パッと読みたい人は見出しをクリック
脚が痛い、しびれるだけでは坐骨神経痛とは言えません
坐骨神経痛は、脚に痛みやしびれが現れる症状であることは一般的にも知られています。
しかし、「太ももの前が痛い」「太ももの横がしびれる」症状で坐骨神経痛と訴えたり、治らない症状と思い込んだりする人も多く、坐骨神経痛が正しく理解されていないことが現状です。
ここでは、正しく理解してもらうために坐骨神経痛の基礎的な知識から、色々な情報に惑わされずに坐骨神経痛を改善するためにチェックすべき点を書いていきます。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛は、坐骨神経が通る部分に痛みやしびれが発生する症状です。
なかには、激しい痛みにより歩行が困難になる人もいます。
坐骨神経が通る部分は図の場所になります。
出典:ネッター解剖学アトラス
坐骨神経は図のとおり、お尻~太もも裏~フクラハギ(フクラハギ付近から総腓骨神経、脛骨神経など呼び名が変わります)足指まで伸びています。
そのため、坐骨神経痛はお尻から足の後ろ側にかけて痛みやしびれ、麻痺を起こしている症状のことを指します。
ただ、坐骨神経痛は病名ではなく症状を表す言葉で「頭が痛い=頭痛」「お腹が痛い=腹痛」と言っていることと同じです。
そのため、腹痛にも胃腸炎、腎臓結石、膀胱炎など痛みの原因となる色々な病名があるように坐骨神経痛にも痛みの原因となる病名がいくつかあります。
坐骨神経痛の症状が現れる主な病気
一般的に坐骨神経痛は、以下の病気によって現れます。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 梨状筋症候群
- 腰部すべり症
- 脊髄腫瘍
- 骨盤内腫
- 閉塞性動脈硬化症
坐骨神経痛は、腫瘍や閉塞性動脈硬化症など病院での治療が優先となる病気の可能性もあるため、初めは病院で必ず診断してもらいましょう。
病名をみてもらってわかるように必ずしも坐骨神経が障害されたことで坐骨神経痛と言われる症状が現れるワケではありません。
また、今まで坐骨神経痛は腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症が坐骨神経痛の主な原因とされてきましたが、最近の研究ではこれらの病気が腰や脚の痛み、しびれの原因にはならないという報告が多数存在します。
坐骨神経痛の症状でも、坐骨神経が障害されているとは言い切れません。
坐骨神経(坐骨神経に関わる神経)が本当に障害されたら?
坐骨神経は図で見てもらってわかるとおり長い神経でもあるため、障害された場所によって現れる症状が違います。
単純には膝から下で坐骨神経が障害されれば、膝下に症状が現れ膝上は無症状となります。
坐骨神経痛という症状に変わりなく腰椎の椎間板が狭い所見がみられると腰椎の問題にされてしまう可能性があります。
そして、腰の治療ばかり病院や整骨院、整体でしても改善されません(膝下の問題のため当然ですが)
では、坐骨神経の上の部分が障害されたらどうなるのでしょうか。
坐骨神経は、腰椎の5番~仙椎1、2番(文献によって多少異なります)から出る神経が合流してできる神経です。
そのため、坐骨神経の最も上位の腰仙椎部(正確には神経根障害になりますが)で障害されれば、図のL5、S1、S2の領域(太もも裏、膝下、足裏)に何らかの症状が現れます。
また、筋肉を動かす命令を伝える役割もあるため、筋肉の運動麻痺が生じる可能性があります。
坐骨神経が主に関わっているのは膝を曲げる筋肉であり(ハムストリング、フクラハギなど)膝を曲げることが困難になります。
出典:ネッター解剖学アトラス
神経障害性疼痛
痛みは大きく分けると「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」の3つです。
坐骨神経が障害された場合は、神経障害性疼痛に分類されることになり、痛みの特徴として「灼けつくような灼熱感のある痛み」「電撃性で刺すような痛み」「ビリビリするような痛み」などです。
また、発作的に「刺されるような痛み」「電気が走るような痛み」が現れます。
また、本当に神経が障害されると回復にも時間がかかるため、痛みが長期化してしまうことがあり初期段階で早めの治療(障害原因を取り除く)が大切です。
神経障害性疼痛は、帯状疱疹(ウイルス性)糖尿病(代謝障害)、薬剤性、事故などの原因があります。
坐骨神経痛のチェックポイント
坐骨神経痛がどのようなものか、何となくご理解いただけましたでしょうか。
坐骨神経痛の症状は人によって違いもあり、ご自身がどのような症状が現れているかを明確に整理しておきましょう。
坐骨神経痛以外の症状がないか?
腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症が原因で坐骨神経症状が現れることは少ないですが、排尿・排便障害(便が出にくい、漏らすなどコントロールができない)がみられる場合は、早く病院を受診するようにしましょう。
糖尿病、腎疾患など内科的な疾患がある場合は、まず主治医に相談してみましょう。
とくに糖尿病が元でしびれを発生させることもあり、治療に効果が現れないことも多いです。
坐骨神経痛以外の症状がなくても腫瘍や骨折などがみられることもあるため、初めは病院を受診しましょう。
病院の選ぶポイント
坐骨神経痛は症状名であり、病名でないことはご理解いただけたこと思いますが、なかには「坐骨神経痛」としか告げられないこともあります。
このような場合は、とくに重大な問題がなかったと考えて坐骨神経痛改善の選択肢にカイロプラクティックを選んでいただいても良いです。
ご心配な方は、違う病院で再診してください。
一般的な整形外科であると坐骨神経痛の原因として「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」「椎間板が狭くなっている」などが多く挙げられます。
最近の研究では、これらの原因による坐骨神経痛症状は少ないという報告もあり、手術することも少なくなりました。
また、経験上このような診断をされてもカイロプラクティック施術で回復する人も多くみられます。
以下は健常者と腰痛患者のレントゲン画像を比較して差がなかったという研究報告です。
腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、脊椎辷り症、腰仙移行椎、潜在性二分脊椎、椎間狭小、変形性脊椎症、脊柱側彎症、前彎過剰、前彎減少、骨粗鬆症、シュモール結節、圧迫骨折、骨盤傾斜の検出率に差はない
ただ、病院の治療を受けるなというワケではなく、初期治療の服薬(鎮痛剤)で坐骨神経症状が治まっていくこともあります。
初期治療(1週間程度)で効果がみられない場合は、カイロプラクティック施術も視野にいれていただいたほうが良いです。
坐骨神経痛のセルフケア
今はネット情報でセルフケア方法も多く検索することができます。
しかし、自己判断で行うと悪化させてしまうケースもあるため注意しましょう。
セルフケアを行う場合は「自分の身体が楽になったか」が唯一の判断基準です。
どのような名医、ゴッドハンド的な整体師が提唱しているセルフケアであってもその判断基準を間違うと良くなりません。
また、良いセルフケアであってもやり方が悪いケースもあるため、セルフケアをする場合は、しっかりと説明を見ましょう。
カイロプラクティックを受けるポイント
カイロプラクティックを受けるのは、どこでも良いワケではなく、残念ながらしっかりと教育を受けているカイロプラクターは少ないです。
そのため、しっかりと情報を収集したうえでカイロプラクティック施術を受けましょう。
情報収集の仕方としては、友人や家族など信頼できる人からの口コミを頼ることが1つです。
ネットの口コミは当てにならないことも多く参考程度が良いです。
ネットで探す場合は、症状について詳しく書かれていたり、プロフィールを参考に決めると良いです。
あとは、実際に会ってみて「治りそうだ」と感じるのであれば、信頼して通ってみてください。
治療院の選び方の記事もご参考ください。
坐骨神経痛は症状であって病名ではありません
坐骨神経痛の基礎知識から改善するためのチェックポイントを色々と書いてきましたが、坐骨神経痛は病名ではなく症状であることは理解してください。
お腹が痛い、頭が痛いという症状にも色々と原因があるように坐骨神経痛にも色々と原因があります。
そして、原因によってセルフケア方法や治療方法が異なります。
それを坐骨神経痛を一括りにして自己判断でセルフケアを行うと悪化させてしまうこともあります。
また、病院に行ったとしても「坐骨神経痛」としか告げられなかった場合は、原因がはっきりしないということです。
次に坐骨神経痛を改善させるためにすべきこと(再度、病院の診断を仰ぐ、カイロプラクティックに相談するなど)も明確になります。
坐骨神経痛は重大な疾患(腫瘍、完全に神経が障害されているなど)でない限り、比較的よくなりやすい症状です。
自分の坐骨神経痛の状態をしっかりと把握して、専門家(医師、カイロプラクティックなど)を利用して早く改善させましょう。
投稿者プロフィール
-
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
最新の投稿
- 発達障害2024年10月2日ADHDの苦手を解決する運動効果
- 栄養2024年9月23日糖尿病に対する食事と運動の重要性
- 発達障害2024年8月30日恐怖麻痺反射(FPR:Fear paralysis reflex)
- 栄養2024年8月3日機能性低血糖の原因と食事サポート
この記事へのコメントはありません。