パニック障害機能神経学アプローチ

パニック障害

不安障害・パニック障害/機能神経学的アプローチを試してみませんか

パニック障害は、心の問題と考えられていましたが、脳科学の研究によって「脳の機能異常」が原因の1つであることが医学的に解ってきました。

そのため、病院(西洋医学)の治療では、薬物療法と心理療法で効果がみられます。

しかし、その一方で「寛解と悪化を繰り返す慢性化」「投薬を数ヶ月続けても変化がない」「投薬で落ち着いているけど薬を辞めたい」という人もいます。

そこで、第二の選択肢としてカイロプラクティック、栄養、機能神経学のアプローチでパニック障害の症状に対応してみてはいかがでしょうか。

機能神経学は、中枢神経系(脳)を評価し、問題が考えられる脳領域に対して神経可塑性を利用し、脳の機能を向上を目的にアプローチします。

脳機能を活性化させるためにカイロプラクティックは有効であり、栄養状況を見直していくことも大事です。

パニック障害でお悩みの方で「少しでも今より身体を元気にしたいという方は、続きをお読みください。

パニック障害の原因は脳の機能異常

パニック障害は、脳内神経伝達物質のアンバランス(セロトニンの相対的不足によりノルアドレナリンが過剰な状態)が起こっています。

セロトニンが不足すると精神の安定を保つことが難しくなり、ノルアドレナリンは交感神経を刺激するため、心拍や呼吸が速くなったりする(動悸、息切れ、変な汗がでるなど)自律神経症状を引き起こします。

ノルアドレナリンが分泌される青斑核(脳幹)と偏桃体、前頭葉は、辺縁系ループという人の情動、感情の表出、意欲など精神活動に関与し、その部分の機能異常もみられます。

本来なら危険や恐怖などを察知し分泌されるノルアドレナリンを偏桃体が受け取り、その危険や恐怖に沿った行動がとれるように脳に働きかけます。

そして、前頭葉はそのときの危険や恐怖を長期的に記憶し、今後の危機管理に生かします。

パニック障害では、脳が危険と察知したことで起こる一連の流れの誤動作が起こっていると考えられています。

本来なら恐怖や危険を感じなくてもよい場面でノルアドレナリンが過剰に分泌され、偏桃体にはパニック発作を起こした不安が定着(パニック障害の予期不安)してしまいます。

そして、前頭葉にパニック発作を起こした場所や同じような空間(狭い場所、人混みなど)の記憶が定着します(外出恐怖)

パニック障害の原因についてはこちらをご参考ください。

病院での薬物治療

投薬の種類はいくつかありますが、現在効果がみられているのはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)です。

この薬の作用は以下のとおりです。

脳内に一度放出された神経伝達物質などが細胞内へ回収されることを「再取り込み」という。神経伝達物質であるセロトニンの再取り込みを阻害すると脳内のセロトニンの量が増える。

SSRIはセロトニンの再取り込みを阻害することで脳内のセロトニン量を増やし神経伝達を改善して、抗うつ作用をあらわす。

出典:日経メディカル処方薬辞典

この薬のようにセロトニン量を確保することで、パニック障害に効果がみられたことが脳の機能異常であることの裏付けにもなっています。

そして、不安や恐怖に対しては心理療法(認知行動療法)が取り入れられています。

パニック障害の治療で効果がみられないのはなぜ?

現在パニック障害は寛解しますが、悪化も繰り返すことが一般的とされています。

ほとんど変化がみられない場合は、パニック障害の原因と治療方針が違う(自律神経の問題や内臓起因の問題が大きい)ケースが考えられます。

薬を飲むと良い状態が続く場合は、セロトニン不足(SSRI服用の場合)が原因と言えますが、薬の作用は再取り込みを防ぐだけであり、セロトニンの分泌量が増えているワケではありません。

そのため、セロトニンを増やす活動を行えない状態であれば、セロトニン不足は解消されず症状にも好不調の波が現れやすいです。

脳の機能異常として、「前頭葉」「偏桃体」「青斑核」の問題が明らかにはなっていますが、薬はそれらに対応していません。

認知行動療法で効果はみられますが、細かく考えれば前頭葉や偏桃体は左右に1つづつあり「どちらの機能が低下しているのか?」ということも大切ではないでしょうか?

