眩暈(めまい)

危険なめまいもあるため最初は必ず病院へ行きましょう

めまいの種類は色々あり、生死に関わる緊急なケースがあります。

めまいにも色々と種類があり、原因によって受診すべき病院(診療科目)が違います。また、めまいの中には病院の治療が最優先(脳疾患、神経炎など)すべきものもあります。

多くはありませんが、行きつけの整骨院、整体、カイロプラクティックなどがあると初めに病院へ行かない人もいますが、無知であると無駄な施術をしてしまい手遅れになってしまいます。仮にしっかりとした知識を持ち、至急病院の受診を勧めてもらえたとしても、その時間すら勿体ないこともあります。

ただ、どのような状態が危険なのかが分からなかったり、原因にあった医療機関を受診できないと適切な治療が受けられません。そのため、ここでは危険なめまい症状、適切な医療機関を受診するための基礎知識などを書いていきます。

緊急性の高いめまいは?

ほとんどのめまいは、緊急性がないと言われていますが、脳の出血性疾患が原因でおこるめまいは、早く専門医の治療を行う必要があります。脳疾患が関わるケースは、めまいだけではなく、吐き気、頭痛、麻痺など複数の症状が併発しています。

脳の出血性疾患とめまい

脳の出血性疾患である脳卒中は、脳血管障害とも呼ばれ脳の血管が詰まったり、破れたりすることで出血します。脳血管障害は、以下のとおりに分類されます。

  • 脳出血
  • くも膜下出血
  • 頭蓋内出血(硬膜下出血、硬膜外出血)
  • 脳梗塞(脳血栓、脳梗塞)

これらの脳疾患は、出血場所や血腫の大きさなどで現れる症状が違います。また、前兆としていくつかの症状が現れ、すぐに治まってしまうこともあります。

脳出血の前兆

出血部位によっては、めまいが起こるとは限りませんが、主な症状として「頭痛」「嘔吐」「意識障害」「片麻痺」がみられます。小脳で出血がみられる場合は、回転性のめまい、歩行障害、頭痛、嘔吐がよくみられます。

くも膜下出血の前兆

目の異常を訴える(痛み、二重に見える、まぶたが下がるなど)と共に、めまいを感じる人がいます。他の前兆として血圧の乱れ、急激な頭痛(今まで経験したことのない頭痛)がみられます。

このような前兆は、しばらくすると治りますが数日後に大きな発作を起こすことも少なくありません。また、発作時に出血量が多いとすぐに意識がなくなり、とても危険です。そのため、前兆で思い当たる原因がなければ、症状が治まったとしても必ず脳の専門医に診てもらいましょう。

ただ、症状が治まることで、しっかりと検査をされずに何事もないように返されることがあります。また、検査の方法が悪く異常部位がみつけられないこともあるそうです。(実際、カイロプラクティック心のクライアントの数名にこのような事態があったと聞きました)

くも膜下出血を発見しやすくするためには「発症後から24時間以内」「CTのスライスは通常10mmですが3mmで行う」「硬口蓋に平行にスキャン」がポイントになります。

脳梗塞の前兆

脳梗塞の前兆として、めまいの他に手足の麻痺、言葉がでない(ろれつが回らない)、片側の目が見えなくなったりします。数十分でこれらの症状が治まることもありますが、その後に本格的な脳梗塞の症状(意識障害、片麻痺、感覚異常、言語障害など)が現れることがあります。とくに高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満は危険度が高いため、前兆を感じたり早く脳の専門医に診てもらいましょう。

脳梗塞は、発症3時間以内に治療が開始できることが望ましいです。

一過性脳虚血発作(TIA)

一過性脳虚血発作は、脳に流れる血液が一時的に流れが悪くなることで症状(感覚麻痺、運動麻痺など)が現れ、数分以内に症状が消失します。これは血栓や動脈硬化の影響であり、椎骨動脈系に原因があると激しい回転性(目がグルグル回る)めまいの他に複視、嚥下障害、意識障害がみられます。

当然ですが、脳疾患は病院での専門的な治療が必要であり、カイロプラクティックで改善されることはありません。以前からめまいがある人でもこのような前兆がみられる場合は、早く病院を受診してください。

発作性頭位めまいの鑑別

頭の位置によってめまいが現れるケースがあり、良性と悪性があります。

〇悪性発作性頭位眩暈

ある頭位で眩暈・吐き気・頭痛が現れ継続する場合は、小脳もしくは脳幹の病気(出血、梗塞、腫瘍)の可能性があります。他の特徴としてめまいが治まると他の症状もなく、俯いた独特の姿勢を好みます。

〇良性発作性頭位眩暈

ある頭位で眩暈が起きても30秒程度で次第に症状が軽減していきます。良性発作性頭位眩暈は、エプレイ法、セモン法などで解消されます。

めまいは何科を受診すれば良い?

