慢性腰痛対処法

腰痛・脚の痛みしびれ

慢性腰痛 対処法

慢性腰痛は、痛みを感じるようになってから3ヶ月以上継続した腰痛のことを言います。

長く続く腰痛は筋肉や骨格だけが原因ではなく、栄養、神経機能、さらには心理的および社会的要因が絡んでいることもあり、包括的なアプローチが必要という研究報告があります。

カイロプラクティック心は、筋肉骨格系だけではなく「栄養」「神経機能」からのアプローチ、生活習慣のアドバイスなど多角的な視点で研究論文を踏まえて慢性腰痛の改善に取り組んでいます。

ここでは、慢性腰痛にかかわる原因や対処方法などを解説しています。

カイロプラクテイック心の腰痛に対する考え、他と施術方法の違いなどはこちらをご参考ください

慢性腰痛が治りにくいメカニズム

急性の腰痛(発症して数日)は、炎症による痛みであることが多く、炎症が治まると共に痛みが軽減します。

しかし、慢性腰痛は炎症ではなく神経機能の異常がみられること可能性が高く、それが結果として治りにくく慢性化してしまいます。

中枢性感作

簡単に言えば、神経機能の異常によって痛みに敏感な状態です。

本来なら、体を「触る」「押す」といった痛みとは感じない感覚でも「痛み」として脳に伝えてしまい、組織の損傷が回復した状態でもちょっとした刺激で痛みとして認識します。

下行性疼痛抑制回路の異常

下行性疼痛抑制回路は、その名のとおり痛みを抑える神経回路です。

この機能が異常を起こすことで、先に解説した中枢性感作が引き起こされやすくなります。

慢性腰痛の治りにくさは、組織損傷ではなく脳の機能を含めた神経系のエラーが生じていることが一つの要因です。

痛みのメカニズムについて詳しくはこちらもご参考ください。

ストレスが慢性腰痛の原因?

ストレスは、前頭前野と呼ばれる脳領域を機能低下させることが複数の研究でわかっています。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34485797/

前頭前野は色々な脳領域と相互作用し、認知機能や感情のコントロール、行動のプランニングなどを行う「脳の司令塔」の役割だけではなく、痛みの処理においても重要です。(参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34485797/

心理的な不安が強かったり(心理的要因)、職場や家庭でもストレスが強かったり(社会的要因)することで、前頭前野が機能低下すると、慢性的な痛みを引き起こすことがあります。

自律神経症状の1つにみられる腰痛

腰痛と自律神経の問題は関係ないように思われますが、下の図の白い部分(胸腰筋膜)には交感神経が多く分布されています。

交感神経は、活動するときに働く自律神経の1つです。

当然、生きるために交感神経が活動することは重要ですが、交感神経が活性化し過ぎると休息できていない状態が続き、筋肉の過剰な緊張が生じます。

それが結果として、循環不良による発痛物質の生成、組織の粘性の低下などによって、痛みが生じやすい状態となります。

慢性腰痛は筋骨格系が原因ではない?

慢性腰痛は、ここまで解説してきたとおり、神経機能のエラーが生じていることが治りにくさの一因と考えられます。

しかし、筋骨格系の問題が解決されていないことが、慢性腰痛の一因となっていることもあります。

一般的には腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などが腰痛の原因とされることも多いですが、画像診断だけで腰痛原因を判別することは難しいです。