カイロプラクティック心では、一つ踏み込んで脳の機能異常を解消することで、認知行動療法がより効果を発揮すると考えています。

病院以外の選択肢としてのカイロプラクティック

ここでご理解いただきたいのは、病院の治療を否定しているワケではありません。

パニック障害の第一選択治療である病院の診断を必ず受けてください。

そのうえで「体に変化がみられない」「薬を飲み続けて安定しているけど良くなるならカイロプラクティックを受けたい」「薬を減らしていきたい」という方に病院とは違う視点で捉えて病院では行われない原因に対してアプローチする方法があることを知ってほしいです。

カイロプラクティックは「バキバキ」と骨格の歪みだけを整えているイメージが根強いですが、本来は神経機能を正常に戻す療法であり、その方法は幾通り(バキバキする手法も含めて)もあります。

そのため、本当のカイロプラクティックは検査を重視して身体全体のバランスをしっかり調べます。

検査をほとんどしない、強い痛みを伴う施術などいい加減なことをしながらもカイロプラクティックと名乗るところが多いため(整骨院、整体も含む)しっかりと情報収集を行ってください。

カイロプラクティック心のパニック障害アプローチ

パニック障害は、機能神経学をベースに脳の機能異常にアプローチします。

ただ、内臓起因性や自律神経性の要因が強いケースもあり、カウンセリング、各種検査などを踏まえてその人にあったアプローチを行います。

カイロプラクティック機能神経学

カイロプラクティック機能神経学を簡単に説明すると、脳のアンバランスを検査し機能低下(機能異常)を起こしている脳領域にに対してアプローチし、脳のバランスを調和させ脳機能を改善させていきます。

神経機能検査はこちらもご参考ください。

「脳の機能異常をどうやって改善していくの?」と多くの人が疑問に思われますが、ヘッブの法則により脳を含めた神経は手技やエクササイズなどで変化させることが可能です。

〇ヘッブの法則

神経系は外界の刺激などによって常に機能的、構造的な変化を起こし、この性質を一般に“神経の可塑性”と呼んでいる。

心理学者のドナルド・ヘッブによって提唱

ヘッブの法則は、ニューロン間の接合部であるシナプスにおいて、シナプス前ニューロンの繰り返し発火によりシナプス後ニューロンに発火がおこるとシナプスの伝達効率が増強されるというものです。

要約すれば、神経回路は神経が活動する刺激を繰り返し入力することで、強化されるということです。

この理論から、どこの異常(脳幹?左の前頭葉?右の偏桃体など)があるかを評価し、その神経回路を活性化させる刺激を繰り返すことで、機能異常の起きていたレベルを改善していきます。

そして、もう一つ大切なことは神経系を活動させるには刺激だけではなく酸素(適切なガス交換)、栄養(適切な栄養供給)も重要となります。

そのため、神経への刺激を入れるだけではなく呼吸がしっかり出来るよう骨盤部~胸部にかけての調整も重要な要素になります。

また、栄養においては機能性低血糖(朝起きれない、起床時に体にコリや張りを感じるなど)がみられると、糖代謝が上手く機能しておらず、結果として神経系も栄養不良となってしまう可能性があります。

また、セロトニンの材料としてタンパク質(トリプトファン)ミネラル(とくにビタミンB群)が不足していれば、セロトニンが生成できなくてもおかしくありません。

神経への刺激とは?

末梢(手足、皮膚、筋肉など脳以外)には、色々な受容体(センサー)があり、それらによって筋肉の緊張度、関節の角度、体温などの情報が脳に送られます。

さらに、脳から微調整された指令が末梢に送られるという神経応答が常に行われています。

単純には、症状と照らし合わせて神経応答が上手く行われていない神経経路に対して、刺激を入れていくことになります。

刺激は、センサーが受け取れるもの全てになるため、光、音、運動(ストレッチ、エクササイズなど)読書、重力など生活していれば必ず入っています。

それを検査で評価して、その人に合った刺激を提供していくことが専門家としての役割になります。

そのため、日常的なセルフケアのアドバイスもさせていただくことになります。

主な刺激としては以下のようなものがあります。

  • カイロプラクティックアジャストメント
  • エクササイズ(ストレッチ、バランスエクササイズなど)
  • 眼球運動
  • 嗅覚、聴覚への刺激
  • 原始反射エクササイズ
  • 呼吸

