坐骨)も例外ではありません。

この楽座衛門は左右の高さが違っているため、その人の骨格パターン(初代楽座衛門は8パターン、2代目楽座衛門は2パターン)に合わせて座ることで腰への負担を減らせます。

映画、電車やバス移動など長時間座らざるおえない場合には、このシートを使用すると楽に感じられる可能性があります。

パターンは評価する必要があるため、できれば販売店で購入することをおすすめします。(ちなみにカイロプラクティック心でも販売しています)

腰痛ベルト(コルセット)

腰痛ベルト(コルセット)は、科学的にポジティブな研究報告はほとんどありません。

しかし、臨床的には仙腸関節に起因する腰痛において、痛みが効果的に軽減することが多いです。(仙腸関節が圧着されることで正常な仙腸関節運動が生じやすいことが考えられます)

カイロプラクティック心では、骨盤にまく細い幅の腰ベルトをぎっくり腰、仙腸関節障害のクライアントに使用することはあります。

このような細いタイプの腰ベルトは近くの薬局でも入手できます。

腰全体(お腹が隠れる)を覆うタイプの腰ベルトもありますが、おすすめはしていません。

理由として、過剰な保護は動きを制限してしまい、腰痛に対する恐怖心を増やしてしまう可能性があるからです。

こうなると、結果として腰ベルトで制限している以上の動きが怖くなり、なかなか痛みが改善しにくいです。

また、腹部は柔らかいため、ベルトで腰椎を安定させることは難しく痛みの軽減にもつながりにくいです。

ストレッチ

ストレッチは柔軟性を高めると考えられていますが、研究報告をみると効果はなさそうです。

ただ、簡単な運動として導入するには問題ありません。

そのため、筋トレやスポーツは億劫だし、家で簡単にできる運動を探している人は、ストレッチを習慣化してみてはいかがでしょうか。

ストレッチの腰痛改善、予防法について詳しくはこちらをご参考ください

ストレッチポール/フォームローラー

筋膜リリースが流行るとともに、ストレッチポールや凹凸のあるフォームローラーもセルフケアグッズとして注目されるようになりました。

ただ、筋膜リリースについては誤解された内容が日本に伝わっているところもあり、「筋膜の癒着をはがす」と言った表現もされますが、ストレッチポールやフォームローラーで癒着がはがれることはありません。

科学的に言えることは、皮膚や筋肉にある固有受容器(身体のセンサーの役割)が反応して筋肉の緊張が緩和したり、関節の可動域が広がったりします。

腰痛予防や改善に使用する場合は、強くゴリゴリするのではなく心地良い程度で十分です。

また、腰に当てるときは腰が反り過ぎないように注意しましょう。

DOCTORAIR(ドクターエア)

フォームローラータイプであれば、ドクターエアがおすすめです。

先に解説した固有受容器には振動に反応するタイプがあるため、ドクターエアの振動するフォームローラー(ストレッチロール)の方が簡単に筋肉の緊張が緩みます(筋肉の緊張が緩めば全ての痛みが消えるワケではありません)

エクササイズ道具として、振動するブレードの上に乗るタイプ(3Dスーパーブレード)もおすすめです。

ドクターエアとの類似品も沢山ありますが、振動数がとても大事であり類似品は振動数に違いがあり、ドクターエアほどの効果がみられない可能性があります。

一番のケア方法は?

色々な健康法や健康グッズ、療法があります。

もちろん、身体の機能や構造に異常があれば、各療法やグッズに効果がみられます。

しかし、構造や機能が正常であっても痛みのメカニズムは複雑であり、痛みが解消されないことがあります。

痛みのメカニズムも最近では、社会性、心因性の問題があると言われるようになってきました。

難しい話はここでは省きますが、「心の問題」も痛みの原因になります。

個人的にはよく伝えさせていただくのは、「人生を楽しむことが一番の健康法」

多少は身体に悪いとされるお酒の飲み過ぎ、ジャンクフードの食べ過ぎなども楽しい仲間とワイワイとしながらであれば、とても幸福であり心の問題から現れる症状がなくなります。

以前にこのような話も治療仲間の先生から聞きました。

「色々な治療を受けたけど頭痛や腰痛などが一向に良くならず、ふと止めていた趣味を再開し熱中するようになり気づいたら全ての症状が気にならなくなっていた」

痛みは、筋肉骨格系の構造や機能だけに答えを求めても限界があります。

そのため、「どこそこの治療がいい」「○○食べると健康になれる」「この器具がいい」など色々な情報はありますが、まずは楽しいと思えることを見つけ、自由に楽しむことを優先してください。

それが、一番の身体のケア方法です。

カイロプラクティック心の施術も自由に人生を楽しんでもらえるようにサポートさせていただきます。

人生を楽しんでもらう上で、少し健康の知識が身についているとさらに良いですね。

カイロプラクティック心の腰痛関連の記事はこちらから

ヘルニア、すべり症などの画像所見と腰痛は一致しない研究報告もご参考ください

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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