パッと読みたい人は見出しをクリック
変形性股関節関節症、グロインペイン症候群などカイロプラクティック施術による股関節の痛み改善例
股関節は身体の中でも自由に動く関節です。
そのため、多くの筋肉が協調して股関節を動かすため、何らかの原因で協調運動が低下すると正常な関節運動ができずに股関節を痛めることがあります。
また、関節の運動連鎖(バイオメカニクス)異常など股関節以外に問題があることも多いです。
股関節の痛みは、カイロプラクティック施術で改善可能です。
ここでは、股関節痛の改善例を随時UPしていきます。
スポーツ障害による股関節の痛み
グロインペイン症候群、股関節インピージメント症候群などスポーツ障害でおこりやす股関節の痛みもあります。
ここでは、スポーツ障害による股関節の痛みの改善例を随時UPしていきます。
グロインペイン症候群と診断された股関節の痛み(野球)
10代 男性
〇主訴
3週間前、ランニング練習中に股関節の痛みを感じ走れない状態になった。
病院では安静を支持されたが、痛みに変化がなく歩くだけでも違和感が笑宇治るため、本格的な練習が再開できない。
〇既往歴:現病歴
既往歴は特になし
〇病院での診断
整形外科⇒グロインペイン症候群
MRI診断はされておらず、詳細な痛みの問題は不明
治療は安静のみ
〇カイロプラクティック心の主な検査
- 姿勢分析
- 動作分析
- 触診
- 整形学テスト
- 筋力テスト(NKT)
- カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)
〇所感
姿勢は、痛めている側の股関節を開き気味に立っていた。
また、足底アーチの崩れもみられる。
足を開いたほうが立位が安定するため、痛めている側に体重がかけにくい状態とも考えらえる。
ただ、体重をかけただけでは痛みは発生しない。
動作では、股関節の伸展(足を後ろに引く)、屈曲と外転を組み合わせた動きで痛みが再現できる。
痛みを感じる部分は、股関節前(骨盤部の上前腸骨棘付近)であった。
整形外科を受診したときは、恥骨付近も痛みを感じていた。
他動的に動かしたときは、股関節の伸展、屈曲と内転を組み合わせた動きで痛む(屈曲、内転では恥骨付近が痛む)
筋力テストでは、痛めている側の大殿筋、縫工筋の弱化がみられた。
この影響として大腰筋が考えられる。
また、股関節周辺の筋力テストで痛みを伴うものはなく、筋損傷の影響は少ないと言える。
グロインペイン症候群は筋損傷を起こすケースもあるが、今回はその可能性が少ない。大腰筋の過剰緊張がみられ、股関節インピージメントに近い症状がみられる。
また、筋弱化の影響から上前腸骨棘に付着する筋(大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋)の滑走性も低下したため、脚を後ろに引いたときにも痛みを感じてると推測される。
〇カイロプラクティック心の施術
大腰筋へのアプローチ、上前腸骨棘付近の滑走性の向上、股関節の関節運動を中心に施術を行った。
4日後の施術時には10⇒2程度まで痛みが軽減したと報告を受ける(クライアントの自覚)
股関節の伸展(脚を後ろに引く動作)で痛みが残るため、股関節伸展動作の正常な関節運動の獲得を目的に施術を行う。
1週間後の施術では、練習試合にも出場できたと報告を受ける。
股関節の伸展の連動性を高めるため、足関節、前脛骨筋へのアプローチを行い痛みが消失。
2週間後の施術時には練習で痛みを感じることはないと報告を受け、施術を終了。
それから2週間後の公式戦にもスタメンで出場できた。
〇カイロプラクティック心からのコメント
グロインペイン症候群は、内転筋腱障害、腸腰筋機能障害、鼠径部管後壁欠損、鼠径ヘルニア、外腹斜筋腱膜の損傷など鼠径部(股関節前)周辺の病態を総称です。
また、鼠径部痛症候群とも言われます。ダッシュに加え、急激な方向転換、キック動作の多いスポーツに多くみられます。