先に重篤なめまいについて書きましたが、9割程度は生死に関わらないと言われています。そのため、脳疾患にみられる前兆がなければ、他の症状も併発していないか、いつ頃めまいが発症するかなど現在の状況を整理して病院を受診してください。

耳の症状がある場合は耳鼻科

めまいの原因は、以下の引用のとおり突然のめまいで耳の症状を伴い吐き気や嘔吐があっても耳鼻科系の疾患が多いです。

私たちは、突然、めまいが起こり緊急入院した患者さんのうち、耳鳴り、難聴、吐き気、嘔吐などはあっても、脳の症状のなかった約100人の患者さんに詳しい検査(脳のCTとMRIを含む)をして、その原因を調べました。結果は<図3>の通りで、原因の81%は耳鼻科の病気でした。

出典:国立研究開発法人国立循環器病研究センター

耳鼻科系疾患のめまいは、「耳鳴り」「音が聞き取りにくい」など耳に関わる症状を伴うことが多いです。また、耳の異常の自覚がなくても耳鼻科で診察を受けることで難聴であることに初めて気づくこともあります(片側が十分に聞こえているため)

また、耳鼻科系疾患のめまいにはもう1つの特徴があり、それは回転性のめまいがみられることです。耳の奥には平衡感覚に関係する前庭神経、三半規管があるためであり、耳鼻科系疾患のめまいのほとんどが回転性です。このことから、耳の異常に自覚がなかったとしても回転性のめまいがあれば、耳鼻科を受診するようにしましょう。

主な耳鼻科系疾患は以下のとおりです。

〇良性発作性頭位眩暈

ある頭の位置(右耳を下にしてベッドから起き上がるときだけなど)になるとめまいを訴えます。これは、耳の奥にある内耳の耳石がはがれて、三半規管に入りこむことで発症します。めまいの特徴としては数秒(長くても1分程度)で治まるめまいであり、頭位変換で目をみると眼振(目が揺れている)がみられます。

〇前庭神経炎

ウイルスによって(風邪、インフルエンザなどの感染症)前庭神経で炎症がおこります。前庭神経は平衡感覚に関わる組織のため、回転性めまいが発症します。特徴として2~3日めまいが持続し、悪心や嘔吐も激しいです。

〇突発性難聴

前庭神経ではなく聴神経で炎症がおこると突発性難聴によるめまいが生じますが、比較的軽度のめまいです。片側がほとんどですが、両側に診られる場合は、薬剤性によることもあります。

〇メニエール

内耳の問題により発症し、難聴と同じように音の聞こえにくさとめまいが現れます。特徴として回転性のめまいが20分~数時間続きます。

浮動性めまいは神経内科へ

「フワフワする」「雲の上を歩いている感覚がある」など浮動性めまいは、中枢神経系の統合不全の原因が多く、重篤なケースは少ないですが、神経疾患がみつかることもあります。このようなことから、耳の症状がなく回転性めまいでなければ、神経内科を受診しましょう。

神経内科系でめまいのみられる主な疾患は以下のとおりです。

  • 小脳疾患
  • パーキンソン症候群
  • 末梢神経障害
  • 多発ラクナ梗塞

他の関連する疾患として椎骨脳底動脈不全(回転性のめまいがみられることもあります)、頸椎変形などもみられることがあります。

めまいは耳鼻科、神経内科以外の分野でも発症します

耳鼻科、神経内科を受診しても、はっきりした原因がわからないめまいもあります。

アメリカのER(救急センター)を受診しためまいの患者疾患は以下のとおりです。

  • 耳性/前庭性
  • 心循環系
  • 呼吸器系
  • 神経系(脳血管障害を含む)
  • 代謝系
  • 傷/中毒性
  • 精神科的
  • 消化器系
  • 泌尿生殖系
  • 感染症

このように色々な組織の問題の症状としてめまいが現れるため、耳鼻科、神経内科を受診したからといってめまいの原因が解るとは限りません。

また、めまいは人によって色々な表現(フラフラする、天井がグルグル回る、失神しそうになるなど)があり、とくに高齢者になると多くの感覚異常(視覚、手足からの体性感覚、三半規管などの平衡感覚など)を伴っていることも多く、1つの診療科目以外の原因があることも多くみられます。

