自律神経失調症は病気??
自律神経失調症という言葉は、一般的に知られていますが、「どのような状態を指すのか?」「どのような治療方法があるのか?」など具体的には知らない人も多いです。
そのため、自律神経失調症と感じてもどのように行動して良いかわからず、体調不良が継続してしまい、結果としてなかなか体調が回復されないことことも少なくありません。
ここでは自律神経失調症について詳しく解説しています。
自律神経失調症とは
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称とされていますが、国際的には認知されていない病名です。
以下はWikipediaからの引用です。
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されている。疾患名ではなく「神経症やうつ病に付随する各種症状を総称したもの」というのが一般的な国際的理解である。
自律神経の乱れの原因にはうつ病、パニック障害、過敏性腸症候群、副腎、甲状腺などの疾患が隠れていることもあります。
このようなことから、自律神経失調症は病名ではなく症状を指す言葉のため、自律神経失調症を引き起こしている疾患がないかをまず検査する必要があります。
自律神経失調症の診断方法
なぜ病名ではない「自律神経失調症」と診断されるのでしょうか?
以下は日本臨床内科医会からの引用です。
正式な病名でないこの言葉が多用されるのは、暫定的に自律神経失調症と診断して、適切にストレスを管理し対症的治療をすれば、重度のうつや神経症に至ることなく、症状が軽快することが多いからです。また、患者さんも医師に「自律神経失調症で、大きな病気ではありません」といわれると安心できるという面もあります。
引用元:日本臨床内科医会
病院の検査では異常が見当たらない自律神経症状を「自律神経失調症」として、そこから症状を悪化させないための暫定的な診断となります。
そして、自律神経失調症を4つのタイプに分類して対処することになります。
本能性自律神経失調症
生まれつき(先天的)の体質が原因とされ、自律神経の調節が苦手なタイプです。
「体力に自信がない」「低血圧」「虚弱体質」の人に多くみられます。
日常生活のストレスが関与していることもなく体質が原因とされるため、生活習慣(食事、睡眠、運動など)の見直しが効果的とされます。
神経症型自律神経失調症
心理面によって自律神経が乱れやすいタイプです。
「体調の変化に敏感」「クヨクヨしがち」の人に多くみられます。
そのため、精神的なストレスで体調を崩しやすく感情の変化が身体の症状に現れやすいです。
心身症型自律神経失調症
日常生活のストレスが原因となるタイプです。
自律神経失調症に多くみられるタイプであり、「几帳面」「努力家」「まじめ」の人が陥りやすいです。
抑うつ型自律神経失調症
心身症型自律神経失調症がさらに進行し、慢性的なストレスが原因となりうつ症状(やる気が起きない、気分が沈みがちなど)もみられるタイプです。
また、精神面だけではなく肉体面(頭痛、微熱、だるさ、食欲不振、不眠など)の症状もみられ、長い間不快な症状が続くことが多いです。
そのため、病院では抗うつ薬が処方されることがあります。
自律神経失調症は何科?
自律神経失調症は先に説明したとおり、正式な病名ではありません。
そのため、まずは自分の症状にあった専門外来を受診しましょう。
- めまい、耳鳴り⇒耳鼻科、神経内科など
- 頭痛⇒頭痛外来
- 動悸⇒心臓血管外科、内科など
- 睡眠障害⇒内科、呼吸器内科など
- 頻尿、残尿感⇒泌尿器科
- 心の問題(やる気がでない、不安が強いなど)⇒精神科、心療内科
なかには自律神経失調症とよく似た症状が現れる甲状腺の機能障害、慢性疲労症候群、副腎疲労症候群、リッキーガット症候群などといった問題が隠されていることもあります。
注意)副腎疲労症候群、リッキーガット症候群は最近の概念であり正式に医学会で認められていないため、診断できる病院も多くはありません。
身体に異常がみあたらなければ、自律神経失調症の疑いとして治療が開始されます(必要に応じて適切な専門医を紹介してもらえるケースもあります)
治療
自律神経失調症は、病名でもなく病院では異常がみあたらない病態であるため、確立された治療方法はありません。
そのため、以下のような対処療法が中心です。
- 薬物療法(症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入剤など)
- 心理療法(一般心理療法、自律訓練法、バイオフィードバック療法など)
- 生活習慣の指導(不規則な生活、食事の偏食など)
薬は補助的にその場の辛い症状を和らげるために使用され治療としては心理療法、生活の見直しが主になるようです。
また、自律神経失調症とされる場合は精神科の受診を勧められることも少なくありません。
ただ気をつけたいのは、前述したように自律神経失調症は日本独自の概念であり、世界各国では初期のうつ症で抗うつ薬を処方されることはあり得ないそうです。
また、前述したように他の疾患の可能性もあるため、診断内容に納得できないようであれば、安易に抗うつ薬に頼らずセカンドピニオンを利用することをおすすめします。
病院の治療は、悪い部分を専門医が治療するため、脳の機能的な問題があったとしても対処されず、結果として原因不明もしくは精神的な問題として処理され改善が難しいケースがあります。
自律神経失調症は病気ではないため対処が難しい
自律神経失調症は、病院での検査に問題がみられないため、確立された治療方法がありません。
そのため、精神的な問題とされて精神科や心療内科を受診するよう勧められることも多いようです。
もちらん、精神的な問題が解決方法の1つになることもあります。
しかし、誰にでもストレスや悩みはあり、全てを精神的な問題にしてしまうことも不健康ではないでしょうか?
カイロプラクティック心は、自律神経失調症の相談を受けることも多いですが、「胸郭の問題で呼吸が苦しい」「前庭系の問題で頭痛やめまいがする」など原因が見つかることも多いです。
なかには食生活や生活習慣を見直すことで体調が回復することもあります。
自律神経失調症のように病院では全く異常がみられなくとも、一つひとつ丁寧に身体状況を確認していくことで症状回復の糸口がみつかることもあるため、体調を回復させたい方は、カイロプラクティック心にご相談ください。