部位別の症例報告(改善例)

伊勢市|腰痛カイロプラクティック改善例(症例報告)

カイロプラクティック施術の腰痛改善例

カイロプラクティック心の腰痛改善(症例報告)ページです。日々の臨床を綴っておりますので、宜しければご覧ください。また、このページは随時、症例を追加していきます。

腰痛の原因からカイロプラクティック心の施術について詳しく知りたい人は、こちらもご参考ください。

腰痛の原因から伊勢市カイロプラクティック心施術について

症状名のない腰痛改善例(症例報告)

病院で診断名を告げられていないケース(軟骨がすり減った、椎間板が狭いなど)病院へ行っていないケースのカイロプラクティック施術による腰痛改善例です。

1ヶ月前から圧迫感のある腰痛に伴いフラフラした感覚がある

60代 女性

〇主訴

一ヶ月前に長時間、草抜きをした後に腰痛が発生し痛みが続いている。また、腰を痛めた直後から立つとフラフラした感覚がある。

〇既往歴

弱視、冷え性、日常的に下痢気味

〇病院での診断

神経内科⇒異常なし

整形外科⇒背骨と背骨の間が狭い

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 機能神経検査
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

片脚立ちをしてもらうと右側がバランスを保てない。その他、眼球運動、回外回内テストなど機能神経をみていくと左側大脳機能低下が推測される。

触診では首、肩回りの筋緊張が強くみられる。

首周辺には身体の位置を脳に伝える固有受容器が多数あり、肩こりはめまいの原因になり得る。

これらの要因がふらつく感覚を誘発していると推測される。

また、冷え性、下痢気味ということから体循環も衰え、腰痛がなかなか改善されていないと考えられる。

とくに下痢のように内臓に問題がみられると腹部が緊張してしまい、腰を反らせる動作に制限がみられることが多い。

〇カイロプラクティック心の施術

腰痛の改善(動作痛をなくすことを目的)させるために、循環系、内臓を優先的に施術を行う。

初回は大腸と関係する腸骨筋の調整及び、鎖骨下のリンパ循環(小胸筋)の調整を行ない、姿勢変化と症状の緩和がみられた。

2~4回は、大腸マニュピレーション、リンパ循環(乳び槽、左鎖骨下リンパを中心)をメインにして施術を行った。

4回目以降、腰痛は当初より10⇒3まで痛みが軽減していたが、ふらつき感が残っている状態であった。そのため、左大脳機能低下に対する関節への刺激(カイロプラクティックアジャストメント)ホームワークを追加して行った。

8回目には腰の圧迫感、ふらつき感がほとんどない状態まで回復した。(週1回のペースで8回の施術)

8回目以降は、徐々に施術期間を伸ばし12回目(最終は1ヶ月に1回)の施術で症状の再発がみられなかったため、本人の希望により施術終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

腸骨筋は股関節を曲げる筋肉であり、草むしりでしゃがみ続けたことでダメージがあった可能性があります。

また、腸骨筋は骨盤部に付着し腰部の安定化に関与するため、問題が起これば腰痛の原因になります。

ただ、筋肉のダメージだけであれば、自然に腰痛が改善するケースも多いですが1ヶ月間痛みが継続しふらつき感まであるため、循環系、神経系、内臓系にも注目し施術を行いました。

リンパというと手足の末端からマッサージをするイメージをもたれる人も多いですが、身体の中心(心臓付近)にリンパ管の本管があり、末端からのマッサージは時間もかかり効果は少ないです。

そのため、カイロプラクティック心では、リンパ循環のアプローチは中心から行い、末端をマッサージすることは少ないです。

また、大腸も体内の水分調整に関わり、腰部に筋肉(腰方形筋)の緊張させることがあり、腰痛の原因になります。これらの調整で腰痛に痛みが緩和されました。

ふらつきに関しては、肩の緊張が緩和されることで消失することもあり、神経機能よりも身体のバランスを調整することを優先していました。

4回目以降もふらつき感があったため、機能神経も見直し左大脳機能低下がみられたため、それについてアプローチすることでふらつき感も改善されました。

2日前から右側腰の痛み(ぎっくり腰)

