発達障害は「治る」「治らない?」という論争もあり、「治る」という言葉に不信感を抱く方も少なくありません。
その一因として、医学的に発達障害の原因は解明されておらず、治療法も確立されていことから、発達障害は先天的な脳の機能異常とされていることではないでしょうか。
また、医師からは治らないと告げられることも少なくありません。
しかし、2008年に報告されたレビュー(複数の研究をまとめた報告)では、自閉症スペクトラム障害の3~25%は、ASDにみられる診断基準を喪失し、認知、適応、社会的スキル正常範囲内に入るとされています。(引用文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19009353/
このような研究報告もあることから、発達障害にみられる症状に全く変化がみられないワケではありません。
この研究以外にも発達障害が治るというのは語弊があるますが、発達障害にみられる振る舞いが軽減された研究は多数あります。
また、原因が解明されていないということは発達障害と言われる症状の全てが先天性とは言い切れず、発達障害でみられる振る舞いや困りごとが緩和されていく事例も少なくありません。
ここでは、カイロプラクティック心の発達障害に対してアプローチする考え方について書いていきます。
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カイロプラクティック心が考える発達障害が良くなる定義
そもそも何をもって「発達障害が治る」と言えるのか?
まず、その部分が曖昧過ぎることが「治る」「治らない」の意見の分かれ目と考えられます。
そして、「障害」とは何かを考える必要があるのではないでしょうか。
障害とは?
最近では、発達障害は病気ではなく「個性」と表現されることも多く、それを治すというのは言葉は不適切であると言われることがあります。
また、DSM-5 では神経発達障害ではなく神経発達症と記載もされるようになりました。
個性と捉えることは悪いことではありませんが、この考えに対しては発達障害をもつ当事者がどう思うかが一番大切です。
例えば、腰が痛くてもその人の生活に全く支障がない(仕事や育児も集中できて、趣味も十分楽しめる)場合、その人は腰痛を治療しようと思うでしょうか?
おそらく、病院に行くことはなく、ましてカイロプラクティックを受けようと思うことはないでしょう。
しかし、仕事も腰が気になって集中できない、こどもと遊ぶこともままならない、楽しみにしている趣味や旅行も断念せざるおえないなど、人は生活に支障が出始めて初めて治療しようと考えるのが一般的です。
発達障害と診断された当事者は、生活に支障がでるほど困難と感じていなければ、わざわざ治療する必要はないと考えます。(何かしら支障があるから病院を受診したとは思いますが、、、)
こどもであれば、親御さんが辛そうにみえることがあれば、何とかしてあげたいと思うのが普通の親心ではないでしょうか。
ここでは、障害の定義を「生活に支障をきたいしている状態」とします。
カイロプラクティック心としては、発達障害と診断されても「今のままで問題ない」と考えているのであれば、治療は必要ないと思います。
実際、発達障害と診断されている偉人は多く、社会で成功をおさめている人も多いです。
ただ、周りのお友達、職場で迷惑と感じられる行為があるのであれば、「発達障害だから仕方ない」と開き直るのではなく、どうすればお互いが気持ちよく過ごせるのかを考えていく必要はあるのではないでしょうか。
カイロプラクティック心では、発達障害で診断された方でも快適に生活する権利はあり「生活で困っていることを少しでも軽減させたい」という方には、お役に立ちたいと考えています。
発達障害が良くなるとは?
