腰痛は、多くの人が経験します。
そして、病院での治療だけでは改善されないケースも多くあり、他の治療法を試す人も少なくありません。
腰痛治療においては、多くの研究報告がありますが、今回は病院の治療とカイロプラクティックを併用して効果がみられた研究報告をご紹介します。
腰痛治療のカイロプラクティック併用効果
Palmer College of ChiropracticのGoertzらは、腰痛患者750名を対象として、標準治療(セルフケア・投薬・PT・ペインクリニック)へのカイロプラクティック併用の効果を検討する研究を行いました。
目的
カイロプラクティックを通常の医療に追加することで、通常の医療と比較し、疼痛の緩和および機能が改善するかを判断するために研究が行われました。
方法
通常医療は、セルフケア、薬物療法、理学療法、ペインクリニックが含まれます。
カイロプラクティックは、腰と隣接する領域の脊椎操作、リハビリテーション運動、理学療法(温熱、アイシングなど)その他の手動療法などが含まれています。
治療期間は、6週間行われました。
参加者は18~50歳の軍人750人(175人は女性)が参加し、2012年9月28日から2016年2月13日の期間で行われました。
結果
カイロプラクティックケアを併用したグループでは疼痛強度(平均差 -1.1)・障害度(同-2.2)・満足度(同2.5)スコアの改善が有意に大きくみられました。
また主観的改善(OR:0.18)・投薬量減量(OR:0.73)も有意差がみられました。
研究期間中に有害に問題も生じませんでした。
考察
結果としては、米国医師会と米国疼痛学会のガイドラインで分類されている中程度の効果と一致してるため、腰痛治療においてカイロプラクティックは有効と考えられます。
病院での疼痛管理(痛み止め薬、ブロック注射など)は、痛みを和らげるために有効な治療方法です。痛みが継続することで慢性症状に移行すると治療が困難になるケースもあり、初期治療として痛みをコントロールすることは大切です。
ただ、薬物療法は副作用もあるため、腰痛においては減薬し最終的には服薬しなくて済むことが望ましいです。
それを実現するためには、カイロプラクティックでより腰痛の原因を探り、身体をケアしていくことが大切ではないでしょうか。
まとめ
カイロプラクティックにおける腰痛治療は、科学的にも認められています。
ただ、長期的にみたケースや腰痛の病態などの違いに対しても有効性があるかは、これからも研究が必要とされています。
徒手で介入する以上は術者の力量にも違いが現れるため、エビテンスレベルの高い研究報告は、難しいと個人的には考えています。そのため、熟練したカイロプラクティックを受けることをおすすめします。
参考論文
Effect of Usual Medical Care Plus Chiropractic Care vs Usual Medical Care Alone on Pain and Disability Among US Service Members With Low Back Pain: A Comparative Effectiveness Clinical Trial(原文)
投稿者プロフィール
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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