60代 男性

〇主訴

2日前に農作業を行っている途中に右側の腰が痛くなってきた。

とくに立ち上がる時に強い腰の痛みがみられる。

〇既往歴

ぎっくり腰は何度か発症している

〇病院での診断

異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診

痛みが強いため、必要最小限の検査のみ

〇所感

仙腸関節を保持すると動作が楽に行えるため、仙腸関節由来の腰痛と考えられる。

また、その周辺の筋肉に圧痛がみられ、筋筋膜性の痛みも誘発されている。

〇カイロプラクティック心の施術

仙腸関節の圧着および腰方形筋の筋伸長テクニック

施術後は、立ち上がりが楽になりスムーズに歩けるようになった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

腰を曲げ伸ばしする動作では、仙腸関節の負担が大きいです。

そのため、仙腸関節へのダメージ(異常な関節運動の誘発、過剰な負荷など)によって、腰痛が誘発されていたと思われます。

腰痛を引き起こす動作に対して、痛みが軽減する方向に仙腸関節を圧着するだけでも関節位置感覚の入力に変化がおこり、結果としてその周辺の筋緊張が適切になりやすいです。

それが結果として、ぎっくり腰の痛みが軽減します。

日常的に体を動かす仕事ではなきため、経過観察をしていただき1回の施術で終了しました。

長時間運転後からの腰痛

20代 男性

〇主訴

1ヶ月前に仕事で長時間、車を運転した後に腰全体が痛くなった。

現在も長時間の座り作業、前かがみでは痛みが悪化しやすい。

また、ひどくなると股関節周辺の痛みや右側下肢のしびれ感を伴う

日常的にランニングをしていたが、現在は休んでいる。

〇既往歴

10年前に右股関節を骨折

〇病院での診断

整形外科⇒背骨と背骨の間が狭い

湿布を処方してもらうが、変化なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 機能神経検査
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

股関節の可動域制限(膝をお腹につける動き)に制限がみられた。

この動きは座位姿勢には重要であり、可動制限は腰部への負担を大きくする。

また、股関節の可動制限だけではなく関節の異常運動もみられるため、股関節を曲げる座位姿勢によって股関節付近の痛みや腰痛が引き起こされると考えられる。

また、股関節を骨折していることもあり、長期間の可動域制限がみられることが考えられ、仙腸関節やその周辺の筋緊張(圧痛あり)もみられた。

腰痛を改善させるためには、股関節の可動域制限および関節運動を回復させると共に、仙腸関節や筋緊張の緩和が必要と考えられる。

〇カイロプラクティック心の施術

股関節の可動域制限の改善及び関節運動学アプローチを行う。

腰方形筋、大腰筋の伸長アプローチなど筋肉にもアプローチを行い、4回目の施術後にはランニングを開始し、ランニングでは痛みが悪化しない状態となる。

長時間座る作業があると痛みが誘発されるため、施術を継続。

座位姿勢で腰椎の椎間孔アプローチおよび仙棘靱帯にアプローチする。

仕事が深夜に除草作業、修理業務が加わる期間となり、作業後にも腰痛を感じるようになった。

また、ゴルフを再開しその後も腰に違和感が生じている。

胸椎のカイロプラクティックアジャストメント、大腿神経マニュピレーション、仙腸関節へのカイロプラクティックアジャストメント、梨状筋の伸長アプローチなどを組み合わせ施術を継続。

20回目の施術時には、長時間の座位作業でも痛みが誘発されなくなった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

時間がかかったケースです。

理由の1つとしては、腰痛の悪化原因となる長時間の座位や仕事が影響し、施術で痛みが回復しても仕事や生活環境によって引き起こされたことが考えられます。

また、仕事で夜勤もあり生活のリズムが崩れてしまうこともあります。

実際に睡眠を長めにとれるように生活を変えていきだけでも、痛みが軽減するケースも少なくありません。

クライアント自身も股関節の可動範囲が狭く、筋肉の影響だけではなく関節包と呼ばれる伸張性の少ない組織にも問題があった可能性があります。

これらの影響によって時間のかかったケースになったと考えられます。

立ち仕事(調理)による慢性的な腰痛

20代 男性

〇主訴

仕事が忙しく立っていることが多いため、仕事中に腰が重だるくなったり、起床時に痛みが強く現れたりする。

〇既往歴

なし

〇病院での診断

なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 機能神経検査
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

