梨状筋症候群の改善方法

腰痛・脚の痛みしびれ

梨状筋症候群(お尻やふともも、股関節の痛みやしびれ)の改善方法

梨状筋症候群は、臀部の痛みやしびれを中心とした症状を訴え、人によっては太もも裏も含む坐骨神経痛症状がみられます。

レントゲンやMRIなどの画像診断では鑑別できないため、病院では異常なしと診断される可能性もある病態です。

ただ、適切なアプローチと運動療法を行うことにより、症状も改善されやすく再発も少なくなります。

ここでは、梨状筋症候群について詳しく解説していきます。

カイロプラクテイック心の腰痛の考え方、他との違いなどはこちらをご参考ください

梨状筋症候群について

梨状筋症候群は、名前の通り梨状筋が影響を及ぼす病態であり、図のように梨状筋の付近をとおる坐骨神経を絞扼することによって引き起こされる症状です。

引用元:StatPearlsPublishingLLC

解剖学的にはtype1、2が一般的(全体の90%程度)であり、他にもtype3~6が観察されています。

腰痛および、坐骨神経痛の全症例の0.3%から6%は、梨状筋症候群が原因と報告されており、稀なな病態と考えられます。

また、中年以降に発症することが多く男女比では、1:6で女性が多く発症していることが報告されています。

梨状筋症候群の主な症状

坐骨神経痛症状を訴えることが多く、他の病態(腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)との鑑別も重要となります。

梨状筋症状の主な症状(症状がみられる部位、悪化する動作など)は、以下の通りです。

  • 臀部と股関節部の慢性的な痛み、しびれ
  • 臀部の圧痛
  • 長時間座れない
  • 股関節の動きによって悪化する臀部の痛み

臀部痛は、長時間同じ姿勢(とくに座位)や歩行で悪化しやすいです。

臀部を中心とした症状ですが、太もも後ろに広がることもあり、まれにふくらはぎ、足指へ症状が広がるケースも報告されています。

梨状筋症候群の坐骨神経痛症状は、膝より上であることが多いです。

梨状筋症候群の原因

梨状筋の炎症や酷使による坐骨神経への刺激が、症状を誘発していると考えられています。

また、原因は一次性と二次性の分類され、一次性は先に解説した解剖学的な問題です。

梨状筋症候群の全体の85%程度は、二次性に該当すると考えられています。

二次性は、梨状筋の炎症や線維化(筋肉の変性)が生じて坐骨神経に影響を及ぼしいくつかの原因があります。

股関節および臀部の外傷

股関節、臀部の外傷(打撲、急激に伸長されるなど)より、炎症が引き起こされることがキッカケで、坐骨神経に影響を及ぼし梨状筋症候群を誘発します。

梨状筋の肥大

スポーツのトレーニング期によって、梨状筋が肥大(大きくなる)すると坐骨神経を絞扼(解剖学的な問題も影響)することがあります。

なかには、何らかの原因によって臀部周辺の筋肉の協調運動ができずに梨状筋の過活動となり、梨状筋症候群を発症するケースもあります。

筋肉が過活動になると伸張性が損なわれ、さらには粘性が向上するため、ゴムのような性質をもつ筋肉が固い組織(線維化)に変性してしまい、身体に悪影響を及ぼします。

長時間座っている

長時間座ると梨状筋も長時間圧迫されることになるため、微小な損傷を繰り返す結果となり梨状筋症候群を誘発することがあります。

梨状筋症候群の診断方法(チェック)

腰痛や坐骨神経痛の診断で用いられるレントゲン、MRIなどは梨状筋症候群以外の病態を除外することには役立ちますが、梨状筋症候群を判別することはできません。

そのため、臨床所見(先に解説した症状の有無)徒手的な所見で判断する必要があります。

梨状筋症候群では、臀部の圧痛(症状の増悪)がみられることが多いです。

また、フライバーグテスト(股関節の屈曲・内転・内旋)、ペーステスト(股関節の外旋・外転へ抵抗運動)など股関節の操作によって、症状が誘発されます。

鑑別すべき主な症状

梨状筋症候群と同じような症状を引き起こす疾患はいくつかあり、鑑別ができていないと効果のない治療を行うことにもなります。

そのため、画像診断は、他の病気がないかを鑑別するために重要です。

梨状筋症候群の類似疾患は以下のとおりです。

  • ハムストリング損傷
  • 腰仙椎間板損傷
  • 腰仙椎間板起因性疼痛症候群
  • 腰仙椎間関節症候群
  • 腰仙神経根症
  • 腰仙椎捻挫
  • すべり症
  • 脊椎分離症
  • 仙腸関節の損傷/機能障害
  • 下殿動脈瘤または仮性動脈瘤
  • 悪性腫瘍/腫瘍
  • 動静脈奇形

