パフォーマンスアップ

成長期のこどもが思うようにプレーできなくなった?クラムジーかもしれません【指導者・親御さん向け】

小学生の低学年から、将来を期待したくなるようなセンスをみせるこどももいますが、成長期になり突然伸び悩んだり、思うようなプレーが出来なくなることがあります。しかも、自分で感じるだけではなく周りから見ても明らかにプレーの質に変化がみられます。

このようにある日突然、成長期のこどもが思うようなプレーができなくなる現象は、クラムジーの可能性が高いです。

クラムジーは、学術的な研究もほとんどなく、効果的な対処方法はありません。また、2年程度続くこともあると言われており、周囲の理解がないとスポーツ自体を辞めてしまうケースがあります。

ここでは、クラムジーによって大好きなスポーツを1人でも辞めさせない願いをこめて、クラムジーについて詳しく解説していきます。そのため、スポーツチームの指導者、成長期のお子さんをお持ちの親御さんにはぜひ読んでもらいたいです。

クラムジーとは

クラムジー(Clumsy)は英語で「ぎこちない・不器用な」といった意味があります。そして、スポーツ現場においては成長期にみられる一時的な運動能力および身体能力の低下を指します。

ちなみに運動能力はスポーツの技術的な能力であり、身体能力は筋力、持久力、バランス能力、柔軟性など身体に備わっている能力です。

このような特徴から、サッカーや野球、テニスなど競技特有のプレーが思うように出来なくなるわけではなく、走ったり、跳んだりする能力まで低下します。

クラムジーは研究が進んでいない

スポーツ科学は、進歩していますが、クラムジーに関する文献はほとんどみられません。

そのため、現在解っていることは、急な体の発育に対して指令を送る脳や感覚器がついていけてない状態をクラムジーと呼ぶということです。このことから、成長期のこどもにみられる運動能力の低下は、クラムジーであると確定する客観的な診断方法もなく、治療方法も存在しません。

自分の教え子、こどもがクラムジーかなと思っても病院で診断することも治療することも不可能です。仮に病院でクラムジーと告げてくれるたとしても、ごく少数のジュニア期のスポーツに詳しい医師くらではないでしょうか。

客観的な指標による判断はできませんが、練習に質や量を落していないにも関わらず、プレーの質や身体能力の低下がみられる場合は、クラムジーと考えられます。

なぜ成長期にクラムジーがみられるの?

成長期になると1年間に身長が、10~15cm伸びても不思議なことではありません。

身長は身体部位によって成長量に違いがみられ、出生後から成人にかけて頭部が2倍、体幹部が3倍、上肢が4 倍、下肢で5倍程度大きくなるそうです。そして、成長と共に四肢が顕著に長くなります。(参考文献:身体の発育と発達

四肢が長くなることで、バイオメカニクス(慣性モーメント)の変化が生じます。

成長期におけるバイオメカニクス変化を例えると、長さの違うバット、ゴルフクラブなどを振ると長い方が重さを感じると思いますが、それと同じようなことが成長期にみられることが予想されます。

また、バイオメカニクス的変化だけではなく筋肉の柔軟性の低下も顕著にみられることが特徴です。

スポーツのスランプは、成長期に関わらず起こり得ますが、クラムジーは急激な身体形態の変化が影響していることが考えられます。

脳の影響

脳は筋肉に指令を送るだけではなく、各関節、筋肉などの固有受容器(センサーの役割)から情報をもらうことで、運動を微調整しています。この微調整が出来なければ、物を掴むこともスムーズに行えないため、手足の末端の状態も正常であることが望ましいです。

ここからは個人的な見解ではありますが、急激な成長に伴い筋肉や関節の固有受容器にエラーが生じてしまっている可能性があります。また、脳の成熟は部位によっては青年期まで続くため、脳と末端の相互作用にも影響がみられると考えられます。