右腰部(腰方形筋)に圧痛がみられ、腰椎5番目のカイロプラクティック検査での変位(PRI)がみられた。

動作では腰を曲げるときに痛みが誘発されていたが、股関節の屈曲に制限がみられたため、腰部への負担が大きいと考えられる。

起床時の腰痛は、筋肉の短縮による滑走性の低下(水分が滞っている状態であり、痛みが誘発されやすい)がみられることが多い。

また、腰椎のアライメント変化は、背骨に付着する筋群の働きを阻害することにより他の筋群(今回のケースは腰方形筋)に負荷をかける。

そのため、痛みを改善するためには腰方形筋の伸張性を取り戻すことは必要であるが、腰方形筋への負担を減らすことも重要と考えられる。

負担を減らす1つの手法として腰椎のアライメントを正常することが重要と推測される。

〇カイロプラクティック心の施術

腰椎5番のアライメント不良を改善するために腰椎5番の変位をカイロプラクティックアジャストメント。

また、股関節の屈曲制限および仙骨の回旋変位も持続圧をかけて調整。

腰方形筋の圧痛部位をポイントとして、筋肉を伸長させるテクニックを使用。

施術後に痛みは0となった。

その後、2回施術を行い、施術後の翌日に腰痛を訴えるが翌々日から痛みがなく、仕事でも腰痛がみられなくなった。

4回目の施術後から、仕事の都合や予約のタイミングが合わずに来院できていなかったが、半年後の再来院時には調子よく過ごせたと報告(たまに痛みはあったが生活や仕事に支障がない程度)

〇カイロプラクティック心からのコメント

腰部へのカイロプラクティックアジャストメントが、有効であったケースでした。

翌日に痛みが発症した理由として、今まで右側の腰方形筋への負担で日常生活を送っていましたが、腰椎や股関節のバランスが変わり、今まで使われていなかった部分も使うようになった可能性が考えられます。

そのため、一時的な筋肉痛のような状態が現れ、翌々日には痛みが消失したと推測されます。

全ての人にこのような反応はみられませんが、施術後は72時間くらい体の変化が続くと考えられ、人によっては施術後に変化はなく3日後に痛みが軽減されることもあります。

半年後の来院時も腰部の可動性は保たれ、仕事上で他の部位に負担がかかるため、それらを中心に調整しました。

1ヶ月前からのぎっくり腰から継続する腰痛と左側フクラハギの違和感

70代 女性

〇主訴

1ヶ月前にぎっくり腰を発症し、強い痛みではないが腰痛が継続している。

とくに立ち上がり、歩くときに痛みが強まりフクラハギの違和感も伴い、長時間歩くと立っていることも辛くなる。

〇既往歴

高血圧、高脂血症

〇病院での診断

整形外科⇒異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 関節可動域検査
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