発達障害でみられる振る舞いや症状はとても多様で、診断も慎重に行われます。
〇主な身体的な症状
- 音、匂い、光などの過敏性
- 病気になりやすい
- アレルギー
- 頭痛
- 下痢
- 便秘
- 睡眠障害
〇振る舞い
- 落ち着きがない
- 相手の気持ちがわからない
- 初めての場所が不安
- 運動が苦手
- 学習が苦手
- マニュアルから外れる作業はパニックになる
- 衝動性
日常生活における困難を挙げていくと、ここでは書ききれないほど多様です。
また、「ASD+ADHD」「ADHD+学習障害」というよう2つ以上の発達障害を併発しているケースでは、さらに多様な症状に悩まされることも少なくありません。
発達障害は、医師の主観によって診断されます。
まれに脳の画像診断も行われるようですが、発達障害以外の脳障害の除外診断に行われるだけであり、発達障害において客観性のある診断方法はありません。
このように症状が多様で、診断自体も客観性がみられない発達障害において「治る」という価値観を統一すること自体が難しいと考えています。
発達障害にみられる変化
カイロプラクテイック心で発達障害のこどもにみられる変化をご紹介します。
発達障害のこどもにみられる大きな問題は、感覚過敏や不安感の強さ、身体的な不調などから学校に通うことが困難となるご相談が多いです。
なかには通常の学級には通えず、特別に1人で授業を受けられる配慮をしてもらいながら通っているケースもあります。
このようなケースでは、学校に通えるようになる変化がみられます。
少し細かい変化としては、友達と一緒に遊べたり、落ち着いて勉強ができるようになったりします。
また、運動が得意になって喜ばれることもあります。
発達障害でみられる振る舞いが全て解消されるには時間がかかるかもしれませんが、3~6ヶ月程度でこのような変化がみられることが多いです。
医学的に「発達障害が治っている」とは言えませんが、日常生活を友達や家族と楽しく送れることは目標にしてサポートさせていただきます。
カイロプラクティック心の立ち位置
カイロプラクティックだけで、全ての発達障害の原因に対応できるワケではありません。
医師、臨床心理士、言語聴覚士、作業療法士、栄養などそれぞれの得意分野を活かしていくことで、色々な原因が考えられる発達障害に対応してくことができるとカイロプラクティック心は考えています。
花の成長で例えるなら、花の土台となる土、栄養となる水、光合成をするための太陽が必要であり、どれが欠けても元気な花を咲かすことができません。
カイロプラクティックは、身体面から神経発達を促す役割を受け持つことができます。
しかし、そこに栄養が足らなかったり、心の問題などがあれば、成長が促されません。
反対に療育での教育プログラムが上手くいかないケースは、カイロプラクティックで神経発達を促すことで教育プログラムが上手く進んでいくこともあります。
また、成長の過程では環境調整や薬が必要になることもあるかもしれません。
そして、何よりも子供の成長には親御さんの協力が不可欠です。
カイロプラクティック心は、脳のアンバランスを改善させて神経発達の土台を築きます。発達障害を支援していく上では、栄養や心理面のケア、家庭での支援も重要と考えています。
発達障害の対応は早い方が良い
カイロプラクテイック心は、発達障害の対応は幼少期といった早い段階から行ったほうが良いと考えています。
病院では年齢を重ねていくことで困りごとへの対応を覚えて、社会人になる頃には困りごとが少なくるとも言われることがあるようです。
また、発達障害支援法や企業の理解により、以前よりかは社会での困りごとは減ったのかもしれません。
ただ、全ての人が困りごとに対応できるワケではなく、現実的な問題としてうつや不安障害など精神疾患を併発する人も多いとされています。
なかには会社が合わずに辞めたり、生活保護を受けて生活していることを聞くこともあります。
発達障害でなくとも社会は厳しい側面もあり、まだまだ理解ある企業は少ないと考えられます。
厳しい言い方をすれば、発達障害だからといって甘えることはできず、支援する代わりに他の社員と同じ働きをしなければ、認めてもらえないのは当然ではないでしょうか。
そのため、社会のルールやしつけなどの教育は、発達障害のこどもであっても重要と考えています。
早い段階から困りごとが減れば、学校での困りごとが少なくなり友達や先生などと関りをもつこと脳の発達も促され、社会性も身につきやすいと思います。
それが、社会人になる前にやっと社会と関われるようになっても、個人的には社会生活は大変だろうと感じてしまいます。
このような理由から、発達障害の対応は早い方が良いと考えています。
発達障害だからと諦めないで
発達障害の原因は、医学的には誰もわかっていないことが現状です。
そのため、医師に「治らない」と告げられたとしても全ての症状が良くならないワケではありません。
なかには環境調整をしている子どももいるかと思いますが、災害が起きたり、新しい環境に変わったりしたときも環境調整ができるとは限らないです。
個人的には、どのような環境下でも生活が送れるほうが良いと考えています。
カイロプラクティック心は、発達障害に関わらず神経機能を評価してアプローチしています。
また、発達障害に有効なBBITの認定療法士でもあります。
発達障害だからといって諦めず、楽しく快適に生活できるようカイロプラクティック心ではサポートさせていただきます。
あなたのお子様が良くなるかご不安かと思いますので、LINE、メールでご不明な点、ご質問など無料でお答えさせていただきます。
あなたのお子様が良くなるかご不安かと思いますので、LINE、メールでご不明な点、ご質問などお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール

- カイロプラクター
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伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
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