そのため、急な成長に脳および固有受容器(感覚器)がついてけていない状態とクラムジーが説明されるのではないでしょうか。

このようなことから、神経系の評価もおこなうことが、クラムジー対策には必要と推測されます。

すでにクラムジーの徴候がみられる場合の対策

プレーの質が落ちたとしても、クラムジーであれば、決して手を抜いているワケではありません。

そのため、チーム全体(指導者、選手、親御さん)でクラムジーと呼ばれる一時的に運動能力および身体能力が落ちる現象があることを理解しておきましょう。

クラムジーの子供に対して「練習不足」「手を抜いている」などはとても酷な言葉となります。

長い目で見守る

クラムジーは、最長で2年ほど続くケースがあると言われています。そのため、その期間にやる気をなくしてしまうことも少なくありません。

しかし、プロサッカー選手の本田選手、清武選手もクラムジーによって悩まされたそうですが、現在では一流アスリートとして活躍されています。このように、クラムジーが過ぎれば、さらなる上を目指すことができます。

本人がまだやる気があるにも関わらず、周りがいち早く諦めることは止めましょう。クラムジーの時期にできることもあるため、長い目で復活の日を目指して見守ってあげてください。

シンプルな動きを繰り返す

スポーツ競技の動きは基本的な動き(シンプルな動き)を組み合わせたものです。しかし、最近ではスポーツ競技開始年齢が早くなったことで、スポーツ競技に特化した動き以外の動作が未熟であることが多く、シンプルな動きがぎこちないこともあります。

「シンプルな動きができないのにスポーツ競技の動きができるの?」と疑問に思う人は多いですが、反復的に手取り足取り指導してあげれば、ある程度できるようになってしまいます。そして、指導されることの少ない「走る」「飛ぶ」「這う動作」が上手くできないこどももいます。

実際、スポーツ少年団にシンプルな動き(ハイハイ、立ち幅跳びを連続で行うなど)を指導したとき、県でもトップクラスのレベルであっても出来ていませんでした。

クラムジーがみられる場合は、運動の基本に立ち返り、走る、跳ぶなどシンプルな動きで構成されたトレーニング、および基礎的な技術練習を行うことが大切です。

成長期前のクラムジー対策

クラムジーに限ったことではありませんが、スランプに陥ったとき過去の体験(スポーツでは運動体験)をヒントに自分に合った身体の使い方を思い出すそうです。

しかし、スポーツを開始する年齢が早くなったり、幼少期の身体を使った遊びが少なかったりすることで運動体験が少ないこどもが増えています。そのため、幼児期は身体を使った遊びを取り入れ、スポーツを始めるにしても色々なスポーツを体験(チームに入れなくてもご家族で楽しめば良いです)させておくことが大切です。

自分が行っていた競技であると手取り足取り指導してしまいがちですが、身体の大きさや技術を習得するまでの感覚は個人差があり、残念ながら参考になっていないことが多いです。

教えることは最小限にし、こども自身にどうすれば上手くなるかを考えさせた方が、運動体験が増えると共に「こうすれば出来た」という成功体験によって、コツを身につけ技術が定着しやすくなります。

カイロプラクティック心のクラムジー対策

カイロプラクティック心は、機能神経学をベースに中枢神経を含めた神経系の評価およびアプローチを行います。また、どのようなシンプルな動きが苦手かなども評価し、ホームケアの一環として指導させていただきます。

とくに成長期のこどもは脳も未成熟であり、左右脳のアンバランスがみられると大人よりも顕著に身体のコントロールができません。

例えば、左右脳のアンバランスがみられると「右足だけ片足立ちのバランスが悪い」「眼球運動である方向だけ眼振がみられる」「左側の臭いが解りにくい」など身体の使い方に偏りがみられます。

また、本来右利きであってもスポーツの有利性を考えて左に変えることもありますが、かえって脳が混乱してしまい左右のアンバランスが生じてしまうことがあります。

このような神経系のエラーを修正していくことで、クラムジーの状態を1日でも早く脱却できるようにお手伝いさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

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