姿勢は腰部が過伸展(反り腰)の状態であり、腰部を反ると腰痛が強まる。

他にも回旋(体を捻じる)側屈(体を横に倒す)でも痛みがみられた。

触診では腸骨筋に圧痛があり、ナクラステスト、トーマステストで股関節屈筋群の短縮(腸腰筋)が考えられる。

股関節の可動域も左側の内旋に制限がみられた。

大腰筋が過剰収縮し、反り腰となることで腰背部が日常的に過活動するため、結果として腰痛が継続していると推測される。

また、股関節の内旋制限により、歩行時に体重移動が十分ではなくなりそれが腰部への負担を増やしていると考えられた。

〇カイロプラクティック心の施術

腰部の過活動を軽減するために腰部周辺の筋緊張の改善及び、関節可動域の回復を行う。

腸腰筋、大腰筋の過剰収縮を改善するためにカウンターストレイン/ストレインを行うと共にストレッチを行った。

腰椎、仙腸関節へのアプローチにより、関節の運動障害にもアプローチ。

また、呼吸エクササイズにより腹横筋の収縮感と腰部のリラックスを感じてもらうエクササイズを行う。

施術後は、腰部を動かしたときに痛みは軽減された。

3日後の来院時には大きな変化はみられないが、フクラハギの違和感は消失していた。

前回と同様の施術を行い、股関節の可動域制限の改善も重点的に行い、セルフケアとして左側の股関節の内旋ストレッチを行ってもらった。

3回目の来院時には初期と比較して10⇒5まで痛みが軽減。

前回までの施術を行い、足関節、肩関節(腕振りの問題)もアプローチした。

4回目の来院時には10⇒1まで痛みが軽減していた。

クライアント自身が様子をみていくということで4回目の施術で終了し、経過観察を行っていく。

〇カイロプラクティック心からのコメント

ぎっくり腰は、何らかの原因によって過剰な収縮がみられた大腰筋が起因していたと思われます。

ただ、それに伴い左側股関節の内旋制限によって、歩行時の動作に問題が生じ腰部への負担が過剰になっていたことが腰痛が継続した原因と考えられます。

ぎっくり腰は、本来は急性痛であり、一般的には2週間で痛みが消失します。

しかし、日常生活の背景で腰部に負担をかけることが続くと腰痛も軽減されにくく、今回のケースでは日課にしているウォーキングであったと考えられます。

その理由として、股関節の内旋制限の改善とそれを維持するセルフケアを指導後に痛みの軽減を実感されていました。

生活の背景に腰痛の原因が絡んでいることが多く、その問題は人それぞれではありますが、それを見極めていくことが重要と再確認させられた症例です。

ここで間違ったアプローチとして、ウォーキングを辞めてしまうことです。

慢性疼痛の問題に「恐怖回避モデル」と呼ばれるものがあり、痛みを強めたくないあまり、不必要に痛みを避けてしまう結果、体の機能まで低下させてしまう悪循環に陥り痛みが軽減しなくなります。

2年前から整形外科でのリハビリ(トレーニング)を行っても改善されない腰痛

50代 女性

〇主訴

2年前に歩行中に腰痛が悪化。

ふとした動作で左側の腰部(仙腸関節当たり)に鋭い痛みが誘発される。

〇既往歴

半月板の除去手術

〇病院での診断

整形外科⇒異常なし

約2年間、体幹を中心としたリハビリを行うが変化なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 関節可動域検査
  • 筋力テスト(NKT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)
  • 機能神経系の検査

〇所感

腰部の屈曲では、腰部に痛みが生じやすかった。

痛みが現れる部位は、左側の仙腸関節

筋力テストでは左側の大殿筋の弱化がみられた。

カイロプラクティック検査では仙骨の左回旋、腸骨の外方前方回旋がみられ、その周辺の筋群(腸腰筋、大腿直筋)の筋紡錘の問題が考えられる。

左側の仙腸関節付近は、右側に比べ体性感覚の低下もみられた。

また、腰部は反り腰であり、下部腹筋の収縮感もない状態。

下部腹筋、左側の大殿筋、中殿筋の弱化がみられることにより、左側の仙腸関節の安定性は低下していると考えられる。

また、痛みを感じている腰部は体性感覚も低下しており、慢性的な腰痛となった一つの原因と考えられる。

施術で左側の仙腸関節の位置感覚、異常な関節運動を改善させつつ、体性感覚の向上(下部腹筋の収縮感、関節運動の習得)を目的としたエクササイズを行う。

〇カイロプラクティック心の施術

腸腰筋にストレイン/カウンターテクニック、仙腸関節へのアプローチを行う。

セルフケアでも仙腸関節に痛みのない範囲で様々な触刺激(フローリング、手、ボールなど)を行ってもらう。

左側仙腸関節への関節運動学アプローチにより、スムーズに腰からの屈曲が行える感覚(クライアントの自覚)

施術では仙腸関節をスムーズに動かせる状態にし、体性感覚および仙腸関節の安定性を目的としたエクササイズを週1回のペースで実施。

徐々にではあるが、12週間後には痛みを感じる頻度が減り、だんだんと気にせずウォーキングや家事などができるようになった。

〇カイロプラクティック心からのコメント

体性感覚の低下は、慢性腰痛の原因となり、対応することで症状の軽減がみられる研究報告もあります。

クライアントは、顕著に体性感覚の左右差がみられました。

また、腰部を安定させるための筋肉の収縮感も希薄でした。

このようなことから、整形外科で体幹のトレーニングを行っても変化がなかったと考えられます。

体性感覚は、固有受容器(筋肉の伸長感、収縮感)振動感覚、圧感覚、関節の位置感覚などの総称です。

施術では関節の位置感覚、固有受容器(筋紡錘、腱紡錘)が正常に働くようにアプローチし、セルフケアやエクササイズで振動覚、圧感覚などの再学習、伸長感や収縮感を向上させていきます。