今回のケースは、腸腰筋機能障害がみられると共に股関節インピージメントが考えられる症例でした。
グロインペイン症候群は、筋損傷もみられるケースもあり、回復まで長引くことも多いです。
今回は筋損傷がなく腸腰筋機能障害、関節の異常運動(インピージメント)が主な原因と考えられるため、早期に改善し試合にも間に合いました。
股関節のインピージメントは、股関節の痛みの原因としては多くみられ、ランニングでは、太ももを上げる動作で痛みが現れやすいです。
今回のクライアントは、屈曲とは反対の伸展動作でも痛みを感じており、伸展動作の関節運動も異常がみられました。
今回のような関節の異常運動、筋肉の機能障害が原因であると、カイロプラクティックは効果的に早期改善が見込めます。
股関節前の強い痛み
30代 女性
〇主訴
2ヶ月前にランニング中(トレラン)に痛みが強まる。
初めて発症したのは18年前に治療を受けた際に痛みが発症し、スポーツを継続したことで悪化し現在に至る。
〇既往歴:現病歴
両足首の捻挫
交通事故による腰部打撲
〇病院での診断
18年前のMRI診断では異常なし
※整体、鍼灸の治療は定期的に継続していた
〇カイロプラクティック心の主な検査
- 姿勢分析
- 動作分析
- 関節可動域検査
- 触診
- 整形学テスト
- 筋力テスト(NKT)
- カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)
〇所感
股関節を最大屈曲(膝をお腹につける)および内旋(膝を内側に入れる)を加えると痛みが再現された。
自動運動(自力で行う運動)は、膝を伸ばしたまま股関節を曲げると痛みを感じる。
また、座位で股関節を曲げる動きは痛みが生じた。
これらのことから、股関節の屈曲動作に関わる筋骨格系の問題が考えられる。
筋力テストでは、大殿筋および中殿筋の弱化が見られ、腰椎前弯が下肢の挙上位でもみられるため、腹筋の機能も低下していると推測される。
これらの筋肉の機能低下によって、股関節の屈筋である大腰筋が代償的に働き負担が大きくなり、それが結果として股関節の痛みの原因と考えられる。
また、慢性的な痛みでもあるため、関節の異常運動(股関節前方インピージメント)も誘発されていた。
〇カイロプラクティック心の施術
股関節は、骨盤部・体幹部と同じユニットであり、連動性を確認し腰椎4番と右仙腸関節のモビリゼーションを行うと股関節の屈曲が楽に感じられた(本人の感想)
長内転筋、大腰筋を伸長させるリリーステクニックによって、大殿筋、中殿筋の力が入りやすくなった。
股関節の異常運動に対しては、大腿骨頭の後方への動きを補助することで股関節の違和感が軽減するため、自動運動を伴う関節運動テクニックを行った。
主にこれらの施術を10回行うことで、立ち仕事は無理なく行えるようになり、10Kのランニングも痛みがなかった。
〇カイロプラクティック心からのコメント
強い痛みは、筋肉の過剰な短縮によって生じていたと考えられます。
一般的に言われている筋膜は、高密度化(弾性がない状態)になると痛みを感じ取る受容器(センサーの役割を果たして脳に伝える)が刺激されやすくなります。
※筋膜は間違った解釈で広まっており、世界的にはファシアという共通言語で研究されています
そのため、日常的に負荷のかかっていた大腰筋、長内転筋に痛みが生じていたと考えられます。
また、長期化することで股関節の前方インピージメント(股関節を形成する骨同士が衝突)も引き起こされていました。
そのため、股関節の異常運動にもアプローチすることが大切です。
全体の連動性として体幹と四肢が上手く機能していため、股関節の屈曲時に腰椎が前弯していると考えられます。
そのため、ホームエクササイズで体幹と四肢を動かしてもらいました。
痛めたのは18年前であり、鍼灸や整体で筋肉を緩めてもらうと楽になり、スポーツを再開すると悪化するといったことを繰り返しています。
