「病院で診てもらったけれど異常はないと言われた」
「リハビリも続けているのに腰痛が変わらない」
「体幹トレーニングを頑張っているのに、ふとした動作で腰が痛む」
このような腰痛が長く続くと「このまま痛みと付き合っていくしかないのかな」と不安になる方も少なくありません。
今回ご紹介するのは、50代女性の慢性腰痛の症例です。
2年前、歩行中に腰痛が悪化。
ふとした動作で左側の腰、特に仙腸関節付近に鋭い痛みが出る状態が続いていました。
整形外科では「異常なし」とされ、その後約2年間、体幹を中心としたリハビリを継続しましたが、症状には大きな変化がありませんでした。
しかし、改めて身体全体を評価すると、腰だけではなく、仙腸関節の動き・筋肉の働き・体性感覚に左右差が確認されました。
そこに着目して施術とエクササイズを進めたところ、12週間後には腰痛を感じる頻度が減り、ウォーキングや家事も徐々に気にせずできるようになりました。
この症例のポイント
今回のケースを簡単にまとめると、以下のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年代・性別 | 50代・女性 |
| 主な症状 | 左側の腰痛、仙腸関節付近の鋭い痛み |
| 発症 | 2年前、歩行中に腰痛が悪化 |
| 整形外科 | 異常なし |
| これまでの対応 | 約2年間、体幹を中心としたリハビリ |
| 検査で確認されたこと | 左大殿筋の弱化、仙腸関節周辺の問題、体性感覚の左右差など |
| 施術・ケア | 仙腸関節へのアプローチ、筋機能へのアプローチ、体性感覚を高めるエクササイズ |
| 経過 | 12週間後、腰痛を感じる頻度が減少 |
| 日常生活 | ウォーキングや家事を徐々に気にせず行えるようになった |
3. 2年間リハビリを続けても、なぜ腰痛が変わらなかったのか?
今回の女性は、決して何もしていなかったわけではありません。
約2年間、整形外科で体幹を中心としたリハビリに取り組んでいました。
それでも腰痛は変わりませんでした。
ここで大切なのは、「体幹トレーニングが悪かった」と考えないことです。
体幹を安定させるためのトレーニングは、腰痛の再発予防や身体機能を高めるうえで重要です。
ただし、身体のどこに問題があるのかを確認しないままトレーニングを続けても、今回のように変化が乏しいケースがあります。
今回の症例では、実際に身体を詳しく評価することで、別の問題が見つかりました。
4. 腰痛だけを見るのではなく、身体の「使い方」を確認しました
今回行った主な検査は 「姿勢分析 」「腰痛が悪化する動作の確認」「 触診」「 関節可動域検査」「 筋力テスト」「 カイロプラクティック検査」「 機能神経系」の検査 です。
特に注目したのが、「痛みが出ている場所」と「その場所がうまく働けているか」です。
腰が痛いからといって、腰だけを動かしたり、腰周辺の筋肉だけを鍛えたりすればよいとは限りません。
今回のケースでは、腰痛を誘発する動作や筋肉の働きを確認することで、腰部以外を含めた身体の使い方に問題があることが分かってきました。
5. 検査で分かった3つのポイント
①左側の大殿筋が弱くなっていた 筋力テストでは、左側の大殿筋の弱化が確認されました。
大殿筋は、お尻にある大きな筋肉で、歩く・立つ・身体を支えるといった動作に関わります。
今回のケースでは、左側の大殿筋が十分に働いていないことが、左側の仙腸関節周辺の安定性にも影響していると考えました。
② 仙腸関節周辺の動きに問題があった カイロプラクティック検査では、 仙骨の左回旋 腸骨の外方前方回旋 仙腸関節周辺の筋機能の問題 などが確認されました。
仙腸関節とは、骨盤の中央にある仙骨と左右の腸骨をつなぐ関節です。
今回の腰痛は、この部分に鋭い痛みが出ていたため、仙腸関節がスムーズに動ける状態をつくることも重要だと考えました。
③痛みを感じている場所の「体性感覚」が低下していた 今回、特に重要だったのが体性感覚の左右差です。
体性感覚とは、簡単にいうと「身体の関節や筋肉が、今どの位置・状態にあるのかを感じ取る感覚」 のことです。
今回の女性は、左側の仙腸関節付近で、右側と比較して体性感覚の低下が確認されました。
また、腰部を安定させるために必要な下部腹筋の収縮感も乏しい状態でした。
そのため、「筋肉を鍛える」だけではなく、「身体を正しく感じて、正しく動かす」ことも必要なのではないか と考えました。
6. 施術とエクササイズの内容を変えました
今回の施術では、以下のアプローチを行いました。
- 腸腰筋へのアプローチ
- 仙腸関節へのアプローチ
- 仙腸関節をスムーズに動かすための施術
- 体性感覚を高めるためのエクササイズ
- 下部腹筋などの収縮感を確認するエクササイズ
- 自宅で行うセルフケア などを組み合わせました。
また、自宅でのセルフケアとして、仙腸関節に痛みが出ない範囲で、フローリング・手・ボールなどを利用した触刺激も行っていただきました。
目的は単に筋肉を強くすることではありません。
「身体を感じる」→「関節を動かす」→「必要な筋肉を使う」 という身体のコントロールを再学習していくことを重視しました。
7. 施術後、腰痛はどのように変化したのか?