今回の腰痛の症状軽減は、体性感覚の問題を特定できたことが大きかったと考えています。

トレーニングはその人の問題を把握して段階的に行う必要があり、初期の段階でクリアにしておくべき問題を解決できていなかったため、週2回のリハビリも効果がなかったと推測されます。

そのため、仙腸関節の異常な関節運動、筋の協調運動機能の低下など問題が複雑化し、慢性的な腰痛に進行してしまったと言えます。

慢性化してしまうと、少なからず12週くらいの施術期間を要することも多く、なるべく早期に対応していくことをお勧めします。

スポーツ障害でみられる腰痛

スポーツは競技の特性および体の使い方によって、腰痛を発症しやすいケースがあります。

腰椎(脊椎)分離症が3ヶ所みられる腰痛(野球)

10代 男性

〇主訴

2ヶ月前のスクワットトレーニングで腰痛を発症し、安静と別メニューの練習、病院でのリハビリを行い最近練習を再開したが、座っているだけでも腰が痛くなり、右側の臀部まで違和感が生じるようになった。

〇既往歴

両側の足関節捻挫

〇病院での診断

整形外科⇒腰椎(脊椎)分離症と診断  部位は腰椎5番の両側、腰椎4番の左側

診断された病院でリハビリを行っていたが痛みが再発してからは変化がみられなかった。

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • スクワット動作の確認
  • 触診
  • 原始反射
  • 筋力テスト(NKT)
  • 整形学検査
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション、AKなど)

〇所感

姿勢は反り腰となり、仰向けで寝てもベッドに腰部がつかない状態であった。

そのため、スクワット動作も一見キレイに見えるが腰部の伸展ストレスが強く感じる。

初回の段階では腰部をどの方向(屈曲、伸展、回旋、側屈)に動かしても痛みが悪化する。

原始反射や腹筋動作もみると背骨のコントロールが上手くできていなかった。

また、腰椎の可動性をみると腰椎4番5番は屈曲方向への可動域が減少している

整形学検査で腰椎分離症の陽性反応が現れるか確認も行った。

筋力の機能を検査すると右側の大殿筋の弱化がみられることから、スクワットでの不安定性にはつながる。

その影響は、横隔膜の緊張が関わっており、それに伴い胸椎12番の伸展制限もみられた。

腰椎4、5番の過伸展が腰椎分離症の痛みとして現れている。

また、右側大殿筋の弱化に伴う仙腸関節の関節運動の異常が他の動きの痛みも強めていると推測される。

そのため、仙腸関節を正常な関節運動ができるように補助すると伸展以外は可動範囲が広がった。

痛み自体は仙腸関節、腰椎のストレスを軽減すれば緩和すると思われるが、今後再発しないためには背骨のコントロールが上手くできる必要がある。

 

〇カイロプラクティック心の施術

仙腸関節および腰椎の関節運動を正常に行えることを目的に施術を行う。

初回は大殿筋の機能低下を回復させるため、横隔膜の調整を行なうと共に下肢のアライメント(足関節、膝関節、股関節)を改善させる。

これだけでも伸展動作以外の動きの可動範囲が広がった。

さらに仙腸関節、腰椎4番、5番の関節運動(初回は屈曲運動)を正常に戻すために関節運動学テクニック(AKT)を行った。

初回の施術後、痛みが和らいだため、ランニング、キャッチボールなど軽めの練習を再開したと報告をうけた。

2回目の施術は、腰椎の回旋、側屈の関節運動を正常に戻す施術をくわえた。また、痛みが和らいでいたため、背骨の動きをコントロールするエクササイズを指導(原始反射の統合、背骨を動かすエクササイズなど)