浮動性のめまいは、貧血、低血糖、心循環系疾患、肩こりなど原因が多岐にわたります。

浮動性めまいの原因で一番多いとされているのは肩こり

首の筋肉と目の動きは連動する必要があり、頸部筋群の異常緊張によって筋肉の固有受容器(体の位置を脳に知らせるセンサーの役割)が乱れが生じ、目と他の感覚とのミスマッチが浮動性めまいが発症します。

このようなことから、めまいのメカニズムを知らない整体、カイロプラクティック院の施術を受けてもめまいが消失することがあります。しかし、反対に悪化させるようケースも多いため、整体、カイロプラクティック選びは慎重に行う必要があります。

肩こりは画像では診断できないため、見逃されるケースもあります。本来なら頸部の異常緊張を緩和させて感覚のミスマッチを改善させれば良いだけでも見逃されることで心因性と診断される可能性もあります。そのため、緊急性のめまいでなければ、病院選びもしっかりと行ったほうが良いでしょう。

めまいを診てもらう場合の病院の選び方

①問診が重要

神経内科医の福武敏夫氏は、めまいについて以下のとおり述べています。

めまいの90%は問診と簡単な診察で診断できる

出典:神経症状の診方、考え方

また、病歴にこだわる神経診察のインタビューでも以下のことが書かれています。

神経診察の肝は病歴聴取にあります。「どのような人が,いつから,どこが,どのように」悪いのか,4W1Hを丁寧に聞くのは診断の基本ですよね。個々の疾患・病態にはそれを起こしやすい患者がいますので,年齢,性別,職業,体型などの基本的背景の把握は最重要です。病歴聴取に簡単で本質的な身体手技を加えれば,神経疾患のほとんどをカバーできます。                               出典:福武 敏夫氏に聞く 病歴にこだわる神経診察 知識と推理で単純に

めまいは患者さんの話をしっかり聞く(世間話ではなく医学的知識をもとにした聴取)が重要と言えるため、問診や患者さんの現状をしっかりと聞いてくれる医師に診てもらうことが大切です。

②画像だけに頼らない

めまいで画像診断に頼るところは少ないかもしれませんが、所見が見当たらないからと言って心因性のめまいとされると、良くなるめまいであっても改善はされません。実際、カイロプラクティック心にも抗うつ剤を処方されて、病院を不信に思いこられるかたもいらっしゃいます。

福武敏夫医師のインタビュー記事には以下のことが書かれています。

画像に頼りすぎることにも注意しないといけないと感じています。最近,「足が痙性麻痺で階段の下りが苦手」という所見が明確にあるにもかかわらず,画像に異常がないためにどの病院でも心因性を疑われてきた多発性硬化症の患者がいました。

神経内科には心因性を疑われてきた患者も多いですよね。先日は精神科の患者が,歩けなくなったと来院しました。腱反射は正常で,筋トーヌスは高度に低下。抗不安薬の過剰摂取を疑い,調整したところ良くなりました。

出典:福武 敏夫氏に聞く 病歴にこだわる神経診察 知識と推理で単純に

画像ではわからない疾患もあり、だからといって心因性にしてしまうのはいかがなものかと感じます。インタビュー記事に書かれているようにしっかりと診察できれば、心因性とは関係なく症状が改善することも少なくありません。とくにめまいのような神経症状は、画像以外の精密機械を使わない簡単な検査(眼球運動、聴覚検査など)で原因が解ることもあります。

このようなことから、診察室内でできるような検査もしない病院はおすすめできません

治療方法より画像に頼らない問診、検査がしっかりとできる医師に診てもらうと良いです。例え、専門外の原因であっても理由を説明して他の診療科目も紹介してくれるのではないでしょうか。

めまいを感じたらまず病院へ

カイロプラクティック心でもめまいは対応しておりますが、1分1秒を争う病態もあるため、めまいを感じたら病院での診察を提案させていただきます。病院で危険性がない病態で、改善がみられない場合は、カイロプラクティック心でも施術させていただきます。

もちろん、病院での診断後でも緊急性の高い病態である可能性も否定できないため、それを考慮してカウンセリング、検査させていただき、疑わしい場合は再度病院の受診を提案させていただきます。

めまいは色々な原因があり、○○の病院が良い、整体やカイロプラクティックが良いということはなく、しっかりと原因を把握してそれに対してアプローチしていくことが大切です。

病院、カイロプラクティックなどを賢く利用しつつ、必要であれば生活習慣を見直して、早くめまいを改善させましょう。

 

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