梨状筋症候群の病院治療

短期間の安静(48時間以内)、服薬(抗炎症薬、筋弛緩剤など)が行われます。

基本的には上記のような保存療法が適用されますが、癒着や瘢痕を除去する手術を行うこともあります。

梨状筋症候群 改善および予防ストレッチ

梨状筋症候群では、ストレッチが改善および予防効果があり、写真のように股関節を曲げ膝を開く(股関節の外旋)と梨状筋がストレッチされます。

また、臀部の圧痛部分があればテニスボールで圧迫しながら行うと、より梨状筋を伸長させることができます。

ただし、坐骨神経痛症状が強まる場合は中止しましょう。

梨状筋症候群 やってはいけないこと

長時間座ることは、避けるべきです。

梨状筋症候群に関わらず、長時間座り続けることは健康に悪影響を及ぼします。

30~60分に1回は、立ったり、動いたりするなど姿勢を変更することが大事です。

梨状筋症候群では、寝方や起き上がり方でも痛みが誘発されやすく、痛みがある側を上にして横向きになると症状が悪化するケースが多くなります。

線維化がみられる場合においては虚血(血流量が低下)が生じているため、冷やしたり湿布貼ったりすることはやめましょう。

※温めて症状が緩和するケースは虚血が考えられます。

梨状筋症候群は自分で治せる?

長時間座る生活習慣を改める、運動習慣を取り入れる、梨状筋のストレッチを行うなどによって、梨状筋症候群が改善される可能性はあります。

ただ、なぜ梨状筋症候群となるまで梨状筋に負担がかかっていたのかを考える必要があります。

なかには「骨盤や股関節、胸郭を含めたユニット自体の問題」「モーターコントロール異常」「梨状筋症候群以外の原因も関わっている」などがみられるとセルフケアだけでは梨状筋症候群は改善が難しいです。

また、線維化がみられる場合は、徒手的な療法が早期に改善されやすいと考えられます。

研究論文でも一般的に医療や理学療法を求めない期間が長ければ長いほど、リハビリテーションの過程は長くなると報告されています。

カイロプラクティック心の梨状筋症候群の改善方法

カイロプラクティック心は、カイロプラクティック検査、整形学検査、筋力テストなど色々な方法で梨状筋症候群の原因をしっかりと評価しアプローチしていきます。

また、他の関節(股関節、胸郭など)の影響により、梨状筋に負担をかけていることも多く全身をチェックしその場の痛みを解消するのではなく、再発予防を目的に施術を行います。

痛みやしびれの原因は梨状筋以外の問題であることもあり、梨状筋症候群だけにとらわれず、多角的な視点で身体を評価してカイロプラクティック施術を行います。

関節障害、筋骨格系の問題⇒関節運動学的テクニック、カイロプラクティックアジャストメント

バイオメカニクス異常、モータコントロール異常⇒NKT

筋筋膜性(線維化)⇒筋伸張テクニック、ストレイン・カウンターテクニック

内臓起因性⇒内臓マニュピレーション、栄養指導

カイロプラクティック心は施術歴10年以上の施術者が責任をもって一人で担当させていただきます。

また、安心して施術を受けていただけるよう現在も文献を読んだり、セミナー、勉強会にも出向いて知識と技術向上に努めております。

腰痛関連はこちらもご参考ください

梨状筋症候群を改善して快適な生活を送りましょう

梨状筋症候群は稀な病態です。

また、中年以降はとくに背骨の器質的な変化が(ヘルニア、変形、ヘルニアなど)みられることも多く、梨状筋の問題を見逃されることも少なくありません。

坐骨神経症状がなかなか改善されない場合は、梨状筋症候群の可能性もあります。

カイロプラクティック心では、施術だけではなく日常生活の注意点から再発予防までのアドバイスまでさせていただき、1日でも早く身体が回復するよう全力でサポートさせていただきます。

早く仕事に復帰したい、趣味を再開したい、育児に集中したいなど早く快適な日常を取り戻したい人はぜひ、カイロプラクティック心にご相談ください。

参考文献

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK448172/

 

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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