3回目の施術時に授業中に痛みが強まったと報告をうけ、筋機能を再度チェックすると大腰筋の過緊張により大殿筋が弱化していたため、大腰筋の調整も行った。

1週間後の施術のときには、通常の練習が行え、全力で投げたときだけ腰に違和感があると報告をうけた。立位姿勢、投球動作を確認し、足関節が少しグラつくため、足関節を確認し問題部位をアプローチした。

施術後のシャドーピッチングでは痛みが現れなかった。

2週間後に経過を聞くと痛みなく練習に取り組めていたため、違和感がでたら早めに処置をしていくということで施術を終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

腰椎(脊椎)分離症は、腰椎の疲労骨折が痛みの原因とされ、病院では分厚いコルセットを装着し安静にさせることも多いです。

しかし、実際の痛みは、腰椎の過伸展による腰椎の骨同士の衝突(椎間関節症)であると考えられます。

そのため、個人的にはコルセットで固め腰椎の動きを制限してしまうと腰椎伸展位で腰椎が固着したような状態となり、痛みが再発しやすいと考えています。(年齢によっては固定することで分離症の骨が癒合するケースも考えられます)

コルセットの装着は議論されており、治療法としては運動プログラム(腹横筋と多裂筋のエクササイズは有用とされています)を組み込むことが現時点では良いとされています。

そのため、カイロプラクティック心では、痛みのない範囲ではスポーツ活動を行い、エクササイズを組み込んだホームケアをおススメします。

腰椎(脊椎)分離症の施術のポイントは、腰椎の過伸展を防ぐことです。

その過伸展をさせる原因が人それぞれであり、個別に確認していく必要があります。

また、今回のように腰椎(脊椎)分離症だけではなく仙腸関節障害を併発していたり、他の問題と複合的に症状を引き起こしていることも少なくありません。

ただ、腰椎の過伸展をおこしてしまう原因の1つに背骨のコントロールができていない点は共通してみられることが多いです。

今回のケースは、腰椎の関節運動が正常に行われていませんでした。

そのため、関節運動学テクニックにより症状の改善がみられました。

カイロプラクティックは背骨の動きを1つづ検査し、1つの背骨に対してアプローチすることができます。

そのため、腰椎(脊椎)分離症は、カイロプラクティックが有効な症状でもあります。

リハビリで効果がみられなかったのは、トレーニング、エクササイズ、マッサージなどでは腰椎の問題まで解消できなかったことが考えられます。

ただ、正常な運動を継続するためにもエクササイズ、動きの習得は大切になるため、リハビリは大切です。

潜在的には足関節の影響もあり、足関節の調整によって完全に練習復帰ができたと考えられます。

2年前から原因の分からない腰痛(野球)

10代 男性

〇主訴

2年前から腰に痛みが続いている

〇既往歴

右側(利き手)の内側側副靱帯が影響する肘の痛み

〇病院での診断

整形外科では特別な原因はなく、あえて言うならヘルニアっぽく見える所見がある

内科も受診したが異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 筋力テスト(NKT)
  • 整形学検査
  • 可動域検査
  •  
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション、AKなど)

〇所感

動作では、腰部の伸展(腰を反らす)屈曲(腰を曲げる)で腰の痛みが悪化。

筋力テストでは、左側大殿筋、腹横筋の弱化がみられた。

頸部の左回旋によって大殿筋の力が入りやすくなり、腹横筋は腰方形筋(腰部の筋肉)の影響がみられる。

また、腰方形筋には圧痛がみられた。

腰痛に直結する原因は、腰方形筋の伸張性が損なわれ、結果として腰部に痛みを感じやすい状態が継続していたと思われる。

さらには臀部の筋肉が上手く機能していないことで、腰方形筋の過剰に負荷がかかっていたと推測される。

〇カイロプラクティック心の施術

頸部の調整によって、左側大殿筋の力が入りやすくなる。

腹横筋は、腰方形筋の伸長リリース後に力が入りやすくなった。

2回目の施術時は、野球の試合、および練習後も腰の痛みはなく過ごせていた(本人談)