画像診断で分かる原因と痛みが一致しないことは複数の研究で報告されており、他の筋骨格系の問題を見逃されていることのほうが多いかもしれません。

画像診断が腰痛の原因と一致しないことについてはこちらもご参考ください。

画像では判別のつかない腰痛の原因として、「関節の運動障害」「筋筋膜性」「神経絞扼」などがあり、これらの問題は薬や外科的な手術では回復が難しいです。

このようなことからケースとしては少ないですが、筋骨格系の問題も生じている慢性腰痛も存在します。

内臓起因性の腰痛

交感神経の活動が過剰であると、副交感神経の働きが弱く結果として、便秘や下痢なども慢性化しやすくなります。

便秘や下痢など腸の悪影響により、その付近をとおる大腰筋の機能低下を起こすことがあります。

大腰筋は腰椎(腰部の背骨)に付着するため、大腰筋の機能低下は腰痛を引き起こします。

なかには、食生活の問題(暴飲暴食、偏食など)腸内環境を悪化させる食事が起因しているケースも少なくありません。

腸と脳は相互作用していることは複数の研究で示唆されており、腸内環境の悪化は脳機能の低下にもつながります。

腸内環境以外でも腎臓や肝臓など内臓関連の疾患と腰痛が併発することもあり、内臓関連の治療をしっかりと行っていくことも大事です。

慢性腰痛のセルフケア

慢性腰痛は、単純な筋肉や骨格の問題ではないことが多いため、薬物治療やマッサージなどでは十分な改善は見込まれません。

しかし、生活習慣や食生活の見直しや運動習慣などを取り入れていくことで、自力で改善させることも可能です。

生活習慣の見直し

睡眠不足、不規則な生活(とくに起床時間が異なる)は、脳機能に悪影響が現れます。

そのため、最低限の睡眠時間を確保(8~9時間)起床時間を一定にすることが大切です。

起床時間を一定にすることは、体内時計を正常に維持していくために重要であり、睡眠の質に影響する神経伝達物質を生成することもできます。

なかには睡眠障害がみられるケースもありますが、その場合は寝る環境を整える、睡眠障害の治療なども行っていった方が良いでしょう。

食生活

体は栄養素でできています。

そもそも、必要な栄養素が摂取できていなければ、体の組織を修復および維持ができません。

また、人によって栄養の吸収率は違い、食べているつもりでも検査をすると足りていない判定になるケースもあります。

とくに下痢や便秘が日常的、肥満、痩せすぎといった方は、食生活の見直しが必要かもしれません。

栄養の問題についてはこちらもご参考ください。

栄養の問題は現れている症状によって、サポートしていく内容は異なります。

ただ、基本的には体に悪影響を及ぼす食材を減らし(嗜好品、加工食品、脂っこい食品)3食で必要な栄養素を摂れるようにしていくことは共通しています。

瞑想

瞑想は、精神的な問題の改善に役立つという研究報告があります。(引用元:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7901739/

下行性疼痛抑制回路に問題がみられるケースにおいては、瞑想の効果が得られる可能性があります。

運動

筋力トレーニングは、不安症状を大幅に改善したという報告があります。(引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28819746/

また、「歩く」「走る」といった有酸素運動も不安を改善するという報告があります。(引用元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28088704/

運動は精神面にも好影響を及ぼし、意識的に体を動かすことで前頭前野も刺激され、下行性疼痛抑制回路を正常に戻す役割があると考えられます。

考え方の見直し

慢性腰痛になってしまうケースとして、考え方によって悪循環に陥っていることがあります。

例えば、「痛みがあるから動かない方が良い」「名医を捜していくつもの病院に行く」などといった考えです。

このような考えは、慢性腰痛においてはあまり意味がないかもしれません。

慢性腰痛においては、痛みのない範囲で動いた方が効果的であり、名医が全ての腰痛を解決してくれることはないです。

痛みを解決するための考え方としては、こちらの動画をご参考ください。

カイロプラクティック心の慢性腰痛アプローチ

カイロプラクティック心は、筋肉や関節だけではなく神経機能も評価し、必要に応じてそれぞれにアプローチしていきます。

慢性腰痛において、数回の施術で痛みが完全になくなるといったことはほとんどありませんが、まずは関節可動域や筋肉の機能回復を目的に動ける体を目指します。

人によって筋骨格系に対して必要なアプローチを受けてこなかったケースもあり、その場合は初期の筋骨格系のアプローチだけでも効果を感じていただけます。

栄養や生活習慣に問題がみられるケースは、アドバイスさせていただきます。

ただ、栄養や生活習慣を見直せないという方は、慢性腰痛から回復することが難しい可能性が高いため、今後の施術をお断りさせていただくことがありますのでご了承ください。

施術

先にあげた原因にもカイロプラクティック心は対応して施術していきます。

関節障害⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント

バイオメカニクス異常⇒NKT、

筋筋膜性⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック

内臓起因性⇒内臓マニュピレーション、栄養指導

原始反射⇒機能神経学、神経統合エクササイズ

カイロプラクティック心は、検査を重要視して身体を多角的に評価します。

また、それらの原因に対応できるアプローチ法も習得しておりますのでご安心ください。

感覚エクササイズ

慢性腰痛でみられる特徴の一つとして、部分的にしか筋肉が使われていないことがあります。

例えば、荷物を運ぶ動作を腰痛のない人が行うと腰部全体を使いながら行いますが、慢性腰痛の人は一部分(腰痛を感じる部分)しか使っていない状態です。

また、本来なら不必要に力を入れて動く必要はありませんが、慢性腰痛の人は歩くだけでも腰部の緊張度が高いこともあります。

このように慢性的な腰痛で悩む人は、日常の動作で過剰な負荷がかかり過ぎているケースが多いです。

そのため、施術後は楽になっても時間の経過とともに腰痛が現れ、施術の効果を感じれなず結果として施術院めぐりをしても解決されません。

カイロプラクティック心では運動サポートの一環として、中枢神経系(姿勢制御、運動制御)の視点から考えたエクササイズを指導いたします。

エクササイズ内容も一人ひとり、身体評価の内容によって異なるオーダーメイドプログラムです。

感覚エクササイズについて詳しくはこちら

初期の痛みが軽減した段階で、エクササイズに移行していくことが理想です。

慢性腰痛は改善できる

慢性腰痛は、長期的な症状であるため、改善が難しいケースが多いです。

その一つの要因として、改善までの道筋が見えておらず、無駄な治療を受け自分自身の生活習慣や考え方などを見直すことをしないことがあります。

カイロプラクティック心は、多角的な視点で原因を探り、原因をつくっている原因といったように根深い原因を追究して、改善に向けたアプローチをさせていただきます。

また、惜しみなく改善させるためのケア方法を指導させていただきます。

ご自身でも、しっかりとケア方法を実践して慢性腰痛を改善していきたい人は、一度ご相談ください。

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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