恐らく筋肉の影響の痛みは施術によってとれましたが、股関節に負担をかける原因まで解決できていなかったことが長期化した要因と思われます。
そのため、カイロプラクティック心では股関節にかかる負担を筋力面、動作面から考察して、アプローチしました。
スポーツ障害以外の股関節痛
スポーツ障害以外の股関節痛の改善例を随時UPしていきます。
急激に痛くなった股関節
40代 男性
〇主訴
車に乗った瞬間に「ギクッ」とした感覚があり、それ以降から股関節(後側)の痛みがあり、体重を乗せるのも苦痛な状態。
〇既往歴:現病歴
既往歴は特になし
〇病院での診断
整形外科⇒股関節炎
過去にも同様の痛みがあり、そのときは股関節炎と診断された
〇カイロプラクティック心の主な検査
- 姿勢分析
- 動作分析
- 触診
- 整形学テスト
- 筋力テスト(NKT)
- カイロプラクティック検査(モーションパルペーション・AKなど)
〇所感
立位姿勢は、痛みのある側に体重が乗せられない。そのため、痛い側を引きずるように歩く。
モモ上げ(股関節の屈曲)はできるが、膝を開く(つま先を外側に開く方向)動作は、少しでも動くと痛みが強まる。
また、寝た状態で力を抜かせて股関節を検査すると大殿筋(お尻の筋肉)のストレッチポジションで強く痛みを感じる。
触診で痛みの部分をみると大殿筋の付着部(お尻側およびフトモモ側)に圧痛がみられた。
他の股関節可動に関わる筋肉をみていくと内転筋群(とくに長内転筋)の過緊張がみられた。
内転筋群を抑えながら股関節を動かすと痛みも軽減して動かすことができた。
下肢全体をチェックすると舟状骨内下方(足底の土踏まずの辺りにある骨)がみられ、舟状骨を正常な位置に修正したポジションでも股関節を動かすことができた。
痛みが強く筋力テストは不可能な状態であった。
内転筋群の過緊張(スパズム)が骨盤や股関節に過剰なストレスを与えて股関節周辺(仙腸関節、股関節の深部)に痛みが発生したと推測される。
〇カイロプラクティック心の施術
内転筋群の緊張緩和を目的に下肢のアライメント(とくに舟状骨)を調整し、長内転筋を伸張させるアプローチも行った。
これだけでも寝た状態での股関節に痛みは軽減されたが、念のため仙腸関節もチェックし調整を行なった。
施術後は、歩いたり、立ったりすると違和感を感じるが、恐怖感がなく動けるようになった。
このまま様子をみるとクライアントの希望で施術を一旦終了。
2週間後に息子さんの施術に訪れたときに、痛みも治まったと報告を受ける。
〇カイロプラクティック心からのコメント
仙腸関節障害にも似た症例です。
仙腸関節に何らかのダメージがあると鋭い痛みを引き起こす特徴があり、圧痛部分、痛みの特徴が似ていました。
ただ、大殿筋の停止部(太ももの骨)にも圧痛がみられるため、仙腸関節障害だけではなく大殿筋のダメージもあったと考えられます。
大殿筋は、股関節、仙腸関節の動的な安定化に重要であるため、上手く機能しないと腰痛や今回のように股関節痛の原因にもなります。
筋力テストは行っていませんが、内転筋群の影響で大殿筋の機能低下が継続していたため、内転筋群へのアプローチだけで痛みが軽減したと考えられます。
また、恥骨部に付着する内転筋群が過緊張を起こすと仙腸関節にも影響を及ぼすため、仙腸関節障害のような痛みを誘発したと推測されます。
投稿者プロフィール
-
伊勢市小俣町でカイロプラクターをしています。
病院では異常が見当たらず、どこに行っても良くならなかった方が体調を回復できるようサポートします。
機能神経学をベースに中枢神経の可塑性を利用したアプローチで発達障害、自律神経症状、不定愁訴にも対応しています。
最新の投稿
- 発達障害2025年1月6日幼児期の発語の遅れに対する脳機能から考えるアプローチ
- むち打ち症2024年12月17日交通事故の高次脳機能障害でお困りの方へ
- 栄養2024年12月3日過敏性腸症候群
- 発達障害2024年11月1日発達障害の個性を活かすための早期介入の重要性
この記事へのコメントはありません。