身体を評価すると腰方形筋の圧痛が、一部分に限定されていた。

腹横筋は眼球運動および頸部の動きでさらに力が入りやすくなる。

そのため、施術は頸椎の調整に眼球運動を合わせて行い、腰方形筋の圧痛箇所に対してアプローチした。

〇カイロプラクティック心からのコメント

痛み自体は、腰方形筋の伸張性が損なわれていたことによる原因が大きかったと考えられます。

そのため、初回の施術だけでも痛みが無くなりました。

ただ、腰方形筋に負担をかけてきた原因や腰部への負荷が継続していたのは、腹横筋や大殿筋の機能低下と考えられます。

腹横筋は腰部を安定させる筋肉です。

クライアントに足上げ腹筋を行ってもらうと背骨が反ってしまい、意識してもできない状況でした。

このような状況であると腰部の背骨にも負荷がかかります。

このような動きの問題を改善するためには腹横筋の機能が必要であり、継続したトレーニングも重要です。

1ヶ月前の筋トレ後からの腰痛

20代 男性

〇主訴

1ヶ月前の筋トレ後から腰が徐々に重くなり、来院時は腰を90°曲がるまでに痛みが現れる

〇既往歴

右橈骨骨折

〇病院での診断

整形外科⇒異常なし(湿布、痛み止め薬を服用)

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 機能神経検査
  • 筋力テスト(MMT)
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

腰部の痛みが増悪する動きは、左側屈(左側に体を倒す)屈曲(腰を曲げる)

側屈の痛みは、左側の仙腸関節を座位で圧着すると痛みが消失し、左仙腸関節のLPIが考えられる。

屈曲での痛みは変化がみられず、胸郭(横隔膜)の圧により痛みが若干和らぐ。

他の腰椎、胸椎、股関節の影響では変化なかった。

筋力検査(MMT)では、広背筋の弱化がみられ、その影響が横隔膜であった。

そのため、広背筋のアイソメトリックを行うと痛みも和らぎ腰も曲げやすくなった。

〇カイロプラクティック心の施術

広背筋の筋機能を回復させるために、横隔膜、広背筋のエクササイズを行った。

また、仙腸関節(LPI)を持続圧にて調整。

痛みは残るが、腰部の側屈の痛みは消失し、屈曲動作の可動域も広がったため施術を終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

カウンセリング時に懸垂やラットプルなど広背筋のエクササイズを行った直後くらいから、腰痛が悪化したことがわかりました。

そのため、広背筋をチェックすると筋機能の弱化がみられ、広背筋の機能向上を目的とした施術、エクササイズで一定の回復がみられました。

広背筋は、腰部の安定性には必要な筋肉です。

そのため、広背筋の弱化により腰痛の症状が長引いた可能性があります。

また、広背筋は仙腸関節、上腕骨、胸郭など幅広く付着しているため、それらの影響により回復が追いつかなかったことが考えられます。

ここで問題となる筋機能の弱化は、筋の伸張反射の問題を指し、筋力(ウエイトトレーニング)では問題がみられません。

そのため、ボディビルダーやトップアスリートでも伸張反射に問題がみられるケースは少なくありません。

伸張反射は、姿勢変化や無意識下の体のコントロールに重要な役割を果たします。

そのため、その筋肉を意識的に使うときは問題は見られにくいですが、他の動作や協調運動などでは上手く機能せず、結果としてケガの原因となります。

産前産後からの腰痛

産後から寝起きに腰が特に痛む

30代 女性

〇主訴

産後から腰痛が発生。(産後2ヶ月)

とくに寝起きに腰の痛みが強く、動いていると徐々に痛みが治まっていく。

〇既往歴

とくになし

〇病院での診断

整形外科⇒とくに異常なし

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • 筋力テスト(NKT)
  • 整形学検査
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション、AKなど)

〇所感

クライアントは、動作痛を感じていなかったが、腰部の伸展(腰を反る動作)で腰痛が悪化した。

姿勢は、上半身がのけ反った状態となり、反り腰であった。

筋力テストでは、腹横筋、腹直筋の筋力弱化がみられ、両足を伸ばした状態で足を挙げていくと腰に痛みを感じる。このことから腹圧の低下によって反り腰が誘発されていると考えられる。

反り腰であると、足を伸ばして寝ることによって腰部の背骨同士の接触が強まり、それが結果として寝起きの腰痛として現れることがある。そのため、腹圧の機能回復を優先的に行う必要と考え、施術を行う。