初期には、左側の仙腸関節付近に鋭い痛みが現れていました。
施術では仙腸関節の動きを確認しながらアプローチを行い、本人からも腰から身体を曲げたときにスムーズに動かせる感覚がでてきたとの反応がありました。
その後、週1回程度のペースで施術とエクササイズを継続。
すぐに痛みがなくなったわけではありません。
しかし、徐々に変化が現れ、12週間後には腰痛を感じる頻度が減少。
ウォーキングや家事なども、以前より腰痛を気にせず行えるようになっていきました。
この症例で重要なのは、「1回で痛みがなくなった」というケースではない ということです。
2年間続いていた腰痛だったからこそ、身体の状態を確認しながら、段階的に変化を積み重ねていきました。
8. なぜ「体幹トレーニングを続けるだけ」では変化しなかったのか?
今回の症例について、当院では、 体幹トレーニングそのものに問題があったのではなく、その前段階で確認しておくべき身体の問題が残っていたと考えています。
実際、体性感覚の左右差や仙腸関節の動き、筋肉の協調的な働きなどが確認されました。
そのため、まず関節がスムーズに動ける状態をつくり、身体の感覚を確認しながらエクササイズを行いました。
これは、腰痛に限った話ではありません。
例えば、 「筋トレをしているのに痛みが変わらない」 「ストレッチを続けているのに改善しない」 「リハビリを長期間続けているのに変化が乏しい」 という場合には、その運動が悪いのではなく、現在の身体の状態と運動の内容が合っているかを一度見直すことが重要です。
9. この症例から分かること
今回のケースから、私は3つのことが重要だと考えています。
① 腰痛が長引いているからといって、努力が足りないとは限りません
2年間リハビリを続けても変化がなかったからといって「もっと頑張ってトレーニングしなければ」 とは限りません。
まず、現在の身体の状態を確認することが大切です。
② 「痛い場所」と「確認すべき場所」は同じとは限りません
今回、痛みは左側の腰、仙腸関節付近にありました。
しかし、検査では大殿筋の働きや体性感覚などにも問題が確認されました。
腰痛だから腰だけを見るのではなく、身体全体がどのように動いているのかを見ることが重要です。
③ 長期間続いている腰痛ほど、段階的な対応が必要です
今回の症例では、12週間かけて徐々に腰痛を感じる頻度が減り、日常生活で腰を気にする場面も減っていきました。
長期間続いている症状ほど、原因が一つとは限らず、複数の問題が重なっている場合があります。
そのため、検査→施術→エクササイズ→再評価という流れで、その時点の身体に合わせて進めていくことが重要だと考えています。
10. 「リハビリを続けても変わらない腰痛」でお悩みの方へ
- 長期間、腰痛が続いている
- 病院では「異常なし」と言われた
- リハビリを続けているけれど変化がない
- 体幹トレーニングをしているのに腰が痛い
- ウォーキングや家事で腰痛が気になる
- どこを改善すればよいのか分からない
以上のことでお悩みなら、「もっと頑張る」前に、一度身体の状態を確認してみることをおすすめします。
今回の症例も、2年間リハビリを続けていたにもかかわらず、別の視点から身体を評価することで、これまでとは違う問題が見えてきました。
ただし、すべての腰痛がカイロプラクティックの適応になるわけではありません。
骨折や腫瘍、内科的疾患など、病院での診療が優先されるケースもあります。
現在病院で治療を受けている方は、自己判断で治療を中止せず、医師の指示を優先してください。
11. あなたの腰痛も、一度「身体全体」から確認してみませんか?
「2年間もリハビリを続けてきたのに、なぜ変わらないんだろう」 そう感じているのであれば、努力が足りないと決めつける必要はありません。
腰痛の原因や身体の使い方は、一人ひとり異なります。
カイロプラクティック心では、腰の痛みだけを見るのではなく、姿勢・関節の動き・筋機能・身体の感覚などを確認したうえで、その方に必要な施術やエクササイズを考えていきます。
「自分の場合は何を見直せばいいのか知りたい」という段階でも構いません。
LINEからご相談ください 「2年間リハビリをしているけれど、腰痛が変わらない」 「病院では異常なしと言われたけれど、痛みが続いている」 という方は、まずLINEからご相談ください。
現在の症状やこれまで受けてきた治療についてお聞きしたうえで、当院で対応できるケースなのかをご案内します。
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※あくまで一症例であり、すべての慢性腰痛が同じ経過をたどるわけではありません。
12. 関連ページ
腰痛についてさらに詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。
腰痛そのものについて詳しく知りたい方
→ 腰痛の原因、施術方針、セルフケア、よくある質問などをまとめています。
他の腰痛症例も見たい方
→ ぎっくり腰、慢性腰痛、スポーツによる腰痛など、異なる背景を持つ症例をご覧いただけます。
慢性的な腰痛について知りたい方
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投稿者プロフィール

- 施術歴18年 第一種認定カイロプラクター BBIT認定療法士 栄養コンシェルジュ®2つ星の資格
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伊勢市小俣町にあるカイロプラクティック心の代表です。
施術歴15年以上、1万人以上の施術経験と第一種認定カイロプラクターの資格を保持し、日本カイロプラクティック師協会の副会長を務めています。
慢性的な痛みやしびれ(腰、手足、頸部など)の症状改善の専門家
ほかにも栄養コンシェルジュ®2ツ星、BBIT認定療法士(脳機能ベースに神経可塑性を利用したアプローチを行う)に資格も保有して、筋骨格系、栄養、中枢神経系を介した独自のアプローチを行っています。
自律神経失調症、めまい、頭痛など栄養や中枢神経系が関与する原因に対しても、根本的な改善を行います。
BBIT療法は原始反射統合、感覚統合、脳の側性化、多感覚アプローチなどを用いて発達障害に有効であり、日本に数十人しかいないBBIT認定療法士の一人です。






















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