薬を使用することなく脳に刺激を与えて機能向上を目指すため、薬を減らしたい人には有効なアプローチ方法です。

パニック障害における機能神経学的アプローチ

不安神経症、うつなどは前庭系(平衡感覚)リハビリに悪影響を及ぼしたという研究があります。

これは平衡感覚を調整する小脳、前庭系の神経は、体性感覚(筋肉や関節など)内臓感覚系と相互作用で調整し合うためで、精神疾患患者では小脳の機能低下が多くみられます。

また、これらの神経回路を並走するようにノルアドレナリン、セロトニンの分泌を作動させる細胞から前庭系と辺縁系に向かう神経回路があります。

脳には「相動性」という特徴があり、近くをとおる神経回路と相互作用しています。

仮にAという神経回路が上手く働いてなかったとしても近くをとおるBという神経回路を活性化させ続ければ、相互作用をうけて神経回路Aも上手く機能し始めます。

身体でわかりやすいのは「目」と「舌」の動きです。

目と舌は別々の神経回路によってコントロールはされていますが近くをとおるため、眼球運動を多くすれば喋りやすくなり、舌を動かせば目が動かしやすくなります。

このようなことから、一見バランス感覚と不安な気持ちは関係がないように思われますが、相互作用しており機能神経学的評価により小脳の機能低下がみられれば、小脳に対してよい刺激を入れてあげることはパニック障害を寛解させる1つの手法になる可能性があります。

一概にはいえませんが、ネガティブな態度や感情が表立つケースは、左大脳の活動低下もしくは右大脳の過活動が脳波測定で観測できたそうです。

このように左右の脳の偏りがみられるため、小脳の刺激をする場合でも活動を上げたい側に対してカイロプラクティックアジャストメントやエクササイズを行います。

エクササイズについてはこちらをご参考ください。

脳機能についての記事はこちらもご参考ください。⇒脳機能について/カイロプラクティック心

脳の機能異常以外のアプローチ

甲状腺機能亢進症、自律神経失調症など脳の機能異常以外でもパニック発作のような症状がみられます。

このようなことから、自律神経の問題やホルモンのアンバランスによって症状が現れる可能性もあります。

※甲状腺機能亢進症は病院での診断、治療が必要です。

最近では慢性副腎疲労症候群(ストレス)、リッキーガット症候群(腸内環境の悪化)などの影響も考えられています。

慢性疲労症候群・リッキーガット症候群の症状、原因について詳しくはこちらをご参考ください。

慢性疲労について詳しくはこちら

リッキーガット症候群/小西統合医療内科

腸内環境の悪化、内臓疲労、栄養摂取の問題などの関りがみられることもあり、カイロプラクティック心では内臓マニュピレーション、内臓反射点の刺激、栄養指導なども行います。

心身療法

「身心一如」という言葉があります。これは仏教の考えであり、「肉体と精神は一体で分けることができず一つのものの両面であるということ」という意味です。

精神的な問題が身体の不調として現れることは、この考えからも不思議ではありません。

実際に「こどもが上手に絵を描いた⇒笑顔になる」「怖い体験をした⇒鳥肌が立つ」「悲しい物語をみた⇒涙がでた」など感情が身体に現れることはだれもが体験をしています。

また、脳領域を観測した研究では、慢性疼痛症候群と気分障害は同じ脳の領域が活動していることが報告されています。

このようなことから、心の問題が身体に症状として現れても不思議なことではありません。

カイロプラクティック心では、場合によっては心身療法も提案させていただきます。

頭蓋仙骨療法

頭蓋骨の調整

カウンセリングや身体評価を基に心身療法を行います。

方法は、頭部に軽く触れて頭蓋骨調整を行っていきます。

今より快適に暮らしたいあなたへ

ここまで、カイロプラクティック心の施術方法を書いてきました。「施術をうけてみようかな」という方は、全力でサポートさせていただきます。

しかし、パニック障害を含めた精神疾患は、生活習慣の見直しがとても大切になることが多いです。そのため、施術任せで自分では何も変えようとしない人は、一時的に良くなったとしても悪化する可能性が高いです。

生活習慣を明日からすぐに変えられないことは、重々承知しています。しかし、提案したアドバイスを少しづつでも良いので実践して欲しいです。そうすることで、今より快適な生活を送れる道が開きます。

「薬を飲んで安定はしているけど、今よりもっと良くしたい」「薬を減らせるなら減らしたい」「今の治療で体に変化がみられない」とお悩みの人は、生活習慣も見直しながら一緒に快適な生活を目指しませんか。

一緒に快適な生活を目指そうとお考えの方は、ぜひご相談ください。

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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