〇カイロプラクティック心の施術

AKの考えでは、姿勢の不均衡がある場合にその歪みによる張力は最終的に頭頂部に現れるとされ、今回のケースでも頭頂部にあたる矢状縫合を調整すると、足を挙げたときの腰痛が解消された。

他の腹筋弱化の要因を探っていくと、右側の横隔膜の影響が考えられ、横隔膜および胸郭の調整を行った。

初回の施術では起き上がるときに痛みがみられたが、2回目以降の施術では痛みが軽減していた。

2、3回目の施術で他の腹筋弱化要因、関節可動域の問題などをチェックし、腰痛が再発しなかったため、施術を終了。

〇カイロプラクティック心からのコメント

出産後は、妊娠中にお腹が大きくなることで腹筋群が伸ばされ続け、お子様が生まれることで急激にお腹が元に戻ります。それが、結果として腹筋を縮める能力が退化し、結果として腹圧の低下に繋がっています。

出産後は、お腹に力が入らないことを経験している人がほとんどではないでしょうか。

そのため、産後は腹圧の機能を高めてあげることが大切です。最近では、EMS(Electrical Muscle Stimulation:電気筋肉刺激)でインナーマッスルを鍛える方法もあります。短期的には有効ですが、EMSの刺激だけでは中枢神経からの指令に反応しずらいため、長期的にみると腹圧が低下しやすくなります。

カイロプラクティック心では、腹圧の機能低下の原因を改善させたうえで、簡単なホームエクササイズを指導し腹圧の機能を高めていきます。

そうすることで、EMSを使用しなくても腹圧の機能が高まり、腰痛が改善されます。

産後であると「骨盤矯正」を想像する人は多いですが、必ずしも必要ではありません。産後のケアで大切になるのは、出産前後で負担のかかった部分および、機能が低下した部分を速やかに取り除くことです。

妊娠中に急激に腰が痛くなった

30代 女性(妊娠7ヶ月)

〇主訴

2日前に洗濯物を干していた時に急激に腰が痛くなった。

〇既往歴

とくになし

〇病院での診断

産婦人科⇒安静の指示

〇カイロプラクティック心の主な検査

  • 姿勢分析
  • 腰痛の悪化する動作の確認
  • 触診
  • カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)

〇所感

足関節の回内足(右側)がみられ、足底を安定する位置で保持すると腰を曲げる動作で痛みの軽減がみられた。

座位では立位ほど痛みが強くないため、足関節の影響が大きいと思われる。

骨盤部も座位で確認すると、やや可動域に差がみられた。

〇カイロプラクティック心の施術

足関節(とくに右側)と仙腸関節にアプローチを行う。

腰の痛みは少し残るが、立った時の動きが楽に感じる(本人談)

本人の希望により、臨月まで1~2週間に1度のペースで施術を継続。

2~3回の施術で日常的に腰の痛みを気にせず過ごせるようになり、出産の日を迎えることができた。

〇カイロプラクティック心からのコメント

妊娠中はホルモンの影響によって関節を安定させる人体が緩む状態となるため、腰が痛くなりやすいです。

妊娠中の生理現象によって引き起こされてる側面もあり、施術を行っても再発する可能性は高いですが、腰の痛みは改善可能です。

ただ、出産間近まで運動は可能なため、その人に合ったケア方法を指導することで痛みを軽減していくこともできます。

今回のケースは、腰部だけではなく足関節も影響していました。

足関節は体を支える土台となるため、足関節の問題により腰部周辺の筋緊張の状態も変わり結果として腰の痛みが誘発されることがあります。

関節の位置は常に脳へ情報が伝わり、それをもとに筋緊張が決定され立位姿勢や動作を行うことができます。

関節情報にエラーが生じると無駄な筋緊張が現れ、結果として痛みにつながります。

このメカニズムを応用し、妊娠中でもソフトな刺激でアプローチし、腰痛を改善することも可能です。

また、仙腸関節のアプローチも座位姿勢で行えるため、より負担の少ない方法を選択しながら施術を進めます。

投稿者プロフィール

カイロプラクティック心
カイロプラクティック心カイロプラクター
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。

病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。

機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。

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